2015年05月05日
運輸業から税理士事務所への転職
税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。
GWもそろそろ終わりです。
会計事務所で働いている方は、休み明けは3月決算でお忙しくなりますね。
受験生は、実力判定公開試験等のテスト期ですね。頑張ってください。
税理士法人TOTALは、8月の専門学校(大原簿記学校とTAC)の就職説明会に久しぶりに出ようと思っています。
その前にも随時面接を行って9〜10月入社の内定を出しています。
今年は試験日程の都合で10月入社も増えるかもしれませんね。
早めのご応募お待ちしています。
※追記
その後、採用活動はおおむね順調に進んでいます。大原簿記学校の就職説明会はキャンセルして出ないことになりました。
TACはキャンセルが間に合いませんでした(泣
現在、急募は、東京本部(秋葉原)、さいたま本部です。
その他に、船橋駅前と池袋の給与計算事務のスタッフを募集しています(未経験者歓迎)。
ご質問はここをクリック
W.K様からのお問合せです。
■年 齢 23歳
■性 別 男
■資 格 簿記2級
■職 歴 運輸業:営業事務 正社員10ヵ月
■学 歴 専門学校卒
■会計事務所経験:10名前後、アルバイトとして12ヶ月目
■居住地 関西
初めまして。いつも参考にしております。
現在、就活中です。
就活を始めた理由が三点あります。
・身内が病気になり、家計を安定させる為
・私が入所して11ヶ月の間に、10名中、7名が退職し、入れ替わりが激しいこと
・粉飾に関する説明を受けたりデータを見て携わりたくないこと
退職者が多い理由は先生で、キツい口調でダメ出しをし、未経験が多い中、ついて行けず退職されました。
私も、少ない経験の中、一社担当をさせていただいた際、次々とダメ出しを受け、粉飾などの違反に関わりを持ってしまうのではないかと仕事が怖くなり、月次入力や補助業務で留まっています。
また、気分屋で雰囲気が悪い事が多く、それも一因かも知れません。
身内の病の事もあり就活をすると話した際、正社員のお話をいただきましたが断り、就活を始めました。
まだ怖さがありますが、この業界でのお仕事が向いてると感じ、主に税理士事務所を受けていますが、前職の浅さもあり「今の所で経験を積んだほうがいいんじゃないか」と言われることが多く、不採用が続いています。
わがままな希望ですが、今は身内の為、家計の事もあり、長く勤務し、実務での経験を積みたいと考え、おだやかな事務所はないかと慎重になっています。
蛇足ですが、前職では毎日、日を跨ぐまで仕事をしていましたが、お給料が今のアルバイトより低いという状況に一年を待たずして退職してしまいました。
Q.
こんな理由で就活を始めた私は甘いでしょうか?
面接でもうまく伝えられず辛く、どこまで話していいものかわかりません。
お厳しい意見でも構いません。
お忙しいとは思いますが、なにとぞお願いいたします。
A.
