2010年01月26日

税理士資格の大学院免除は悪いことか?

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTALの税理士 高橋寿克です。

K様よりのご質問です。
■年齢 25(4月生まれ)
■性別 男性
■資格 税理士科目合格(簿・財)、受講中(法・消)税法は初受験です。
■職歴 なし
■学歴 東京の私大(偏差値45程度)卒業(2009/3)
    同大学院に進学(2009/4)
■居住地 船橋市
■その他 2浪して大学に入り、大学受験に関しては失敗しています

まず、院については、大学の先生にご相談をし、資格は早く取った方が良い等の助言を頂き進学を決めました。
しかし、昨年に科目合格(簿記は3回目、財表は2回目。簿記の1回目はお試し受験でした。)できたため、就職を意識し始めました。
進学は誤った選択で辞めるべきではないのかと思い始めました。免除に対する後ろめたさも感じてきております。

以下、今後の選択肢として考えたことです。
(1)院を辞め5科目を目指す
・今年8月に就職を目指す
・今年8月からアルバイト等を探し、来年8月に就職を目指す
・専門学校の講師を目指す
 (昨年、大手専門学校から講師のお誘いを頂きました)
(2)院を辞めず卒業後に就職を目指す
・法人or消費+免除
・法人+消費+免除
・免除は最終手段として5科目を目指す
※論文・税法初学等を考え、今年は1科目受験を検討しています

ただ、大学の先生方には、学部の頃から大変お世話になっており、有り難いことに親切に接していただいてもおります。そのため、辞めてしまうというのも、先生方に対する裏切り行為になり、迷惑もかけてしまいます。このことについては、心苦しいです。

Q.厳しいご意見でも良いです。僕の様な状況ですと、どのような選択肢が良いのでしょうか?

A.
大学院免除については、過去に甘すぎた制度を悪用された歴史的経緯もあり議論になっていますが、
私自身は、現行制度なら最低1科目ずつは税理士試験科目合格が課せられており問題ないと思います。税理士法人TOTALでは採用で区別しません。

実際、大学院免除者も数名在籍していますし
現在働きながら大学院に通っているスタッフもいます。
今後も実務経験者の大学院進学を積極的に支援するつもりです。
(選抜して、学費も税理士法人TOTALで全額負担しています)

個人的には会計人としての適性が不明な段階での、大学から直接大学院に進学し免除を受けることはリスクがあるとは思っています。
大学院はつきつめて物事を考えることが必要でしょうが、会計事務所の仕事では、同時並行処理能力やコミュニケーション能力が必要で求められ資質が違います。そして実務で必要とされる能力は、考えるより、反復継続して慣れるべきものです。

ただ、K様の場合、すでに大学院に進学しており、院をきちんと卒業して免除すべきと思います。資格は早く取った方がいいですし、大学院免除の方の多くはきちんと勉強して良い税理士になっています。

大学院を自主的に中退すると、忍耐が出来ない人という評価になる可能性が高く、就職活動で著しく不利になります。

学歴について気にされているようですが、簿記論・財務諸表論を合格し、講師に誘われるほどの成績を残しているのでかなりの程度カバーされていると思います。

私のお勧めは、法人税は合格するのは大変なので、消費税に専念して大学院在学中に合格するです。
余力によっては、法人税を計算だけゴールデンウィークくらいまで受講するのは止めません。

合格したら、年末からはアルバイトで会計事務所で働き始めるのも面白いでしょう。
駄目だった場合は翌年8月まで受験に専念しても4月から働きながら受験しても良いでしょう。
K様の若さなら採用する税理士事務所もあると思います。

合格・卒業後は、働きながら、受験しなくても法人税、相続税、場合によっては所得税を専門学校等で勉強する必要があります。

税理士試験5科目合格でも、大学院免除でも、一生勉強です。


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コメント一覧

1. Posted by K   2010年01月28日 20:58
高橋先生、お忙しい中、ご返答をして頂きありがとうございました。

昨年の試験結果の発表後、就職情報誌や、税理士法人・会計事務所等のHPをいくつか見て、「試験免除不可」などの求人が少数でしたがありましたし、いくつか批判的な内容のものもありました。

大学院に対するそのような事情は、進学以前にもある程度は把握していたつもりでしたが、実際にそのような情報に触れ、やはり進学しないほうが良かったのかなと、また、それに付随してその他のことについても最近ずいぶん考えてしまっていました。

ただ、今回高橋先生に質問できて良かったです。

まず今年は、高橋先生のおっしゃるように、大学院はそのまま続け、今年の消費税の合格を目指したいと思います。実務の適正については不安がありますが、今は適正があると信じがんばりたいと思います。

遅れましたが、このような場を提供して下さり、本当にありがとうございました。

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