2012年04月29日
40才女性税理士2世の転職
税理士事務所・会計事務所の就職情報
税理士 高橋寿克です。
GWの合間で少しのんびりしていますが、休み明けからは、3月決算、新宿出店とあわただしそうです。
momo様よりの質問です。
■年 齢 40才
■性 別 女性
■資 格 税理士、宅建
■職 歴 広告代理店、印刷会社(契約社員)、
アパレルメーカー、飲食店アルバイト等
■学 歴 日東駒専程度 文系学部卒
■会計事務所経験 6年
(当初3年間は週2〜3回、合格後はフルタイム)
■居住地 東京
■その他 税理士2世、社労士試験は2回不合格
34歳まで自分がやりたいこともはっきりわからず3年程度で転職を繰り返し、
結婚・離婚を機に、初めて父親の職業を意識して税理士試験の勉強を始めました。
事務所を継ごうとも継げるとも思っていなかったのですが、
父を見ていて定年もなく自分の裁量で仕事ができる士業はいいな、と。
法人税合格後に父が事務所に来て手伝えと言ったので、アルバイトを変える程度の気持ちで事務所に行き始めました。ただ、合格後はほかの事務所で経験を積みたいと考えていましたが、
3年の実務経験を積んで登録するまでは動かない方がいいと父に言われ、
すでに不況で年齢等から考えて簡単に就職できるような状況ではなく、
父の仕事を間近で見られる時間はもうそんなにないのではないかと考え、事務所に残り今に至ります。
父は、斡旋されてくる相続の仕事が、売上の大きな部分を占めていますが、あとは古くからのお客様と個人の確定申告で縮小傾向です。
以前は父が廃業したらもらえる仕事だけもらって、アルバイト1人ぐらい雇って細々とできればいいや…と考えていたのですが、そんなに甘くないことが分かってきました。
おそらく私の実務レベルは相当程度低いと思います。
若いお客様を増やそうとホームページを作ってみたりもしましたがうまくいきませんでした。
今の環境は正直言ってラクですが、これからのことを考えると不安になります。
父はあと2年で顧問契約が切れたらおそらく廃業すると思います。
Q.
私の経歴・職歴で2年後に再就職することは可能でしょうか?
規模にはこだわりませんが、できれば税理士という資格を生かしてフルタイム勤務、
でも繁忙期以外で忙しすぎず、あまり残業がなく年収400万円ぐらいというのが希望なのですが…。
(先日再婚し、子供を持つ予定はありませんが家事を疎かにしたくないため)
外回りは厭いません。
それとも父の廃業後などと悠長なことを言っていないで少しでも若いうちに再就職するべきでしょうか?
忌憚のないご意見をお聞かせ願えればと思います。
宜しくお願いいたします
A.
結論から言うと、(8月より前の)早めの就職活動をお勧めします。
転職市場では40歳以上は早ければ早いほど有利で、今が一番若いからです。
従来、中堅会計事務所の求人募集の中心であった、税理士試験3科目以上、実務経験3年以上のスタッフは、
公認会計士試験の影響を受けて税理士受験生が減って、慢性的に不足しています。
また、不景気でより良い条件での転職が難しくなり、他方、所長もそのクラスには気を使うようになって、優秀なスタッフはやめなくなっています。
中堅会計事務所では、人材不足が表面化しはじめ、昨冬は専門学校の求人誌が久しぶりにページを増やしました。
この傾向は、会計事務所の淘汰が進み、一方、公認会計士試験バブルの影響も薄れる、数年後まで続くでしょう。
ここ数年は、税理士事務所の経験者・有資格者が不足し、実務経験がある税理士は転職が容易です。
========================
税理士法人TOTALでも、船橋本部はお客様の急増に伴い中堅人材が不足しており、公認会計士、税理士、税理士試験2科目以上合格者の転居を伴う求人募集を積極的に行うことになりました(東京・新宿本部は、原則1時間以内の募集に限ります)。
遠方の方もご応募お待ちしています。
