2009年09月03日
会計事務所の教育・研修システム
税理士法人TOTALの税理士 高橋寿克です。
たる様よりのご質問です。
■年齢 34歳
■性別 男
■資格 簿記論 財表 法人税法 消費税法
■職歴 一般企業の営業、会計事務所経験2年 正社員
■学歴 慶応
■居住地 九州
税理士事務所での実務経験(社内研修)について教えてください。
私が勤めている会計事務所(非TKC)は所長含めて3人の小さい事務所です。未経験だった私を採用してくれてとても感謝してますが、社内研修がないので自分で聞いたり、調べたりして仕事をしています。しかし、他の事務所はどうやっているのかすごく気になります。私はどこにでも通用する(どこに転職しても通用する)知識と経験を学びたいと思っています。
Q、数年たったら他の事務所に移ったほうがいいのでしょうか?
また、税理士法人TOTALではどのようにして未経験の人を一流の人材に育ているのでしょうか?
A.
税理士法人TOTALでは会計事務所未経験者も積極的に採用し、
スタッフには最低でも「標準的な税理士レベル」にはなってもらいたいと思って教育していますが
社員教育については企業秘密であり、また、本サイトの趣旨にそぐわない質問にはお答えしていません。
会計事務所の社員教育一般についてお答えいたします。
会計事務所は零細事務所が多く、研修システムが無いところが多いようです。
前年以前の資料を見て同じように申告書等を作成し、それを税理士等がチェックして経験で覚えるという会計事務所が多く見られます。
・零細事務所は基本は少人数で所長税理士とマンツーマンです。
・30代〜40代前半の税理士主宰の会計事務所で職員数が10人未満の場合、所長が忙しいと、管理が行き届かなくなりがちです。定着率が低く、たまに一斉退職で事務所が壊れたりもします。
・10人を越える事務所の場合、長く勤めているいわゆる番頭さんやお局様がしっかりしていればかなり面倒を見てもらえます。
先生が50代くらいで、成熟期に入った、成長率が「低い」落ち着いた会計事務所ほど、むしろ安定した人的フォローが期待できます。
・職員数が20人以上になると、社内研修をする場合の受講者が複数になるため、社内教育の費用対効果も上がります。少しづつ、機能分化や標準化も進み、中には研修がしっかりした事務所もあります。
ただし、最大手クラスでも、驚くほど教育は遅れた業界です。
「3科目以上・実務経験2年以上」という募集の仕方は一定の基礎教育はしないと言っているに等しいと思います。
BIG4と地方の大手会計事務所以外、新卒・未経験比率が低いので教育は容易ではありません。
=============
税理士法人TOTALは、
「中小企業の成長をお手伝いする社会のインフラになること」、
「日本一の会計事務所になること」がミッションなので
都市部の中規模の会計事務所には珍しく
会計事務所未経験者も積極採用していますが
通常は、社員教育をして、離職率が高ければ会計事務所は大損でしょう。
=============
なお、TKCはシステムの一元化や研修について積極的です。
零細事務所が一定のレベルを維持するには都合がいいのかもしれません。
理念的な面も含めて教育するため、宗教的という批判も浴びること、
システム自体が目的化していて、各事務所で単独に改良を加えることは予定されていない・価格が若干高いなどの特徴があります。
TKCについては優れた点も多くあり
良いか悪いかというよりは、
好きか嫌いかという判断になると思います。
たる様の場合、
優秀な頭脳で勉強も進んでおり、目的意識も高く、自分で調べる習慣になっているのはむしろ今後仕事をする上でプラスでしょう。
税理士は専門家ですから、結果に対して責任を負います。自分で調べる・考える能力がない方は向きません。
どこでも通用する知識は、きちんと条文、通達、判例を調べて、法律家として解釈しようと言う意思があれば得られます。その積み重ねが経験です。
=============
私の場合、勤務していた会計事務所で会計の分析の技術や業務の流れを教えていただきましたが、
(これは今でもかなり役に立つすばらしいものでした)
税務の知識は、徹底して調べるという経験の中から多くは自力で身に着けました。
税理士法人TOTALではそれらをより効率的に教えられないか努力しています。
=============
会計事務所は、事務所によって業務プロセスがかなり異なります。経験者は転職後しばらくは、前の経験が邪魔をしてかなりつらいはずです。特に少人数の事務所だと、ネットワークや情報の共有などは残念ながらそれほど進んでいないでしょう。このため転職直後は仕事と勉強の両立は難しいでしょう。
4科目合格なので、ここまできたらできるだけ早く最終合格しましょう。
たる様の今後については、勤務している事務所の先生の年齢、能力、人柄しだいだと思います。
恩返しも必要かもしれませんし、高齢で、事務所自体を引き継いでもらいたいのかもしれません。
逆に業務レベルに見るべきものがなくこれ以上教えてもらうものがなく、先生の人柄も合わなければ、たる様は営業経験もあるので税理士登録すればすぐに独立することも可能でしょう。
独立の意思がそれほど強くない場合や他の事務所も見てみたい場合、中堅以上の事務所にしばらく勤務しても良いでしょう。
社内研修が充実しているかどうかは、ホームページを調べたり、面接の際に直接聞いてみてください。
たる様よりのご質問です。
■年齢 34歳
■性別 男
■資格 簿記論 財表 法人税法 消費税法
■職歴 一般企業の営業、会計事務所経験2年 正社員
■学歴 慶応
■居住地 九州
税理士事務所での実務経験(社内研修)について教えてください。
私が勤めている会計事務所(非TKC)は所長含めて3人の小さい事務所です。未経験だった私を採用してくれてとても感謝してますが、社内研修がないので自分で聞いたり、調べたりして仕事をしています。しかし、他の事務所はどうやっているのかすごく気になります。私はどこにでも通用する(どこに転職しても通用する)知識と経験を学びたいと思っています。
Q、数年たったら他の事務所に移ったほうがいいのでしょうか?
