2016年01月

2016年01月31日

税理士事務所の教育・管理と解雇

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

ご質問はここをクリック

ハジメ 様からのお問合せです。
■年齢 36歳
■性別 男
■資格 簿記2級(簿財を今年受験予定)
■職歴 接客業
■学歴 MARCH
■会計事務所経験 1ヶ月 正社員
■居住地 埼玉

こんにちは。
今年初めて税理士事務所で働くことになりました。
未経験で科目合格すらない自分を採用していたいて本当に感謝しているのですが、いろいろ不安もありご相談させていただきます。

現在の事務所は全員で7名の事務所です。所長は70歳前後の税理士で、とても穏やかな方です。実際に仕切っているのは40代前半の税理士ですが、ドライな感じです。

まず最初に雇用契約書や労働条件などの説明がないことに不安を覚えました。書面もありません。また入所してこの約1ヶ月は入力をしているのですが、ソフトの使い方や書類等の場所はもちろん、所内のルール等もほとんど説明はありません。わからないことは自分で調べ、過去のデータ等を参考に見よう見まねで入力してますが、どうしてもわからない時は恐る恐る質問する感じです。終わってもチェックすらない状態なので、正しくできているのかも不明です。

個人商店が多いこの業界ではよくあることだとは思いますが、一番の心配はミスなくできているのかもわからず、後々発覚して解雇されるのではないかということです。何も教えてもらえないままミスを重ね、わずか数ヶ月で解雇された話もよく聞きます。そこでご相談ですが、

Q.1
この業界では使い物にならないと思えばすぐ解雇といったことはよくありますか?

Q.2
仕事を早く覚える為に、申告や税の本などで勉強しようと思うのですが、何を優先的に覚えれば良いのかわかりません。使い物にならないと思われないように、特に最初は何を優先的にするのが良いと思われますか?

お忙しい中恐れ入りますが、よろしくお願いします。

A.1
入社当初ですぐ解雇する会計事務所は、少数ですがあります。
(どこも人不足ですから、「よく」はありません)

一つは、入社は広く受け入れて、試用期間(3か月くらい)中に判断しようという事務所です。
拡大中で人が不足しているので選別している余裕はないし、入社前はきちんと選別しようとしても限界があるから、まずはやる気がある人は入れてしまうというスタイルです。比較的、若い所長・代表者の税理士事務所、税理士法人に多くみられますが、かなり大手の税理士法人でもこの手法を使っているところもあります。
半分くらい試用期間で解雇している税理士法人もあるとお聞きしています。試用期間に社会保険加入しない場合はこのタイプの可能性も高いです。
その後のケアはもちろんされておられますので問題にはなっていません。こういう事務所では短期間での解雇は当然ですし、事務所の戦略でもあります。
(ちょっと違いますが、監査法人も入社は楽で、残るのはきついですよね)

もう一つは、若かったり、年輩でも感情の起伏が激しい所長の税理士事務所で、人の使い方・教育が下手で自律的に工夫できる人以外いらなかったり残れなかったり、勢いで辞めさせてしまうケースです。

年齢とともに人間関係・人の使い方を学ぶため、人を採用してきた50代以上の所長税理士の多くは、人柄が温厚な人格者になっていきます。ただ、そうはいっても70歳前後からは細かいことが出来ずに目も行き届かなくなり、技術的にも組織的にもきちんとした後継者がいないと事務所の存続が危ぶまれるようになります。

会計事務所が初めての方は、ご自身の条件がそろっているなら、組織化されて教育がしっかりしていて、勉強もできる良い税理士事務所を目指すべきですが、そんな事務所ばかりではありませんし倍率は高くなります。

次善の策は、従業員3人以上10人くらいまでで所長が50歳〜60代前半の穏やかな方の事務所になります。このタイプの事務所に入社した場合は、早めに科目をそろえて、3〜5年勤務の会計事務所経験者として(所長が65歳になる前に)他の中堅以上の税理士法人に転職することをおすすめします。

ハジメ 様の場合、所長は70歳前後で穏やかなので、よほど40代前半の税理士に嫌われない限り、すぐに解雇されることはないように思います。

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税理士法人TOTALは、採用は私と本部長が立ち会うことも多く、かなりていねいに行います。
どうやったらその方を採用できるかを考えて行うため面接が長くなってしまい、不採用の方にも期待させてしまうこともあり申し訳なく思っています。

入社後に上手くいかない方の場合、配置転換を行って適性を探ったり環境を変えてみる努力をしています。きちんとがんばってくれればある程度の時間の余裕は見ています。
このため、短期間での解雇はほぼありません。