========================
人生はどうなるかわかりません。
考えて予想して、選び取ることも大事ですが、転職をしてみて早めに肌で感じることも大事だと思います。
転職活動が厳しくてなかなか採用されなければ、自分のどこが悪いのか見直すことができます。
採用されなければ、父親とがんばると覚悟を決めればいいだけです。
会計事務所に転職できたら、通用しなければ、技術と忍耐を学べばいいでしょう。
技術やコミュニケーションが通用すれば、営業を学んで父親の事業を引き継いでもかまいません。
父の引退が先なら、自分で将来マイペースで開業しても構いません。
(ちょっとホームページを作ったくらいで仕事が増える時代ではありませんよ)
もちろん、その会計事務所で一生働いてもいいと思います。
年収400万円程度なら、都内の会計事務所の多くは、採用する場合は税理士に支払うでしょう。
ただ、momo様にとって良い事務所が、どこかにあるわけではありません。
(忌憚なくということなので)きびしい意見ですが、3年で飽きるかのような転職を繰り返しているのは気になります。
職場や上司に合わせて、また、お客様(ひいては社会)の役に立つように、自分を変え、心も成長しないと
どんな資格を取ろうとも、どんな職場で働こうとも、
どこにも「青い鳥」はいないと思います。
逆に言うと、そのことさえわかってしまえば、
これまでの色々な苦労、人生経験が、よりよい税理士になるのに役に立つことと思います。
税理士 高橋寿克です。
GWの合間で少しのんびりしていますが、休み明けからは、3月決算、新宿出店とあわただしそうです。
momo様よりの質問です。
■年 齢 40才
■性 別 女性
■資 格 税理士、宅建
■職 歴 広告代理店、印刷会社(契約社員)、
アパレルメーカー、飲食店アルバイト等
■学 歴 日東駒専程度 文系学部卒
■会計事務所経験 6年
(当初3年間は週2〜3回、合格後はフルタイム)
■居住地 東京
■その他 税理士2世、社労士試験は2回不合格
34歳まで自分がやりたいこともはっきりわからず3年程度で転職を繰り返し、
結婚・離婚を機に、初めて父親の職業を意識して税理士試験の勉強を始めました。
事務所を継ごうとも継げるとも思っていなかったのですが、
父を見ていて定年もなく自分の裁量で仕事ができる士業はいいな、と。
法人税合格後に父が事務所に来て手伝えと言ったので、アルバイトを変える程度の気持ちで事務所に行き始めました。ただ、合格後はほかの事務所で経験を積みたいと考えていましたが、
3年の実務経験を積んで登録するまでは動かない方がいいと父に言われ、
すでに不況で年齢等から考えて簡単に就職できるような状況ではなく、
父の仕事を間近で見られる時間はもうそんなにないのではないかと考え、事務所に残り今に至ります。
父は、斡旋されてくる相続の仕事が、売上の大きな部分を占めていますが、あとは古くからのお客様と個人の確定申告で縮小傾向です。
以前は父が廃業したらもらえる仕事だけもらって、アルバイト1人ぐらい雇って細々とできればいいや…と考えていたのですが、そんなに甘くないことが分かってきました。
おそらく私の実務レベルは相当程度低いと思います。
若いお客様を増やそうとホームページを作ってみたりもしましたがうまくいきませんでした。
今の環境は正直言ってラクですが、これからのことを考えると不安になります。
父はあと2年で顧問契約が切れたらおそらく廃業すると思います。
Q.
私の経歴・職歴で2年後に再就職することは可能でしょうか?
規模にはこだわりませんが、できれば税理士という資格を生かしてフルタイム勤務、
でも繁忙期以外で忙しすぎず、あまり残業がなく年収400万円ぐらいというのが希望なのですが…。
(先日再婚し、子供を持つ予定はありませんが家事を疎かにしたくないため)
外回りは厭いません。
それとも父の廃業後などと悠長なことを言っていないで少しでも若いうちに再就職するべきでしょうか?
