2018年09月
2018年09月17日
子育て中の女性と税理士事務所の仕事
税理士事務所 求人・採用・就職情報
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。
税理士法人TOTALでは地方の若者を積極的に採用しています。
ご応募お待ちしています。
「子育て中の女性と税理士事務所の仕事」
こなん様からのお問合せです。
■年齢 32歳
■性別 女性
■資格 簿記2級
■職歴 銀行3年(正社員)
大学職員(嘱託職員)2年
■学歴 国公立大学
■会計事務所経験 なし
■居住地 埼玉県
初めまして、いつもためになる情報をありがとうございます。
会計事務所への就職について悩んでおります、是非ともご意見をお聞かせください。
私の経歴ですが、新卒で銀行へ3年勤め結婚で引っ越しのため退職。その後、フルタイムの嘱託職員として大学に2年勤め、妊娠が発覚したため退職いたしました。
現在3歳の子供とお腹にもう1人子供がおります。
2年前から税理士試験をしており、1年目→固定資産税 不合格
2年目→簿記論、固定資産税 ともに合格は難しいであろうと考えております。
今後について、下の子供が2歳くらいのタイミング(35歳)で会計事務所へパートで時短勤務を始め、子供が大きくなったタイミング(40歳くらい)で正社員として働きたいと考えております。
Q.1
出産があるので来年の税理士試験の受験は難しいと考えております。その場合ブランクもできてしまうため、税理士試験の受験自体今後どうしていったらいいのか悩んでおります。
(勉強自体は好きなのですが、独立したいというわけでもありません)
Q.2
上記のような最初に会計事務所にパートとして就職してから正社員に転用してもらうというのは現実的に難しいものなのでしょうか?
Q.3
会計事務所で40歳を過ぎてからの正社員というのは難しいでしょうか?
厳しいようでしたら、厳しいと率直なご意見をお聞かせいただけますと幸いです。
子供を産んでから特に、どんな形であっても社会と繋がって働いていたいという気持ちが強くなっております。
主人の仕事の関係上、すぐにフルタイムでバリバリ働くというのは現状として厳しく、歯がゆい思いをしております。
子育てが落ち着いたら思いっきり働きたいと考えております。
どうぞよろしくお願いいたします。
A.1
勉強は楽しいですよね。せっかく勉強してきたので簿記論と財務諸表論を勉強して、来年受験できればいいけれど、できなくても再来年に1度受験するくらいでいかがでしょう。
こなん様のキャリアなら簿記3級でも採用されると思いますが、34〜35歳、簿・財受験経験ありならより多くの税理士事務所に採用されやすいでしょう。
もし、簿記論、財務諸表論が簡単に受かるようなら、いつか大学院免除で税理士という選択も残ります。
=========================
初学者は、簿記論、財務諸表論を同時に勉強するのがおすすめです。相互に関連性があるのでそれぞれの科目が合格しやすくなります。
ミニ税法から受験すると、連続不合格になると勉強が嫌になります。税法は簿記論・財務諸表論合格者が多く母集団のレベルが高いので、税法の方がはるかに受かりにくいです。私の最後の1科目はミニ税法でした。
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A.2
パートとして就職した方の正社員への転換は普通に見られます。女性の結婚、出産、育児、介護といったライフイベントに合わせて、パートと正社員を比較的簡単にスイッチできるのが税理士事務所の仕事の良いところ、女性に支持されるポイントです。
こなん様は、働き始めるのが30代半ばなので時間は短くてもいいので、お子さんが1歳になるくらいに早めに働き始めることをお勧めします
