ご意見・ご質問箱、回答

2017年05月18日

メガバンク(都市銀行)の営業と税理士

税理士事務所 求人・採用・就職情報
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

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吉田 様からのお問合せです。
■年齢 22才
■性別 男 
■資格 簿記3級 証券外務員1種、生命保険販売資格 
■職歴 メガバンク法人営業(1年目)
■学歴 MARCH
■会計事務所経験 なし
■居住地 神奈川県

私は新卒でメガバンクに入行し、神奈川県の支店で法人営業をしております。
5月頃から先輩行員と営業に同行したり、データを打ち込んだりしています。データの打ち込みの正確さや伝票を書く早さは課長にもお褒めいただけたのですが、営業として圧しが弱い、メンタルが弱いなどと言われ、さらに支店長からパワハラも受けており、退職して公認会計士や税理士になろうかと考え始めました。

元々会計の勉強は好きで、証券外務員1種や簿記3級も3週間ほど勉強して受かり、またデータを打ち込む作業も得意なので経理や会計の仕事をしつつ資格を取りたいと考えています。しかし、1年も持たずに辞めたとなると世間的に「根性なし、忍耐弱い」と思われるのではないかと考えると不安です。

Q.1
こんな私が税理士事務所や公認会計士事務所に転職することは可能でしょうか。ご回答よろしくお願いします。

A.1
かなり古い話で恐縮ですが、
私の新卒時代(バブル期です)には、都市銀行等の金融機関に就職するのが普通で、
(就職活動をしていなかった私のところにも都市銀行から勧誘のお電話をいただきました)
メーカーや商社に行くのは変わっているとさえ言われていました。

ただ、都市銀行に行った同期は、転職や出向でその多くがもう銀行本体には残っていません。
高学歴者みんなが目指した業界は、競争も激しく、衰退も早いのは世の習いです。

昔からの、銀行は「安定したしっかりした会社」というイメージで入行した方が多いでしょうが、
法人営業の男性はもちろん、女性行員にすら結構な「目標」と言うノルマがあります。
データ入力のような事務はパートや派遣社員に置き換わってきて
正社員は、営業成績で評価・選抜されます。

マイナス金利とアベノミクスによる資金余剰、
法人は過去最高益を更新する一方で、
国内市場の縮小に伴い設備投資意欲は低下し
貸付金の利ザヤで稼ぐモデルは成り立ちにくくなってきています。

そうなると、銀行の経営陣としては、自分たちの信用を利用して生命保険や投資信託、外貨建て債権、仕組み債といったリスクのある金融商品の販売手数料を稼いで利益を確保しようとします。

でも、中小企業の現状ではそんなに資金余力もありません。
経験が少なく技術も乏しい若手に営業ノルマを課し、
銀行にとって都合のいいセールストークを用意して、
お願い営業、押し込み営業を強いることも多くなります。

銀行員さんは真面目で、証券外務員やFP等の資格を取得し、休日も勉強会やフェアなど様々なセミナーに参加して金融知識をしっかりと身につけていきます。
超低金利の現状では魅力的な金融商品はほぼなく、
銀行の都合で手数料の高い商品を売ることも多く、
(販売手数料が高い商品は、運用手数料も高いことが多く)
元本割れ等が発生すると、銀行員はお客様からの苦情に直接さらされます。

そうなると、金融リテラシーの高い、優秀な人ほど本部からの指示に疑問を抱くようになります。
投資環境を考えず、自行の利益を経営陣は優先しているのではないか…
金融リスクがよくわかっていないお客様を食い物にし
これっぽっちもお客様のことを考えてないのではないか……

監督官庁の金融庁の森信親長官は
「消費者の真の利益を顧みない生産者の論理が横行している。そんなビジネスを続ける社会的な価値があるのか」
と言って、毎月分配型の投資信託を批判しました。
銀行が窓口で売りやすく、お客様のためにならない商品の典型と言ってもいいでしょう。

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実は、私も10年くらい前に毎月分配型の投資信託を銀行さんのお付き合いで買って、損をしたことがあります。
父も、都市銀行の売ったファンドラップで大損をして、支店長が連日のように謝りに来ていたことがありました。

もちろん、投資は自己責任です。
それ以降、私は損する可能性の高い金融商品に付き合うことはしなくなりました。父の投資も事前に私に相談してもらうようにしました。
その後は幸いにして付き合いの投資で何とか利益を出し続けていますが。
(もっともブラジルレアルの仕組み債にはかなり心配させられました)
=============

厳しい金融状況で、銀行は不毛な金利競争に明け暮れており、
課長も支店長も営業成績で評価され、生存競争を強いられています。
支店長は、遺言信託や遺産整理のような売りにくい商品も売らされています。
こうなると、どうしても部下にも結果を求め、いきおいパワハラが発生しやすい状況になっています。

銀行員は、真面目で優秀な方が多いので、
不合理な販売スタイルや営業ノルマに嫌悪感を抱き
良心の呵責に耐えかね、うんざりして辞めていく人が多いと先日もニュースになっていました。
特に、潔癖で真面目な若い方や女性はその傾向が強くなります。

銀行と言う社会的に評価が高い組織を短期間でおやめになるのはもったいないという意見もあると思います。
それでも文章を読んでいると、吉田様は都市銀行をおやめになっても良いような気がします。
真面目なだけに、いつか、うつ病を発症するのではないかと感じられるからです。
うつは一度発症すると、再発の危険が高くなります。

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実際にうちを担当してくれていた女性が急にうつで配置転換されたことがありました。
都市銀行の支店長にお聞きしたら、精神的に病んでうつ等を発症する方が増えているそうです。
=============

私は「根性なし、忍耐弱い」とは思いません。
税理士事務所は、中途で入ってきてくれる方が圧倒的に多い業界です。
地方銀行、都市銀行、生命保険会社、損害保険会社等の金融機関出身者も多くおられます。

金融機関は2年程度で異動があり、人間関係を作るのは大変ですよね。
都市銀行なら異動は、ほぼ予告なしに全国ですからなおさらです。
お客様に寄り添うよりは、短期で営業結果を求められる業界です。

