2016年11月30日

危ない会計事務所を見分ける10の質問

「税理士事務所・会計事務所は入社しないとわからない」
それでは困りますよね。長く勤務できない問題のある会計事務所だけは避けたいものです。
会計事務所の採用シーズンを前に
そんな悩みにお答えするべく

危ない会計事務所を見分ける10の質問
これ全部、面接で聞いたら、聞き過ぎです。
まずは、ホームページでわかるものは確認しましょう。
その上であなたが気になるものだけを質問してみてください。

(1)離職率はどれくらいですか?
実際に質問するときは「この一年間で何人お辞めになっていますか?」等言い方は工夫してみてください。
会計業界は、最大手でも3年で人が入れ替わると言われる業界で比較的離職率が高いですが、それでも25%を超えたら「危ない」会計事務所。

「会計事務所・税理士事務所の離職率」はこちら

会計事務所の求人も、ある種、広告ですから、事実の通りとは限りません。
ホームページも、求人広告もあまりあてになりません。
離職率の情報も法人発表はいい加減なところもあります。
残念ながら、成長率が高く若い・ベンチャー色が強いところや準大手の税理士法人・会計事務所の中には広告が上手で
(かなり低い虚偽の数字で)離職率が低いと断言をしているところをがあることも知っています。極端な例だと経営者本人が大量解雇を自慢?しているのをお聞きしたことがあります。

税理士法人TOTALのように悪いことも開けっぴろげに書くスタイルは一般的ではありません。
うちは合わない人の採用はお互いに損だし、疲れると思っているので事実の通り公開していますが
悪いことを書くと募集が減るので嫌がる税理士も多いのです。

この質問の弱点は虚偽の答えを確信的にされると、世慣れていない受験生には見破れないことです。

短期間に離職が多いかは、
ハローワークなら、相談すれば、本当にどのくらい辞めているかもわかるはずですので、
(明らかな問題がある会計事務所かどうかはハローワークならわかります)
中堅以上の会計事務所なら、個別にハローワークの相談員の方に相談した方が良いのかもしれません。
(と書いても、みんな自分は大丈夫と思って、ネットを少し検索するくらいで納得してしまうので、ネット対策が得意な会計事務所に引っかかってしまうのですが)

(2)最近お辞めになった方の退職理由はなんですか?
なかなか正確には教えてくれないかもしれませんが。その回答姿勢自体も回答の一部だと思って聞いてみてください。
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税理士法人TOTALではこんな感じです。
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(3)スタッフの男女比はどうなっていますか?
ホームページや求人票を先に確認しましょう。
「男性(女性)が多いのはどうしてですか?」
女性・男性のどちらかに極端に偏っている場合、理由の確認が必要です。
サポート要員、バックオフィス要員が多い分、女性がやや多いくらいで普通です。

(4)この一年間でお客様はどれくらい増えましたか?
増えている事務所は少ないですが、減っていたら、近い将来、自分の居場所がなくなる危険性が高い。
もっとも、増えすぎている事務所は、それはそれで、激務できつかったりするのですが。

(5)税理士(有資格者を含む)は何人おられますか?
職員数10人に1人以下なら危険。
税理士1人の場合は長期では勤務できない。

なお、税理士事務所別の登録税理士は、日税連のHPで確認できます。
「税理士 検索」でページを出して
https://www.zeirishikensaku.jp/sch/zs_sch0.asp
「条件を指定して検索したい場合」の「税理士」を選択
https://www.zeirishikensaku.jp/sch/zs_sch3.asp
「事務所名」に就職希望会計事務所を入れればすべて出てきます。
(ここでは登録していないいわゆる「税理士有資格者」は検索できません)
税理士有資格者一人で10人見れないので
標準的会計事務所なら、税理士有資格者が社員数の10分の1以上が望ましいです。
営業力が強く、業務水準が低い事務所は
所長・代表社員と営業を行う店長クラス以外、税理士がほとんどいないことがあります。
税理士の登録年月日も出ていますので、キャリアの想像はしやすいでしょう。

(6)残業代は出ますか?
みなし残業制度なら、残業時間の多さはある程度覚悟しなくてはいけないので、みなし残業が何時間かをお聞きしてみましょう。
「残業代は出ない」と言うのは「私は法律を守らない」と言っているということで法律家の言葉ではないですね。
同様に社会保険未加入(個人会計事務所は社会保険は任意適用です)についても所長のスタッフに対する考え方の現れでしょう。ちなみに私が勤務していた会計事務所及びTOTAL(途中からですが)は個人事務所時代でも社会保険には加入していました。
給与の比較をするときは残業・社会保険とあわせて比べてみてください。
また、就労時には「労働条件通知書」はもらいましょう。

(7)労働時間はどれくらいですか?
残業時間を繁忙期(12〜3月)と閑散期に分けて聞いてみてください。
少人数の事務所なら繁忙期以外に事務所に夕方・夜行ってみることでわかります。ただ、この手法は
大規模な事務所は少人数だけが残業しているかもしれないし、所長が残業している場合にも電気は付きっぱなしになります。
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税理士法人TOTALでは、付き合い残業は禁止です。1日12時間以上働いて生産性を維持できるのは所長くらいです。

