2010年12月

2010年12月28日

USCPAと税理士

税理士事務所・会計事務所の就職情報
千葉県船橋市の税理士法人TOTALの税理士 高橋寿克です。

年末の就職シーズンも佳境を超え、税理士法人TOTALでも3名の採用を決めました。あとは会計とIT関連で若干の採用を予定しています。

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elmo様よりご質問です。

■年齢:28歳
■性別:男性 
■資格 日商簿記2級(1級受験済み 多分厳しい) 
    TOEIC900以上
■受験歴等:税理士試験経験無し。
■職歴:総務 1年強
    (主として人事担当だが初歩的経理も担当)
    営業 1年強
■学歴:アメリカ大学院修了(MBA−専攻はマネジメント)
■会計事務所経験:なし
■居住地:静岡県
■その他:現在求職中です。

高橋先生こんばんわ。たまたまこのWEBSITEを見つけたのですが、本当に暖かいWEBSITEで質問させて頂きました。以下お手数ですが、よろしくお願いします。

Q.1
税理士(簿財)を受けようと考え中です。
ただしWEBSITEを見る限りでは、やはり経験がないと試験合格後も就職は厳しそうですね。やはり非常勤でもいいから会計事務所での実務経験は必要でしょうか?

Q.2
将来はアメリカで仕事をしたいと考えています。その際USCPAは有利でしょうか?それとも、税理士試験に専念したほうがいいですか?USCPAは専門というより数字に強いビジネスマンという印象があります。

Q.3
会計士講座(2011年5月対策)を取ってますが、税理士試験に転向したいです。
その際、またどこかの予備校の税理士講座をとったほうがいいですか?それとも会計士講座(簿財)はインプットで使って、あとは自分でひたする問題集を解いていくほうがいいですか?

A.1
税理士になるなら、会計事務所での実務経験は必須と言っていいと思います。この場合、実務未経験者は、もちろん正社員入社が望ましいのですが、ケースによっては、比較的入社が容易な非常勤で受験を進めて最終的に正社員に転じる方法もあると思います。

A.2
USCPAについては正確な情報を持っていません(話半分で読んでください)。
アメリカで仕事をするには、もちろんUSCPAを持っていた方が有利だと思います。ただし、USCPAの場合、実務経験が伴わないとその価値はやや減り、ビジネスマンの教養資格になりかねません。経理経験が(浅くても)あるということで評価が割れるでしょうね。アメリカのMBAがどのレベルか(職歴を補う上位大学か)も影響しそうです。

A.3
税理士になるためだけなら税理士講座を取った方が効率は良いです(そのための講座で、それに特化しているので当然です)。簿記論は、試験委員対策が必要で、第3問は特殊な問題も多く固有の問題が出やすいと言われています。
ただ、財務諸表論は、言うほど大きな差はないようですし、毎年、公認会計士試験から腕試しで簿記論・財務諸表論を受験する方が、一定程度合格しているので、短答合格レベル以上であれば問題集等を追加する程度でもそこそこ勝負になると思います。

短期的には監査法人への就職難に伴う公認会計士受験生の大量流入で、簿記論・財務諸表論はだいぶ難化しています。ここ数年は税理士試験の簿記論・財務諸表論も甘く見過ぎない方が良いと思います。

elmo様の場合、TOEIC900点、アメリカのMBA取得と、すばらしい武器をお持ちです。
公認会計士取得後に、USCPAを取ってアメリカで仕事をすることを目指され、最近の公認会計士論文式試験合格者の就職難の状況や公認会計士試験が今後合格者を減らすであろうことを念頭に撤退を決められたのだろうと想像します。

公認会計士とUSCPAの親和性と異なり、残念ながら、税理士とUSCPA、税理士とアメリカでの仕事はほとんど関係しません。
税理士法人の場合、BIG4やそれに準ずる海外に提携先を持つ準大手以外、英語を使う機会にはほとんど恵まれないでしょう。
アメリカで仕事をしたいというのが目標なら、これらの税理士法人に入るか、(日本国内専用資格の税理士よりも)USCPAの方が価値があると思います。

