2014年12月20日
税理士試験を合格するために求められるもの
税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。
今年の漢字は「税」でしたね。
4月の消費税アップ、そして10%上げ延期に伴う衆議院のアベノミクス解散。
税制改正大綱は安倍総理の指示で年末に取りまとめられそうです。
※ご質問はここをクリック
とら様からのお問合せです。
■年齢 29歳
■性別 男性
■資格 なし
■職歴 信用組合
■学歴 専門学校
■会計事務所経験 無し
■居住地 不明
はじめまして
12月いっぱいで新卒から勤めていた信用組合を辞めて転職しようと思っているのですが、簿記を2月の試験でできれば2級まで頑張ってとりたいと思っています。
行政書士の試験を数回受けていて多少の法律の知識はあるのですが会計、税務は全くの門外漢です。税理士には憧れはあります。
Q.
今から税理士事務所に就職し実務をつんで3年後に挑戦、もちろん独学では無理だと思うで専門学校に通いながらは可能でしょうか?
A.
今年も税理士試験の合格発表がありました。
「第64回税理士試験合格発表」
当社の今年官報合格者は
・金融機関勤務時代、20代後半から始めた男性(合格時31歳)
・会計事務所に長く勤務しながら、10年以上かかって苦労なさった40代女性
その他、
・当社に30代半ばで勤務し始めた女性(現在40代)が、今年3科目合格で大学院に進学します。
過去を振り返っても、
若くて勢いで合格する方もいれば、苦労してじっくり力をつけながら合格する人もいます。
ただ、例外なくいえるのは、あきらめずに努力を続けられた方だということです。
税理士試験にもとめられるのは
・(広くて正確な)暗記力
・速記力・速い計算力
です。
行政書士試験と比べると、広く浅くではなく、(1科目ずつのため)狭く深くなります。
頭の良さや、コミュニケーション能力は求められません。
このため、つまらない試験だと批判される方がいますが、
(税理士業務をする上では、頭の良さやコミュニケーション能力が高い方が有利なのは言うまでもありません)
私も、最後に週1科目で悩まされたので、試験制度に愚痴りたくなる気持ちはわかりますが、
合格した方ならわかってくれると思いますが、
税理士試験は実によくできた実務家登用試験です。
仕事でお客様と話すのに、本を調べたり、ゆっくり書いたり、ゆっくり計算する時間はありません。
仕事をやり切るには、細かい知識の定着とスピードが必要なのです。
「(合格して)うれしいというより、ホッとした」
と官報合格者の多くの方が言います。
会計事務所に勤務しながら、専門学校に通って、税理士試験に合格する人は毎年たくさんいます。
というかそれが普通です。
専門学校が職場の近くにある人、自分の意志が強くない人は通学が良いでしょう。
ただ、今は専門学校の教材もよくなってきたので、DVDやネット配信で合格する人が多くなっています。
意志の強い人はこちらの方が効率が良いかもしれません。
とら様の場合、3年の実務経験中に
・簿記1級を受けて受験資格を取るか
・簿記論、財務諸表論の受講をするか
勉強は早く始めて困ることはありません。
税理士試験に合格するためには
(1)会計事務所を選ぶこと
受験できる環境の会計事務所と、実質的に無理な事務所があります。
最初から良い税理士法人に入りにくければ、正社員だけでなくパートでスタートという手もあります。
なお、未経験者歓迎のうち、平均年齢の若さを売りにしているところは危険な可能性が高いです。
社歴が10年以上なら決定的です。
一般就職を経験している方ならご存知のように、
求人広告がどんなにかっこよく、魅力的に見えても致命的な欠陥を抱えているものです。
最近増えている、考え方重視、熱さ・若さ重視の税理士事務所・税理士法人は税理士試験合格には残念ながら向きません。
こういうところは、試験勉強や細かい税務技術よりは、接客・接遇、サービス業としてのあり方を重視します。
このタイプの事務所の多くは
勉強よりもお客様が優先し
(「資格は当社では重視しません」と言い切っているところは、本音では「受験生お断り」という意味です)
実質定時が21時、22時以降(日によっては終電も)というところもあり、
税理士試験合格に向きません。
クレドや経営理念で考え方を徹底し、よりよい顧客サービスをするための教育を効率的に行うことは、企業経営としては正しいと思います。
受験勉強に時間や神経を割かずに、より仕事に向かわせることが可能になります。
ただ、資格をとらないと税理士になることはできません。税理士になって初めてわかる責任感、見えてくるものは確かにあります。
「仕事ができるかが重要で税理士資格はいらない」というのは無資格者の言い訳でしょう。
資格をとって良い仕事をしましょう。
(2)合格するまであきらめないこと
税理士試験は長丁場になります。
とら様の場合は、受験に専念しないで働きながらになるのでなおさらです。
くじけること、無理だと思うこともしばしばでてくるかもしれません。
受験をやめる人、他業界に行ってしまう人、…。
前向きでなく業界を去っていく方は、
自分に厳しくなりきれない方が多いような気がします。
