2009年10月03日
司法試験から税理士試験へ
税理士事務所・会計事務所 就職情報の
税理士 高橋寿克です。
アミ様よりのご質問です。
■年 齢 37歳
■性 別 女性(既婚・現在子供なし。これからできればとは思っています。)
■資 格 ビジネス法務2級、今後2月まで に簿記3・2級を取得予定
(3級取得後、知り合いの会社で弥生ソフトを用いた決算書の作成まで行うパートをする予定)
■職 歴 裁判所勤務(3年間・29歳で退職)
試験期間中は、予備校のアルバイトを週2日(31〜34歳)
■学 歴 旧帝大→私立BIGロースクール
■会計事務所経験 なし
■居住地 不明
■その他 この秋新司法試験を不合格となり、受験資格を失った者です。200番足らず合格には及びませんでした。
勉強してきた法律の知識や考え方を生かせる仕事を探したいと真剣に思っており、税法という法律を扱う税理士に大変魅力を感じています。でも、年齢や未知の会計・税務の試験である点、職歴が(試験勉強を続けてきたため)きちんとしたものとしては3年しかないことが不安です。
Q.
(1)仮に、順調にいって42歳くらいで5科目合格ができた場合に、このような職歴でも未経験で雇って頂ける可能性はあるのでしょうか。
(2)税理士試験の科目合格には標準的にいってどのくらい勉強時間が必要とされているのでしょうか(TACのパンフでは簿記論450時間、法人税600時間などとありますが、この倍くらいを目安とするのは甘いでしょうか)。
(3)会社や倒産法などの学習を少しでも生かしたいと考え、将来資格がとれた場合、事業再生・事業承継等を扱うような会社や会計事務所へ転職したいと考えていますが、40代も半ばで可能でしょうか。
A.
司法試験の結果は大変残念でした。前年並みの合格率ならアミ様は合格して弁護士になっていたはずです。制度の改正のあおりを受けての三振の無念さ、お察しいたします。
===================
私の妹も、アミ様以上の高齢で子育てしながら旧帝大のロースクールに通っています。
私自身、答案を取り違えて東大法学部から官僚と言う夢は敗れ、旧司法試験も1年で短答合格も、奇病での体調不良で撤退していますのでお気持ちはある程度は分かります。
(この間の事情に興味がある方はこちら)
===================
(1)税理士有資格なら一部の税理士事務所・税理士法人で採用すると思います。
ただ、法律家としての色が強いことは必ずしもプラスに評価されるとは限らないこと、
(税理士法人TOTALは、税理士を、税務に関する法律家だと思っていますが、これは必ずしも一般的ではなく、事務屋・計算屋と定義している方も多いと思います。)
40代まで実務経験がないことで入れる事務所ばかりではないでしょう。
また、民間企業での職務経験の浅さはマイナス評価でしょう。
(2)税理士試験の科目合格に必要な勉強時間は大原やTACの言っている時間の2〜3割増くらいです(演習や手戻りの分でずれます)。
少ないと感じると思いますが、一発で合格した場合の時間です。
私は、初年度(25歳スタート)、5科目一括受験をしました(3科目合格)が、一応捨てた科目はなく、勝負になるレベルには達していたと思います。
アミ様の場合、年齢的に記憶力が落ちているので理論暗記がつらい税法の一部は5割増以上かもしれません。合格までの勉強時間数の増減には、科目選択と、いかに少ない回数で合格するかが影響します。うまくすれば倍はかかりません(私は7回受けた科目がありましたが)。
(3)事業再生・事業承継等をどのような規模で捕らえているかにもよります。
中小規模の案件でよければ税理士法人TOTALのような中堅の税理士事務所でもあります。この場合は税理士主導も多いでしょう。
大規模なものになると、ファンド、金融機関や大規模ローファームと提携した一部の税理士法人に集中します。内容的にもデューデリ等一部作業を請け負う形が増えるでしょう。また、公認会計士との協働も増えます。
前者は何とかなると思います。後者の場合、年齢や公認会計士との比較で難しいかもしれません。
妻の司法書士試験の勉強仲間の主婦の皆さんは、アラフォーで試験勉強を開始して、今では独立したり、勤務して司法書士業務を行っています。目先の仕事やこれからの子育てを考えると税理士試験の方が良いと言う判断ですよね。
人生には無駄はないと思います。アミ様の場合、まだ、人生の半分も来ていません。今考えているより税理士試験は大変かもしれませんが、あきらめずにがんばってください。
税理士 高橋寿克です。
アミ様よりのご質問です。
■年 齢 37歳
■性 別 女性(既婚・現在子供なし。これからできればとは思っています。)
■資 格 ビジネス法務2級、今後2月まで に簿記3・2級を取得予定
(3級取得後、知り合いの会社で弥生ソフトを用いた決算書の作成まで行うパートをする予定)
■職 歴 裁判所勤務(3年間・29歳で退職)
試験期間中は、予備校のアルバイトを週2日(31〜34歳)
■学 歴 旧帝大→私立BIGロースクール
■会計事務所経験 なし
■居住地 不明
■その他 この秋新司法試験を不合格となり、受験資格を失った者です。200番足らず合格には及びませんでした。
勉強してきた法律の知識や考え方を生かせる仕事を探したいと真剣に思っており、税法という法律を扱う税理士に大変魅力を感じています。でも、年齢や未知の会計・税務の試験である点、職歴が(試験勉強を続けてきたため)きちんとしたものとしては3年しかないことが不安です。
Q.
