2015年02月01日

会計事務所の新人教育・研修

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

税理士法人TOTALは、成長率が高く、
良い人がいれば一年中採用を行っています。

2015年2月現在、特に不足しているのは、
・会計入力と給与計算のパートさん(未経験者歓迎!)
・秋葉原、横浜、千葉の外回り担当者
・身体障害者の方(今年から雇用義務が発生します)
・美大出身者
・WEB製作経験者
・司法書士有資格者
です。
ご応募お待ちしています。


ご質問はここをクリック


ボキオ様からのお問合せです。
■年齢  不明(30代後半?)
■性別  男性
■資格  簿記論、財務諸表論
■職歴  大手企業 16年
■学歴  不明
■会計事務所経験 3か月

はじめましてボキオといいます!

今、かなり悩んでいます。
今、働いている会計事務所は、去年の11月からお世話になっているのですが凄く辛くて仕方がないです。

今の会計事務所にお世話になる前は、大手企業に16年勤務していました。
大手企業の現場で働きながら、日商1級をとり税理士試験の受けれる資格を取得し昨年簿記論と財務諸表論を受かりました。

その中、受験仲間に会計事務所に誘われて、転職を決めて入社したのですが…
なんと、その人がかなりの人で、3年で4人の人が辞めてるみたいです!
僕も、未経験ではじめの数年は入力から雑用をしてもらうと聞いてましたが
人がいなく、未経験にもかかわらず経験者並みの質と量を求めてきます。

しかも、人がいないため教育してくれる人はいません。

Q.
これからどのように対応すればいいかアドバイスをお願いします

A.
会計事務所にとって、未経験者の教育は大きな課題です。
従来は、
 ・会計事務所経験者
 ・税理士試験3〜4科目持ち以上の者
が重宝され、大手会計事務所はこのクラスしか採用していませんでした。

会計事務所で、1番教育が充実しているのはBIG4でしょう。
激務ではありますが、20代前半で3科目合格以上なら問題ありません。

次に充実しているのが、50代の所長税理士で業歴が10年以上、人数が10人以上いるところです。
参考までに、会計事務所の教育機能を競う大会の第1回優勝の所長は50歳、第2回は53歳です。苦労をして失敗の中から教育について学んでおられます。
40代前半くらいまでの若い税理士に教育を求めるのは現実的ではありません。社内ルールを作ったり、教育の経験を積んでいるところです。
(ITや教材を駆使して教育していると宣伝している税理士事務所もありますし、うちも検討してみましたが、実態をお聞きするとまだまだのようです。教育は人の力も必要なので難しい)
逆に、60代半ば以上の高齢の税理士の場合は、後継者がいないと意欲が急速に落ちて教育する気になりませんし、職員も10年前と同じ仕事をして、時代についていけなくなっていきます。


「前のを見てやってね」(どこにあるんだ?)
「わからなかったら聞いて」(何がわからないかがわからん)
というのが普通で、

ひどい事務所だと
「見て覚えろ」、「真似て覚えろ」、「技術は教わるのではなく盗むものだ」
の職人、丁稚の世界です。

実は、会計事務所が教育が苦手なのは当たり前で、

(1)全体的な決まったルールがないことが多い
そんなに高いレベルではありません。担当者やお客様ごとに、コピーの取り方や会計処理のルールがバラバラで決まっていない。
バックオフィススタッフの一番の苦労は、それを覚えて間違えずに処理すること。
実はこんなことが零細税理士事務所から大手の税理士法人にいたるまで広く行われています。

(2)教える人がいない
そもそも、所長とそれぞれのスタッフという組織構造が多く、中間管理職がいないことが多い。
ひとりひとりバラバラに仕事をして、成果主義的になって他人の仕事まで関与・協力しないのが最近では普通です。
所長や先輩は忙しくて、気軽に聞ける雰囲気はありません。
昔からの会計事務所では、それを補っていたのが、お局さん番頭さんと呼ばれるベテラン職員です。
最近の新人からは口うるさがられ、面倒臭がられ、流行らなくなってきていますが、実は、やさしい、良い人が多いです。
私は2箇所の会計事務所で2人の優秀な「お局さん」?に教育していただきました。

