2009年09月14日
証券会社の投資銀行業務から税理士法人への転職
税理士法人TOTALの税理士 高橋寿克です。
税理士事務所・会計事務所 就職情報
ダニエル様よりご質問です。
■年齢 32歳
■性別 男
■資格 簿記初学、税理士受験歴なし
証券アナリスト、CFP、TOEIC820
■職歴 証券会社投資銀行部門10年目
ベンンチャー企業のIPO、新興上場企業のM&A、
事業承継、ファイナンスに関与
■学歴 学部:大東亜帝国レベル
大学院:MARCH経営学修士(試験免除非該当)
■会計事務所経験 なし
■居住地 東京
ベンチャー企業に対して今よりももっと付加価値を提供し、ディープな付き合いができる税理士になりたいと思っています。そのために、3科目合格後を目処に当該顧客層がメインの税理士法人さんに転職したいと思っていますが、早くとも35歳くらいになってしまいます。また、年収の大幅なダウンも覚悟していますが、家族のほかに病気の田舎の両親への仕送りなどもあり、今の年収以下では本当に厳しいです。
Q.1
採用や給与決定に際して、金融マンとしてのこれまでの顧客リレーションや資本政策や資金調達アレンジなどのスキルは評価してもらえるものでしょうか?
Q.2
よく銀行や証券OBなどで部長職クラスで高待遇で行っている方は政策的な別枠ですか?
やはり今の会社に残って社内税理士を目指すしかないでしょうか?
A.1
MBAから証券会社の投資銀行部門というと、
1年前まで、華やかで最も人気のあった職種の一つですよね。
リーマンショックの直撃を受け、ベンチャーのIPOは激減し、新興上場企業は一時の勢いはなくなりました。
それでも、税理士業界のような地味な業界からすると
華やかでうらやましい面もあります。
=============
税理士業界は、地味で、給与は最初は安いですが、
知識・経験・信頼関係が蓄積していくので、
長く働ける、堅実で安定した業界ともいえます。
=============
ダニエルさんの場合、本来なら会計士業界の方が望ましいのでしょうが
監査法人の就職難を考えると年齢的にも公認会計士受験は現実的ではないでしょう。
(当税理士法人も公認会計士からの応募が続いていて驚かされます)
税理士法人の評価ですが、
・中小税理士法人は、しっかりした社会人経験があるという評価でしょう。
・中堅以上の税理士法人では、上記に加えて、
人脈やスキルを評価するところもあると思います。
ただ、他の転職同様、IPOが下火で、人余りなので
短期的には大きな評価アップにはならないかもしれません。
(早期)退職金等の有効利用に加えて、
給与ダウンを最小限にとどめたい場合、転職の時期や個別の転職先の見きわめが必要そうです。
A.2
銀行・証券OBの再就職のうち、一部は、会社から事実上指定・斡旋される別枠です。事業会社との取引が多い銀行の方が多く見られます。この場合は事実上の早期定年である50前後から派遣されることが多いでしょう。
金融マンは優秀で、プライドが高い方も多いですから、社内の出世が難しいのが見えてくると、自分から転職先を探す人も少なくないでしょう。このため、経験やスキルを見込まれてアラフォーくらいでコネや応募で転職するケースもあります。ベンチャーや新興中堅企業は管理が出来る人や、技術があるしっかりした人は驚くほど少ないという事情もあります。
私の同期も銀行に多く就職しましたが、40代前半にして、都銀は外に出た人が多くいます。
ただ、転職先はオーナー企業が多く、企業風土も大企業とは違い、経営者次第です。これを理解しないと、転職に失敗するかもしれません。
(銀行が斡旋する再雇用でも、グループ外への転出は、文化に合わずに半数近く退職するとお聞きしたことがあります。)
また、社内税理士の評価も必ずしも高くないし、かといって何もしないで安泰といえないところがつらいところです。
私見は、仕事や知識の幅を広げるためにも、せっかくですので税理士試験を受験してもらいたいと思っています。
・3科目合格した段階で、(社内でのご自身の評価や家族環境等)状況を見極めてから転職か、社内に残るかを判断する。
・試験に対する適性があっても状況が悪いという場合は、現職を辞めないで官報合格を目指す。官報合格後にもう一度状況を判断する。
それぞれの時期で、在職のまま、実際に税理士法人をまわって、転職活動をしてみることをお勧めします。一般論で考えるよりも、あなたに合う税理士法人が一つあればいいのですから。
=============
ちなみに、税理士法人TOTAL 東京本部の沓掛本部長は、金融業界に20年近くいて、40過ぎて税理士業界に来ました。
ビジネスマンとしてのスキルや人柄がしっかりしており、一生懸命努力もし、あまり違和感なく、がんばってくれています。
私自身は、大変ありがたいことだと思っています。
その間の事情は「東京本部長 税理士沓掛伸幸」
税理士事務所・会計事務所 就職情報
ダニエル様よりご質問です。
■年齢 32歳
■性別 男
■資格 簿記初学、税理士受験歴なし
証券アナリスト、CFP、TOEIC820
■職歴 証券会社投資銀行部門10年目
ベンンチャー企業のIPO、新興上場企業のM&A、
事業承継、ファイナンスに関与
■学歴 学部:大東亜帝国レベル
大学院:MARCH経営学修士(試験免除非該当)
■会計事務所経験 なし
■居住地 東京
ベンチャー企業に対して今よりももっと付加価値を提供し、ディープな付き合いができる税理士になりたいと思っています。そのために、3科目合格後を目処に当該顧客層がメインの税理士法人さんに転職したいと思っていますが、早くとも35歳くらいになってしまいます。また、年収の大幅なダウンも覚悟していますが、家族のほかに病気の田舎の両親への仕送りなどもあり、今の年収以下では本当に厳しいです。
Q.1
採用や給与決定に際して、金融マンとしてのこれまでの顧客リレーションや資本政策や資金調達アレンジなどのスキルは評価してもらえるものでしょうか?