それに対して税理士事務所は、
若手の熱さが売りのイケイケ事務所や、
生命保険を積極的に売っている事務所を除くと
職員にはほぼ営業ノルマはありません。

顧問契約は安定した長い人間関係を前提にするので、
お客様と利害関係が一致しないのは顧問料の決定くらいでしょう。
お客様のために尽くし、お客様と共に成長することができる、
これがきれいごとではなく普通に行える業界です。

税理士業界は、真面目で勉強が好きな方が多い業界です。
営業能力に自信がなく、もっと言うと営業自体を意識しない人も多く、
コミュニケーションもおぼつかない状態の新人もいます。
それでも事務所内で先輩に教わり
定期的にお客様と連絡をし、時に訪問してお客様に学び、
コミュニケーション能力を徐々に高めていきます。

都市銀行に新卒で入れるだけの人柄、能力があるなら
税理士事務所では十分通用します。
転職はもちろん可能です。
税理士業界は、優秀な若い男性が入って来ることを歓迎します。

(申し訳ありませんが、私は公認会計士ではないので、公認会計士事務所や監査法人がどう評価するかはわかりませんしコメントする立場にありません)

5月病でないか、やめたいのが一時的な感情でないか、もう少しだけ考えてみて
それでも銀行は違うなと思ったら、
転職して、税理士を目指されてもいいと思います。

経済的な理由や家庭の事情等で 受験専念せず、(士業事務所ではなく)一般企業の経理・会計の仕事をしながら税理士試験の勉強をするなら、
(公認会計士は働きながらの受験は事実上不可能でしょう)
注意点としては、経理・会計は経験者が優先して採用される業界ですし、
一般企業では短期間過ぎる離職の評価は低くなるので、
転職先を決めてから銀行をおやめになられた方がいいかもしれません。

=============
税理士法人TOTALは、営業ノルマはありません。
営業は一部の得意な方にやってもらっていますし、そもそも商品力が強いので簡単に売れます。
普通にやっても半分以上がクローズできます。
私も営業していますが8割くらい決まります。
(残りは価格にシビアな方と、こちらからお断りする方が多いです)

生命保険ですらほとんど売っていません。必要な保険くらい売るべきなので専任の営業担当を置こうと思っていますます。

なお、税理士法人TOTALの場合、在籍者のうち金融機関出身者は約15%です。
男性は、営業で通用しなかったという人も多いです。
女性は、全体としては結婚・出産等の家庭の事情の方が多いですが、最近は営業が精神的に嫌だったという方も増えています。中には短期間で銀行をおやめになった女性もいます。
第2新卒扱いで積極的に採用を進めています。

なお、うちの本部長の4割が金融機関出身者ですから、税理士業務との相性は良いと言えるでしょう。
=============






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2017年04月26日

税理士事務所の仕事と上場企業

税理士事務所 求人・採用・就職情報
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

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mk 様からのお問合せです。

■年齢:27 才
■性別:男
■資格:簿記論、財務諸表論、法人税法
(消費税法、国徴受験経験あり)
■学歴:早慶
■会計事務所経験:正社員一年、アルバイト一年
■居住地:関東

こんにちは。
いつも大変参考にさせております。
どうしても科目合格がすすまなくなったため、春から大学院に通い始めました。
しかし、大学院の授業が忙しく、正社員での勤務がむずかしいのではないかと思い、アルバイトに変えようと思っております。

今年28になるのにもかかわらず正社員としての職歴が一年という短さに少し焦りを感じております。

この業界一番優先順位が高いのは資格だと思っておりまして、このまま進まないリスクを考えてはやい段階で大学院に進学しようと思ったのは少し早計だったのではないかなと考えております。

今の事務所では仕事を任せてもらえず、雑務が大半で成長性を感じられず、正社員しか採用していないため、アルバイト勤務ができないため一年で現在の事務所を退職することを考えております。

Q.1
この業界での短期での転職はどういった評価になるのでしょうか?

Q.2
資格をメイン(アルバイト勤務)に考えていいのはどのぐらいの年齢まででしょうか?

Q.3
上場会社系の経験は独立を考えているかたに対してはどのぐらいの経験になるのでしょうか?

今後の参考にしたいと思いますので、お忙しいでしょうが、お時間があるときにでもお返事をくれたら幸いです。

A.1
企業は、入社2〜3年に満たずに退職されると、育成コストと合わず大赤字になります。
早期退職者は、一般的には採用してもすぐ退職されるリスクがあるということですから、マイナスの評価が大きく、面接で細かく尋ねられます。

ただ、税理士事務所・会計業界の場合は、中小零細事業所も多く、残念ながらあまりいい事務所が多くないことは面接官も知っているため、大企業の早期退職ほど大きな減点にはなりません。
多くの会計事務所は、転職者が多いことが前提になるため、教育コストを余りかけずに、「期待」ではなく「結果」を出したやめない人を厚く処遇することになります。

短期での転職は、どんな事務所に勤務していたか、退職した理由は何かを聞いて個別に評価されるでしょう。

ただ、理由付けをしても、資格のためになりふり構わない人だという評価は避けられないと思います。

もっとも即戦力、勉強を進んでいる人を欲しがる税理士事務所は多いので次の転職ではそれほど大きく不利になることはないでしょう
税理士法人TOTALでも、mk様の応募があれば前向きに検討すると思います ご応募お待ちしています(笑)

=============
税理士法人TOTALでは、業務の標準化が進んでいるため、初期の教育も効率的に行っています。それでもできれば3年程度は働いてほしいと思っています。
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A.2
税理士が資格商売である以上、資格取得を第一に考えること自体は正しいと思います。
何歳くらいまでということはありません。
実際、40代でも資格のためにアルバイト勤務をしたり、受験に専念する方もいる業界です。

ただ、可能なら30代前半までに資格を取り終えるのが望ましいとは思います。
仕事を覚えるのに一定の年数が必要ですし、
税理士試験に求めれられる記憶力と速記スピードは若い方が有利ですから。