うーん、つらい道を歩んでこられましたね。ぜんぜん甘くないですよ。
お疲れ様です。この辛さをうまく理解できる会計事務所の所長が少ないのは残念です。
心と体に余裕があるうちに転職しましょう。
税理士には色々な産業のお客様がおられます。
私は、決算打ち合わせを年400社くらいしています(チェックはあと100社くらいしているので500社くらいです)。
決算打ち合わせの数は、おそらく日本で五指には入っていると思います。ひょっとしたら一番かもしれません。
このため、業種別の特徴はある程度わかります。
運輸業は、飲食業と並んで、おそらく労働時間が指折り長い産業です。
時給単価でも最安値を競っています。
飲食業は、ワタミ、王将、ゼンショー、マクドナルドなどの問題が表に出て改善に向かっています。
運輸業は、ここでドライバー不足が深刻になっていますが、コンビニチェーンやamazon等ネット通販のような大手荷主との力関係でもう少し時間がかかりそうです。
税理士事務所は、給与水準は普通です。
時間当たり単価も中小企業としては平均以上かもしれません。
(いわゆる「大企業」に比べればもちろん低いですが)
このため、女性や地域で生きていきたい方にとっては魅力的な職場になります。
もっとも、それゆえに応募者が多く、給与が上がりにくかったとも言えますが。
その会計事務所も、最近の人不足で応募者(特に受験生)が減り、時給は上がる傾向にあります。
税理士業界の欠点は、中小零細事業所が多く、所長次第の要素が強すぎること
当サイトのタイトルにあるように、
「税理士受験生の就職の悩み、税理士事務所・会計事務所は入社しないとわからない。所長次第のロシアンルーレット。」
これで業界外に行ってしまう方が少しでも減るように、一人でも多くの会計人が幸せになるようにこのサイトを書いてきているつもりなのですが…。
所長税理士は、スタッフの成長を求めて、きつい口調で言ってしまうこともあります。
ダメだし・きつい口調→嫌になって辞める人が増える→未経験者が多くなる→失敗→ダメだし・きつい口調→…
の悪循環ですね。
先生はおいくつくらいですか? 普通、50代になると落ち着くのですが、年配なのに個性的なのでしょうか。
30代〜40代前半だと成長意欲が勝ちすぎて無理をする所長税理士も目立ちますが。
それにしても離職率が高いですね。
年間で70%以上の離職率はさすがにあまりありません。
税理士事務所の平均離職率は年15〜20%くらいだと思います。
「税理士事務所・会計事務所の離職率」参照
====================
税理士法人TOTALは、最近の年間離職率は10%くらいです。
うちは転勤族の主婦のパートの方も多いのでそのうち半分(全体では5%)が旦那さんの転勤等,避けられない家庭の事情による退職で、実質離職率は5%くらいです。
そのうちの半分(2.5%)は採用のミスマッチ、
残り(2.5%)が、独立、他業種への転職、体調不良等になります。
だいぶ落ち着いてきましたがまだまだです。
旦那さんの転勤は避けられませんが(多店舗展開して受け皿は増やします)、採用のミスマッチを減らして実質年間離職率を優良上場企業並みの3〜4%にするのが現在の目標です。
====================
「粉飾」の件は、税理士は公認会計士に比べてやや甘い傾向があります。
脱税は税理士法で懲戒ものですが、粉飾そのものでの懲戒はありません。
公認会計士は粉飾を見逃したら犯罪です。それが本来の仕事ですから。
中小企業の場合、金融や公共事業を考えると一定の配慮を必要とする場合もあるのが実情です。
これを合法的にどこまでどう処理するかが税理士の腕でもあります。
もっとも、やり過ぎると、下手をすると詐欺になります。銀行も最近では細かいとことを見てきますから信用を失うことになりかねません。どこまでが法律的、倫理的に許されるかは慎重な対応が求められます。
税理士法人TOTALでは、一部のお客様にはこちらから解約させていただくこともあります。
「今の所で経験を積んだほうがいいんじゃないか」と言われることが多いのは、
W.K様が、社会人経験が浅く、勉強が進んでいないので、
会計事務所経験をもう少し積んで(使いやすくなって)からきてほしいということのような気がします。