ただ、当事務所でも都心部の事務所(秋葉原、横浜あたり)は、所長がそれなりに残業しています。また、大規模事務所(新宿、船橋駅前)はだれかが残業していることもあり消灯はやや遅くなっています。
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(8)労働時間管理をしていますか?
「残業」は自己申請が必要という形式で、残業を事実上申請させないという会計事務所も存在します。
これは
「タイムカードはありますか?」
「労働時間の管理方法はどうなっていますか?」
という質問をすることにより残業代を出さない事務所を見破ることができます。
残業の多さが疑われる事務所の場合は聞いてみてください。

(9)去年の科目合格者は何人ですか?
最近では、税理士試験受験生が減少しているため、人不足が深刻です。
このため「受験生支援」を標榜する会計事務所が増えています。
残念ながら、実際には両立ができる事務所ばかりではありません。
採用のページは広告に過ぎません。
どのくらい両立が可能なのか、一番分かりやすいのは、科目合格者の人数です。
「去年の科目合格者は何人ですか?」に加えて
「税理士受験生は何人くらいおられますか?」
と聞けば、合格率もわかります。
受験仲間は多い方がモチベーションが続きます。受験と仕事の両立の度合いがはかれます。
似たような質問では
「過去に官報合格者は何人輩出されていますか?」
というものもありますが、
小規模や歴史の浅い税理士事務所では誤差が大きくなります。
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税理士法人TOTALは、男性は有資格者以外ほとんど税理士受験生です。女性も比較的受験生が多いです。
科目合格率は20%台半ばくらいで推移しています。平均が10%代前半の試験ですから、専念受験生や若い学生との競争を考えるとみんなよく頑張っていると思います。
税理士法人TOTALに入社後に税理士になった方は、官報合格と大学院免除を合わせて32人、そのうち官報合格者は21人です。
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(10)営業ノルマはありますか?
新規顧客獲得、保険の勧誘についてノルマを設けている事務所もあります。全員営業の事務所も一部あります。
営業力に自信がある方はどうぞ。
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税理士法人TOTALでは、希望や適性で一部の方に営業をしていただいています。特にノルマはありません。
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大人数の税理士法人で、無資格者もホームページで顔写真を掲載している場合は営業体質のことが多いです。

<番外編1>
夜間・週末に大学院に行く大学院免除を検討している人は、
「大学院に通学されている方はいますか?」
「大学院進学は可能ですか?」
これは、所長によって好き嫌いがはっきりしているところです。事前に必ず確認しましょう。
=============
税理士法人TOTALでは現在、大学院通学中のスタッフは3名、
また、勤務期間が3年を超える優秀なスタッフには学費免除の制度もあります(一定の要件を満たす必要があります)。
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<番外編2>
あなたが比較的高学歴受験生な場合
「私と同じ大学の方はいますか?」
(早慶、明治あたりだと手頃で聞きやすいですね)

あまりここで書くような話ではないのかもしれませんが、
一部の税理士事務所に所長を含めて学歴コンプレックスの方がいるのは否定できません。そういう事務所では、高学歴な受験生がいづらいこともあります。
下手をすれば他のスタッフからのいじめ・嫉妬の対象で受験の邪魔をされます。
所長の学歴が自分より高ければあまり心配しなくても良いと思います。

ちなみに
早稲田大学、慶応大学、中央大学、関西大学大学院法学研究科補佐人研修 修了
とあったら、税理士なら誰でも受講できる
「保佐人」について学ぶ研修を受講したということで
学歴」とは一切関係ありません。
むしろ学歴コンプレックスがあると思われる方が書いていることが多いように感じます。
学歴が高い方は気を付けた方が良いかもしれません。


こう書いてくると、ほとんどの会計事務所がダメで
どこにもいけなくなりそうですが
自分の求めるものと一致すれば
あまり気にしすぎても仕方がありません。

税理士事務所・公認会計士事務所は、最大手でも1000人級で
零細・中小企業にすぎません。
最大手でもBIG4を除くと、代表者の個人商店です。
ただ、世の中の中小企業に比べれば待遇・給与は恵まれている方だと思います。

税理士は
地域のベンチャー起業家、経営者、資産家といった
お客様に感謝され、
お客様の成長を一緒に喜べる
やりがいのある仕事です。

自分の心にうそをついて仕事をしたり無理にセールスする必要もない。
社会的にも「先生」として一定の評価をしてもらえる。

正しいことを正しくすすめて
お客様に、
「ありがとう」
と感謝される。


私はこの仕事が大好きです

一人でも多くの方に
素晴らしい会計人になってもらいたいものです。






※なお、ご質問はここをクリック


また、このサイトもありがたいことに皆様のご質問をいただき、事例が増えてきました。
ご質問の前に、同様な質問が無いかご確認いただけると幸いです。
「過去の質問」はこちら

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