2009年10月24日
企業内税理士の種類
税理士事務所・会計事務所 就職情報の税理士 高橋寿克です。
あや様よりのご質問です。
■年齢:38歳
■性別:女性
■資格:USCPA, 簿記2級、証券アナリスト
全経 所得税法1級、法人税法2級、消費税法2級
TOEIC800
■職歴:外資系金融(財務部門にて管理会計。小規模)5年
会計コンサルティング会社、1年
他職種6年
■学歴:MARCHレベル
■会計事務所経験:なし
■居住地:(出来れば大まかにでも書いて下さい)
Q.
現在の会社は規模が大変小さいため、財務部門での仕事は限られております。現在は子供も小さく、転職を考えておりませんが、将来の為に、また会社都合で職を失うことをも考慮して、税理士資格を検討しておりました。
(1)先生のコメントを拝見しておりますと、税理士試験を仮に5年で合格したとしても、未経験で税理士事務所へ正社員としての就職は厳しいように感じました。
(2)企業内税理士としての財務部門での就職の可能性についは、いかが思われますでしょうか?経理経験は一度もございません。
(3)年齢的に考えて、大変難関である税理士資格を勉強する以外の、キャリアアップの選択肢を考えた方が良いのかどうかという質問となります。予備校の話ではなく、現実を認識したいと思っております。ただ、税務には非常に興味を持っておりますし、お仕事的にも自分に向いていると思っております。
A.1 40代半ばの税理士有資格者(未経験者)の就職
税理士有資格者が欲しい税理士事務所は幹部として採用することもあると思います。具体的には、
・作業者が多く質的に問題があり品質向上を目指す場合
・後継者が欲しい場合
・支店設置の予定がある場合
などです。
また、女性の場合、独立の可能性が低いので、お客様を持ち逃げされるリスクが低く、就職は楽ではありませんが、さがせば正社員で採用するところも結構あります
(税理士法人TOTALも採用したことがあります)。
なお、男性の40代半ば税理士有資格者で未経験者は、実務経験2年の腰掛け・独立のリスクが高いのでその分だけ就職は厳しいでしょう。
A.2 企業内税理士
(1)顧問先に就職
会社の内容を分かっており、人間関係もできているので
このパターンは一番多くてお互いに安心でしょう。
ライブドアの宮内亮治氏が税理士・取締役兼CFOで有名
身近でも何人かいます。
(2)勤務中に税理士資格を取る
名刺の肩書きとして営業用に使ったり
(金融保険・コンサル)、
独立のタイミングを探るケースです。
(3)一般応募での転職
BIG4等の税理士法人に勤務していた税理士なら、
独立より企業勤務に親和性があるかもしれません。
独立失敗組の税理士もたまに企業勤務を目指すようです。
そもそも税理士試験を目指す方は
独立心も専門家志向も強いので身近には聞きません。
残念ながら、実務経験が無いと企業内税理士としての
転職は難しいかもしれません。
A.3 会計事務所への就職 あや様の場合
しっかりしたキャリアを積まれ、外資系金融の経験やTOEICスコアなど、一部の税理士法人では高く評価しそうなポイントもお持ちですね。
会計事務所勤務は、どういうキャリアプランを描いているかによって私の返事は違います。
(1)バリバリキャリア型
転職時の最低年収は500万円、できれば600万円、5年くらいでに1000万円以上を目指す。
これを思い描いているなら残念ながら間に合わないかも。
このタイプは30代前半までに税理士資格を取った方用ですね。
(2)仕事と子育ての両立型
転職時は年収300万円でも、5年くらいで500万円〜700万円を目指す。
その後は仕事内容しだいでそれ以上の給料も。
私は、こちらなら十分可能だと思います。この場合、独立前提でないなら、あまり税理士資格にこだわらなくて大丈夫です。
(もちろん、勉強を否定するつもりはありません)
会計業界は、実務経験の内容自体が評価されますので無資格で転職も可能ですし、そもそも外資系ほど転職する必要もありません。
キャリアアップに熱心な方にはぬるい業界かもしれません(安定しているとも言えます)。歴史の長い会計事務所なら、10年以上の女性スタッフがたくさんいます。
税理士法人TOTALも、正社員第1号が今でも在職してくれています。
前回「女性の仕事と家庭の両立」の再掲になりますが、
仕事と家庭との両立を考える女性にとっては、中堅クラス以上の会計事務所のスタッフとして働くこと、そのなかでチャンスがあれば資格を取るくらいでいいと個人的には思っています。
良い点は、(高給ではないが)普通の給与であること、つぶれにくいこと、経験者の転職は容易なこと(だんなさんの転勤等に対応できます)、家庭と仕事の両立に理解があることが多いこと、パートと正社員の差が(男女差別のない事務所なら)小さく正社員になりやすいことなどです。
悪い点は、個人商店なので所長と合わないと大変です。人を使うのが得意でない方(というか人を使う技術のない方)も残念ながらいます。所長が高齢者の事務所は途中で転職する必要があります。
なお、あや様の場合は38歳という年齢は微妙です。
仕事を覚える都合があるので数年中に転職しないとさすがにつらいと思います。
(税理士資格を取る場合を除く)
今の仕事でいけるなら、正直悩むところですね。
在職のまま、今すぐ転職活動するか、反応が今ひとつなら、税理士試験の一部科目を受験・合格して転職活動をするのも手かもしれません。
あや様よりのご質問です。
■年齢:38歳
■性別:女性
■資格:USCPA, 簿記2級、証券アナリスト
全経 所得税法1級、法人税法2級、消費税法2級
TOEIC800
■職歴:外資系金融(財務部門にて管理会計。小規模)5年
会計コンサルティング会社、1年
他職種6年
■学歴:MARCHレベル
■会計事務所経験:なし
■居住地:(出来れば大まかにでも書いて下さい)
Q.