=============
税理士法人TOTALでは、資格の取得を推奨しており、家事や育児の負担が少ない男性はほぼ全員
有資格者か受験生です。
30代までに資格を取るように勧めており、試験での合格が難しそうな場合には、働きながら大学院に通学していただいています。
関東なら、夜間や週末中心に通学できる大学院も多く、2年間休みがほぼなく忙しいですが十分両立は可能です。
もちろん、税理士法人TOTALの大学院組は全員無事に修了して大学院免除を受けています。

(昨日、今春修了したスタッフに聞いたら、ほとんどの方は無事に卒業できるそうです。
ゼミ20名強で一緒に卒業できなかったのは、最大手クラスの激務事務所に在籍している2名だけだったとのことです)
=============

早慶卒の三科目持ちの正社員に、雑務を中心に仕事をしてもらっているのは大いに疑問です。
ずいぶんもったいない人の使い方だなあと感じます。

やめないベテラン正社員中心で上がつかえている職場ということなのでしょうか。
有資格者中心のかなり専門性の高い職場なのでしょうか。
大学院に通学することをよく思わずに、あえて仕事をふらない状況なのでしょうか。

税理士試験免除を狙う大学院の通学者の7割くらいが、働きながら頑張っているとお聞きしています。
場合によっては、転職もやむをえませんが、正社員として働きながら大学院に通学できる事務所も、うちだけではなくそれなりにあると思います。

A.3
はっきり言います。

上場企業関連の仕事は、税理士の独立とはほぼ全く関係ありません。

上場関連の仕事は、BIG4の独壇場です。
このため、BIG4監査法人(税理士法人ではありません)の出身の公認会計士、BIG4でIPOを経験している公認会計士が中心になります。
あとは、国税の大物OBを顧問に迎えている上場企業が多くあります。

残念ながら、普通の税理士が独立して上場関連の仕事をすることはほぼありません。
あるとしたら、自分のお客様がIPOした場合や、上場関連子会社くらいです。

お客様の立場になって考えればわかります。

公認会計士兼税理士は1万人以上います。
上場企業は約3500社とすると、
公認会計士が全部見ていると無理に仮定しても、3人に1社です。
税理士は7万人ですから、公認会計士との兼任も併せても20人に1人です。
実際には、都心部のIPO中心の事務所か、人脈又は規模のある公認会計士兼税理士事務所でないと、ほぼ上場企業の仕事は回ってきません。
独立した(公認会計士でも国税OBでもない)税理士が行う可能性は限りなく低いでしょう。
同様に、連結納税もわずか1400グループくらいですから、独立後は一度も触らない税理士が95%以上でしょう。

残念ですが、BIG4(TAX)を経験したとしても、上場企業を独立後に担当することはほぼないといっていいと思います(当然、BIG4監査法人OBの公認会計士優先になります)。
信用は、その方の技術にあるのではなく、BIG4というブランドにあるのです。これがBIG4税理士法人の出身で 技術はある税理士が独立で苦労する理由です。

税理士業務に慣れてくると、より大きな企業、より複雑な事案をこなしたくなるのは、職人・専門家としてはわかります。
ただ、上場企業は本来、公認会計士のテリトリーです。もし、上場企業の税務を見たいなら、公認会計士になることを目指すべきでしょう。

税理士の仕事は、地元の中小企業を起業から中堅企業になるまで親身に相談にのって共に歩んだり、
医者や資産家といった方と長く信頼関係を持っておつきあいするのがメインの仕事です。

=============
税理士法人TOTALには、BIG4監査法人の出身の公認会計士も在籍していますし
お客様には、上場子会社やIPOを目指す会社、連結親会社はありますが、
上場企業本体とは顧問契約はありません。
お客様の規模は、起業したてで社長お一人の会社から、従業員が数千人の会社まであります。

私は、毎日、現役のプレーヤーとしてお客様と決算打ち合わせをさせていただいています。
(もう少し、経営者として働くべきだというご意見・ご批判?は多数いただいています)

先日、他の会計事務所から移られた 年上の一人企業の社長様に言われました。
「TOTALさんくらい大きくなると、うちくらいの会社はあまりゆっくり相手してくれないのかと思った」

私たちの仕事は、
一人企業も、従業員が1000人を超える会社も、
同じお客様です。


TOTALの企業理念は

〜あなたと共に歩み、あなたと共に成長する〜

です。
=============





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2017年04月15日

税理士試験官報合格者の育児・家事と仕事の両立

税理士事務所 求人・採用・就職情報
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

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Rei 様からのお問合せです。
Q.
■年齢 32歳
■性別 女
■資格 官報合格
■職歴 広告会社1年半(正社員)→受験専念→社団法人2年(非常勤)→会計事務所1年半(正社員)
■学歴 3流大学文系卒
■会計事務所経験 
前職で個人の顧客対応を含む記帳代行業務、会計事務所で個人・法人の入力業務、年末調整、法定調書申告、償却資産税申告、決算申告書作成
(外回りなし、相続事業承継案件は外回りで処理)
■居住地 関東都市圏
■その他 既婚・第一子妊娠中

いつも記事を参考にさせていただいております。

私は現在会計事務所に勤務しています。
入社1年未満で官報合格しましたが、番頭さんとそりが合わず、官報合格で扱いづらいということもあり退職勧奨を受けました。今後社内に居場所はないと思い妊娠中でしたので産休取得後に退職予定です。
当初は産休育休をとって1年以内に復帰する予定でしたが、求職中での保育園入園は難しく、幼稚園入園までパートでの復帰も難しい見込みです。また配偶者が年上のためなるべく早く続けて第2子も出産したいと考えています。
経験不足と家庭との両立を考え今後10年ほどは独立開業する予定はありません。

Q.1
保育園が決まっていなくても会計事務所に正社員又はフルタイムパートとして就職活動して内定を受けることは可能でしょうか。(内定をうければ保育園入園の審査に通る可能性があります)

Q.2
第一子が5〜6歳になったら実家近く(都市圏ではありません)に引っ越してサポートを受けつつ会計事務所就職活動した場合、ブランク5年以上ですが正社員として就職することは可能でしょうか。
ブランクが多い場合、会計事務所にパート勤務してから正社員を目指すほうがよろしいですか。
復帰がのびて40代になってしまった場合は就職することは難しいでしょうか。