もし、ご出身のアメリカのMBAが転職市場で評価が高い大学院なら、外資系のコンサルや経理職を目指すのも手です。その際にはUSCPAを取得する価値があると思います。場合によっては、就職難の日本を離れてアメリカで働き始めることを目指すこともありうるような気がします(アメリカも就職難でしょうが)。

逆に、MBAはそれほど評価されないし英語は今後あまり使えなくて構わない、会計の勉強の経験を生かしたいというなら、出来るだけ早く税理士試験の合格を目指すべきでしょう。

elmo様の場合、公認会計士試験の転向から間もないため、迷っているのかもしれません。今後、どの道を行くべきか、もう少しじっくり自分と向き合う必要があるように思います。


2010年12月19日

公認会計士論文合格者と30歳の税理士受験生

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

ご質問はここをクリック

昨日の大原簿記学校での就職面談会には、予想よりはるかにたくさんの方にお越しいただきました。
オープンと同時にうちに一番最初に来ていただいた方も多く、7年前の閑散としたブースを思うと隔世の感で、ホッとしました。
ご応募いただいた方々、ありがとうございました。

仕事と受験・家庭との両立が可能な環境づくりに配慮していること、
税理士の使命である中小企業の発展に寄与するため、
技術と熱意で愚直なまでに努力するスタイルを
評価していただけており、うれしく思います。

ただ、大変恐縮ですが、一度にあまりに多くの方が来ていただきすぎて、短期的に対応に苦慮しているのが実情です。
年末の繁忙期と重なり、いつもなら採用するような方でも、面接すら実施できません(募集自体は通年ですので順次ご連絡等します)。

それにしても、就職難は大変ですね。特に公認会計士論文合格者の未就職問題は深刻で、気の毒です。
開始前から、大原簿記学校のスタッフが、
「公認会計士試験論文式合格者がたくさんお見えになっています。採用予定がない場合はその旨を早めにお伝えください」という告知が繰り返しなされていました。
税理士法人TOTALのブースにも、たくさんの公認会計士論文合格者の方がお見えになりました。
私は、司法試験から税理士試験への転向組で、公認会計士試験の受験経験はないので正確にはわかりませんが、公認会計士試験はいまでもかなりの難関試験なはずです。
早慶卒クラスで特に性格的にも問題のない方が、1900名合格して、1100人も監査法人に就職できないという状況は異常ですし、国家的損失です。
(司法試験にしろ、公認会計士試験にしろ、ポスドク問題にしろ、不必要なまでに合格者や定員を増やしたのが失敗の最大の原因でしょう)
ただ、やはり論文合格者は、できれば監査法人、ダメなら、公認会計士自体をあきらめて上場企業を目指した方が良いように思います。
上場企業を目指す際も、経理・財務にこだわるのは危険です。公認会計士のリストラが進み、実務経験者と上場企業の少ない経理の椅子を争うより、新しいことに柔軟に取り組もうとする姿勢の方が企業に好感をもたれます。会計の勉強をしたことは、営業をする上でも、将来管理者になる上でも役に立つはずです。人生に無駄はありません。

公認会計士は基本的に監査のための資格だという公認会計士協会のスタンスもあり、監査法人経由以外の会計士の乱発を避けるため、実務補習所の出欠管理は厳しくなり、修了考査は合格率を下げそうです。

税理士事務所・税理士法人(公認会計士の個人事務所を含む)では、業務補助要件を満たしても、監査業務の十分な経験をすることは難しいでしょう。補習所通いも協力が得られるとは限りません。

税理士法人TOTALは、元公認会計士試験受験生(短答式合格者を含む)が数名在籍していますが、論文合格者はいません。
今後は公認会計士試験論文式合格者を是非採用したいと思います。実務要件と補修所通学には一定の協力をして公認会計士登録を支援します。