保育園に入れればですが、幼稚園より保育園の方が社会性が身につくので私は個人的にはお勧めです。また、お母さんは保育園の方が子供に向き合いすぎずにやさしくできます。ちなみに我が家は妻も私も子供たちも保育園育ちです。子供に愛情を注ぐのは当然ですが、日本しかなく厚生労働省も否定していて科学的根拠もない「3歳児神話」で長く手元で子供と向き合うのは意味がないと思っています(むしろ子供と向き合いすぎてお母さんの精神状態が悪いと子供の成長に悪影響だという論文もあります)。
郊外の会計事務所は女性比率も高く、従業員数が多ければ女性にとって働きやすい事務所が多いと思います。従業員数が少ない会計事務所は、代替要員と職掌の幅の関係もあり、所長の人柄・能力によって働きやすさは異なります。
都心部の会計事務所の中には、郊外と違って正社員に長時間労働を要求して融通が利かない事務所もあります(都心部はオフィス賃料が高いためです)。もっともその場合は会計事務所経験者として転職すれば良いだけです。
A.3
厳しくないですよ。
30代半ばでパートでも経験を積んでいれば40歳を過ぎてから正社員になるのは珍しくありません。
税理士事務所はせいぜい数十人〜数百人の組織です。銀行と違って個人の能力・性格はすぐにわかります。そんなにみんながみんな優秀でバリバリ働きたい人ばかりではありませんから、こなん様の場合、40代前半までなら問題ないと思います。
人生100年時代で、今の30代はおそらく70歳までは働くことになるでしょう。これからの職業生活の方がはるかに長くなります。
子育て中の主婦でも7割が働いています。優秀な事務職希望の女性にとっては、子育てを考えると家の近くでフレキシブルに働ける会計事務所は実はかなり魅力的な選択です。
夫が転勤族の場合は、税理士事務所は全国どこにでもあるという点もポイントが高いでしょう。
===================
税理士法人TOTALでも、30代前半にパートで入社してくれた女性スタッフが、子供の成長に合わせて労働時間を伸ばし、正社員になって担当を持つだけでなく、マネジメントや企画・開発をしてくれる例も出ています。
中には下の子の保育園入園に合わせて、上の子も幼稚園から保育園に変えて、時間を伸ばしてくれた方もいます。
===================
参考)
「30代前半既婚女性 不妊治療と税理士試験」
※なお、この件に関するコメントは下記のコメント欄をご利用ください。
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税理士法人TOTAL 高橋寿克です。
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■年齢 32歳
■性別 女性
■資格 簿記2級
■職歴 銀行3年(正社員)
大学職員(嘱託職員)2年
■学歴 国公立大学
■会計事務所経験 なし
■居住地 埼玉県
初めまして、いつもためになる情報をありがとうございます。
会計事務所への就職について悩んでおります、是非ともご意見をお聞かせください。
私の経歴ですが、新卒で銀行へ3年勤め結婚で引っ越しのため退職。その後、フルタイムの嘱託職員として大学に2年勤め、妊娠が発覚したため退職いたしました。
現在3歳の子供とお腹にもう1人子供がおります。
2年前から税理士試験をしており、1年目→固定資産税 不合格
2年目→簿記論、固定資産税 ともに合格は難しいであろうと考えております。
今後について、下の子供が2歳くらいのタイミング(35歳)で会計事務所へパートで時短勤務を始め、子供が大きくなったタイミング(40歳くらい)で正社員として働きたいと考えております。
Q.1
出産があるので来年の税理士試験の受験は難しいと考えております。その場合ブランクもできてしまうため、税理士試験の受験自体今後どうしていったらいいのか悩んでおります。
(勉強自体は好きなのですが、独立したいというわけでもありません)
Q.2
上記のような最初に会計事務所にパートとして就職してから正社員に転用してもらうというのは現実的に難しいものなのでしょうか?
Q.3
会計事務所で40歳を過ぎてからの正社員というのは難しいでしょうか?
