2010年01月10日
転職回数の多い方の会計事務所への就職
東京都千代田区と千葉県船橋市の税理士法人TOTALの税理士 高橋寿克です。
KUJI様よりのご質問です。
書類選考にて不採用のご連絡をいただきました者です。今後の就職活動のためにご意見をいただきたく質問させていただきます。
■年齢 28
■性別 女性
■資格 日商簿記2級 公認会計士受験 3回
■職歴 マスコミ、小売、ITなど 転職7回
■学歴 関関同立
■会計事務所経験 なし
■居住地 東京
以前の私は『仕事とは自分の成長のためのもの』と考えていたため、仕事を選ぶときから退職まで自分本位な決断を繰り返し転職を7回繰り返しました。
勤務先の支店閉鎖による派遣切りを経験し、『仕事の通じての成長とは結果得られるものであり、目的とするものではない』と考えるようになり、今までの退職に関しても『退職を考えた時こそが本当の成長のチャンスであったのに』と自分の考えの甘さに後悔しています。
公認会計士を目指し勉強していましたが、自分は中小企業やベンチャー企業の経営者を支えたいと思うようになり税理士志望に転化を致しました。
・経営者を会計の分野で支えることを通して社会に参加したい
・将来的に障害のある人たちが働ける場所を提供できるようになりたい
・結婚・出産後も仕事を続けたい
このため働いて社会に参加することを優先しながら税理士の勉強をしようと考えています。
しかし、考え方は変わっても職歴は変えられません。もちろん、職歴以外の問題やまだまだ考えが至らないことが不採用の原因かとも考えておりますが、今回は職歴の多さに関してご意見をいただきたく思っております。
Q.転職7回というのは、自分のキャリアを再形成するためのチャレンジには無謀すぎる経歴でしょうか?
A.
最近の就職難もあり、税理士法人TOTALにもかなり多くの履歴書が送られています。このため、書類審査をスタッフが形式的に行っています。KUJI様には失礼しました。
うちの場合、会計業界では珍しく社員教育に力を入れており、その分、3〜5年程度働ける確率が高くないと判断すると採用しません。
転職歴の多さはネガティブチェックにかかりやすいかもしれません。
同じような考えの会計事務所・一般企業は残念ながら多いことと思います。
話が大きくなりすぎますが、日本の現状の最大の問題は、
私は「教育の失敗」だったと考えています。
自由や自己実現の重要性を教えても、倫理観や、目指すべき世界観もなく、
目標の達成のためには規律や義務・責任も必要なことを教えてこなかったこと。
高度成長期には、大企業が職業訓練をしてくれたし、
親の世代が苦労をし、親の教育も水準を維持できていたので問題は表面化しなかったのでしょう。
親が戦後教育を受けて、子供が過保護・過自由な状態で学生時代を過ごした世代は、バブル崩壊後、大学を卒業するとむき出しのグローバル経済で結果を求められる社会に放り出され、一部の優秀な人以外、うまく適応できていない。
自分のための仕事なんて、天才以外には最初からは無いんですね。
仕事に合わせて、自分を鍛え上げ、
より仕事の中で自分が生きるようにしていく。
仕事の本当の意味が分かるには1箇所で、最低でも3〜5年はかかるんですね。
だから、このための我慢が出来ない転職が多い人は採用されにくいのです。
このことをKUJI様は経験の中から学ばれたことと思います。
それでは、キャリアの再形成は可能かと聞かれれば
私の答えはYESです。
以前 はやった「100人の村」理論だと
20代で、一定の学歴・職歴もあり、会計の勉強を本気でして、(補助者でも採用されやすい)女性です。
おそらく、会計事務所への求職希望者のうち100人中10人もいないでしょう。
ただ、中堅以上の税理士法人に正社員で入るのは、現状かなり狭き門です。
もちろん、これらに採用されれば一番簡単ですが、
うまく、キャリアを積んでこれなかったので厳しいというなら
中堅の税理士法人のパートか、零細会計事務所でもいいとまずは妥協すれば可能性はあがります。
「あきらめずに会計事務所に就職する方法」
そこで、最低3年働いてその間に税理士試験に2〜3科目合格すれば
次の転職はかなり容易なはずです。
(おそらく、そのくらいなら、うちでも書類審査を通る可能性が高いでしょう)
もちろん、中堅税理士法人なら、パートから正社員への昇格もありえるでしょうし、
零細会計事務所でも居心地がよければもっと長くいてもかまいません。
税理士になろうという強い意志があれば、
過去は変えられなくても、未来は変えられるのです。
正確な時代・状況判断と、きちんとした対策、
技術や経験を得るためのたゆまぬ勉強や我慢・努力が必要です。