私は、体を壊したりして官僚になれなかった挫折組(くわしくはこちら)ですが、税理士の仕事が好きですし、後悔はしていません。
論文合格者(実務経験者を除く)で税理士試験を目指される方については、(税理士試験の受験が終わる)来年の夏以降、ご応募をお待ちしています。

もちろん、修了考査に合格して登録している公認会計士の方や、公認会計士をあきらめて税理士試験に転じる受験生の募集は今後も続けます。

一生懸命努力をして結果を残した論文式合格者の方が、公認会計士論文式「不」合格者よりも上場企業や税理士法人の採用でむしろ不利なのは不合理と感じることと思います。
論文合格者で監査法人に就職できなかった皆さんには、挫折経験を生かして、どの道に進んでも頑張ってほしいものです。


さて、T/K様よりご質問です。

■年齢 30歳
■性別 男性
■資格 簿記論・財務諸表論合格
   2010年消費税・固定資産税受験済み、簿記2級
■職歴 システム運用7年
■学歴 産近甲龍(情報科学部)
■会計事務所経験 なし
■居住地 東京

2年前から税理士を目指し、仕事と勉強を両立してきました。
2年前、財務諸表論、昨年は簿記論を合格。
今年は、消費税法と固定資産税法を受験し、不合格。
人の役に立ちたいと思い税理士を目指していましたが、まだ2科目しか合格していません。将来は独立は考えておらず、税理士業務を一通り行える状態となったところで、専門分野(再生/再編等)にも携わりたいと思っております。

Q.1
従業員規模20人以上で税理士の方も数名在籍されている税理士事務所・法人に転職したいと思っています。しかし、現在どのこ業界も不景気です。私のような経歴(未経験)・年齢ではかなり難しいのでしょうか?

Q.2
現在システム運用という全く違う業界で日勤、夜勤を毎月こなしています。夜勤は16時間勤務で仮眠もありません。この中で勉強してきましたが、税理士事務所・法人に転職した場合、残業等で今までより勉強時間が取れなくなる可能性もあるのでしょうか?
資格取得は33歳までには達成するつもりで日々学習しております。

Q.3
将来、IPO支援や再生/再編等の業務にも携わりたいと思っております。やはりそうすると若いうちに、税理士業務に携わり、一通り業務を覚えておくべきだったのかと最近思います。30歳・現在2科目合格でこのような話はやはり難しいのでしょうか?

A.1
会計事務所におけるコンピューターシステムの重要性は、最近ではかなり高くなっています。
税理士法人TOTALでも、即戦力・試験が進んでいる人と並んで、システム関連が見れる人は評価します。この傾向はシステム需要のある10人以上の税理士事務所ほど大きくなると思います。
(税理士法人TOTALでは早い時期にはスタッフの4割近くが元SE、プログラマーでした。今でも5名在籍しています)
年齢的に普通で、問題ありません。

A.2
税理士業界は、BIG4や最大手クラス、体育会系のノリの一部事務所を除き、言うほど労働時間は長くありません。残業時間が今までより取れなくなる可能性は低いと思います。
ただし、一人で仕事を完結する担当制のところが多く、お客様と直接向き合うため、(やりがいはありますが)責任も重く、頭脳に負荷がかかり、試験との両立は楽ではありません。
以前、前職(会計事務所以外)で週5日一日16時間働いていた税理士受験生を
「そのままじゃ死ぬからうちに来なさい」と採用しました。
彼曰く、「時間は短くなったけど、頭は前職よりはるかに使うので、両立のきつさは変わらない」とのことです(現在彼は、うちで働きながら、週末に大学院に通っています)。
時間より頭の切り替えが難しいのです。
いずれにせよ仕事と税理士試験の両立は楽ではありません。