また、税理士法人TOTALではどのようにして未経験の人を一流の人材に育ているのでしょうか?
A.
税理士法人TOTALでは会計事務所未経験者も積極的に採用し、
スタッフには最低でも「標準的な税理士レベル」にはなってもらいたいと思って教育していますが
社員教育については企業秘密であり、また、本サイトの趣旨にそぐわない質問にはお答えしていません。
会計事務所の社員教育一般についてお答えいたします。
会計事務所は零細事務所が多く、研修システムが無いところが多いようです。
前年以前の資料を見て同じように申告書等を作成し、それを税理士等がチェックして経験で覚えるという会計事務所が多く見られます。
・零細事務所は基本は少人数で所長税理士とマンツーマンです。
・30代〜40代前半の税理士主宰の会計事務所で職員数が10人未満の場合、所長が忙しいと、管理が行き届かなくなりがちです。定着率が低く、たまに一斉退職で事務所が壊れたりもします。
・10人を越える事務所の場合、長く勤めているいわゆる番頭さんやお局様がしっかりしていればかなり面倒を見てもらえます。
先生が50代くらいで、成熟期に入った、成長率が「低い」落ち着いた会計事務所ほど、むしろ安定した人的フォローが期待できます。
・職員数が20人以上になると、社内研修をする場合の受講者が複数になるため、社内教育の費用対効果も上がります。少しづつ、機能分化や標準化も進み、中には研修がしっかりした事務所もあります。
ただし、最大手クラスでも、驚くほど教育は遅れた業界です。
「3科目以上・実務経験2年以上」という募集の仕方は一定の基礎教育はしないと言っているに等しいと思います。
BIG4と地方の大手会計事務所以外、新卒・未経験比率が低いので教育は容易ではありません。
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税理士法人TOTALは、
「中小企業の成長をお手伝いする社会のインフラになること」、
「日本一の会計事務所になること」がミッションなので
都市部の中規模の会計事務所には珍しく
会計事務所未経験者も積極採用していますが
通常は、社員教育をして、離職率が高ければ会計事務所は大損でしょう。
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なお、TKCはシステムの一元化や研修について積極的です。
零細事務所が一定のレベルを維持するには都合がいいのかもしれません。
理念的な面も含めて教育するため、宗教的という批判も浴びること、
システム自体が目的化していて、各事務所で単独に改良を加えることは予定されていない・価格が若干高いなどの特徴があります。
TKCについては優れた点も多くあり
良いか悪いかというよりは、
好きか嫌いかという判断になると思います。
たる様の場合、
優秀な頭脳で勉強も進んでおり、目的意識も高く、自分で調べる習慣になっているのはむしろ今後仕事をする上でプラスでしょう。
税理士は専門家ですから、結果に対して責任を負います。自分で調べる・考える能力がない方は向きません。
どこでも通用する知識は、きちんと条文、通達、判例を調べて、法律家として解釈しようと言う意思があれば得られます。その積み重ねが経験です。
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私の場合、勤務していた会計事務所で会計の分析の技術や業務の流れを教えていただきましたが、
(これは今でもかなり役に立つすばらしいものでした)
税務の知識は、徹底して調べるという経験の中から多くは自力で身に着けました。
税理士法人TOTALではそれらをより効率的に教えられないか努力しています。
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会計事務所は、事務所によって業務プロセスがかなり異なります。経験者は転職後しばらくは、前の経験が邪魔をしてかなりつらいはずです。特に少人数の事務所だと、ネットワークや情報の共有などは残念ながらそれほど進んでいないでしょう。このため転職直後は仕事と勉強の両立は難しいでしょう。
4科目合格なので、ここまできたらできるだけ早く最終合格しましょう。
たる様の今後については、勤務している事務所の先生の年齢、能力、人柄しだいだと思います。
恩返しも必要かもしれませんし、高齢で、事務所自体を引き継いでもらいたいのかもしれません。
逆に業務レベルに見るべきものがなくこれ以上教えてもらうものがなく、先生の人柄も合わなければ、たる様は営業経験もあるので税理士登録すればすぐに独立することも可能でしょう。
独立の意思がそれほど強くない場合や他の事務所も見てみたい場合、中堅以上の事務所にしばらく勤務しても良いでしょう。
社内研修が充実しているかどうかは、ホームページを調べたり、面接の際に直接聞いてみてください。