逆に、前向きな努力を続けられない方にはきついかもしれませんし、短期間で自らおやめになる方は残念ながらおられます。
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A.2
従業員30人未満の事業所は、個人事業と言っていいでしょう。これは、税理士業界に限りません。
雇用契約書や労働条件などの説明がないのは普通です。就業規則だって、10人いないと労働基準監督署への提出義務もありません。実際には30人くらいまでは作ってもいないところがほとんどです。

業務の標準化も、10人までは、やる方が面倒です。
「前のを見てやっといて。どうしてもわからなかったら聞いてね。」
の方が全体としての効率がいいのです。

ソフトの使い方や書類等の場所といったことは説明されないのではなくて、チェックすらされないことも含めて、人によってバラバラでそもそも所内の統一のルールがないのかもしれません。
大手税理士法人でも、明るさ、熱意を前面に打ち出すような営業力が優先のところは業務の標準化はされていないところも多いです。営業は画一性よりも、機敏さや融通が求められるからでもあります。

未経験者にルールを教えず、教育せず、管理もしていないとしたら、その責任はハジメさんにはなく、事務所の体制の問題です。後からミスが発覚してもそれで解雇するのは明らかに不当ですし、そんな状態なら解雇される可能性は高くないような気もします。

会計業界は、入社当初1〜2年が一番大変です。業務に関する膨大な知識・情報が必要とされるのに、何も知らない状態で処理を任されたり外回りをしたりします。お客様はプロとしての結果を要求します。
自分で調べ、見よう見まねで処理し、チェックすらされない経験は、独立したり自分が責任をもって仕事をするときの役に立ちます。

今、一番理解してほしい、やってほしいのはコミュニケーションの質の向上です。
税理士業界の接客は、表面的・形式的なものよりはトップセールスマンである中小企業の社長に合った、速くて計算されたコミュニケーションを要求されます。事務所内でもこのコミュニケーションが使われています。言葉はていねいでも、素早くて簡略化されたコミュニケーションです。
これさえできれば、番頭(お局?)税理士に気に入られて、教えてもらったり聞きやすくなったります。
前職の接客業にもよりますが、それを学ばないと、いつか番頭税理士に嫌われるかもしれません。
上司に聞くには、聞くタイミングや手法、話し方も重要になります。無駄に上司にだらだらと時間を浪費させると最悪です。

体系的に勉強しようとしたら知識はあまりにも膨大です。税務だけでも3年や5年はかかります。
社内のマニュアルがないとしたら、税務署が出している法人税や消費税の申告書作成のための手引き書あたりを読むのが良いでしょう。初心者・経理担当者向けのうすめの本をさっと読んでも構いません。
あとは、実際に出てきた問題を一つずつていねいに専門書等で調べてこなして行くだけです。

それ以外では、ぜひ税理士試験の勉強をすべきです。税理士試験の勉強は、簿記論、財務諸表論、法人税法、消費税法、所得税法、相続税法は、受験生が思うよりはるかに実務に直結しています。

ハジメさんの事務所の場合、残念ですが、数年後に状況がうまくいかなくなっている可能性がありそうなので、転職する機会があるかもしれません。その際の評価は合格科目数と会計事務所経験年数になります。
仕事と税理士試験の受験の両立は大変ですが頑張ってください。

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税理士法人TOTALは、業務の標準化を徹底して進めています。
入社時の研修資料は多いですし、毎週研修を行っています。
法人税の申告書を作るだけでも20ページ800項目のチェックリストを3人がチェックしています。
入社後しばらくは大変ですが、慣れれば楽になります。

管理・教育体制もかなり見えてきました。
管理に適した人材、教育ができる人材も多く恵まれています。
あと1〜2年で、きちんと整えるのが現在の私の課題です。
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2016年01月30日

IT業界(SE)から税理士業界への転身

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

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ろく 様からのお問合せです。
■年齢 28歳
■性別 男
■資格 簿記2級(昨年取得)
■職歴 ネットワークエンジニア 5年 勤務中
■学歴 MARCH(法律学科のため税理士の受験資格有・1浪入学)
■会計事務所経験 なし
■居住地 茨城 転職先付近に引っ越す予定

初めまして。コメント失礼いたします。
いつも興味深く拝読させていただいております。
私の悩みも相談させていただければと思います。

現在いわゆるSEで働いている私ですが、税理士に興味があり会計業界への転職を希望しています。
資格は簿記二級しかない現状ですが、現在の仕事は精神的にキツく早めに転職したいと考えております。
また受験に専念出来るだけの費用的な余裕もありません。