厳しいようでしたら、厳しいと率直なご意見をお聞かせいただけますと幸いです。
子供を産んでから特に、どんな形であっても社会と繋がって働いていたいという気持ちが強くなっております。
主人の仕事の関係上、すぐにフルタイムでバリバリ働くというのは現状として厳しく、歯がゆい思いをしております。
子育てが落ち着いたら思いっきり働きたいと考えております。
どうぞよろしくお願いいたします。
A.1
勉強は楽しいですよね。せっかく勉強してきたので簿記論と財務諸表論を勉強して、来年受験できればいいけれど、できなくても再来年に1度受験するくらいでいかがでしょう。
こなん様のキャリアなら簿記3級でも採用されると思いますが、34〜35歳、簿・財受験経験ありならより多くの税理士事務所に採用されやすいでしょう。
もし、簿記論、財務諸表論が簡単に受かるようなら、いつか大学院免除で税理士という選択も残ります。
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初学者は、簿記論、財務諸表論を同時に勉強するのがおすすめです。相互に関連性があるのでそれぞれの科目が合格しやすくなります。
ミニ税法から受験すると、連続不合格になると勉強が嫌になります。税法は簿記論・財務諸表論合格者が多く母集団のレベルが高いので、税法の方がはるかに受かりにくいです。私の最後の1科目はミニ税法でした。
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A.2
パートとして就職した方の正社員への転換は普通に見られます。女性の結婚、出産、育児、介護といったライフイベントに合わせて、パートと正社員を比較的簡単にスイッチできるのが税理士事務所の仕事の良いところ、女性に支持されるポイントです。
こなん様は、働き始めるのが30代半ばなので時間は短くてもいいので、お子さんが1歳になるくらいに早めに働き始めることをお勧めします
保育園に入れればですが、幼稚園より保育園の方が社会性が身につくので私は個人的にはお勧めです。また、お母さんは保育園の方が子供に向き合いすぎずにやさしくできます。ちなみに我が家は妻も私も子供たちも保育園育ちです。子供に愛情を注ぐのは当然ですが、日本しかなく厚生労働省も否定していて科学的根拠もない「3歳児神話」で長く手元で子供と向き合うのは意味がないと思っています(むしろ子供と向き合いすぎてお母さんの精神状態が悪いと子供の成長に悪影響だという論文もあります)。
郊外の会計事務所は女性比率も高く、従業員数が多ければ女性にとって働きやすい事務所が多いと思います。従業員数が少ない会計事務所は、代替要員と職掌の幅の関係もあり、所長の人柄・能力によって働きやすさは異なります。
都心部の会計事務所の中には、郊外と違って正社員に長時間労働を要求して融通が利かない事務所もあります(都心部はオフィス賃料が高いためです)。もっともその場合は会計事務所経験者として転職すれば良いだけです。
A.3
厳しくないですよ。
30代半ばでパートでも経験を積んでいれば40歳を過ぎてから正社員になるのは珍しくありません。
税理士事務所はせいぜい数十人〜数百人の組織です。銀行と違って個人の能力・性格はすぐにわかります。そんなにみんながみんな優秀でバリバリ働きたい人ばかりではありませんから、こなん様の場合、40代前半までなら問題ないと思います。
人生100年時代で、今の30代はおそらく70歳までは働くことになるでしょう。これからの職業生活の方がはるかに長くなります。
子育て中の主婦でも7割が働いています。優秀な事務職希望の女性にとっては、子育てを考えると家の近くでフレキシブルに働ける会計事務所は実はかなり魅力的な選択です。
夫が転勤族の場合は、税理士事務所は全国どこにでもあるという点もポイントが高いでしょう。
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税理士法人TOTALでも、30代前半にパートで入社してくれた女性スタッフが、子供の成長に合わせて労働時間を伸ばし、正社員になって担当を持つだけでなく、マネジメントや企画・開発をしてくれる例も出ています。
中には下の子の保育園入園に合わせて、上の子も幼稚園から保育園に変えて、時間を伸ばしてくれた方もいます。
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参考)
「30代前半既婚女性 不妊治療と税理士試験」
※なお、この件に関するコメントは下記のコメント欄をご利用ください。
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インターネットで顔が見えない方に適切な回答をするために、 質問の書式にご協力いただけると幸いです。 情報が不足する場合には回答できないことがあることはご留意ください。
また、このサイトもありがたいことに皆様のご質問をいただき、事例が増えてきました。
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