(私の受験が長引いたのもこのせいです)
テレビを見たり、ネットサーフィンをしたり、スポーツ観戦や、お酒…、
受験生は、遊びの時間をかなり制限してストイックな生活をすることを求められます。
1年なら誰でもできますが、1年で官報合格する人はほぼいません。
(少なくとも私は合格しませんでした)
3年、4年、5年…
続けていくうちに心身ともに疲労が蓄積します。
「勉強しなくても給料は上がってきて生活はできるし」
(会計事務所の給料は最初は安いですが、同じところに長くいると昇給することが多いです)
「こんなに苦しいのは税理士業界が悪いからだ。他の業界に行こう」
(青い鳥をさがして旅に出て、何年か後に税理士業界に帰ってくる方も多いです。
でもその時は年齢が上がって試験はもっとつらくなっています)
割り切れる、強い人ばかりではありません。
そこまで頑張ってだめなら、
ときには時短をお願いしたり、パートで働いたり、
どうしても難しければ、受験専念もして…。
あきらめないで、臨機応変に、しなやかに対応する必要があります。
税理士は苦労が生きる資格です。
お客様も苦労人の方が多いので、良い仕事ができるようになります。
税理士法人に勤務する場合、有資格者の方が処遇はよくなります。
40代、50代で独立して成功する方もいくらでもいます。
税理士業界に入って来る方を歓迎します。
税理士試験は、あきらめずに努力を続けられれば必ず結果を出せます。
税理士試験合格を目指してぜひがんばってください。
=================
税理士法人TOTALの男性スタッフは、有資格者以外、原則全員受験生です。
私は、男性は全員に税理士になってもらいたいと思っていますし、なれると信じています。
(当社は仕事での男女差別はしていないつもりです。管理職も、営業も女性にやってもらうことがあります。
女性は子育て・家庭との両立を目指して受験しない選択もありうると思っています。)
若いうちはいいですが、40代後半以上の無資格男性をどうやって処遇したらいいか私にはわかりません。
長い目で、成長を続けてみんなに幸せになってもらいたいと思っています。
合格のための努力を続けてもらうために、正社員の専門学校費用は原則全額負担しています。
(一定の制限はあります)
パート・受験スタッフも、試験後に入社又は受験スタッフとして継続勤務した場合、科目合格したときは、
合格報奨金として次年度試験の受験費用を事務所負担しています。
=================
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税理士法人TOTAL 高橋寿克です。
今年の漢字は「税」でしたね。
4月の消費税アップ、そして10%上げ延期に伴う衆議院のアベノミクス解散。
税制改正大綱は安倍総理の指示で年末に取りまとめられそうです。
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とら様からのお問合せです。
■年齢 29歳
■性別 男性
■資格 なし
■職歴 信用組合
■学歴 専門学校
■会計事務所経験 無し
■居住地 不明
はじめまして
12月いっぱいで新卒から勤めていた信用組合を辞めて転職しようと思っているのですが、簿記を2月の試験でできれば2級まで頑張ってとりたいと思っています。
行政書士の試験を数回受けていて多少の法律の知識はあるのですが会計、税務は全くの門外漢です。税理士には憧れはあります。
Q.
今から税理士事務所に就職し実務をつんで3年後に挑戦、もちろん独学では無理だと思うで専門学校に通いながらは可能でしょうか?
A.
今年も税理士試験の合格発表がありました。
「第64回税理士試験合格発表」
当社の今年官報合格者は
・金融機関勤務時代、20代後半から始めた男性(合格時31歳)
・会計事務所に長く勤務しながら、10年以上かかって苦労なさった40代女性
その他、
・当社に30代半ばで勤務し始めた女性(現在40代)が、今年3科目合格で大学院に進学します。
過去を振り返っても、
若くて勢いで合格する方もいれば、苦労してじっくり力をつけながら合格する人もいます。
ただ、例外なくいえるのは、あきらめずに努力を続けられた方だということです。
税理士試験にもとめられるのは
・(広くて正確な)暗記力
・速記力・速い計算力
です。
行政書士試験と比べると、広く浅くではなく、(1科目ずつのため)狭く深くなります。
頭の良さや、コミュニケーション能力は求められません。
このため、つまらない試験だと批判される方がいますが、
(税理士業務をする上では、頭の良さやコミュニケーション能力が高い方が有利なのは言うまでもありません)
私も、最後に週1科目で悩まされたので、試験制度に愚痴りたくなる気持ちはわかりますが、
合格した方ならわかってくれると思いますが、
税理士試験は実によくできた実務家登用試験です。
仕事でお客様と話すのに、本を調べたり、ゆっくり書いたり、ゆっくり計算する時間はありません。
仕事をやり切るには、細かい知識の定着とスピードが必要なのです。
「(合格して)うれしいというより、ホッとした」