Q.
この先私が考えているのは、
(1)転職活動をすぐ開始し、アルバイト・パートでも良いので会計業界に入る。
(2)6月の簿記1級を目指し、合格発表後の8月に転職活動をする。
(3)簿・財を取得するまで勤務しながら学習し、その後転職活動をする。
を選択肢として考えております。
この3つではどれが良い選択でしょうか。
心情的には(1)を希望していますが、やはり難しいのでしょうか。

A.
コンピューターが普及する一方で、成果主義的な評価がされる社会では、労働者は精神を病む方が全体的に増えてきています。

その中でも、IT業界(SE、プログラマー)は、
・厳しい納期
・不規則な仕事
・長時間労働
・外出が少なく運動不足になりやすい
・お客様との接触が少なく直接感謝されにくい
・35歳定年説がいわれるように技術についていかなくてはいけないというプレッシャーが強い
・真面目で責任感が強くやや内向的な方が多い
これらによりうつ病や統合失調症など精神疾患になる男性が多い仕事とされています。

一方で、IT業界は女性にとっては、男女差別はないけれどその分男性同様に不規則で長時間の仕事のため、結婚や出産との両立が難しくなっています。

このため、IT業界から、長く安定して働ける税理士業界への転身は男女とも非常に多く、
税理士法人TOTALでもSE・プログラマーといった元IT業界出身者の方がたくさん(1割程度)在籍しています。

IT業界だと、作業を若いうちに体で覚えることが重要ですし、人不足もあり、若いうちの給与は比較的高めです。もっとも30代後半以降は、より上流工程をこなしたりマネジメント能力がないと給料が上がりにくくなります。

税理士業界は、複合的な知識、コミュニケーション能力、継続した人間関係が重要なため、どうしても経験年数が必要になり入社当初は給料は低めです。
逆に言うと、年々給料は上がっていき、国内産業で、国家の基盤となる税金に関する法律を扱うため他の業界に比べると大きな変化も少なく安定した仕事だともいえます。

一方で、税理士試験は
 若さ=暗記力+字を書くスピード 
がより必要とされます。
科目合格制ゆえに、逆に1つ1つの科目のレベルは高く、仕事と受験の両立は楽ではありません。
専門性、営業力(信用)で劣る無資格者の給与は、途中から上げにくくなり、年齢とともに作業処理能力は衰えるので、男性にとっては40代前半までに資格を取らないと給与が上がらなくなる可能性が高い仕事でもあります。

女性にとっては、家の近くでどこにでもあるため夫の転勤に対応しやすく、通勤時間を短くでき、家庭(家事や育児)との両立がしやすい数少ない事務系の仕事です。

若さは永遠ではありません。今、ろく様が思っているよりも、残念ながら税理士試験は正社員として働きながら合格するのは大変です。
頭の良し悪しはほとんど関係ありません。どれだけ詰めて覚えて、どれだけ速く字が書けるかが重要です。
受験に専念して本気で勉強すれば、若ければ比較的簡単に受かる試験です。

平成27年度税理士試験の科目合格率
 25歳以下 32.4% に対して 41歳以上は10.4%
実に3倍(トリプルスコア)以上、
見事なまでに年齢と相関関係があることがわかります。

税理士業界を目指す男性には、私は繰り返しになりますが、声を大にして言いたい。

<税理士を目指すなら、出来れば2科目合格以上してから正社員になるべきです>

30歳前後までに2科目合格で、その後もあきらめずに勉強を続けられるなら、平均して30代半ば、(大学院進学も含めれば)おそくとも40歳頃には税理士になれるはずです。

本当は、人生をかけて親に頼み込んででも
1年程度受験に専念するのが最善だと思っていますが、
ご家庭の事情もそれぞれおありでしょう。

親の協力が得られない場合、ろく様のご質問の回答ですが、
(2)はありません。
簿記1級は工業簿記中心・大企業経理のためのもので、税理士業界にとっては(努力は認めますが)簿記2級と大差がなく重要ではありません。

(3)は、仕事が時間的につらくないなら最有力なのですが、
精神的にきつい長時間労働なら難しいかもしれません。
頭が切り替わるか、時間の融通ができるかを考えてみてください。

(3)が難しい場合、消去法として(1)になります。
上記の理由から、税理士試験の受験をこれから始めるろく様の場合、正社員はやめてパート・アルバイトを選んでいただきたいですが、
給与が安いので、できれば実家から通える、通勤時間が短い(30分程度まで)会計事務所が望ましいと思います。