A.1
関東では待機児童の問題がなかなか解消しません。
保育園の定員を増やすべく、国家も様々な努力をしていますが、
それ以上のペースで保育園入園希望者が増えています。

子育て中のママにとって、「保活」は重要ですね。
フルタイムで働く「内定」が出れば、入園のための審査のポイント上だいぶ有利になるでしょう。

結論から言うと内定を受けるのは十分可能だと思います。

東京では、人不足が深刻です。会計事務所業界はそれに加えて
雑誌やインターネットでのネガティブな記事の影響もあり、受験生が急速に減少しています。
教育コストがかからない官報合格者の価値は相当高くなっています。
男性の官報合格者なら、独立のための腰掛けかなと思われるかもしれませんが、
子育て中の女性なら短期間での独立はないと安心する所長もいるでしょう。
慢性的な人不足ですから、入社時期が未定でも欲しい人材です。

ただ、子育て中の女性は、どうしても育児が中心で、
残業ができない、無理もさせられない、急な発熱や保育園行事もある など、
小さな事務所では周りのフォローが難しく評価が上げにくいという面はあります。
このため、残念ながらその期間は少し給与が安くなるのを覚悟する必要はあります。

もし内定が出ないとしたら、勉強をした努力・過去に費やしたコストを思うあまり、結果を出していないのに自己評価が高くなりすぎて、現状のパフォーマンスと合わないと税理士事務所の経営者が考えるときでしょう。

小さな会計事務所の場合、他に転職できない人が残って結果として番頭さん(やお局さん)になることが多く、番頭さんに変わった人が多いのは残念ながら事実でしょう。
小さな会計事務所の番頭さんは無資格者が多く、人によっては年下の官報合格者や大学院免除者を嫌ったり、税理士試験の受験そのものを嫌ったりします。
(いわく、「資格と仕事ができるかは関係ない!」など)
自分の地位が脅かされるのが嫌なのかもしれません。
それでも、所長は、本当に仕事が出来れば番頭さんの意見を取り入れず、普通はそのスタッフに退職勧奨はしないものです。
全体最適化を考え、人事を行うのが経営者の仕事ですから。
(所長が営業や現場で忙しすぎて、事務所内が見えておらず、番頭さんの力が強くなりすぎている場合は除きます)

子育てと家庭を両立させられるかのポイントは、通勤時間の短さ(30分程度までが望ましい) と 所長に両立に対する配慮する意識があるかどうかだと思います。

謙虚な気持ちで就職活動に臨めば、Rei様にはきっとすぐに内定が出ると思います。

=============
税理士法人TOTALには、お子さんを保育園や学童に預けてたくさんのママが働いてくれています。
内定を出した場合、もちろん就労証明書を発行いたします。

保育園の入園が決まるまで入社時期が伸びることもありますし、
入園一月くらいは、時短保育やお子さんも病気がちになり
仕事は徐々に慣らしながら進めていっていただくことになります。
=============


A.2
正社員での就職が可能かどうか、40代での復職が難しいかどうかは、
住む地域によるとしか言いようがありません。
落ち着いた中堅税理士事務所が正社員を広く募集している地域もありますし、
そもそもパートですら募集が少ない地域もあります。

パートから正社員になるか、最初から正社員で働くかは、
Rei様の場合、税理士有資格者・会計事務所経験者で転職には有利ですから、
まずは自分が子供とどう向き合いたいか
育児・家庭と仕事をどう両立させたいかが重要になります。
その上で、どんな選択肢があるかを、その地域で実際に就職活動して確認していくことになるでしょう。

経営者として、自分を磨くため世界や日本を旅しています。
最近、地方を旅していると、東京一極集中が加速しているとしみじみ思います。
あべのハルカスの展望台に上りましたが大阪ですら新しいイノベーションを感じませんでした。
(たくさんの人はいましたし、お笑いや食の文化・歴史は素晴らしかったですが)
関東以外で元気なのは、名古屋、仙台、沖縄くらいでしょうか。
ふるさと納税 や 公共事業にも限界はあり
人口減少社会では、地方の衰退を止めることは誰にもできないでしょう。

全国のがんばっている税理士の勉強会で情報交換をしますが、インターネット時代でも地方と東京の情報格差は大きいようです。
地方のやる気のある少数の税理士は、高い飛行機代・新幹線代と貴重な時間を使っても東京の研究会に出てきます。東京の情報や技術にそれだけの価値があると知っているのです。

ご主人が公務員、医師等の堅くて高給な仕事か、資産家でもない限り
今回就職せずに子育てに専念することは、個人的にはお勧めできません。
働き先に選択肢の多い関東の都市部にいるうちにきちんとキャリアを積むことを考えてみませんか。

「三歳児神話」は日本でしかみられません。
今後の社会を考えると、女性が働かないで専業主婦を長く続けるのは危険だと思います。

Rei様の場合、
受験専念期間の長さ、社団法人の非常勤という楽な仕事、短期間で会計事務所をやめて子育てに長く専念したとなると
若いうちに頑張りきれていないと評価される危険性はあると思います。

なお、最初の会計事務所では内勤専門でしたので、次回は今後のキャリアを考えて外回りをさせてくれる事務所を転職活動の際は検討してみてください。
(女性は内勤しかさせない税理士事務所もありますので確認が必要です)

外回り経験があれば、地方で正社員になる確率も上がりますし、
場合によっては税理士法人の社員税理士として支店を出すことも、
自分のペースで独立することも可能になるでしょう。

合わない事務所で、番頭さんにいじめられて大変だったとは思いますが、
これでRei様は立派な会計事務所経験者です。
今度は税理士事務所選びを間違えないようにすればいいだけです。

子育ては大変ですが、本当に両立がつらいのは長い人生で考えると一時的に過ぎません。
せっかく努力して取った税理士資格をいかすべく、育児・家庭と両立できるキャリアプランを考え、前を向いて転職活動をしてみてください。