Q.2
よく銀行や証券OBなどで部長職クラスで高待遇で行っている方は政策的な別枠ですか?
やはり今の会社に残って社内税理士を目指すしかないでしょうか?
A.1
MBAから証券会社の投資銀行部門というと、
1年前まで、華やかで最も人気のあった職種の一つですよね。
リーマンショックの直撃を受け、ベンチャーのIPOは激減し、新興上場企業は一時の勢いはなくなりました。
それでも、税理士業界のような地味な業界からすると
華やかでうらやましい面もあります。
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税理士業界は、地味で、給与は最初は安いですが、
知識・経験・信頼関係が蓄積していくので、
長く働ける、堅実で安定した業界ともいえます。
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ダニエルさんの場合、本来なら会計士業界の方が望ましいのでしょうが
監査法人の就職難を考えると年齢的にも公認会計士受験は現実的ではないでしょう。
(当税理士法人も公認会計士からの応募が続いていて驚かされます)
税理士法人の評価ですが、
・中小税理士法人は、しっかりした社会人経験があるという評価でしょう。
・中堅以上の税理士法人では、上記に加えて、
人脈やスキルを評価するところもあると思います。
ただ、他の転職同様、IPOが下火で、人余りなので
短期的には大きな評価アップにはならないかもしれません。
(早期)退職金等の有効利用に加えて、
給与ダウンを最小限にとどめたい場合、転職の時期や個別の転職先の見きわめが必要そうです。
A.2
銀行・証券OBの再就職のうち、一部は、会社から事実上指定・斡旋される別枠です。事業会社との取引が多い銀行の方が多く見られます。この場合は事実上の早期定年である50前後から派遣されることが多いでしょう。
金融マンは優秀で、プライドが高い方も多いですから、社内の出世が難しいのが見えてくると、自分から転職先を探す人も少なくないでしょう。このため、経験やスキルを見込まれてアラフォーくらいでコネや応募で転職するケースもあります。ベンチャーや新興中堅企業は管理が出来る人や、技術があるしっかりした人は驚くほど少ないという事情もあります。
私の同期も銀行に多く就職しましたが、40代前半にして、都銀は外に出た人が多くいます。
ただ、転職先はオーナー企業が多く、企業風土も大企業とは違い、経営者次第です。これを理解しないと、転職に失敗するかもしれません。
(銀行が斡旋する再雇用でも、グループ外への転出は、文化に合わずに半数近く退職するとお聞きしたことがあります。)
また、社内税理士の評価も必ずしも高くないし、かといって何もしないで安泰といえないところがつらいところです。
私見は、仕事や知識の幅を広げるためにも、せっかくですので税理士試験を受験してもらいたいと思っています。
・3科目合格した段階で、(社内でのご自身の評価や家族環境等)状況を見極めてから転職か、社内に残るかを判断する。
・試験に対する適性があっても状況が悪いという場合は、現職を辞めないで官報合格を目指す。官報合格後にもう一度状況を判断する。
それぞれの時期で、在職のまま、実際に税理士法人をまわって、転職活動をしてみることをお勧めします。一般論で考えるよりも、あなたに合う税理士法人が一つあればいいのですから。
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ちなみに、税理士法人TOTAL 東京本部の沓掛本部長は、金融業界に20年近くいて、40過ぎて税理士業界に来ました。
ビジネスマンとしてのスキルや人柄がしっかりしており、一生懸命努力もし、あまり違和感なく、がんばってくれています。
私自身は、大変ありがたいことだと思っています。
その間の事情は「東京本部長 税理士沓掛伸幸」