税理士は、社会的にも評価され、お客様にも感謝される安定した良い仕事だと思います。
ただ、税理士になるには、正社員になるまでに何科目合格しておくかと、あきらめない心が重要になります。

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税理士法人TOTALは、年々、税理士・有資格者が増え、30名を超えました。
先日、税理士の勉強会で
「どうして先生のところは税理士が採用できるのですか?」
とご質問いただきました。
経験を積んだ「税理士」の採用は多くありません。
在籍中のスタッフに勉強してもらって税理士試験に合格してもらったり
未経験の税理士有資格者に実務経験を積んでもらって
地味ですが徐々に税理士が増えてきているのが実情です。

年の初めから1か月、すでにお二人の方に税理士登録のための在職証明書を書きました。
税理士法人TOTALに残ってくれる方、独立して自分の力でやってみる方
どちらも頑張ってくれています。
今後も、より多くの税理士を生み出していきたいと思っています。
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2016年01月09日

事業承継と税理士試験の勉強

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

年末年始にできなかった大掃除を今日になってしました。
ちょっとした運動になって気持ちいい汗をかきました。
ご飯がおいしくてますます太って…(冷や汗ですかね)

今年もよろしくお願いします。

ご質問はここをクリック

たいこ 様からのお問合せです。
■年齢 40才
■性別 男
■資格 日商簿記2級
■職歴 業種:JAグループ
     職種:監査業務、会計税務支援
■学歴 地方国立大学卒
■会計事務所経験 なし
■居住地 中核市

お世話になります。たいこと申します。ちょっとイレギュラーな質問ですが、回答いただけたらと思います。

 実家は小規模な会社(法人で従業員数10人未満)を経営(運輸、不動産を中心とした多角的経営)をしており、将来(親のリタイア後5年先くらい)は跡を継ごうと考えています。業況は厳しいものの、経営は安定しています。
 私は、零細企業の経営者は、相当の税務知識を有していたほうが望ましいと考えています。現在、仕事で会計税務に関わっていることもあり、9月から専門学校の映像講座で消費税法を学習したところ、試験勉強がそのまま実務に直結していると実感しているところです。今後、1年に1税法(法人税、所得税、相続税)税理士試験を活用してスキルアップしていこうと考えています。
 ただし、知り合いの会計事務所に相談したしたところ、「やめといた方がいい。優秀な経営者に相当の税務知識がある者はいない。税務はすべて会計事務所に任せておくべきだ」と一蹴されてしまいました。

Q.
やはり経営者に、相当の税務知識(税理士試験B判定以上?)は必要ないものでしょうか。
5年もの時間があれば、別分野のスキルアップをした方がよいのでしょうか。意見をいただけたらと存じます。

A.
ご質問はこのサイトの趣旨である「税理士事務所の就職」には直接には関係ないのですが、
税理士は、単なる税金の計算屋ではなく、お客様の経営に関する相談相手であることが強く求められているので、税理士と「経営」という点を含めて書いてみます。

たいこ様は、JAグループで、監査業務・会計税務支援とのことですから、おそらく臨税ではなく、農業協同組合監査士(農協監査士)又はその補助者として単位農協を監査しておられるのですよね。

(1)農協監査
従来、全国農業協同組合中央会(全中)は、単位農協(単位JA)に対して独占的に監査権を有していました。
萬歳章会長の全中が、TPPに全面的に反対し、単位農協を通じて国会議員を攻めるに至り、安倍政権は、全中を「抵抗勢力」と判断しました。
全面戦争の結果は全中の完敗で、全中の単位農協への力の源泉とみられた監査権は農協改革で昨年廃止が決定され、JA全国監査機構を分離し、将来は公認会計士法に従い新たな監査法人を作り独立することになりました
(もっとも、他に代替する監査法人がどれだけ出てくるかは疑問ではありますが)。
萬歳会長は辞任し、TPPは国内では大きな反対はなくなり、昨年秋に参加国で大筋合意に達しました。

(2)臨税
本来、税理士にしか認められていない確定申告等の税務書類作成・税務相談の対応を、JA職員は例外的に2か月間「無報酬」で行うことが認められています(税理士法50条)。これを「臨時税理士(臨税)」制度といいます。かなり批判がある制度ですが、農家の確定申告を滞りなく行えるよう、今も認められています。