=============
先日、ある地方中小都市の会計事務所の経営の依頼を受けました。その地域には引き受けられる税理士がいないのだそうです。

地方でも税理士業務を行っている先輩税理士にきくと、
腕の立つ税理士はほぼいない地域もあり、
「TOTALさんなら大丈夫だよ」
とお墨付きを頂きました。

TOTALは今後、全国に出店するつもりなので前向きに検討してみます。
=============




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2017年03月20日

会計人の適性 みんなちがって、みんないい。

税理士事務所 求人・採用・就職情報
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あまてらす様からのお問合せです。
Q.
■年齢 27歳
■性別 男性
■資格 日商簿記2級
■学歴 地方国立大学
■会計事務所経験 正社員(1年4ヶ月目)
■居住地 中国地方
私は公認会計士を目指して勉強しています。

1年前に税理士事務所に入所したのですが、先日、退職勧奨を受けてしまいました。理由は、会計ソフトへの入力ミスが多いことや、仕事の覚えが遅いことだと言われました。

事務所の所長に税理士に向いてない(所長には公認会計士試験を受けることは伝えていません)し、仮に試験に合格しても、この仕事は務まらないと断言されてしまいました。

確かに昔からケアレスミスが多いのですが、会計税務のスキルを身につけて活躍したいと思い、この道を選んだため、ショックを受けています。

試験勉強自体は順調だし、財務会計の勉強は楽しいのですが、会計事務所から退職勧奨される人間が公認会計士になって活躍できるのか不安です。試験後は監査法人に入所して、という目標がありましたが、会計実務で戦力外を告げられたため、この道をフェードアウトすべきなのか悩んでます。

このまま、諦めずにこの世界に食らいついていても良いと思いますか?


A.
確定申告の繁忙期、お疲れ様でした。ショックですよね。
監査法人の公認会計士の仕事は、ジョブローテーションが決まっていて分業が進んでいて大企業寄りで税理士とは違うだろうなとは思いますが、私には正確にはわかりません。
このため、税理士事務所の会計人としてどうかという点について書かせていただきます。

(1)会計ソフトへの入力ミスが多い
現在、会計ソフトのデータ自動読み込みの精度が急速に上がっています。
いずれ、会計入力を外回り担当者がやることはなくなると思います。
うちでも、製販分離を進めており、外回りの男性は会計入力をしなくなります。
今でも、外回り3年目以降の男性スタッフはほとんど入力していないと思います。
私は、もう10年以上、会計入力をしていません。

(2)仕事の覚えが遅い
考えることが好きで、納得するまで先に進めないタイプの方は、
「言われたことだけ、とっととやれ!」と言われても
初めての仕事のときに色々考えながら進めるため、他の方よりもどうしても遅くなります。
ただ、自分の手の内にはいるとスピードも精度も徐々に上がります。
このタイプの中には細かいことに気が付く人や、調べ物が得意な人もいるはずです。

(3)ケアレスミスが多い
会計事務所にはいると、先輩や所長の間違い探しゲームの能力の高さにうんざりしますよね。
私も、新人時代、女性上司(やさしいお局さんです)に、行・縦位置やスペースのズレ、端数処理、電卓ミス、字体や字の大きさ等を細かく直されました。
当時は不思議でしたが、今はスタッフのケアレスミスをすぐ見つけられます。

もっとも、いまだに私はケアレス?ミスが多く、しょっちょうスタッフに怒られていますが。
(鍵がなくなると犯人はほとんど私です。そのうち出てきますが…)

一つ一つはたいしたことではないのです。
そんなことが会計人の適性とは私は思いません。

同情されているされているみたいで納得できませんか。
それでは、昔話を一つ。

会計事務所の適性検査で広く使われているものに、
キュービック というシステムがあります。
私は、入社面接でこれを受け、
「会計事務所職員」は2番目に適性がないと出ました。
1番向いていないのは「倉庫番」でした。
おそらく、飽きずに黙々と決められた作業をする適性がないということでしょう。
恩師の M先生は、そんな私を承知で採用してくれて、その結果の紙もくれました。
もし、このときの結果を信じて、自分は会計人としての適性がないと思い込んでいたら、私の人生は今とは違ったものになっていたことでしょう。

ちなみに、私に向いている職業とされていたのは、
1位 研究者の管理者
2位 研究者
でした。
私は、理論的に税法を使いこなし、その技術者を管理する仕事を、今しているのです。

キュービックの適性検査は今でも売れているようにそれなりに正しいのでしょう。
でも、会計人の適性なんて時代によって変わるし、既存の会計人像に合わせるのではなく、自分なりの会計人になればいいのです。

言われたことを間違えずに、物覚えよくやる能力は、
会計事務所の職員について比較すると、
男性よりも、女性の方が優れていることが多いように思います。
(もちろん、個人差があります)
小学校のころから、まじめに黙々と取り組む人は女性が多かったでしょ。
男性でそのタイプは、新卒で大企業に入って、経理、人事あたりに行くので、あまり会計事務所にはいません。

税理士事務所の男性はどちらかというと、
営業は通用しなかった。ノルマがきつくて嫌だった。
そもそも組織適性がなかった。
人付き合いが苦手で勉強の方が好きだった。
ミスして怒られて、大企業では通用しなかった。
新卒で大企業に選ばれなかった。
体を壊していた。
メンタルがやられていた。
……
なんていう人が多いです。

さんざんな言い方ですが、
このうちいくつかは私にも当てはまります。
そんなコンプレックスを糧に、会計人になると、
人の痛み、お客様の気持ちがわかる、いい税理士になるのです。
だって、中小企業の社長さんは、
大企業にいるサラリーマンタイプではなく、
なんらかの挫折をしてきた、コンプレックスを持った方が多いのですから。

あまてらす様は試験勉強は順調とのこと、素晴らしいですね。
試験に合格するということは、その仕事の適性があると国家が認めるということです。

参考までに、私の考える会計人(税理士)の適性は、
(1)コミュニケーション能力
人の気持ちがわかり、人にそれを伝えられる
(2)複合的な専門知識
税法だけでなく、法律、経済、社会、家族関係、子育て等、あらゆる知識
税理士はよろず相談業ですから。
実は、この二つは、努力によって年とともに後天的に身につけられるものです。

