2015年12月30日
転職エージェントと会計事務所・経理への転職
税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。
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しゃま 様からのお問合せです。
■年齢 38才
■性別 女
■資格 日商簿記2級
■職歴 業種:消費者金融、
職種:経理事務
期間:9年(就業期間は13年、在職中です)
転職歴:2回(サービス業)
■学歴 高卒
■会計事務所経験 なし
■居住地 都市圏
現在、転職を考えています。エージェントを利用したところ、担当の方にスキル不足と言われ経理職、会計事務所への転職は厳しいと伝えられました。
Q.
不足しているスキルは税務業務です。税務申告は税理士にすべてを任せております。
転職はせず短大へ行き税理士受験資格を取得を考えていますが、他にスキル不足を補える方法はあるでしょうか。
A.
率直に言って、相談する相手(転職エージェント)を間違っているような気がします。
転職エージェントは、人材を企業に紹介する仕事です。
紹介料は、働く人の年収の30%くらいが普通です。
年収500万円の人を紹介して150万円になります。
高いですね。
とってもうちでは払えません。
これだけの金額を、紹介会社に払う企業はお金がある大企業が中心になります。
一部の大手税理士法人と慢性的な人不足で即戦力を求める会計事務所以外、会計事務所業界ではほとんど人材紹介サービス・エージェントを使っていません。
「会計事務」は、女性に人気がある職種で有効求人倍率は0.5倍前後で不足感はありません。
最近、会計事務所業界で問題になっているのは応募者の量ではなく、質です。
このため、税理士・有資格者や科目持ちの会計事務所経験者ならともかく、未経験の職員採用に転職エージェントを使う会計事務所はまれです。
経理職・税理士・会計士をターゲットとした、会計業界用の転職エージェントは、
会計事務所ではなく、「大企業の経理」に送り込むのが主な仕事です。
大企業では、基幹人材となる正社員は社内で育てるのが基本です。
大企業でもITの活用で一般事務職は「正社員」から「派遣社員」に置き換わって激減しています。
参照) 「派遣社員と教育(会計事務所編)」
転職エージェントにお金を払ってでも求める人材は、連結決算・連結納税をコントロールするための経験がある即戦力が中心でしょう。
会計士や税理士、連結決算を組む実務経験がある方…。
エージェントの担当の方にスキル不足と言われたのはそういう意味だと思います。
(顧問税理士がいる中小企業の経理で税務スキルで採否が決まるとは考えにくいです)
減点主義の大企業では、高卒である点や、消費者金融という経歴も残念ながらマイナス評価されます。
しゃま 様の場合は、会計事務所や中小・中堅企業の経理への転職の方が現実的でしょう。
なお、しゃま様はすでに税理士受験資格をお持ちなので、短大へ行く必要はありません。
ちょっとわかりにくいですが、税理士試験の受験資格は、
(1)学歴(大卒、短大卒)
(2)資格(簿記1級、全経上級)
(3)職歴
です。
職歴は、銀行に限らず、一般の事業会社の経理経験2年以上で大丈夫です。
受験資格はかなり広く認められています。
「税理士試験の受験資格について」
「職務経歴書」をもらってください。
もっとも、しゃま様の場合は、税理士試験の受験を個人的にはあまりお勧めしません。
今から上場関連企業に経理として入るには、最難関の「法人税法」に合格して一定の実務経験が必要でしょう。合格まででも数年かかってしまいます。
税理士試験はスピードと暗記力が重要な試験で、若ければ簡単ですが、アラフォーで始めるにはつらい試験です。
会計事務所に入るだけなら
男性は、2科目以上合格しているかどうかは重要なポイントですが、
女性の場合は、税理士試験の会計科目の合格と経理実務経験はほぼ同等に評価されます。
(男女差別と批判されそうですが、たくさんの会計事務所経営者との交流から感じる実情です)
経理事務9年という実務経験を生かして、早めに転職活動を開始することをお勧めします。
エージェントに頼るのではなく、自分でさがし、応募する方が良いでしょう。
ハローワークにいったり、ホームページを調べたり、たくさんの媒体を使って頑張ってみてください。
新卒のときと同様の熱意で30社でも50社でも履歴書を出してみれば、どこか決まると思います。
それでも決まらなければ、
「あきらめずに会計事務所に就職する方法」
スキル不足を補えるのは、実務経験が一番です。
転職活動頑張ってくださいね。
それ以外で強いて言うなら
会計事務所なら、税理士試験(「法人税法」、「消費税法」、「相続税法」)の勉強(合格しなくてもいい)、
経理職なら、簿記1級でしょう。
=============
最近では、働く人も新卒と違って、忙しいからか、転職活動で楽をして面倒を避け、
どこかいい条件の所が向こうから来てくれないかなあ といった「受け身」の傾向が見られます。
自分に合った会社、近くだったり、会社の考え方に共鳴出来たり、キャリアがきちんと生きたり、今後のキャリアプランに合っていたりといったことを考えて積極的に行動し、伝えられる人が減っています。
採用する側としては、自社のことをよく考えてきてくれた人の方が安心ですし、採用しやすいです。
=============
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税理士法人TOTAL 高橋寿克です。
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■年齢 38才
■性別 女
■資格 日商簿記2級
■職歴 業種:消費者金融、
職種:経理事務
期間:9年(就業期間は13年、在職中です)
転職歴:2回(サービス業)
■学歴 高卒
■会計事務所経験 なし
■居住地 都市圏
現在、転職を考えています。エージェントを利用したところ、担当の方にスキル不足と言われ経理職、会計事務所への転職は厳しいと伝えられました。
Q.
