2014年07月26日

アラフォー会計事務所未経験者の就職(経理と会計事務所の仕事の違い)

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

税理士試験まで2週間を切って、受験生は試験休みに入っている人が多くなりました。
受験生が多い当社は、この時期はオフィスがガラガラになります。
その分、有資格者や主婦のみなさんが仕事を頑張ってくれています。
受験するスタッフのみんな、ここからが勝負です。
   あきらめずに頑張ろう!

ご質問はここをクリック

アラフォー 様よりのお問合せです。

■年齢 39才
■性別 女
■資格 日商簿記2級(2012年)、FP2級(2014年)
     現在1級の勉強中
■職歴 通信機器開発設計会社
    技術アシスタント、検査業務
    アルバイト1年+正社員16年
    転職歴なし
■学歴 短大卒業+専攻科(1年)
■会計事務所経験 無
■居住地 ギリギリ首都圏
■その他 独身なので東京進出は可

はじめまして。
工業やITとは無縁の世界から通信機器開発及び製造を行う会社に約1年のアルバイトを含め17年間勤務しています。
情勢変化により会社内でも効率性やコスト面を重視する傾向が以前より強くなり、それがキッカケで簿記の勉強を始めました。
いずれは簿記を活かして転職と考えていましたが、最近仕事内容が変わり、早急に転職を考えています。

Q.
1級に合格していれば多少は違うのかもしれませんがやはり、この年齢で未経験職種に転職は不可能でしょうか?
経理や会計関係は未経験は無理と聞くので・・・

A.
1.簿記1級の価値
(1)「経理」
・新卒
メーカーや大企業の新卒入社にとっては一定の武器になります。
まじめさ、業務適性を示します。
ただ、逆に経理に配属されてしまうリスクが上がり、本人にとっては一長一短でしょう。

・第2新卒〜20代
職種チェンジの武器になると思います。経理を目指すならお勧めです。

・30代後半以降
実務経験があるならプラス評価でしょう。
実務経験がない場合、そもそも採用されにくいので、違う努力をした方が効率的です。
まじめで勉強好きだという履歴書のアクセサリーになってしまう危険性も高いでしょう。

(2)「会計事務所」
簿記1級は、それなりの努力が必要な難関試験です。
ただ、会計事務所では、工業簿記や原価計算のち密さは求められないので簿記2級で足りてしまいます。
このため、会計事務所で働く上では同程度の難易度の税理士試験の簿記論や財務諸表論に比べると、評価が低くなります。

簿記1級はあくまでも能力をはかる「検定」であり、
「資格」に結びつくものではありません。

2.経理と会計事務所の仕事の違い
(1)「経理」
特定の会社内で、その会社のために業務を行います。
元となるデータを他のセクションからもらったり、成果物を経営者や他のセクションに届けたりします。
社内の根回しが重要で、速さ・効率よりは正確さ・慎重さが求められます。

小さな会社なら一人ですべてこなさなければなりませんし、教えてくれる人はいません。
このため、経験者でないと務まりません。

大きな会社なら新卒採用が中心です。
中途採用は、未経験者はおそらくアラサーまででしょう。
いずれにせよアラフォー未経験者が入る余地はほとんどありません。

なお、実はこの10年、「経理」の数は減っています。
手書きがコンピューター入力に置き換わり、さらにクラウド化、システム化も進もうとしています。
以前なら多数の正社員が経理部門にいた中堅企業も、少数又は一人でできるようになり、派遣社員への置き換えも進んでいます。
(もっとも、その分、広い範囲を担う一般事務職員は増加しているのですが)

逆に、若者の補充が少ないため、経理・会計経験者は、かなり年配になっても転職できます。
専門職として比較的、スキルが判定しやすいですから。

(2)「会計事務所」
会計事務所は、多数の会社のために業務を行います。
一人につき20社以上の処理をすることも珍しくありません。
資料はお客様の事務担当者からいただけます。
速さ、効率を優先し、同時並行処理能力を求められます。

会計事務所は少人数のところが多く、小さい会計事務所は教育することが大変です。
このため会計事務所経験者が歓迎されます。

中堅以上の会計事務所なら、
同じような業務を同一フロアにいるたくさんの職員が並行して行いますから、教えることもできますし、訊くこともできます。
一定レベルの会計事務所ならマニュアル化も進んでいます。このため、未経験者も多くいます。

10人以上の会計事務所で、会計事務所経験者が6割以上だとしたら、離職率が高い(又は過去において高かった)と思った方が良いでしょう。
(「税理士事務所・会計事務所の離職率」についてはこちら
教育期間は事務所経営的には持ち出しです。短期の離職者が続くと所長はうんざりします。
事務所を大きくするのをあきらめるか、会計事務所経験者を優先して採用するようになります。

会計事務所が未経験者を採用する場合、
20代後半入社を中心に、20代前半 と 30代前半 がそれに続きます。
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税理士法人TOTALは逆に未経験者の採用が6割を超えています。
会計事務所未経験者のうち8%がアラフォーで入社しておられます。
分析すると、アラフォー以降未経験入社組のうち、半分は隣接士業を含む有資格者、残り半分は近所から通勤してくれる方です。

最近はどの業界も人不足です。
経理の需要もありますが、即戦力の募集のため経験者以外は残念ですが難しいでしょう。
税理士法人TOTALで昨日、内定を出した20代の未経験者の方は、当社の前に5社の「経理」に応募したそうですが不採用が続いていました。
未経験が不採用の理由だったのでしょう。

会計事務所業界は、採用の場面でも大手・中堅事務所への集約が進んでいます。今夏はこのため、売り手市場になっています。
税理士法人TOTALでは今夏、40代の未経験者だけでも二人採用する予定です。
そのうちの一人は家庭に入っていた期間が長いご近所の主婦です。
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アラフォー様が簿記1級を今とるのはあまりお勧めできません。
(会計事務所に入った後、経理に転職するためになら、勉強する意味があります)
今勉強するなら、税理士試験の簿記論・財務諸表論か社会保険労務士試験の方が良い気がします。

転職は不可能かと問われると、楽ではないけれど可能だと思います。
上記の資格(税理士試験の簿記論・財務諸表論か社会保険労務士試験)を一年で取るか、
近くの会計事務所(又は「採用時には近くに引っ越します」と履歴書に書いて)に場合によってはアルバイトでもいいから採用されて正社員昇格を目指すか
(会計事務所は、アルバイトから正社員になるケースは多いです)
だとより可能性は高くなると思います。

一度会計事務所に採用されれば、経験者として他の会計事務所に移ることも、中小企業の経理に転じることも可能になります。


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