2011年12月09日
会計事務所の経営者の役割
税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。
※ご質問はここをクリック
同業者です。様からのご質問です。
■年齢 30代半ば
■性別 男性
■資格 公認会計士
■職歴 所長
■会計事務所経験 大手会計事務所から独立
■居住地 東京
異例かもしれませんが。採用する立場からのご質問です。
実は、今まで、正社員を雇ったことがなく、アルバイトのみを雇っています。こういう景気状況なので、正社員を雇うのは少々怖く、とはいっても、事務員が不要というわけでもないので、超簡単な雑用のみをやってくれるアルバイトのみをつかっていました(簿記2級あれば、2週間程度でやれてしまえそうな仕事しか与えていません。とはいっても、今までの採用は簿記1級以上or税理士1科目以上です)。
今までの採用基準は、資格を揃えられそうな人、かつ、揃えられたら転職できそうな人という基準です。ということで、年齢+資格の保有状況のみで書類選考し、面接の結果、性格が悪くなければ採用です。
ただ、募集を出すたびに、それとは外れた人達が応募してきているので、当然、書類選考で落としていますが、だんだん、それでいいのか悩んできました。
今までのアルバイトは、20代前半のみで、中には学生もいます(かつ、全員業界未経験)。
週2〜3日程度ですが、よく働いてくれるのですが、たしかに、簡単な仕事しか与えていないので、ほとんど彼ら、彼女らの経験にはなっていないと思います。
これで本当にいいのかという気もするし、学生とか、卒業1年目とかで、受験専念なら、受験勉強をできる環境を与えて挙げている今の状態なら、他業種(コンビニ、飲食店など)で働くよりは、会計事務所経験という意味ではマシな気もするのですが、正社員として他事務所で働けるスキルを与えるという意味では、これも悩みどころです。
とはいえ、経験者を雇って、正社員登用なしというのも残酷な気がします。また、人を育てるほどの日数だと、受験に支障をきたすような気もします。
大学生を雇って、24歳くらいまでに3科目習得させて巣立たせるのが、精一杯の善意なのですが、これでいいのかというのも気にはなっています。
Q.正社員登用を前提としない雇用なので、どういう人を雇えばいいでしょうか。
同業者として、どう思われますでしょうか。
A.
同じ経営者ですので、私なんぞがコメントする立場にはないのですが
一経営者の戯れ言だと思ってお読みください。
私は人を採用するとき、その人の人生をじっくり考えます。
若い応募者の方は、自分でもまだ考えていないであろう今後30年を
どうやって、その方に資格を取らせてあげられるか
その後キャリアを積ませてあげられるか、
50代はどこでどういう仕事をしているのだろう。
そんなことを考えながら、1時間以上お話を聞きます。
(筆記とあわせて2時間です。ちょっと長すぎですね)
一緒に、一生付き合っていける方なのか、
この人の人生を背負う覚悟があるのか
転職しても、ご主人が転勤になっても、キャリアを生かせるだろうか。
自分に問いかけます。
同業者です。様も似ていますね。
だからこそ、これで本当に良いのだろうかと悩まれるのでしょう。
私は、最初から、未経験の正社員を中心に採用してきたのでえらく大変でした。
未経験者は、教育コストがかなり、生産性はそれほど上がりません。それでも、正社員なのである程度の待遇を用意してあげたくなります。
このため、うちは7年目までずっと赤字でした。
今は、税理士法人TOTALには
経験者も、未経験者も、
正社員も、パートさんも、受験スタッフも
バランスよく在籍しています。
ただ、それは人数がいて初めてできることです。
開業間もなくスケールがないうちは、
あれもこれも ではなく
あれかこれか です。
同業者です。様は、会計事務所未経験の将来税理士になりそうなスタッフの入り口として十分役割を果たしていると思います。
会計事務所も、他の業界同様に就職難です。特に未経験者にとっては狭き門です。
伸びている、中堅以上の税理士法人は教育している「時間」がないし、
小さい会計事務所には、教育する「仕組み」が不足しています。
短い時間、ルーティンワークのあまり責任が重くない作業をすることによって、
未経験者でも税理士試験受験との両立は可能になりますし、
(税理士法人TOTALでは「受験スタッフ」と呼んでいます)
彼ら・彼女たちも、受験が進めば次は「経験者」として違う会計事務所に勤務することも可能になります。
働く人は、心配しなくても、自分にとって一番良い環境を自らの意思で選びとっていくものです。
我々会計事務所経営者には、若い、次の世代の会計人を育てる責務があります。
未経験者の若手をぜひ積極的に採用してあげてほしいと思います。
いずれ、時間がたち、必要な人材が変われば心配しなくても同業者です。様も、自然とそういう人にも目が行きますよ。
=============
さて、本日、税理士試験の結果が発表になり、税理士法人TOTALは
なんと、4名( + 2名で6名?)の官報合格
詳しくは「税理士試験合格おめでとう!」へ
人材が育っているのを実感できる、経営者冥利に尽きる一日でした。
本日合格した税理士試験受験生のみなさんへ
合格おめでとう!
