2010年03月

2010年03月18日

40代地方会計事務所経験者の東京での採用

税理士事務所採用・就職情報の税理士 高橋寿克です。

エスペランサ様よりのご質問です。
■年齢:42歳
■性別:男性 
■資格:財務諸表論合格 
 米国公認会計士、CFP科目合格
■受験歴等:
 法人税・消費税の学習経験あり、簿記論・消費税法受験予定
■職歴:都心の企業経理(非上場)で10年程。直近2年は税務が主業務。
■学歴:早慶文系
■会計事務所経験:
 SPC務所に1年弱(申請手続、初年度の申告)
 現在、地方の実家近くの事務所(10人規模)で勤務
■居住地:地方
■その他:税法大学院に今春から通学し大学院免除予定(週末)

家庭の諸事情のため、東京に家族を残し、10人程度の会計事務所に転職しました。就職した事務所は、計算・申告が主で、そのため院では法律をしっかり吸収して法律家としても通用できるようになりたいと考えています。また、過去の企業経験も活かして事務所に付加価値となることがあれば提供していきたいです。

Q1.
2年後(44〜45歳)に東京の会計事務所に転職できますか。
大学院の専門は国際税務です。このことはネックになるでしょうか。

Q2.
今の事務所で何を、そして、どの程度の力を身につけておくべきか等のアドバイスをいただけたらと思います。

A1.
エスペランサ様は、東京に家族を残し、希望を忘れずに、前向きにがんばっていることと思います。
2年後に税理士有資格者になっていれば採用する事務所はあるでしょう。
過去にSPCというかなり狭い限られた業務経験しかしてなくてブランクがあっても、会計事務所に経験者として採用されたように
経験者をかなり優遇するところが多いのが会計事務所の特徴です。

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税理士法人TOTALにもSPC中心の会計事務所の、単純労働・超過残業が嫌になって転職してきた人は多いです。
私は税理士希望者がSPC事務所に勤務するのは反対です。
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給与等、条件面を妥協すれば、求人は色々あるので採用自体はむしろ地方よりも可能性が高いと思います。
その際、国際税務を専門に勉強することは、特に国際税務業務をやりたいとこだわらない限り、あまり影響しないでしょう。
USCPAをお持ちですが、国際税務業務はやっている会計事務所が大手監査法人系以外は少なく、
公認会計士があまっている現状では残念ながら、欧米系の仕事は少ないかもしれません。
(アジアは今後増えそうですが)

A2.
エスペランサ様の場合、年齢の割に実務経験が不足しているのが専門家としては弱点です。

「何を」というより、今の事務所で与えられた仕事をできる限り誠実にこなすことによって、ご自身の基礎的スキルを上げることが求められるでしょう。

大学院、税理士試験受験、実務と、3足のわらじはくことになり大変だと思います。
希望を持ってやりきってもらいたいと思います。

税理士になること、実務経験をつむこと
これこそが、東京で採用されるために必須の要件であり、
場合によっては、独立という選択も可能になるのです。

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私自身は最初は当時50代の税理士の先生の会計事務所に4年半勤務しました。
10人ちょっとのスタッフがいました。
安定した良い事務所で、基本を徹底して教えていただきました。
条文もきちんとひき、疑問点をつぶす作業を愚直なまでに行いました。
労務・許認可・登記等(本来、税理士業務ではないので法律的には問題ではありますが)幅広く業務をやらせていただいたことも今日の「TOTAL」の方向性の基になっているともいえます。
今でもそのときの鍛錬には感謝しております。

人生に無駄はない。経験は必ずどこかで生きる。
と思っています。
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2010年03月16日

会計事務所への転身:元日本一のスポーツマンの場合

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

shin様よりのご質問です。
■年齢:33歳
■性別:男性 
■資格:簿記2級 税理士試験受験歴なし
■職歴:ネットワークオペレーター約3年
 転職歴 3回
■学歴:日東駒専レベル
■会計事務所経験 なし
■居住地 神奈川 