転職の条件に、一定の会計事務所経験や科目合格を求める事務所は多いですから。
転職を伝えた際に正社員への転換を勧められたということは、今の所長が一定の評価をする水準にW.K様は達しているということだと思います。
不採用が続くとめげますが、じっくり取り組めば、条件が合う事務所もあるような気がします。
今夏は採用は完全に売り手市場です。
面接では、
(1)運輸業時代は、月間労働時間と給与
(2)前(現?)会計事務所時代は、離職状況
を言い方に気を使いつつ「事実」として述べてみましょう。
そこまでひどいならしょうがないかもと同情してくれる所長も出てくると思います。
せっかく税理士業界に向いているとお感じなら、
あきらめずに就職活動をがんばってみてください。
※なお、この件に関するコメントは下記のコメント欄をご利用ください。
新規のご質問はここをクリック してください。
インターネットで顔が見えない方に適切な回答をするために、 質問の書式にご協力いただけると幸いです。 情報が不足する場合には回答できないことがあることはご留意ください。
また、このサイトもありがたいことに皆様のご質問をいただき、事例が増えてきました。
ご質問の前に、同様な質問が無いかご確認いただけると幸いです。
「過去の質問」はこちら
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。
GWもそろそろ終わりです。
会計事務所で働いている方は、休み明けは3月決算でお忙しくなりますね。
受験生は、実力判定公開試験等のテスト期ですね。頑張ってください。
税理士法人TOTALは、8月の専門学校(大原簿記学校とTAC)の就職説明会に久しぶりに出ようと思っています。
その前にも随時面接を行って9〜10月入社の内定を出しています。
今年は試験日程の都合で10月入社も増えるかもしれませんね。
早めのご応募お待ちしています。
※追記
その後、採用活動はおおむね順調に進んでいます。大原簿記学校の就職説明会はキャンセルして出ないことになりました。
TACはキャンセルが間に合いませんでした(泣
現在、急募は、東京本部(秋葉原)、さいたま本部です。
その他に、船橋駅前と池袋の給与計算事務のスタッフを募集しています(未経験者歓迎)。
ご質問はここをクリック
W.K様からのお問合せです。
■年 齢 23歳
■性 別 男
■資 格 簿記2級
■職 歴 運輸業:営業事務 正社員10ヵ月
■学 歴 専門学校卒
■会計事務所経験:10名前後、アルバイトとして12ヶ月目
■居住地 関西
初めまして。いつも参考にしております。
現在、就活中です。
就活を始めた理由が三点あります。
・身内が病気になり、家計を安定させる為
・私が入所して11ヶ月の間に、10名中、7名が退職し、入れ替わりが激しいこと
・粉飾に関する説明を受けたりデータを見て携わりたくないこと
退職者が多い理由は先生で、キツい口調でダメ出しをし、未経験が多い中、ついて行けず退職されました。
私も、少ない経験の中、一社担当をさせていただいた際、次々とダメ出しを受け、粉飾などの違反に関わりを持ってしまうのではないかと仕事が怖くなり、月次入力や補助業務で留まっています。
また、気分屋で雰囲気が悪い事が多く、それも一因かも知れません。
身内の病の事もあり就活をすると話した際、正社員のお話をいただきましたが断り、就活を始めました。
まだ怖さがありますが、この業界でのお仕事が向いてると感じ、主に税理士事務所を受けていますが、前職の浅さもあり「今の所で経験を積んだほうがいいんじゃないか」と言われることが多く、不採用が続いています。
わがままな希望ですが、今は身内の為、家計の事もあり、長く勤務し、実務での経験を積みたいと考え、おだやかな事務所はないかと慎重になっています。
蛇足ですが、前職では毎日、日を跨ぐまで仕事をしていましたが、お給料が今のアルバイトより低いという状況に一年を待たずして退職してしまいました。
Q.
こんな理由で就活を始めた私は甘いでしょうか?
面接でもうまく伝えられず辛く、どこまで話していいものかわかりません。
お厳しい意見でも構いません。
お忙しいとは思いますが、なにとぞお願いいたします。
A.
