2009年05月

2009年05月17日

税理士法人TOTALの採用の特徴

税理士法人、司法書士・行政書士事務所TOTALの
高橋寿克です。

5月から産休明けスタッフが2名復職してきました。
現在、産休中のスタッフも一名います。
男性スタッフMさんは今月から育児休業を取得しています。
義母の介護との両立が必要になった女性スタッフもいます。

以前勤務していた女性スタッフが3年ぶりに税理士試験の進展に伴い復帰することも決定しました。
(これで一度退職したスタッフが戻るのも2人目です)

会計事務所は女性や税理士試験受験生が多い職場なので
家庭や受験の状況によって
どうしても出入りが多くなります。
ただ、一定の技術さえあれば復職しやすいとも言えるでしょう。

なお、税理士法人TOTALの場合、
採用は、
 ・ヒューマンスキル・コミュニケーション能力
 ・専門的技術(会計事務所経験又は税理士試験受験、サポートスタッフの場合は簿記3級でも可)
を中心に判断します。

どちらか一方をこれから伸ばして欲しいと感じると「履歴書預かり」にすることがあります。
「簿記を勉強したら来てね」と言ってしばらくしてから採用した人もいます。

3年前に、社会人経験が無く、繊細なため、
うちでは精神的フォローが仕切れないので
つらいだろうと思って履歴書預かりにしていた新卒だった方が
この4月に社会人経験を積んだ上で入社してくれました。
大変そうですが、頑張ってくれています。
(履歴書預かりの方で大きな進展があった方
ご連絡お待ちしています。)

家庭や受験で色々な障害があっても
一度採用した方には気持ちよく一緒に働いて欲しいと思って
中期的な計画で、採用、人材育成を行っています。

2009年05月08日

税理士試験の難易度と公認会計士試験

東京都千代田区と千葉県船橋市の税理士法人TOTALの税理士 高橋寿克です。

ご質問はこちらから

レイ様からのお問合せです。
Q. いつもこのサイトを閲覧させていただいております。
私も税理士試験を始めたばかりで、他業界のものですので、このサイトはとても参考になります。
本日は、このご回答の以下の部分の詳細がどうしても気になりましたので、先生の私見をお聞かせいただきたく、投稿させていただきました。
>なお、私見ですが、これから、税理士試験の難易度は若干下がると思います。

A.
このサイトの趣旨が税理士業界・会計事務所への就職・転職を考える方への情報提供なので
少しでもお役に立つのであればうれしいことです。
上記の私見については単なる個人的な分析なので書くべき事柄ではないと思い省略したのですが、「どうしても」というせっかくのご依頼ですので雑談だと思って気楽にお読みください。

学生は、元々、社会情勢に影響された就職活動をする傾向が強いようです。
私の学生時代(バブル絶頂期)は金融業、その後SE(女性)、公務員・資格、外資系・ベンチャー起業、弁護士(新司法試験)というようにその時代に華やかなものを選びます。
銀行は若年退職を生み出し(40代前半にして同期で都市銀行に残っている者は必ずしも多くありません)、SEの女性は30代で挫折し、公務員はこの後、大変でしょう。医師・公認会計士以外の資格は評価が下がり、外資系は投資銀行が壊滅的で、ITベンチャーのバブルははじけ、新司法試験の弁護士はノキ弁(軒先だけ借りて営業し、給料ももらえない)も。

近年はネットで情報収集するので転職組を含めて行動が極端に一方に偏るようになっています。30代の医者や司法書士が新司法試験に転進したのは行きすぎかもと思います。
ちなみに私の妹もロースクールに通っており、法曹の門戸を広げるその考え自体はすばらしいと思います。子育てとの両立はかなり大変ですががんばってほしいものです。

今、超過利潤が発生しておいしい資格と考えられているのは公認会計士でしょう。
J−SOXや会計基準の変更、4半期決算で、需要が急拡大し、かなり高給になりました。このため、合格者を以前の何倍にも増やし、試験の難易度は逆にだいぶ下がりました。
従来は税理士試験を受験していた学生や、30前の転職組の一部さえもTAC等の専門学校で公認会計士受験を勧められています。
結果として税理士試験の受験生が短期的に減っていますし、若くて記憶力やスピードがある人はそれ以上に減っているはずです。
税理士試験は科目合格制度なので、受験生の母集団変更の影響はかなり長期間にわたるでしょう。今、簿記論・財務諸表論を始める人は合格するのはかなり楽になるのでは。

ちなみに、弁護士は法化社会の進展・コンプライアンス重視の流れの中で需要がおそらくこの20年間で2倍以上に増えたにもかかわらず合格者が6倍に増えたために食えない人が出現し、新司法試験開始からわずか数年で受験者が半減〜1/4に減少し、社会人からの転職はさらに激減しています。
公認会計士も、上場企業数や業務内容を考えると需要は2倍に増えました。しかし合格者は需給ギャップを埋めるために600人くらいから3000人以上に5倍増えました。
直近では上場会社数は減少に転じており、メーカーを中心に業績不振に伴いコスト削減圧力は強いはずです。上場維持コストの際限なき上昇はありえません。今、受験を始める人が数年後合格するときは、J-SOXや会計基準変更の特需も一段落し就職難・待遇の悪化は避けられないかもしれません。
いざとなれば税理士登録でと思っても、試験に合格しただけで監査法人に就職できなければそれもできません。
(開成学園の後輩で過去の会計士就職難の時期の合格者でベンチャー企業に転じた方もいました)。
畑違いの税理士としての営業も細かい税務も楽ではないはずです。
新司法試験同様、いずれ、それが受験生にわかると、公認会計士受験生は減少し、税理士受験生が増加するでしょう。それまでには時間がかかるので、その間は税理士試験の合格レベルは下がるでしょう。