ありがとうございました。


最近では、会計事務所業界も労働力が不足し、特に税理士試験受験生の減少が著しくなっています。
このため、新人研修が脚光を浴びています。話題になっているところでは、

・無給の研修を2週間〜2か月行う。
本来、有償の研修を、特別に入社前にで受けさせてあげているという形をとる。
「地獄の特訓〇〇日」系から、「実践ツール」で2か月勉強させ即戦力にして入社させる方式まで。
労働法上微妙ですが、入社前なので違法にならないようです。
無給で働かせることに経営者としては違和感はありますが…。

・クレド等を使って教育を行う。
経営理念をよく理解し、事務所の色に染まってもらう。
クレド系は、資格者や受験生の比率が少なく、未経験者や新卒が多いのが特徴です。

===================
税理士法人TOTALは、私の個人事務所時代、郊外の船橋市の中でも相当の田舎で、優秀な経験者や勉強が進んでいる人はあまり採用できなかったので、従来から未経験者の教育に力を入れていました。

秋入社の場合、入社後に若干の集合研修があり、その後も毎週、ミーティングで研修を続けます。

教育・管理はマネージャーに行っていただいています。
わからないことはまわりの先輩にお気軽にお聞きください。
新卒のマナー研修は外部機関を利用しています。

税理士法人TOTALは、法人税申告書の作成時に800項目のチェックリストを3人でチェックします。私の知る限り(BIG4を除くと)日本で2番目に細かいです。これをやり続けるだけでも実力が付きます。

また、マニュアルが細かいので、4人の専任のプログラマーの方にお願いして、システム開発を続けていて専用の業務管理システムが稼働しています。

入社前に入社に関する資料はお送りしますが、入社前研修は行っていません。
特別な場合は有給で来ていただくことはあります。
ただ、簿記の知識がない人には簿記の本をお送りして、「読んで来てくださいね」とは言っています。

経営理念はあります。
〜あなたと共に歩み、あなたと共に成長したい〜

クレドは使っていません。
人の意見に盲従するのではなく、考え方を理解して自分で判断できる人間になってもらいたいと思っています。

税理士資格の取得を奨励しています。きちんと試験勉強もして、専門知識を身に着けてください。
===================

ボキオ様の場合、大手企業からの転職です。
教育がない、そしておそらくルールすら決まっていないという事態を理解できないでしょう。
凄く辛くて当然です。

でも、税理士業界に限らず、ほとんどの中小企業では当たり前のようにみられることです。

30代後半以降の男性転職者にのんびり数年も雑用をしてもらう会計事務所はないかもしれません。
雑用なら、若い女性の方が向いています。
普通、男性なら初年度から15社程度の担当を持つことが多いと思います。

何人の事務所かが不明なので3年で4人の離職が多いのかはわかりません。
税理士事務所の離職率」は低くはありませんが
従業員が1〜2人だけだとしたらさすがに異常です。

大企業は、会社が長期雇用を前提にきちんと社員教育を行います。
税理士事務所をはじめとする中小企業はそもそも教育コストを負担できるほど超過利潤がありませんし割に合いません。
自分の給料は自分で稼ぐしかありません。

税理士は中小企業を主要顧客にします。苦労して自ら道を切り開いて仕事を覚えていくこともまた中小企業の文化を理解すること、ひいては良い税理士になるための訓練になるかもしれません。

===================
私自身、勤務時代、自分で条文を調べ、仕事の方法を工夫したり、未知の仕事を手掛けていたので独立後、業務について苦しむことはほぼありませんでした。
もっとも、税理士法人TOTALは、士業を産業化しようと思っているので教育も含めて無理・無駄は排除しますが。
===================


誘ってくれた方との信頼関係はもう、なくなったようですが、
いつ退職するのかしないのか、試験はどうするのか。
ボキオ様の場合、30代後半だとすると、仕事も早めに覚えていかなければいけない年齢です。
キャリアプランをどう考えているのか、
試験適性や学力がどれくらいか、
受験専念や、大学院に通学する金銭的余裕があるか、
家族の了解を得られる状況か、
それによって結論は変わるように思います。

中途半端な書き方で申し訳ありませんが、
(情報をいただければ加筆修正いたします)
よく考えて頑張ってください。




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