=============
税理士法人TOTALの今年の年間テーマは

 みんなちがって、みんないい。(リンク参照)

です。

小さい事務所だと、製販分離ができにくく、一人完結型だから適性が問題になるのです。
所長と同じだけできる人間なら、そもそも独立して一人でやった方が良い。
所長の出来の悪いコピーを作っても意味がない。

完璧な人間なんていません。
ただ、
人にはそれぞれ良いところがあります。
その良い点を組み合わせて、助け合って生産性を上げられるのが組織の優れた点です。
管理者である私が、一人一人をいかに生きるようにするかが問われています。

もっとも、TOTALは、本当に優秀な人間が多くて、スタッフに負けることが多くなりました。
ありがたいことです。

これで「良い組織」、「勝てる組織」を作れなかったら、経営者の責任ですね。
=============


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2017年03月19日

アラフォー 会計事務所への就職と法人税法の知識

税理士事務所 求人・採用・就職情報
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

人手不足が続き、会計業界に流入する男性、そして何より税理士受験生が減っています。
税理士法人TOTALでも、新卒採用や、科目合格のない20代の採用を増やしています。
受験生を本当に支援できるか、自前で人を育てられるかが、会計事務所が生き残るために求められる時代になってきています。


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大輔様からのお問合せです。

■年齢 41
■性別 男
■資格 簿記論・財務諸表論
■職歴 物流15年  過去2回転職
■学歴 大卒
■居住地 大阪

はじめまして、よろしくお願いします。

現在、税理士になるために勉強しています。簿財2科目を取得済みで消費税法を勉強しています。消費税法は過去にA判定まではいっている状態です。そして、今、年齢もあり、転職活動を考えています。しかし、法人税法の知識があるなしでかなり転職活動が難しい状態です。もちろん、年齢もあると思います。

そこで質問なのですが・・・

Q.1 
今年、消費税法を気合入れて合格して、その後、法人税を勉強して、知識を身につけてから来年、転職活動するほうが1年年齢を重ねてしまいますが、活動しやすいのかもと考えていますどうでしょうか?

Q.2
また、やはり事務所に入ると激務になると思われえる(今の仕事は勉強時間を確保しやすい状態です)ので、法人税法を1度それまで学習しておき、転職後の勉強を学習経験がある状態で迎えたいとも考えています。
私に1年、勉強する時間はありますでしょうか?
アドバイスお願いいたします。

A.1
ネットでの相談のため、詳しい経緯を聞くことができません。
大輔様の学歴や家族構成、現在の年収や預貯金残高等により結論は変わります。

税理士試験は、20代前半の若い、記憶力や速記力がある受験生にとっては比較的簡単な試験です。
商業高校や、大学にあまり進学しない高校の卒業生でも、現場系の方でも20代で税理士になる方がいます(パン職人だった とか 偏差値30台の工業高校出身だった等 個性を売りにしている有名な税理士もおられます。もっとも彼らは優秀です)。

逆に、30代後半以降の人にとっては、かなり難関な試験になります。
このため、学歴については
旧帝大、早慶、MARCH、日東駒専、大東亜帝国等ある程度の幅でご記入いただいています。
もっとも関西の場合、関関同立、産近甲龍等表現が違ってくるとは思います。

その辺の事情が不明なため、一般的な回答になることはご容赦ください。

現在、就職活動がうまくいっていないとしたら、本当に「法人税法」の知識がないからかは大いに疑う必要があります。
法人税法の受験生は、年間5642名しかいません(平成28年度)
合格率が11,5%しかなく(合格者655名)再受験生が多いことを考えるとせいぜい新規流入者は2000人位でしょう。
税理士事務所はおそらく従業員数20万人前後いる業界ですから、新規に2万人前後は流入していると思います。平均すると受験経験者は10%、男性だけで絞っても20%がせいぜいでしょう。
法人税法を受験する人自体が少ないし、入所する前から勉強する人はもっと少数派です。
以前は、中堅税理士事務所に入るのに法人税法の合格レベルが必要とされた時期もありますが、
今では、BIG4でも応募資格が2科目合格(やそれ以下)まで下がってきています。
実際には入社後大変だとは思いますが、
若くてポテンシャルがあれば簿財合格レベルでも採用するという意味です。

=============
税理士法人TOTALは、会計事務所「未」経験者が70人以上在籍していますが、入社に法人税法の勉強をしていた方は10名いるかいないかです。
それでも全然困りません。

税理士試験受験生ですらないパートさんやバックオフィス人員でも、入社半年もすれば法人税の申告を先輩の指導のもとに行うことができます。800項目のチェックリストもあり、ツールも整っています。

受験生なら2か月後には担当をもってお客様訪問をしています。初期資料がしっかりしており問題ありません。
=============

もし、大輔様が面接で、法人税法の知識がないことを指摘されたとしたら、
(1)年齢的に即戦力を期待されているか、
(2)希望年収が高く、結果が必要
な上に、教育システムが整っていないかということが考えられます。
その他に
(3)ポテンシャルが少し足りないので勉強して補ってから来てほしいと思われている
という可能性もあります。

法人税法は30代後半以降になると難関です。
無理に受験する必要はないと思います。
(20代の方はぜひチャレンジしてみてください)

普通の人だったら、40代では新しいことに対する受け入れ能力・可塑性が年齢とともに下がります。
30代後半以降、転職するなら早い方が良いと思います。
就職を優先するなら、希望年収を下げて、50代後半以上の年配の所長の落ち着いた事務所を目指すのが大輔さんの年齢・キャリアでは現実的です。
(若い所長に年下の部下は使いこなせないし、激しい事務所は適応スピードが要求されます)
現在、会計業界も人不足なため、家の近くの事務所でていねいに探せば大阪ならあると思うのですが。

1〜2年は割り切って我慢できれば良いのですが、家族構成によっては希望年収を下げると生活費が足りない場合は、預貯金を切り崩すか、家庭環境によってはそもそも物流業界にとどまり転職しないという選択もあり得ます。

