2014年06月14日
会計事務所の仕事と子育てと受験
税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。
先日、マネーフォワードの顧問に就任しました。会計業界もいよいよクラウドの時代が本格的に雇用としています。
※ご質問はここをクリック
ひいろ様よりのお問い合わせです。
■年齢 29
■性別 女
■資格 簿記2級
■職歴 東証一部上場企業 経理1年半 監査4年半
■学歴 日東駒専 商学部
■会計事務所経験 なし
■居住地 東京
■その他、子供2人
大学時代に税理士(簿財)の講座に通いましたが、就職活動を優先し一般企業に入社しました。
製造メーカーで1年半経理、4年半監査をしています。製造業なので、今は主に簿記1級の工業簿記・原価計算を中心に勉強しています。
ですが、もう一度税理士の勉強をしたいと強く思うようになりました。
もうすぐ29歳になりますのでできるだけ早く始めたいと思っていますが、現在の仕事と子育てをしながらの勉強はかなり厳しいため悩んでいます。
Q.
現在の会社を辞め会計事務所でパートをしながら勉強と両立したいと考えていますが、29歳で未経験でも会計事務所に採用されるでしょうか?
(貴法人からは、書類選考でお断りされてしまいました)
仕事を辞めて勉強に専念というのは、考えていません。
お手隙の際でかまいませんので、どうぞアドバイスを頂けたら幸いでございます。
A.
書類選考では失礼いたしました。
ひいろ様の場合は、
・新卒で上場企業に勤務しており、社会人としてのマナーがしっかりしていること
・経理・監査という会計事務所に近い職歴を積んでいること
・年齢的にもお若いこと
を考えると有利です。
採用方針は会計事務所によって違います。
・女性の家庭と仕事の両立に理解があること、
・残業が比較的少ないこと
(パートさんでも残業が多い中堅・大手事務所もあります)
・通勤時間が短い(自宅の近くである)こと
を基準にいくつかの会計事務所に募集して面接を上手に乗り越えれば採用されると思います。
=================
税理士法人TOTALでは、手前味噌ですが、女性の家庭と仕事の両立に理解があります。
受験に対する理解もあります。それなのになぜ書類落ちにしたのか理由を考えてみました。
(ひいろ様の履歴書は、もちろん本名でないと思いますし、確認したわけではありません)
ありがたいことに、
家庭と仕事の両立をしたい、
受験と仕事の両立をしたい
という方に支持されて、採用が難しいこの時代に税理士法人TOTALは成長に合わせた採用がおおむねできています。
ただ、一方で弊害も出始めています。
何せ、延べ22人が出産し、そのうち20人が産休・育児休業を取得していますから
入社1年以内に出産・育児休業入りとか
同じ日に2人から出産報告を受ける
くらいは予想の範囲内なのですが、出産後、働き続けるのはさすがにそれまでよりは大変なので
仕事と家庭の両立で悩んで、復職後しばらくするとお辞めになる方も残念ながらいます。
入社してくる人の両立への期待が大きすぎるんですね。
当社も、一企業ですから特別なことができるわけではありません。
仕事と受験の両立についても、
専念受験生も合わせた税理士試験の平均的な科目合格率は10〜20%に対して
税理士法人TOTALの実績は、科目合格率が37.5%とかなり上回っていますが
(参照 「第63回 税理士試験合格者発表!」)
受験と仕事の両立は、受験専念に比べればもちろんきついので、(科目)合格がないと辞めたくなる人も出てきます。
今年は例年より多く、この時期、3名の方が受験に専念するためにお辞めになりました。
(残念ですが、試験頑張ってください)
女性の場合、独身なら結婚を意識しますし、既婚者なら家庭との両立も必要で、いずれにせよ受験との両立は男性以上に楽ではありません。
税理士法人TOTALは組織で仕事をしているため、税理士を目指す人は、40歳までに平均的な税理士になれるかを採用の一つの目安にしています。
このためには、30代前半までに数年、実務経験をきちんと積んで、30代半ばには税理士試験合格のめどをつけられるかを見ます。
(税理士を目指さない女性は関係ありませんし、採用基準は受験しない方がかなりゆるいです)
おそらく、子供2人を抱えて、「仕事」と、「家庭」と、「子育て」と、「受験」の両立は、かなりきつだろうという判断をしたのでしょう。
税理士試験の大変さは痛いほどわかっていますので。
このため、大学院進学も広く認めています。現在3名が大学院在籍中で、うち1名は事務所で学費を全額負担しています(その他に大学院修了者が7名います)
最近では、受験をしない一般事務職(正社員やパートさん)の採用を強化しており、こちらは各本部の近くにお住いの方には比較的、門戸を広く開放しています。
=================
もちろん、会計事務所によって方針は違います。マイペースでゆっくり勉強している人もいますし、そんな税理士をきちんと処遇している会計事務所もいくらでもあります。
女性にとって会計事務所の良い点は、フレキシブルにいろいろな勤務形態を選べて、どこにでもある仕事なので転職も容易なこと、場合によっては年齢が高くなっても家庭環境に応じて開業できることだと思います。
※なお、この件に関するコメントは下記のコメント欄をご利用ください。
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また、このサイトもありがたいことに皆様のご質問をいただき、事例が増えてきました。
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税理士法人TOTAL 高橋寿克です。
先日、マネーフォワードの顧問に就任しました。会計業界もいよいよクラウドの時代が本格的に雇用としています。
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■年齢 29
■性別 女
■資格 簿記2級
■職歴 東証一部上場企業 経理1年半 監査4年半
■学歴 日東駒専 商学部
■会計事務所経験 なし
■居住地 東京
■その他、子供2人
大学時代に税理士(簿財)の講座に通いましたが、就職活動を優先し一般企業に入社しました。
製造メーカーで1年半経理、4年半監査をしています。製造業なので、今は主に簿記1級の工業簿記・原価計算を中心に勉強しています。
ですが、もう一度税理士の勉強をしたいと強く思うようになりました。
もうすぐ29歳になりますのでできるだけ早く始めたいと思っていますが、現在の仕事と子育てをしながらの勉強はかなり厳しいため悩んでいます。
Q.
