2012年12月16日
税理士試験最後の1科目の選択
税理士事務所・会計事務所の就職情報
税理士法人TOTALの税理士 高橋寿克です。
S様よりのご質問です。
内容:
■年齢 30歳
■性別 男
■資格 簿記論 財務諸表論 消費税法 法人税法合格済
■職歴 営業6年(転職あり)
■学歴 MARCH
■会計事務所経験 なし
■居住地 東京
■その他 相続税法、所得税法を学習中(共に受験経験なし)
税理士試験の科目選択についてご相談させて下さい。
2年間受験専念しており、来年の試験終了後に会計事務所への就職を考えています。
当初の予定では次回の試験で相続税法、所得税法の同時合格を目標にしてきましたが、本年の試験結果(法人税法合格)が不確定だったこともあり、年内に十分な勉強時間を割くことができず、2科目のボリューム等から共倒れになる可能性が高いと感じています。
そこで1科目に絞り確実に合格を狙っていこうと考えているのですが、専門学校などから情報収集した結果、下記の理由でどちらに絞るか迷っております。
◆相続税を選択した場合
利点・・・就職後、資産税業務に携われる
欠点・・・ボリュームが少なく受験者のレベルが最も高い(法人税をクリアしてきた受験生が大半)ため、1科目に絞っても確実に合格できるとは限らない(余談ですが知り合いに相続1科目で17年かかった人がいます。ちゃんと勉強していなかったらしいですが・・・)
◆所得税を選択した場合
利点・・・受験者のレベルが法人並みかそれ以下のため、1年で確実に合格でき、受験勉強から解放される(法人税を勉強してきた感覚から1科目に絞ればかなり自信があります)
欠点・・・就職後、資産税業務に携われるかわからない。仮に後々資産税メインの事務所に転職を希望した際に制限される可能性がある。
Q.
将来的には何らかのかたちで資産税業務に携わりたいと考えています。
合格を優先して所得税にするべきですか、就職・実務上の理想を追いかけ複数年覚悟で相続税にするべきですか。
A.
S様の場合は、所得税をお勧めします。
理由は所得税法に絞れば合格できるという自信をかなりお持ちだからです。
2年で確実に4科目合格は素晴らしいです。
おそらく、S様は努力もされているし、税理士試験に対する適性もかなりあるのでしょう。
税理士試験は、頭の切れはそれほど要求されません。
しかし、字を書くスピード、記憶の正確さ、そして何より継続した努力と忍耐強さを要求されます。
最後の1科目に時間がかかるのはよくあることです。
私自身、1年目が5科目受験3科目合格、2年目法人税法合格で、S様と同じ2年4科目合格でしたが、
就職したこともあり、その後5年かかっています(7年間同じ科目を受け続けました)。
うちのスタッフは、今年、4科目持ちが3名いましたが、官報合格は1名でした。
2名の不合格者は、所得税法と相続税法です。
みんな、ちゃんと勉強していました。運や問題との相性もあるでしょう。
(来年は、みんながんばって昨年並みに4名くらいの官報合格を期待しています)
一般論でいうなら、相続税法の方がやや合格に時間がかかるとは言えると思います。
個人差もあるのですが、S様ご自身も、所得税の方が容易と感じておられているようですし。
相続税法の合格を資産税の仕事に就く条件にしている会計事務所はあります。
資産税は、扱う金額が大きく、リスクがあるので、体系的に勉強していて一定の知識があることが証明されている相続税法合格者を優先するのです。
今すぐ、資産税に特化した会計事務所に就職したいなら、採用の上では相続税法の方が有利なのは否定しませんが、「後々資産税メインの事務所に転職を希望」する程度の話であれば、来夏以降に相続税の勉強をすれば良い話です。
法人税は、実務と受験で、受験の方が色々な知識が必要になります。
それに対して、相続税法は、試験で学ぶことよりも、はるかに多くのことを実務についてから学ばなければなりません。
資産税を安定してこなすには、技術の研鑽と経験の蓄積が必要です。
======================
税理士法人TOTALは、資産税本部を設置して、資産税の専門人材を養成しています。
相続税法を合格している人は選考上評価しますが、担当業務は主として適性で判断しています。
相続税法を合格していても向いていない者は資産税を担当させませんし、逆に相続税法の受験経験がなくても、
資産税に適性があると思う者には、税理士試験合格後に相続税法の受験生レベルまでの学習を義務付けて機会を与え、育てています。
また、資産税についても業界トップレベルの業務水準にすべく、技術を磨き、業務の標準化、ツールの開発を続けているところです。
======================
来年の試験に向けて、勉強頑張ってください。