うーん、つらい道を歩んでこられましたね。ぜんぜん甘くないですよ。
お疲れ様です。この辛さをうまく理解できる会計事務所の所長が少ないのは残念です。
心と体に余裕があるうちに転職しましょう。
税理士には色々な産業のお客様がおられます。
私は、決算打ち合わせを年400社くらいしています(チェックはあと100社くらいしているので500社くらいです)。
決算打ち合わせの数は、おそらく日本で五指には入っていると思います。ひょっとしたら一番かもしれません。
このため、業種別の特徴はある程度わかります。
運輸業は、飲食業と並んで、おそらく労働時間が指折り長い産業です。
時給単価でも最安値を競っています。
飲食業は、ワタミ、王将、ゼンショー、マクドナルドなどの問題が表に出て改善に向かっています。
運輸業は、ここでドライバー不足が深刻になっていますが、コンビニチェーンやamazon等ネット通販のような大手荷主との力関係でもう少し時間がかかりそうです。
税理士事務所は、給与水準は普通です。
時間当たり単価も中小企業としては平均以上かもしれません。
(いわゆる「大企業」に比べればもちろん低いですが)
このため、女性や地域で生きていきたい方にとっては魅力的な職場になります。
もっとも、それゆえに応募者が多く、給与が上がりにくかったとも言えますが。
その会計事務所も、最近の人不足で応募者(特に受験生)が減り、時給は上がる傾向にあります。
税理士業界の欠点は、中小零細事業所が多く、所長次第の要素が強すぎること
当サイトのタイトルにあるように、
「税理士受験生の就職の悩み、税理士事務所・会計事務所は入社しないとわからない。所長次第のロシアンルーレット。」
これで業界外に行ってしまう方が少しでも減るように、一人でも多くの会計人が幸せになるようにこのサイトを書いてきているつもりなのですが…。
所長税理士は、スタッフの成長を求めて、きつい口調で言ってしまうこともあります。
ダメだし・きつい口調→嫌になって辞める人が増える→未経験者が多くなる→失敗→ダメだし・きつい口調→…
の悪循環ですね。
先生はおいくつくらいですか? 普通、50代になると落ち着くのですが、年配なのに個性的なのでしょうか。
30代〜40代前半だと成長意欲が勝ちすぎて無理をする所長税理士も目立ちますが。
それにしても離職率が高いですね。
年間で70%以上の離職率はさすがにあまりありません。
税理士事務所の平均離職率は年15〜20%くらいだと思います。
「税理士事務所・会計事務所の離職率」参照
====================
税理士法人TOTALは、最近の年間離職率は10%くらいです。
うちは転勤族の主婦のパートの方も多いのでそのうち半分(全体では5%)が旦那さんの転勤等,避けられない家庭の事情による退職で、実質離職率は5%くらいです。
そのうちの半分(2.5%)は採用のミスマッチ、
残り(2.5%)が、独立、他業種への転職、体調不良等になります。
だいぶ落ち着いてきましたがまだまだです。
旦那さんの転勤は避けられませんが(多店舗展開して受け皿は増やします)、採用のミスマッチを減らして実質年間離職率を優良上場企業並みの3〜4%にするのが現在の目標です。
====================
「粉飾」の件は、税理士は公認会計士に比べてやや甘い傾向があります。
脱税は税理士法で懲戒ものですが、粉飾そのものでの懲戒はありません。
公認会計士は粉飾を見逃したら犯罪です。それが本来の仕事ですから。
中小企業の場合、金融や公共事業を考えると一定の配慮を必要とする場合もあるのが実情です。
これを合法的にどこまでどう処理するかが税理士の腕でもあります。
もっとも、やり過ぎると、下手をすると詐欺になります。銀行も最近では細かいとことを見てきますから信用を失うことになりかねません。どこまでが法律的、倫理的に許されるかは慎重な対応が求められます。
税理士法人TOTALでは、一部のお客様にはこちらから解約させていただくこともあります。
「今の所で経験を積んだほうがいいんじゃないか」と言われることが多いのは、
W.K様が、社会人経験が浅く、勉強が進んでいないので、
会計事務所経験をもう少し積んで(使いやすくなって)からきてほしいということのような気がします。
転職の条件に、一定の会計事務所経験や科目合格を求める事務所は多いですから。
転職を伝えた際に正社員への転換を勧められたということは、今の所長が一定の評価をする水準にW.K様は達しているということだと思います。
不採用が続くとめげますが、じっくり取り組めば、条件が合う事務所もあるような気がします。
今夏は採用は完全に売り手市場です。
面接では、
(1)運輸業時代は、月間労働時間と給与
(2)前(現?)会計事務所時代は、離職状況
を言い方に気を使いつつ「事実」として述べてみましょう。
そこまでひどいならしょうがないかもと同情してくれる所長も出てくると思います。
せっかく税理士業界に向いているとお感じなら、
あきらめずに就職活動をがんばってみてください。
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