現在の会社を辞め会計事務所でパートをしながら勉強と両立したいと考えていますが、29歳で未経験でも会計事務所に採用されるでしょうか?
(貴法人からは、書類選考でお断りされてしまいました)
仕事を辞めて勉強に専念というのは、考えていません。
お手隙の際でかまいませんので、どうぞアドバイスを頂けたら幸いでございます。
A.
書類選考では失礼いたしました。
ひいろ様の場合は、
・新卒で上場企業に勤務しており、社会人としてのマナーがしっかりしていること
・経理・監査という会計事務所に近い職歴を積んでいること
・年齢的にもお若いこと
を考えると有利です。
採用方針は会計事務所によって違います。
・女性の家庭と仕事の両立に理解があること、
・残業が比較的少ないこと
(パートさんでも残業が多い中堅・大手事務所もあります)
・通勤時間が短い(自宅の近くである)こと
を基準にいくつかの会計事務所に募集して面接を上手に乗り越えれば採用されると思います。
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税理士法人TOTALでは、手前味噌ですが、女性の家庭と仕事の両立に理解があります。
受験に対する理解もあります。それなのになぜ書類落ちにしたのか理由を考えてみました。
(ひいろ様の履歴書は、もちろん本名でないと思いますし、確認したわけではありません)
ありがたいことに、
家庭と仕事の両立をしたい、
受験と仕事の両立をしたい
という方に支持されて、採用が難しいこの時代に税理士法人TOTALは成長に合わせた採用がおおむねできています。
ただ、一方で弊害も出始めています。
何せ、延べ22人が出産し、そのうち20人が産休・育児休業を取得していますから
入社1年以内に出産・育児休業入りとか
同じ日に2人から出産報告を受ける
くらいは予想の範囲内なのですが、出産後、働き続けるのはさすがにそれまでよりは大変なので
仕事と家庭の両立で悩んで、復職後しばらくするとお辞めになる方も残念ながらいます。
入社してくる人の両立への期待が大きすぎるんですね。
当社も、一企業ですから特別なことができるわけではありません。
仕事と受験の両立についても、
専念受験生も合わせた税理士試験の平均的な科目合格率は10〜20%に対して
税理士法人TOTALの実績は、科目合格率が37.5%とかなり上回っていますが
(参照 「第63回 税理士試験合格者発表!」)
受験と仕事の両立は、受験専念に比べればもちろんきついので、(科目)合格がないと辞めたくなる人も出てきます。
今年は例年より多く、この時期、3名の方が受験に専念するためにお辞めになりました。
(残念ですが、試験頑張ってください)
女性の場合、独身なら結婚を意識しますし、既婚者なら家庭との両立も必要で、いずれにせよ受験との両立は男性以上に楽ではありません。
税理士法人TOTALは組織で仕事をしているため、税理士を目指す人は、40歳までに平均的な税理士になれるかを採用の一つの目安にしています。
このためには、30代前半までに数年、実務経験をきちんと積んで、30代半ばには税理士試験合格のめどをつけられるかを見ます。
(税理士を目指さない女性は関係ありませんし、採用基準は受験しない方がかなりゆるいです)
おそらく、子供2人を抱えて、「仕事」と、「家庭」と、「子育て」と、「受験」の両立は、かなりきつだろうという判断をしたのでしょう。
税理士試験の大変さは痛いほどわかっていますので。
このため、大学院進学も広く認めています。現在3名が大学院在籍中で、うち1名は事務所で学費を全額負担しています(その他に大学院修了者が7名います)
最近では、受験をしない一般事務職(正社員やパートさん)の採用を強化しており、こちらは各本部の近くにお住いの方には比較的、門戸を広く開放しています。
=================
もちろん、会計事務所によって方針は違います。マイペースでゆっくり勉強している人もいますし、そんな税理士をきちんと処遇している会計事務所もいくらでもあります。
女性にとって会計事務所の良い点は、フレキシブルにいろいろな勤務形態を選べて、どこにでもある仕事なので転職も容易なこと、場合によっては年齢が高くなっても家庭環境に応じて開業できることだと思います。
※なお、この件に関するコメントは下記のコメント欄をご利用ください。
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また、このサイトもありがたいことに皆様のご質問をいただき、事例が増えてきました。
ご質問の前に、同様な質問が無いかご確認いただけると幸いです。
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