私はスポーツの世界で生きてきたため
自信を持って説明できるスキル等が
この歳で恥ずかしながらありません。
スポーツの世界では日本一になりました
がその後の人生はかなり苦労しています。
現在は私が行っていたスポーツのコーチ業
(アルバイトで勉強時間はあります)で
生活しています。

昨年10月から簿財の学習を始め働ける
会計事務所を探していましたが私の経歴
では書類選考すら通りません。

しかし思いがけないときパートながらスカウト
をされました。

Q.パートでの就職をしながら受験するべきなのか
簿財受験に専念し合格後就職というのが
ベストなのかアドバイスをいただけたらと
思います。

A.
スポーツでの日本一は
体を鍛え、技術を体に染み付くまで繰り返し磨き、
高いレベルでの争いの中で心もコントロールする必要がありそうですね。
このことが出来ていたのではないでしょうか。
誇るべきことですし、素晴らしいですね。

企業が、体育会系を優先採用するのも
組織への順応性と共に、こういったことも考えてでしょう。

もったいないので、その知名度と経験を活かした仕事を続けるという選択もあるように思うのですが、今回はその件は考慮しないで書きます。

税理士業務も
長い受験生活に耐えられる適切な健康管理はもちろんですが
税務・会計、場合によっては労務、人事、法務等経営に関するたくさんの知識を受験や実務を通じてしっかりと身につけ
トップセールスマンである中小企業の社長さんの、熱い思いや気遣いを身近に接して心も磨くという仕事です。

一流になるにはいずれにせよ長く、厳しい道のりが待っています。
30代前半という年齢は、ちょうど悩ましいところです。

shin様の場合、事務屋・法律的な仕事の経験が少ないので
おそらく、仕事を覚えるべき時期でしょう。
(この作業に年齢的に5年くらいはかかります)

その一方で、税理士試験の受験勉強は
スピードと記憶力が要求されるため
「若さ」が決定的に重要になります。
出来るだけ早く、3科目合格する必要があります。
(最後の2科目は大学院免除という手もあります)

会計事務所職員として安定して仕事をするだけでいいなら
受験を後回しにしてでも仕事を覚えるという選択もありえます。

そうではなくて、税理士にならなければ
会計事務所で働く意味がないというなら、
数年中にどちらもやらなくてはいけない職歴・年齢だと思います。

shin様の場合
簿記論・財務諸表論の受験に専念するなら、1回で絶対合格するという思いで何が何でも今夏合格してください。
パートをしながら勉強するというなら歯を食いしばってがんばってください。

しいてどちらを薦めるかとたずねられているとしたら

うーん、

8月までの受験専念ですかね。
受験で使う頭脳は、仕事で使う頭脳とは違います。
だらだらと二つのことをやるより、集中して期限を切ってやれるだけやる方がいいような気がします。

人生をかけて勉強して、今年1科目も歯が立たなそうだったら、税理士試験に対する適性がないと考えて、受験又は会計事務所勤務をあきらめて、過去の経歴が生きる仕事を探しなおす。
1科目は合格できそうだとなったら、9月から、パートでも社員でもいいので働いてみる。

まずは、悔いがないように勉強してみてください。

2010年03月11日

新卒・勉強が進んでいない方の会計事務所への就職

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

ご質問はここをクリック

F.M様よりのご質問です。
■年齢:22歳
■性別:男性
■資格:特になし
■学歴:国立理系卒業見込み
■会計事務所経験:なし
■居住地:茨城

今年卒業して就職しようとしているものです。
しかし内定がなく、現在就職活動中です。
最近会計事務所で働くことに興味を持ち始め、会計事務所での就職を考えはじめています。