28歳という年齢は、決してそれが難しいとは思いません。
KUJI様よりのご質問です。
書類選考にて不採用のご連絡をいただきました者です。今後の就職活動のためにご意見をいただきたく質問させていただきます。
■年齢 28
■性別 女性
■資格 日商簿記2級 公認会計士受験 3回
■職歴 マスコミ、小売、ITなど 転職7回
■学歴 関関同立
■会計事務所経験 なし
■居住地 東京
以前の私は『仕事とは自分の成長のためのもの』と考えていたため、仕事を選ぶときから退職まで自分本位な決断を繰り返し転職を7回繰り返しました。
勤務先の支店閉鎖による派遣切りを経験し、『仕事の通じての成長とは結果得られるものであり、目的とするものではない』と考えるようになり、今までの退職に関しても『退職を考えた時こそが本当の成長のチャンスであったのに』と自分の考えの甘さに後悔しています。
公認会計士を目指し勉強していましたが、自分は中小企業やベンチャー企業の経営者を支えたいと思うようになり税理士志望に転化を致しました。
・経営者を会計の分野で支えることを通して社会に参加したい
・将来的に障害のある人たちが働ける場所を提供できるようになりたい
・結婚・出産後も仕事を続けたい
このため働いて社会に参加することを優先しながら税理士の勉強をしようと考えています。
しかし、考え方は変わっても職歴は変えられません。もちろん、職歴以外の問題やまだまだ考えが至らないことが不採用の原因かとも考えておりますが、今回は職歴の多さに関してご意見をいただきたく思っております。
Q.転職7回というのは、自分のキャリアを再形成するためのチャレンジには無謀すぎる経歴でしょうか?
A.
最近の就職難もあり、税理士法人TOTALにもかなり多くの履歴書が送られています。このため、書類審査をスタッフが形式的に行っています。KUJI様には失礼しました。
うちの場合、会計業界では珍しく社員教育に力を入れており、その分、3〜5年程度働ける確率が高くないと判断すると採用しません。
転職歴の多さはネガティブチェックにかかりやすいかもしれません。
同じような考えの会計事務所・一般企業は残念ながら多いことと思います。
話が大きくなりすぎますが、日本の現状の最大の問題は、
私は「教育の失敗」だったと考えています。
自由や自己実現の重要性を教えても、倫理観や、目指すべき世界観もなく、
目標の達成のためには規律や義務・責任も必要なことを教えてこなかったこと。
高度成長期には、大企業が職業訓練をしてくれたし、
親の世代が苦労をし、親の教育も水準を維持できていたので問題は表面化しなかったのでしょう。
親が戦後教育を受けて、子供が過保護・過自由な状態で学生時代を過ごした世代は、バブル崩壊後、大学を卒業するとむき出しのグローバル経済で結果を求められる社会に放り出され、一部の優秀な人以外、うまく適応できていない。
自分のための仕事なんて、天才以外には最初からは無いんですね。
仕事に合わせて、自分を鍛え上げ、
より仕事の中で自分が生きるようにしていく。
仕事の本当の意味が分かるには1箇所で、最低でも3〜5年はかかるんですね。
だから、このための我慢が出来ない転職が多い人は採用されにくいのです。
このことをKUJI様は経験の中から学ばれたことと思います。
それでは、キャリアの再形成は可能かと聞かれれば
私の答えはYESです。
以前 はやった「100人の村」理論だと
20代で、一定の学歴・職歴もあり、会計の勉強を本気でして、(補助者でも採用されやすい)女性です。
おそらく、会計事務所への求職希望者のうち100人中10人もいないでしょう。
ただ、中堅以上の税理士法人に正社員で入るのは、現状かなり狭き門です。
もちろん、これらに採用されれば一番簡単ですが、
うまく、キャリアを積んでこれなかったので厳しいというなら
中堅の税理士法人のパートか、零細会計事務所でもいいとまずは妥協すれば可能性はあがります。
「あきらめずに会計事務所に就職する方法」
そこで、最低3年働いてその間に税理士試験に2〜3科目合格すれば
次の転職はかなり容易なはずです。
(おそらく、そのくらいなら、うちでも書類審査を通る可能性が高いでしょう)
もちろん、中堅税理士法人なら、パートから正社員への昇格もありえるでしょうし、
零細会計事務所でも居心地がよければもっと長くいてもかまいません。
税理士になろうという強い意志があれば、
過去は変えられなくても、未来は変えられるのです。
正確な時代・状況判断と、きちんとした対策、
技術や経験を得るためのたゆまぬ勉強や我慢・努力が必要です。
28歳という年齢は、決してそれが難しいとは思いません。