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私の父は、市川市農協(単位JA)の理事を長く勤め、農協のナンバー2にまでさせていただきましたが、吸収合併された「中核市」の船橋市の農協出身でありトップの組合長にはなれず、定年で昨年春退職しました。
そう言えば、在任中は財務諸表の見方を勉強していましたね。
両親は、今も毎日畑に出ており、現役バリバリの農家です。
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経営者にとって、会計データが見れることは重要ですが、たいこ様は農協監査を行っているとしたら、会計数値・税務に関する「相当の」知識や経験はすでに十分お持ちなのではないかと思います。
税務の勉強をすることは悪いことではありませんが、
腕が立つ税理士をきちんと選んで(これは結構難しいですが)、他のことに頭脳を使った方が個人的には事業承継に有用だと思います。

私たちプロの税理士でも、毎年の税制改正を確実に押さえて高いレベルで仕事をするのは簡単ではありません。税理士でも個人事務所で一人でやっている方は、独立して10年もすると(コミュニケーションのレベルは上がっても)、税務知識のアップデートはつらくなってきます。
口だけ、営業力だけで仕事をしていたら専門家としては終わりです。
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税理士法人TOTALでは、有資格者には税制改正大綱を読むように勧めています。また、税制改正他の社内研修も行っています。講師は私か、専門学校の講師出身者が多いですね。
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逆に、経営者の税法の勉強は、自社に関係する税制やその改正を軽く押さえて顧問税理士に確認するくらいで良いと思います(餅は餅屋です)。

税理士試験の法人税法、所得税法、相続税法のB以上は、税理士事務所の職員が一年苦労してやっととっているのが実情です。
そんなに簡単ではありませんし、40代のたいこ様が簡単に1年に1税法こなしたら、将来のキャリアのために頑張っている他の税理士試験受験生がかわいそうかな。

実家の運輸・不動産業務の業務に関しては瞬時に判断できるよう知識は正確かつ大量に必要です。
営業スタイルも、信用がある大企業と、自分で信用を作らないといけない中小企業では異なります。親から引き継げるものとそうでないものがあります。人脈でいくのか仕組みで行くのか、組み合わせたり新たに作ったり。

また、大きな組織と、中小企業では、部下との関係も異なります。会社の従業員さんとの人間関係は一朝一夕にできるものではありません。早めに付き合い始める必要があります。
中小企業では組織に対する求心力が働いていませんし、大企業ほど人のレベルが安定していません。それに合わせた採用・教育・管理が必要になります。これだって知識や技術が要ります。

農協「監査」と「経営」で最も違うのは、
農協「監査」は、基準・ルールが決まっていて、それに合っているかどうかを確かめるのが仕事になります。「答え」があらかじめ決まっているのです。
これに対して、「経営」は、答えが決まっていません。答えは一つなのか、複数あるか、もっといい答えがあるか、そもそも一つもないのか…、

情報を集め、仮説を立て、価値判断し、実行し、検証する

これを繰り返し、繰り返し行うことになります。
この価値判断をした経験の蓄積が経営者の力になります。
大きな組織の監査では、この辺の感覚はあまり磨かれません。
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税理士法人TOTALには、監査経験が豊富な本部長(公認会計士)がいますが、外から監査するのと中で経営するのは大違いで、経験や知識が不足してストレスも多く苦労しつつ頑張ってくれています。
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父に経営判断の方法を教えてもらい、場合によってはその一部でもやらせてもらう。
今すぐこれを始めていいのではないでしょうか。
それはもうやっているというなら、
事業承継を早めて、新たに新規事業を起こして実際に経営を始めてもいいように思います。

40才という年齢は、決して事業承継を始めるのに早い年齢ではありません。
それでも、5年の時間があれば、きちんと事業を承継をするのに十分な時間かもしれません。

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日本の社会全体に高齢化は進み、中小企業も事業承継は重要になってきています。
税理士法人TOTALでも、事業承継関連のサービスは需要が増えています。
お子さん(後継者)が30才前後になるとスタートし、40代前半にはだいたい完了します。

そう言えば、会計業界でも所長の高齢化・事業承継も進み、税理士法人TOTALでも、4つの会計事務所が合流してくれています。これも知識や経験が必要で私もやっとわかってきたところです。
機会があれば引き続きチャレンジします。譲渡希望の所長税理士さんがおられましたらご連絡ください。ていねいに対応させていただきます。

また、税理士法人TOTALの各本部長(店長)には、経営者として価値判断を行ってもらっています。
大変ですが頑張ってくれているので最近はだいぶ助かっています。
本部長税理士はこの経験を活かして、たくさんの社長の良き相談相手になってくれています。
今頑張ってくれている本部長、そしてこれからなる本部長の中から、私自身の後継者も育成しないといけないのでしょう。
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ご質問の前に、同様な質問が無いかご確認いただけると幸いです。
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