税理士に限らず、弁護士、公認会計士、司法書士、社会保険労務士等、資格で安泰ということは今後はないと思います。資格はあくまでスタートラインに過ぎません。人格・技術を磨き続ける必要がありますし、上下差は拡大し、営業力がないとはますます食べられなくなるでしょう。

かつて司法試験(受験初年度で短答合格も、その後体調不良で断念しました)、税理士試験、司法書士が合格、私は半年くらい講座に通いました)を受験した経験からも、現在の税理士試験は難関だと思います(公認会計士試験は勉強したことがありません)。一定期間の努力が必要とされます。ただ、知識を正確に記憶するのは実務をするうえで役にも立ちますし、いざとなれば大学院免除もあります。
合格レベルが下がるのは短期的にはむしろ望ましいのかもしれませんし悲観もしていません。
私は税理士の仕事が好きですし、社会のためにがんばっているのだという自負もあります。

以上はあくまでも私見です。この件で議論するつもりはありませんし、特定の資格・職業を批判する意思もありません。ちょっと書きすぎかもしれませんがご容赦ください。

※なお、ご質問はこちらから

また、このサイトもありがたいことに皆様のご質問をいただき、事例が増えてきました。
ご質問の前に、同様な質問が無いかご確認いただけると幸いです。
「過去の質問」はこちら

2009年05月03日

他業界(公務員)から会計事務所への転身 税理士に絶対になる!

税理士法人TOTALの高橋寿克です。
税理士事務所・会計事務所 就職情報

ようすけ様からのお問合せです。
■年齢 30歳(独身)
■性別 男性
■資格 簿記2級のみ (他に、エクセル上級、エクセルVBAスタンダード)
■職歴  地方公務員(消防)、公安職、5年弱、転職歴なし
■学歴  早慶
■会計事務所経験 未経験・経理もなし
■居住地 東京 
■その他、24時間勤務のため休みは多く、勉強時間はとれるものの睡眠不足状態。
独身で親と同居。比較的貯金あり。

年齢を考慮すると、1年から2年程度のブランクを作ってでも、一刻も早く科目合格(簿財消を予定)をして30代前半のうちに税理士事務所に転職に臨む方が、働きながら勉強して科目合格が遅くなり、30代半ばになって転職に臨むよりは、有利なのではないかと考えております。
Q.1
退職して1年から2年程度受験勉強に専念するか検討中です。私の職歴と年齢で受験に専念した場合、1年から2年のブランクがあることが採用する側から見てどう評価されますか。
Q.2
もし専念する場合は1年で何科目同時に勉強するのか妥当ですか

A.1
ようすけ様、消防のお仕事おつかれさまです。
私は、地元の消防団に属しており(今年は分団の部長・会計です)、また、身近にも早稲田大学の先輩に消防指令の方がおり、いつも消防局員の方にはお世話になっています。
消防は地域住民の生命・財産を守る大切な仕事であると同時に、身分・給料が安定していると理解しています。

その仕事をやめて会計業界に入るとしたら(この検討はもう適切に行われているという前提で話を進めます)、絶対に税理士になるのだという思いがあることでしょう。
おそらくよく調べられているのでしょう。ようすけ様の考え方で問題ないと思います。

試験を合格した税理士なら、税理士試験の大変さはよく知っています。専念期間は2年までなら結果を残せていればむしろプラス評価です。本気で勉強をしてきた証になります。
年齢的には3年以上専念は仕事を覚える期間を考えると難しいでしょう。

A.2
記憶力・スピードによりますが、頭脳等も勘案し、やはり3科目だと思います。
私は26歳くらいから始め、記憶力に自信があったので初年度で5科目同時で受験しましたがさすがに1科目半手が回りませんでした。その間の話はこちら

受験科目によってボリュームが違います。
都内で資金余力もあるので、夜間・週末の大学院進学予定があれば簿記論・財務諸表論・消費税法のパターンがいいでしょう。これなら30半ばで最終合格と同時に仕事もある程度できるようになっていますし、精神的なストレスはかなり低いと思います。
(この間の忙しさは相当ですが)

大学院進学を考えなければ簿財に加えて法人税又は所得税(合格だけを優先するならこちら)をお勧めします。
ボリュームが多いですが、極力、途中で捨てる科目を作らないでください。1年で取り切れない可能性は高いですが、2年専念できるので、2年目に不合格科目とミニ税法(できるだけ簡単なもの)を受験すればこちらも30代半ばで働きながら官報合格可能です。

税理士は純粋培養よりも転職・挫折等、多様な経験が生きる資格です。他業界からの人材の流入を歓迎します。
なお、私見ですが、これから、税理士試験の難易度は若干下がると思います。
合格した後は人柄と専門知識で勝負です。

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税理士 高橋寿克

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