※なお、
新規のご質問はここをクリック してください。
この件に関するコメントは下記のコメント欄をご利用ください。
また、このサイトもありがたいことに皆様のご質問をいただき、事例が増えてきました。
ご質問の前に、同様な質問が無いかご確認いただけると幸いです。
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税理士法人TOTAL 高橋寿克です。
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同業者です。様からのご質問です。
■年齢 30代半ば
■性別 男性
■資格 公認会計士
■職歴 所長
■会計事務所経験 大手会計事務所から独立
■居住地 東京
異例かもしれませんが。採用する立場からのご質問です。
実は、今まで、正社員を雇ったことがなく、アルバイトのみを雇っています。こういう景気状況なので、正社員を雇うのは少々怖く、とはいっても、事務員が不要というわけでもないので、超簡単な雑用のみをやってくれるアルバイトのみをつかっていました(簿記2級あれば、2週間程度でやれてしまえそうな仕事しか与えていません。とはいっても、今までの採用は簿記1級以上or税理士1科目以上です)。
今までの採用基準は、資格を揃えられそうな人、かつ、揃えられたら転職できそうな人という基準です。ということで、年齢+資格の保有状況のみで書類選考し、面接の結果、性格が悪くなければ採用です。
ただ、募集を出すたびに、それとは外れた人達が応募してきているので、当然、書類選考で落としていますが、だんだん、それでいいのか悩んできました。
今までのアルバイトは、20代前半のみで、中には学生もいます(かつ、全員業界未経験)。
週2〜3日程度ですが、よく働いてくれるのですが、たしかに、簡単な仕事しか与えていないので、ほとんど彼ら、彼女らの経験にはなっていないと思います。
これで本当にいいのかという気もするし、学生とか、卒業1年目とかで、受験専念なら、受験勉強をできる環境を与えて挙げている今の状態なら、他業種(コンビニ、飲食店など)で働くよりは、会計事務所経験という意味ではマシな気もするのですが、正社員として他事務所で働けるスキルを与えるという意味では、これも悩みどころです。
とはいえ、経験者を雇って、正社員登用なしというのも残酷な気がします。また、人を育てるほどの日数だと、受験に支障をきたすような気もします。
大学生を雇って、24歳くらいまでに3科目習得させて巣立たせるのが、精一杯の善意なのですが、これでいいのかというのも気にはなっています。
Q.正社員登用を前提としない雇用なので、どういう人を雇えばいいでしょうか。
同業者として、どう思われますでしょうか。
A.
同じ経営者ですので、私なんぞがコメントする立場にはないのですが
一経営者の戯れ言だと思ってお読みください。
私は人を採用するとき、その人の人生をじっくり考えます。
若い応募者の方は、自分でもまだ考えていないであろう今後30年を
どうやって、その方に資格を取らせてあげられるか
その後キャリアを積ませてあげられるか、
50代はどこでどういう仕事をしているのだろう。
そんなことを考えながら、1時間以上お話を聞きます。
(筆記とあわせて2時間です。ちょっと長すぎですね)
一緒に、一生付き合っていける方なのか、
この人の人生を背負う覚悟があるのか
転職しても、ご主人が転勤になっても、キャリアを生かせるだろうか。
自分に問いかけます。
同業者です。様も似ていますね。
だからこそ、これで本当に良いのだろうかと悩まれるのでしょう。
私は、最初から、未経験の正社員を中心に採用してきたのでえらく大変でした。
未経験者は、教育コストがかなり、生産性はそれほど上がりません。それでも、正社員なのである程度の待遇を用意してあげたくなります。
このため、うちは7年目までずっと赤字でした。
今は、税理士法人TOTALには
経験者も、未経験者も、
正社員も、パートさんも、受験スタッフも
バランスよく在籍しています。
ただ、それは人数がいて初めてできることです。
開業間もなくスケールがないうちは、
あれもこれも ではなく
あれかこれか です。
同業者です。様は、会計事務所未経験の将来税理士になりそうなスタッフの入り口として十分役割を果たしていると思います。
会計事務所も、他の業界同様に就職難です。特に未経験者にとっては狭き門です。
伸びている、中堅以上の税理士法人は教育している「時間」がないし、
小さい会計事務所には、教育する「仕組み」が不足しています。
短い時間、ルーティンワークのあまり責任が重くない作業をすることによって、
未経験者でも税理士試験受験との両立は可能になりますし、
(税理士法人TOTALでは「受験スタッフ」と呼んでいます)
彼ら・彼女たちも、受験が進めば次は「経験者」として違う会計事務所に勤務することも可能になります。
働く人は、心配しなくても、自分にとって一番良い環境を自らの意思で選びとっていくものです。
我々会計事務所経営者には、若い、次の世代の会計人を育てる責務があります。
未経験者の若手をぜひ積極的に採用してあげてほしいと思います。
いずれ、時間がたち、必要な人材が変われば心配しなくても同業者です。様も、自然とそういう人にも目が行きますよ。
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さて、本日、税理士試験の結果が発表になり、税理士法人TOTALは
なんと、4名( + 2名で6名?)の官報合格
詳しくは「税理士試験合格おめでとう!」へ
人材が育っているのを実感できる、経営者冥利に尽きる一日でした。
本日合格した税理士試験受験生のみなさんへ
合格おめでとう!
※なお、
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また、このサイトもありがたいことに皆様のご質問をいただき、事例が増えてきました。
ご質問の前に、同様な質問が無いかご確認いただけると幸いです。
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