忌憚のないご意見をお聞かせ願えればと思います。
宜しくお願いいたします
A.
結論から言うと、(8月より前の)早めの就職活動をお勧めします。
転職市場では40歳以上は早ければ早いほど有利で、今が一番若いからです。
従来、中堅会計事務所の求人募集の中心であった、税理士試験3科目以上、実務経験3年以上のスタッフは、
公認会計士試験の影響を受けて税理士受験生が減って、慢性的に不足しています。
また、不景気でより良い条件での転職が難しくなり、他方、所長もそのクラスには気を使うようになって、優秀なスタッフはやめなくなっています。
中堅会計事務所では、人材不足が表面化しはじめ、昨冬は専門学校の求人誌が久しぶりにページを増やしました。
この傾向は、会計事務所の淘汰が進み、一方、公認会計士試験バブルの影響も薄れる、数年後まで続くでしょう。
ここ数年は、税理士事務所の経験者・有資格者が不足し、実務経験がある税理士は転職が容易です。
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税理士法人TOTALでも、船橋本部はお客様の急増に伴い中堅人材が不足しており、公認会計士、税理士、税理士試験2科目以上合格者の転居を伴う求人募集を積極的に行うことになりました(東京・新宿本部は、原則1時間以内の募集に限ります)。
遠方の方もご応募お待ちしています。
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人生はどうなるかわかりません。
考えて予想して、選び取ることも大事ですが、転職をしてみて早めに肌で感じることも大事だと思います。
転職活動が厳しくてなかなか採用されなければ、自分のどこが悪いのか見直すことができます。
採用されなければ、父親とがんばると覚悟を決めればいいだけです。
会計事務所に転職できたら、通用しなければ、技術と忍耐を学べばいいでしょう。
技術やコミュニケーションが通用すれば、営業を学んで父親の事業を引き継いでもかまいません。
父の引退が先なら、自分で将来マイペースで開業しても構いません。
(ちょっとホームページを作ったくらいで仕事が増える時代ではありませんよ)
もちろん、その会計事務所で一生働いてもいいと思います。
年収400万円程度なら、都内の会計事務所の多くは、採用する場合は税理士に支払うでしょう。
ただ、momo様にとって良い事務所が、どこかにあるわけではありません。
(忌憚なくということなので)きびしい意見ですが、3年で飽きるかのような転職を繰り返しているのは気になります。
職場や上司に合わせて、また、お客様(ひいては社会)の役に立つように、自分を変え、心も成長しないと
どんな資格を取ろうとも、どんな職場で働こうとも、
どこにも「青い鳥」はいないと思います。
逆に言うと、そのことさえわかってしまえば、
これまでの色々な苦労、人生経験が、よりよい税理士になるのに役に立つことと思います。
コメント一覧
1. Posted by momo 2012年05月01日 13:37
高橋先生
お忙しい中ご回答いただきありがとうございました。
私の経歴・職歴が一般的に会計事務所で通用するのか不安で質問したのですが、ここ数年は実務経験のある税理士が慢性的に不足するということで“転職活動をする”という意味では少し安心いたしました。
それでも私が転職活動をしてうまくいくかどうかはまた別の問題だと思いますが、「自分にとっていい事務所」を探すのではなく、周りに合わせて、また社会の役に立つように自分を変えて成長していかなければならないというのはその通りだと思います。
どの道を進むにせよこれからの参考にさせていただきます。
ありがとうございました。
お忙しい中ご回答いただきありがとうございました。
私の経歴・職歴が一般的に会計事務所で通用するのか不安で質問したのですが、ここ数年は実務経験のある税理士が慢性的に不足するということで“転職活動をする”という意味では少し安心いたしました。
それでも私が転職活動をしてうまくいくかどうかはまた別の問題だと思いますが、「自分にとっていい事務所」を探すのではなく、周りに合わせて、また社会の役に立つように自分を変えて成長していかなければならないというのはその通りだと思います。
どの道を進むにせよこれからの参考にさせていただきます。
ありがとうございました。