また、大輔様の場合は、法人税法又は所得税法の受験をするよりも
年齢を考えて、週末・夜間大学院に進むのがお勧めです。今は働きながら通える大学院が結構あります。
消費税法の合格のめどが立てば、来年春から大学院への進学と仕事の両立を目指せば44歳で税理士になれます。
お金がなければ奨学金も使えます。大学院の進学者の半数以上が奨学金を利用している時代です。
(このため、奨学金の返済が社会問題になっていますが)

=============
税理士法人TOTALでは、30代後半以降の3科目合格者には大学院進学を勧めています。スタッフによっては学費負担を行っています。

なお、かつて、税理士法人TOTALに、経理派遣やアルバイトをしながら、法人税だけでも15年受験してから入社してきてくれた4科目合格者の方がいました。
法人税法のA評価を5枚以上持っておられました。
税理士法人TOTALに入社してその年度に法人税法に合格して官報にのりましたが、
すでに40代後半になっていました。
もっと早く税理士になる方法は、いくらでもあったと思います。
ただ、厳しい方になりますが、税理士法人TOTALに入社しなければ今もまだ受験生をしていたかもしれません。
=============

A.2
転職直後は気も使わなくてはいけないので
夏まで消費税法を現職で勉強して、
夏に転職することをお勧めします。

誤解があるようですが、
会計事務所はあまり激務ではありません。
他産業の平均くらいの労働時間だと思います。

参考)「税理士事務所・会計事務所の労働時間

金融、IT、不動産、飲食、小売、商社、広告、マスコミ、コンサルほどの時間的な忙しさはありません。
営業会社のようにノルマで追いつめられることもありません。精神的には慣れるとむしろ楽な業種です。
私を含めて、営業に自信がなかったり、体力に問題があって、資格があればなんとかなるという消極的な理由で入ってくる比較的弱い男性が多い業界ですが、電通やワタミのように過労死したなどという話は周りには聞いたことがありません。
一般的には大輔様が属している運送業界の方が、
月間300時間にもなる拘束時間(仕事の間の時間は労働時間ではないという論法です)の長さで有名で、あえて例外規定を設けざるを得ない状況なのはご存知のことと思います。その件は、今回の法改正でも先送りになりそうですよね。

会計事務所の労働環境については、
一部の若手の成長中の事務所、不夜城と言われる最大手税理士法人、朝まで働くこともあるBIG4といった「激務」の事務所の話がネット上に拡散しています。
激務の事務所が嫌なら、そんな事務所は選ばなければ良いだけです。
(それでも、みんな自分は大丈夫と思って大手税理士法人やBIG4を選ぶんですよね)

郊外の五十代後半の所長の事務所などは、市役所並みの楽な労働時間です。
会計事務所は、勤務時間が読めて家庭と両立できるから主婦に人気がある仕事なのです。

税理士事務所に転職するなら1年でも早い方が良いです。
そもそも、専門家になるには1万時間くらいかかるとされています。
本当に税理士になるなら、今の物流の仕事に費やす年間2000時間は今後の人生にとってあまり意味がありません。
30代までは、過去を振り返ることも、まだ多かったと思います。
40代になると、
生きていくということは、何かを捨て、何かを選び、前を向いて進むことだ
と気づかれることでしょう。

孔子は「四十にして惑わず」と言っています。
しかし、現代の日本人は、孔子より10年近く精神の成熟が遅れているような気がします。
「三十にして立つ」の状態でアラフォーを迎えられる方も多いことでしょう。
何で自分は立つべきか
大いに迷って、ご自身で進む道を決めるしかありません。


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2017年01月28日

税理士になるために大学院進学か税理士試験か(30代後半男性)

税理士事務所 求人・採用・就職情報
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

年末年始はニューヨークでカウントダウンを経験してきました。
(ご興味がある方はこちら
トランプ大統領が就任し、世界はあわただしく動きそうですね。
今年もよろしくお願いします。

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kosho様からのお問合せです。

■年齢 38
■性別 男
■資格 簿記論・財務諸表論・所得税法
■職歴 会計事務所2年
    事業会社経理10年
    現在 義父の会社のお手伝い
■学歴 専門学校(某会計系大手)
■居住地 神奈川

こんにちは。宜しくお願いいたします。

昨年の試験は所得税と相続税を受験し、所得税のみ合格し相続税はA判定でした。
手応えとしては相続税のほうが良く、所得税は微妙というところだったのですが結果はその逆ということとなりました。

2106年の受験後は、消費税の2016受験対策講座を譲り受け、年内に昨年の直前対策まで履修を終わらせました。

以上を所与として、相消で官報合格を目指すべきか、大学院(法学研究科)に行き法律をしっかりと勉強するべきか悩んでいます。

そこで、高橋先生としては、御自身の司法試験受験の御経験から、
Q.
(1)大学院における研究を通じて憲法、訴訟法と要件事実論をしっかりと修めること
(2)税理士試験によるさらなる実務トレーニングをすること
とでは、資格取得後は一定の研鑚の後独立を視野に入れている場合、どちらが有意義な時間の使い方とお考えでしょうか。

 私自身の少ない経験からは、大学院に行き法学をしっかりと修めるほうが、思考の基礎を作る意味で重要である気がします。
しかし、もういい年齢なので、
理想は置いておいて、もう2年程度実務トレーニングを積むことも重要である気がしています。
 
以上、お考えをお聞かせいただけたら幸いです。

A.
司法試験ですか、懐かしいですね。
「自分は馬鹿ではない」という証明をしたい、
この世に生を受けた理由を見つけたい
という悲痛な?思いで
旧司法試験(ロースクールはない時代でした)の勉強した時期もありました。
参照 「高橋寿克の自己紹介

司法試験受験生時代、私は「憲法」が一番好きでした。
理念的で、あるべき天下国家、国民を考える
憲法改正について話題になっていた時期は思い出す機会はありましたが、
税理士としての仕事に憲法が役に立つことはほぼありません。
(ビジネスに政治の話はタブーです)

訴訟法・要件事実論は、税務調査の場面で意識することはありますが、
手続法なので、学問的価値や奥行きはあまりありません。
弁護士になるのではないので、フレーム自体を理解するだけなら本一冊読めば足ります。