A.3
会計事務所に勤務した当初は、広く浅く、いろんな経験を積むのが望ましいでしょう。
裾野が広いほど山は高くなります。
一通りの実務経験を積んだ後で、なにか自分の得意分野に特化することもありうると思います。
業種特化型の事務所は未経験者の採用枠は狭いです。業種特化するための当然の前提として一般的なことができる力を必要とするので、どうしても経験者優先になります。
なお、IPOは、最近では激減しています。J-SOXやIFRSで上場維持コストが上がっていることを考えると、中期的に考えてもあまり需要は盛り上がらないでしょう。株式公開は本来、公認会計士の仕事です。公認会計士のもとで補助業務をすればいいというのでなければ、IPO支援をしたいのなら、ご自身が公認会計士を目指すべきだと思います。
事業再生/再編等の業務は不景気でも一定の需要があります。高い技術と体力、熱意が必要でしょう。将来、目指すのに年齢的に遅いということはありません。

30歳2科目、システム関連出身は、条件としては悪くありません。税理士業界の新規参入者としては標準的です。
順調に決まれば一番いいのですが、極端な就職難(2010年末 当時)なので、場合によっては零細事務所で数年経験を積んでから中堅事務所に入ることを視野に入れる必要もあるかもしれません。

ぜひ頑張ってください。

2010年12月02日

大原簿記学校 就職面談会

東京都千代田区(来年は、新宿本部を出店予定です)と千葉県船橋市の税理士法人TOTALの税理士 高橋寿克です。

12月に入り、税理士試験の結果発表が近づいています。
税理士法人TOTALのスタッフも1人でも多く官報合格・科目合格しているといいなあ。

税理士試験の発表とともに、就職活動がさかんになり、
12月は、8月に次ぐ会計事務所の就職シーズンです。

当サイトは、いつもは税理士業界への就職を希望する方・税理士試験受験生向けに就職・転職情報を提供していますが
今回は、税理士法人TOTALの就職について少しだけ?告知。

実に、7年半ぶりに
大原簿記学校主催の就職面談会 に参加します。
 場所:大原簿記学校 水道橋本館
 日時:12/18(土)13:00〜16:00  (開場 12:30〜)

前回は、まだ開業当初の小さな会計事務所で
応募自体がほとんどなく、一人も採用できませんでした。

今回は、果たしてまたも閑古鳥が鳴くのか、
それともリベンジで行列が出来るか
ちょっとドキドキしながらみんなで準備をしています。

大原簿記学校の就職情報誌 WIN 2010年冬号を見ると
4〜5年前の半分の厚さもありません。
うちは東京都と千葉県に拠点がありますが
千葉県の1ページの求人はうち以外なさそうでした。
(1/2ページは2件ありました)
会計事務所の多くは売上げ減少に悩まされており
採用どころではなく、他の業界同様に就職難ですね。

税理士法人TOTALはお客様には幸いにして選んでいただいており、
東京本部(秋葉原)、船橋本部に加えて、来年夏に新宿本部の出店も控えています。
原則として通年採用ですが、今年の12月は、2〜3名の採用を予定しています。

ただいまダイエット中の私の顔を見たいと言う奇特な方?がおられたら
当日、お会いできるかもしれません。
(忙しく動いているのでお会いできなかったらごめんなさい)

私以外は美男美女が多い?うちのスタッフと切磋琢磨しながら楽しく仕事をしたいという方は
=============
スタッフのみんなはこんなかんじです。
東京本部はこちら
船橋本部はこちら
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履歴書をお持ちになって税理士法人TOTALのブースにいらしてください。

ご応募お待ちしています。


税理士法人TOTALの採用に関するページはこちら
じっくり見てくださいね。
税理士法人TOTALの採用に関する個別のご質問は承っていません。ご注意ください。

※なお、会計事務所の就職に関するご質問はここをクリック してください。

また、このサイトもありがたいことに皆様のご質問をいただき、事例が増えてきました。
ご質問の前に、同様な質問が無いかご確認いただけると幸いです。
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