Q.資格なし未経験の人が会計事務所などに就職するのは難しいのでしょうか。
また就職するのであればどのような方法をとればよろしいでしょうか。

A.
リーマンショックは、直接は金融のダメージが少ないはずの日本が、ギリシャに次いで影響を受けているように感じます。
このため、新卒の方の就職は内定率が過去最低レベルと大変ですね。
残念ながらこの影響は向こう数年は続くように思います。

新卒カードは、生涯に一度しか使えないプラチナペーパーで
日本の雇用慣行では非常に価値が高く、
私は、将来会計人になる方でも、最初の就職先は一般企業で良いのではないかと思っています。
会計事務所は、新卒教育できるところが多くはありません。
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税理士法人TOTALでは、会計業界しか知らないというのは私を含めて3分の1くらいです。
税理士法人TOTALの新卒採用は、(そもそも応募も少ないですが)少数派です。
今後は新卒採用を増やしていきたいと思います。
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そんなことは承知の上で新卒で会計事務所に就職しようというなら

1、新卒・未経験者を好む事務所を狙う。
他の事務所から流入してくる人材は、前の事務所で変なクセがついていて使いにくいというケースがあります。
若くて色がついていない方のほうが、のびしろがあるので、未経験者しかとらないという事務所もあります。
そういう事務所は新卒にも比較的寛容ですし、教育もある程度はしてくれます。

過去に経験者優先で痛い目にあったことがある、
40代後半〜60代前半の先生で、スタッフ数が7人以上のところがのぞましいと思います。
このくらいの規模・経験がないと新卒を育てる技術が身につかないのです。
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税理士法人TOTALは過去に新卒を一度に4人採用して、現在3年経過して、半分しか残ってもらえなかった苦い経験があります。
新卒教育に必要な技術・仕組みが不足していたのです。
こういった経験を通じて仕組みや技術を磨いて
新卒を安定して育てられるようになるのでしょう。
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こういう事務所は、教育方針等をホームページを良く見るとわかりますし、面接でも教えてくれるはずです。
このタイプの事務所をさがすことからはじめましょう。

新卒の方は、30代の経営者の経験者優遇の事務所で
教育に熱心でないところには、よほど自分に自信がなければ入らないほうがいいでしょう。
特にF.M様は勉強も進んでいないので危険です。

2、補助作業者・パート・アルバイト
1のタイプは数が少ないし、おだやかで組織になじむ人以外採用しません。
1が難しい場合、普通の事務所に補助作業者・パート的に入るという手が考えられます。

早くから担当を持たせるような事務所では採用されないことが多いでしょうし、仮に採用されたらかえって技術・経験不足でつぶれかねません。

ただ、会計事務所の仕事は、作業の積み重ねの部分が多く、8割ぐらいの仕事は経験を積むうちにこなせるようになるものです。

入社後1〜2年は担当を持たせないような事務所に入ってじっくり成長を目指すか、より採用に関する間口が広い(入社しやすい)、パート・アルバイトで入社し、責任が比較的軽い補助的作業を中心に経験を積みながら、勉強も同時に進めるなどの選択が考えられます。

なお、会計事務所の場合、コース別採用になっていても、大手の一部以外は、実力に応じてフレキシブルに対応してくれます。
パート採用から正社員になることは決して珍しいことではありません。
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少なくとも税理士法人TOTALは入り口で差別することは一切ありません。ただし、某大手税理士法人はアルバイト採用者は正社員にはしないとお聞きしたことがありますので、面接の際にでも個別に確認してみてください。
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また、補助的な仕事やパートでも経験者扱いにする会計事務所も多いので、転職の際には有利になります。

会計事務所の採用は、未経験者に厳しく、経験者には緩やかだと言っていいと思います。

<参考>あきらめずに会計事務所に就職する方法

※なお、ご質問はここをクリック

また、このサイトもありがたいことに皆様のご質問をいただき、事例が増えてきました。
ご質問の前に、同様な質問が無いかご確認いただけると幸いです。
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