(1)仮に、順調にいって42歳くらいで5科目合格ができた場合に、このような職歴でも未経験で雇って頂ける可能性はあるのでしょうか。
(2)税理士試験の科目合格には標準的にいってどのくらい勉強時間が必要とされているのでしょうか(TACのパンフでは簿記論450時間、法人税600時間などとありますが、この倍くらいを目安とするのは甘いでしょうか)。
(3)会社や倒産法などの学習を少しでも生かしたいと考え、将来資格がとれた場合、事業再生・事業承継等を扱うような会社や会計事務所へ転職したいと考えていますが、40代も半ばで可能でしょうか。
A.
司法試験の結果は大変残念でした。前年並みの合格率ならアミ様は合格して弁護士になっていたはずです。制度の改正のあおりを受けての三振の無念さ、お察しいたします。
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私の妹も、アミ様以上の高齢で子育てしながら旧帝大のロースクールに通っています。
私自身、答案を取り違えて東大法学部から官僚と言う夢は敗れ、旧司法試験も1年で短答合格も、奇病での体調不良で撤退していますのでお気持ちはある程度は分かります。
(この間の事情に興味がある方はこちら)
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(1)税理士有資格なら一部の税理士事務所・税理士法人で採用すると思います。
ただ、法律家としての色が強いことは必ずしもプラスに評価されるとは限らないこと、
(税理士法人TOTALは、税理士を、税務に関する法律家だと思っていますが、これは必ずしも一般的ではなく、事務屋・計算屋と定義している方も多いと思います。)
40代まで実務経験がないことで入れる事務所ばかりではないでしょう。
また、民間企業での職務経験の浅さはマイナス評価でしょう。
(2)税理士試験の科目合格に必要な勉強時間は大原やTACの言っている時間の2〜3割増くらいです(演習や手戻りの分でずれます)。
少ないと感じると思いますが、一発で合格した場合の時間です。
私は、初年度(25歳スタート)、5科目一括受験をしました(3科目合格)が、一応捨てた科目はなく、勝負になるレベルには達していたと思います。
アミ様の場合、年齢的に記憶力が落ちているので理論暗記がつらい税法の一部は5割増以上かもしれません。合格までの勉強時間数の増減には、科目選択と、いかに少ない回数で合格するかが影響します。うまくすれば倍はかかりません(私は7回受けた科目がありましたが)。
(3)事業再生・事業承継等をどのような規模で捕らえているかにもよります。
中小規模の案件でよければ税理士法人TOTALのような中堅の税理士事務所でもあります。この場合は税理士主導も多いでしょう。
大規模なものになると、ファンド、金融機関や大規模ローファームと提携した一部の税理士法人に集中します。内容的にもデューデリ等一部作業を請け負う形が増えるでしょう。また、公認会計士との協働も増えます。
前者は何とかなると思います。後者の場合、年齢や公認会計士との比較で難しいかもしれません。
妻の司法書士試験の勉強仲間の主婦の皆さんは、アラフォーで試験勉強を開始して、今では独立したり、勤務して司法書士業務を行っています。目先の仕事やこれからの子育てを考えると税理士試験の方が良いと言う判断ですよね。
人生には無駄はないと思います。アミ様の場合、まだ、人生の半分も来ていません。今考えているより税理士試験は大変かもしれませんが、あきらめずにがんばってください。