と官報合格者の多くの方が言います。
会計事務所に勤務しながら、専門学校に通って、税理士試験に合格する人は毎年たくさんいます。
というかそれが普通です。
専門学校が職場の近くにある人、自分の意志が強くない人は通学が良いでしょう。
ただ、今は専門学校の教材もよくなってきたので、DVDやネット配信で合格する人が多くなっています。
意志の強い人はこちらの方が効率が良いかもしれません。
とら様の場合、3年の実務経験中に
・簿記1級を受けて受験資格を取るか
・簿記論、財務諸表論の受講をするか
勉強は早く始めて困ることはありません。
税理士試験に合格するためには
(1)会計事務所を選ぶこと
受験できる環境の会計事務所と、実質的に無理な事務所があります。
最初から良い税理士法人に入りにくければ、正社員だけでなくパートでスタートという手もあります。
なお、未経験者歓迎のうち、平均年齢の若さを売りにしているところは危険な可能性が高いです。
社歴が10年以上なら決定的です。
一般就職を経験している方ならご存知のように、
求人広告がどんなにかっこよく、魅力的に見えても致命的な欠陥を抱えているものです。
最近増えている、考え方重視、熱さ・若さ重視の税理士事務所・税理士法人は税理士試験合格には残念ながら向きません。
こういうところは、試験勉強や細かい税務技術よりは、接客・接遇、サービス業としてのあり方を重視します。
このタイプの事務所の多くは
勉強よりもお客様が優先し
(「資格は当社では重視しません」と言い切っているところは、本音では「受験生お断り」という意味です)
実質定時が21時、22時以降(日によっては終電も)というところもあり、
税理士試験合格に向きません。
クレドや経営理念で考え方を徹底し、よりよい顧客サービスをするための教育を効率的に行うことは、企業経営としては正しいと思います。
受験勉強に時間や神経を割かずに、より仕事に向かわせることが可能になります。
ただ、資格をとらないと税理士になることはできません。税理士になって初めてわかる責任感、見えてくるものは確かにあります。
「仕事ができるかが重要で税理士資格はいらない」というのは無資格者の言い訳でしょう。
資格をとって良い仕事をしましょう。
(2)合格するまであきらめないこと
税理士試験は長丁場になります。
とら様の場合は、受験に専念しないで働きながらになるのでなおさらです。
くじけること、無理だと思うこともしばしばでてくるかもしれません。
受験をやめる人、他業界に行ってしまう人、…。
前向きでなく業界を去っていく方は、
自分に厳しくなりきれない方が多いような気がします。
(私の受験が長引いたのもこのせいです)
テレビを見たり、ネットサーフィンをしたり、スポーツ観戦や、お酒…、
受験生は、遊びの時間をかなり制限してストイックな生活をすることを求められます。
1年なら誰でもできますが、1年で官報合格する人はほぼいません。
(少なくとも私は合格しませんでした)
3年、4年、5年…
続けていくうちに心身ともに疲労が蓄積します。
「勉強しなくても給料は上がってきて生活はできるし」
(会計事務所の給料は最初は安いですが、同じところに長くいると昇給することが多いです)
「こんなに苦しいのは税理士業界が悪いからだ。他の業界に行こう」
(青い鳥をさがして旅に出て、何年か後に税理士業界に帰ってくる方も多いです。
でもその時は年齢が上がって試験はもっとつらくなっています)
割り切れる、強い人ばかりではありません。
そこまで頑張ってだめなら、
ときには時短をお願いしたり、パートで働いたり、
どうしても難しければ、受験専念もして…。
あきらめないで、臨機応変に、しなやかに対応する必要があります。
税理士は苦労が生きる資格です。
お客様も苦労人の方が多いので、良い仕事ができるようになります。
税理士法人に勤務する場合、有資格者の方が処遇はよくなります。
40代、50代で独立して成功する方もいくらでもいます。
税理士業界に入って来る方を歓迎します。
税理士試験は、あきらめずに努力を続けられれば必ず結果を出せます。
税理士試験合格を目指してぜひがんばってください。
=================
税理士法人TOTALの男性スタッフは、有資格者以外、原則全員受験生です。
私は、男性は全員に税理士になってもらいたいと思っていますし、なれると信じています。
(当社は仕事での男女差別はしていないつもりです。管理職も、営業も女性にやってもらうことがあります。
女性は子育て・家庭との両立を目指して受験しない選択もありうると思っています。)
若いうちはいいですが、40代後半以上の無資格男性をどうやって処遇したらいいか私にはわかりません。
長い目で、成長を続けてみんなに幸せになってもらいたいと思っています。
合格のための努力を続けてもらうために、正社員の専門学校費用は原則全額負担しています。
(一定の制限はあります)
パート・受験スタッフも、試験後に入社又は受験スタッフとして継続勤務した場合、科目合格したときは、
合格報奨金として次年度試験の受験費用を事務所負担しています。
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