現在の会社は規模が大変小さいため、財務部門での仕事は限られております。現在は子供も小さく、転職を考えておりませんが、将来の為に、また会社都合で職を失うことをも考慮して、税理士資格を検討しておりました。
(1)先生のコメントを拝見しておりますと、税理士試験を仮に5年で合格したとしても、未経験で税理士事務所へ正社員としての就職は厳しいように感じました。
(2)企業内税理士としての財務部門での就職の可能性についは、いかが思われますでしょうか?経理経験は一度もございません。
(3)年齢的に考えて、大変難関である税理士資格を勉強する以外の、キャリアアップの選択肢を考えた方が良いのかどうかという質問となります。予備校の話ではなく、現実を認識したいと思っております。ただ、税務には非常に興味を持っておりますし、お仕事的にも自分に向いていると思っております。
A.1 40代半ばの税理士有資格者(未経験者)の就職
税理士有資格者が欲しい税理士事務所は幹部として採用することもあると思います。具体的には、
・作業者が多く質的に問題があり品質向上を目指す場合
・後継者が欲しい場合
・支店設置の予定がある場合
などです。
また、女性の場合、独立の可能性が低いので、お客様を持ち逃げされるリスクが低く、就職は楽ではありませんが、さがせば正社員で採用するところも結構あります
(税理士法人TOTALも採用したことがあります)。
なお、男性の40代半ば税理士有資格者で未経験者は、実務経験2年の腰掛け・独立のリスクが高いのでその分だけ就職は厳しいでしょう。
A.2 企業内税理士
(1)顧問先に就職
会社の内容を分かっており、人間関係もできているので
このパターンは一番多くてお互いに安心でしょう。
ライブドアの宮内亮治氏が税理士・取締役兼CFOで有名
身近でも何人かいます。
(2)勤務中に税理士資格を取る
名刺の肩書きとして営業用に使ったり
(金融保険・コンサル)、
独立のタイミングを探るケースです。
(3)一般応募での転職
BIG4等の税理士法人に勤務していた税理士なら、
独立より企業勤務に親和性があるかもしれません。
独立失敗組の税理士もたまに企業勤務を目指すようです。
そもそも税理士試験を目指す方は
独立心も専門家志向も強いので身近には聞きません。
残念ながら、実務経験が無いと企業内税理士としての
転職は難しいかもしれません。
A.3 会計事務所への就職 あや様の場合
しっかりしたキャリアを積まれ、外資系金融の経験やTOEICスコアなど、一部の税理士法人では高く評価しそうなポイントもお持ちですね。
会計事務所勤務は、どういうキャリアプランを描いているかによって私の返事は違います。
(1)バリバリキャリア型
転職時の最低年収は500万円、できれば600万円、5年くらいでに1000万円以上を目指す。
これを思い描いているなら残念ながら間に合わないかも。
このタイプは30代前半までに税理士資格を取った方用ですね。
(2)仕事と子育ての両立型
転職時は年収300万円でも、5年くらいで500万円〜700万円を目指す。
その後は仕事内容しだいでそれ以上の給料も。
私は、こちらなら十分可能だと思います。この場合、独立前提でないなら、あまり税理士資格にこだわらなくて大丈夫です。
(もちろん、勉強を否定するつもりはありません)
会計業界は、実務経験の内容自体が評価されますので無資格で転職も可能ですし、そもそも外資系ほど転職する必要もありません。
キャリアアップに熱心な方にはぬるい業界かもしれません(安定しているとも言えます)。歴史の長い会計事務所なら、10年以上の女性スタッフがたくさんいます。
税理士法人TOTALも、正社員第1号が今でも在職してくれています。
前回「女性の仕事と家庭の両立」の再掲になりますが、
仕事と家庭との両立を考える女性にとっては、中堅クラス以上の会計事務所のスタッフとして働くこと、そのなかでチャンスがあれば資格を取るくらいでいいと個人的には思っています。
良い点は、(高給ではないが)普通の給与であること、つぶれにくいこと、経験者の転職は容易なこと(だんなさんの転勤等に対応できます)、家庭と仕事の両立に理解があることが多いこと、パートと正社員の差が(男女差別のない事務所なら)小さく正社員になりやすいことなどです。
悪い点は、個人商店なので所長と合わないと大変です。人を使うのが得意でない方(というか人を使う技術のない方)も残念ながらいます。所長が高齢者の事務所は途中で転職する必要があります。
なお、あや様の場合は38歳という年齢は微妙です。
仕事を覚える都合があるので数年中に転職しないとさすがにつらいと思います。
(税理士資格を取る場合を除く)
今の仕事でいけるなら、正直悩むところですね。
在職のまま、今すぐ転職活動するか、反応が今ひとつなら、税理士試験の一部科目を受験・合格して転職活動をするのも手かもしれません。