不足しているスキルは税務業務です。税務申告は税理士にすべてを任せております。
転職はせず短大へ行き税理士受験資格を取得を考えていますが、他にスキル不足を補える方法はあるでしょうか。
A.
率直に言って、相談する相手(転職エージェント)を間違っているような気がします。
転職エージェントは、人材を企業に紹介する仕事です。
紹介料は、働く人の年収の30%くらいが普通です。
年収500万円の人を紹介して150万円になります。
高いですね。
とってもうちでは払えません。
これだけの金額を、紹介会社に払う企業はお金がある大企業が中心になります。
一部の大手税理士法人と慢性的な人不足で即戦力を求める会計事務所以外、会計事務所業界ではほとんど人材紹介サービス・エージェントを使っていません。
「会計事務」は、女性に人気がある職種で有効求人倍率は0.5倍前後で不足感はありません。
最近、会計事務所業界で問題になっているのは応募者の量ではなく、質です。
このため、税理士・有資格者や科目持ちの会計事務所経験者ならともかく、未経験の職員採用に転職エージェントを使う会計事務所はまれです。
経理職・税理士・会計士をターゲットとした、会計業界用の転職エージェントは、
会計事務所ではなく、「大企業の経理」に送り込むのが主な仕事です。
大企業では、基幹人材となる正社員は社内で育てるのが基本です。
大企業でもITの活用で一般事務職は「正社員」から「派遣社員」に置き換わって激減しています。
参照) 「派遣社員と教育(会計事務所編)」
転職エージェントにお金を払ってでも求める人材は、連結決算・連結納税をコントロールするための経験がある即戦力が中心でしょう。
会計士や税理士、連結決算を組む実務経験がある方…。
エージェントの担当の方にスキル不足と言われたのはそういう意味だと思います。
(顧問税理士がいる中小企業の経理で税務スキルで採否が決まるとは考えにくいです)
減点主義の大企業では、高卒である点や、消費者金融という経歴も残念ながらマイナス評価されます。
しゃま 様の場合は、会計事務所や中小・中堅企業の経理への転職の方が現実的でしょう。
なお、しゃま様はすでに税理士受験資格をお持ちなので、短大へ行く必要はありません。
ちょっとわかりにくいですが、税理士試験の受験資格は、
(1)学歴(大卒、短大卒)
(2)資格(簿記1級、全経上級)
(3)職歴
です。
職歴は、銀行に限らず、一般の事業会社の経理経験2年以上で大丈夫です。
受験資格はかなり広く認められています。
「税理士試験の受験資格について」
「職務経歴書」をもらってください。
もっとも、しゃま様の場合は、税理士試験の受験を個人的にはあまりお勧めしません。
今から上場関連企業に経理として入るには、最難関の「法人税法」に合格して一定の実務経験が必要でしょう。合格まででも数年かかってしまいます。
税理士試験はスピードと暗記力が重要な試験で、若ければ簡単ですが、アラフォーで始めるにはつらい試験です。
会計事務所に入るだけなら
男性は、2科目以上合格しているかどうかは重要なポイントですが、
女性の場合は、税理士試験の会計科目の合格と経理実務経験はほぼ同等に評価されます。
(男女差別と批判されそうですが、たくさんの会計事務所経営者との交流から感じる実情です)
経理事務9年という実務経験を生かして、早めに転職活動を開始することをお勧めします。
エージェントに頼るのではなく、自分でさがし、応募する方が良いでしょう。
ハローワークにいったり、ホームページを調べたり、たくさんの媒体を使って頑張ってみてください。
新卒のときと同様の熱意で30社でも50社でも履歴書を出してみれば、どこか決まると思います。
それでも決まらなければ、
「あきらめずに会計事務所に就職する方法」
スキル不足を補えるのは、実務経験が一番です。
転職活動頑張ってくださいね。
それ以外で強いて言うなら
会計事務所なら、税理士試験(「法人税法」、「消費税法」、「相続税法」)の勉強(合格しなくてもいい)、
経理職なら、簿記1級でしょう。
=============
最近では、働く人も新卒と違って、忙しいからか、転職活動で楽をして面倒を避け、
どこかいい条件の所が向こうから来てくれないかなあ といった「受け身」の傾向が見られます。
自分に合った会社、近くだったり、会社の考え方に共鳴出来たり、キャリアがきちんと生きたり、今後のキャリアプランに合っていたりといったことを考えて積極的に行動し、伝えられる人が減っています。
採用する側としては、自社のことをよく考えてきてくれた人の方が安心ですし、採用しやすいです。
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※なお、この件に関するコメントは下記のコメント欄をご利用ください。
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インターネットで顔が見えない方に適切な回答をするために、 質問の書式にご協力いただけると幸いです。 情報が不足する場合には回答できないことがあることはご留意ください。
また、このサイトもありがたいことに皆様のご質問をいただき、事例が増えてきました。
ご質問の前に、同様な質問が無いかご確認いただけると幸いです。
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