税理士法人TOTALの税理士 高橋寿克です。
S様よりのご質問です。
内容:
■年齢 30歳
■性別 男
■資格 簿記論 財務諸表論 消費税法 法人税法合格済
■職歴 営業6年(転職あり)
■学歴 MARCH
■会計事務所経験 なし
■居住地 東京
■その他 相続税法、所得税法を学習中(共に受験経験なし)
税理士試験の科目選択についてご相談させて下さい。
2年間受験専念しており、来年の試験終了後に会計事務所への就職を考えています。
当初の予定では次回の試験で相続税法、所得税法の同時合格を目標にしてきましたが、本年の試験結果(法人税法合格)が不確定だったこともあり、年内に十分な勉強時間を割くことができず、2科目のボリューム等から共倒れになる可能性が高いと感じています。
そこで1科目に絞り確実に合格を狙っていこうと考えているのですが、専門学校などから情報収集した結果、下記の理由でどちらに絞るか迷っております。
◆相続税を選択した場合
利点・・・就職後、資産税業務に携われる
欠点・・・ボリュームが少なく受験者のレベルが最も高い(法人税をクリアしてきた受験生が大半)ため、1科目に絞っても確実に合格できるとは限らない(余談ですが知り合いに相続1科目で17年かかった人がいます。ちゃんと勉強していなかったらしいですが・・・)
◆所得税を選択した場合
利点・・・受験者のレベルが法人並みかそれ以下のため、1年で確実に合格でき、受験勉強から解放される(法人税を勉強してきた感覚から1科目に絞ればかなり自信があります)
欠点・・・就職後、資産税業務に携われるかわからない。仮に後々資産税メインの事務所に転職を希望した際に制限される可能性がある。
Q.
将来的には何らかのかたちで資産税業務に携わりたいと考えています。
合格を優先して所得税にするべきですか、就職・実務上の理想を追いかけ複数年覚悟で相続税にするべきですか。
A.
S様の場合は、所得税をお勧めします。
理由は所得税法に絞れば合格できるという自信をかなりお持ちだからです。
2年で確実に4科目合格は素晴らしいです。
おそらく、S様は努力もされているし、税理士試験に対する適性もかなりあるのでしょう。
税理士試験は、頭の切れはそれほど要求されません。
しかし、字を書くスピード、記憶の正確さ、そして何より継続した努力と忍耐強さを要求されます。
最後の1科目に時間がかかるのはよくあることです。
私自身、1年目が5科目受験3科目合格、2年目法人税法合格で、S様と同じ2年4科目合格でしたが、
就職したこともあり、その後5年かかっています(7年間同じ科目を受け続けました)。
うちのスタッフは、今年、4科目持ちが3名いましたが、官報合格は1名でした。
2名の不合格者は、所得税法と相続税法です。
みんな、ちゃんと勉強していました。運や問題との相性もあるでしょう。
(来年は、みんながんばって昨年並みに4名くらいの官報合格を期待しています)
一般論でいうなら、相続税法の方がやや合格に時間がかかるとは言えると思います。
個人差もあるのですが、S様ご自身も、所得税の方が容易と感じておられているようですし。
相続税法の合格を資産税の仕事に就く条件にしている会計事務所はあります。
資産税は、扱う金額が大きく、リスクがあるので、体系的に勉強していて一定の知識があることが証明されている相続税法合格者を優先するのです。
今すぐ、資産税に特化した会計事務所に就職したいなら、採用の上では相続税法の方が有利なのは否定しませんが、「後々資産税メインの事務所に転職を希望」する程度の話であれば、来夏以降に相続税の勉強をすれば良い話です。
法人税は、実務と受験で、受験の方が色々な知識が必要になります。
それに対して、相続税法は、試験で学ぶことよりも、はるかに多くのことを実務についてから学ばなければなりません。
資産税を安定してこなすには、技術の研鑽と経験の蓄積が必要です。
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税理士法人TOTALは、資産税本部を設置して、資産税の専門人材を養成しています。
相続税法を合格している人は選考上評価しますが、担当業務は主として適性で判断しています。
相続税法を合格していても向いていない者は資産税を担当させませんし、逆に相続税法の受験経験がなくても、
資産税に適性があると思う者には、税理士試験合格後に相続税法の受験生レベルまでの学習を義務付けて機会を与え、育てています。
また、資産税についても業界トップレベルの業務水準にすべく、技術を磨き、業務の標準化、ツールの開発を続けているところです。
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来年の試験に向けて、勉強頑張ってください。