私は「税理士は、税務に関する法律家」だと思っているので、
法的思考法論理学は実務上重要ですが、
それが通常の大学院で学べるかというと疑問です。
数学に近く、法律実務や法解釈学で学ぶべき分野だと感じています。

先日、)ヽ愀呂猟名錣梁膤惘,鉢∨_並膤惘 淵蹇璽好ール)の両方を卒業し、司法試験を受験した経験がある方とお話ししましたが、
法律実務での重要度・お役立ち度では
専門学校 > 法科大学院 > 法学系の通常の大学院
のようです。
給与が高い大手ローファームは予備試験組(専門学校組)を優先で採用しています。
(逆に、弁護士の下位の所得の低さ、法曹としての資質の低さは社会問題になっていますよね)

私は、大学時代、成績はかなり良かったですが、
(自慢ぽいですが、私の時代の早稲田大学はレジャーランドで授業の板書のコピーを5枚覚えれば「優」を取れました)
専門学校で学んでいた「国際私法」だけは4年間で唯一の「可」でした。
実践的に法解釈をして、模範解答と違っていたためです。

法学系の通常の大学院は、「法学」をアカデミックに学ぶ場であって、法律家としての実務を学ぶ場ではないことは認識しておいた方が良いでしょう。
(今回は違うでしょうがロースクールならその両方を学ぶことになるとは思います)
税理士試験は、理論暗記に偏り法律を直接読む機会が少ないので
法学を学び、法律・判例を読めるようになることには一定の価値はあります。
論文を書けるようになること、洋書を原書で読むために英語・語学を学ぶこともいい経験になるとは思いますが、ちょっと面倒かもしれません。

一方、税理士試験の税法は、理論暗記と計算スピードに偏っているという批判はありますが、それこそが実務なので一定の合理性のある試験だと思います。
ただ、実務のトレーニングは、税理士試験の勉強をするよりも、会計事務所で実務経験を積む方がはるかに勝ります。
税理士試験の難しいところは、なかなか合格しないで先が見えず、時間がかかることです。
特に相続税法は母集団のレベルが高く、やってもやっても合格が見えないことが苦痛になります。

私の意見は、kosho様の場合
(1)原則として大学院進学をお勧めします。
年齢が38歳と若くはなく、家庭を持っており先が見えないのはつらいためです。
ただ、憲法・訴訟法の専攻は申し訳ありませんが意味を感じません。
多少は実務に関係しそうで、楽そうな大学院を選んでもいいのでは。

(2)税理士試験を勧める場合
明治・立教クラス以上の学力があり、記憶力・スピードが残っていて、受験に専念できるとき。
税理士試験は若ければ商業学校卒・普通の高校卒でも記憶力とスピードで誰でも合格できますが、30代後半以上になると急につらくなります。
大学院進学の問題点は、お金がかかること と 入学前も併せると登録まで3年3か月くらいと時間がかかることです。
これに対して受験専念で合格すれば、1〜2年短く税理士になれます。
kosho様は年齢の割に実務経験が少ないですが、、大学院よりは試験の方が実務に直結しています。
(独立するなら一定の実務経験は必要です。所長になると誰も助けてはくれません)


=============
昨年末、A判定も多い相続税法不合格のスタッフに大学院進学を勧めました。本人は先が見えて落ち着いて仕事に取り組んでくれています。

今年も数名のスタッフが大学院に進学します。税理士法人TOTALでは、30代後半で3科目持ちなら一定の条件はありますが全額会社負担で週末・夜間大学院に通ってもらっています。
(あと1科目で自信のある方はそのまま受験を続ける方も多いです)
一部さがせば、アメリカの大学のようにケーススタディやディベート中心で実践的な大学院、面白い授業をする大学院もあるのかもしれませんがその分、準備等が大変です。
学者になるのが目標ではないので、大学院に過大な期待をしないで楽なところをさがすように言っています。

逆に、アラサーくらいまでは税理士試験受験を勧めています。
若い時の苦労は買ってでもせよ
ということわざもありますよね。
苦労は将来の自分のための投資です。

ちなみに税理士法人TOTAL全体では
 税理士試験組 2 : 大学院免除組 1
になっています。

税理士になっても一生、学びや成長・変化を続ける必要があります。
=============




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2016年12月18日

税理士試験の受験と仕事の両立

税理士事務所 求人・採用・就職情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

先週末、平成28年度(第66回)税理士試験の合格発表がありました。
合格された方、おめでとうございます。

税理士法人TOTALでは、
今年も官報合格者が出ました。
仕事、家庭との両立は大変だったことと思います。

おめでとうございます!


科目合格の報告も週明けにはあることでしょう。
一方で、毎年のことではありますが、がんばったのに不合格だった方もおられます。
努力した方は立ち直るのが大変ですが、来年がんばりましょう。

多くの志高い税理士試験受験生が、あきらめずにいつの日か合格し、
(難しければ、大学院に進学してでもいいから)
よりよい税理士に育ち、税理士業界、そして日本の発展に寄与して欲しいと願っています。

今週末には大原簿記学校の就職説明会です。
税理士法人TOTALも出席予定です。ご興味がある方は覗いてみてください。
お待ちしています。

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軒たろう様からのお問合せです。

■年齢  30歳
■性別 男
■資格 簿記論・財務諸表論・法人税法・消費税法
■職歴 経理3箇所で計6年 会計事務所3ヶ月
■学歴 早慶
■会計事務所経験 3ヶ月
■居住地 大阪
■その他 今年、相続税法A判定

専念を1年挟んで、経理職に就きながら4科目合格し、最後の1科目受験まで行いました。

受験後不合格だった場合に備えて時間に余裕がある会計事務所に転職しました
結果は不合格だったのですが、転職先の会計事務所に不満があり、転職を考えていますので、ご意見を賜れたらと思います。

転職先の会計事務所は「残業0」を謳っておりましたが、実際には毎日3,4時間の残業があり、とても勉強に集中をすることができる環境ではありません。そして当然のごとく残業代は一切出ません。

最初は「会計事務所はどこもブラック」と聞いていたため、このくらいは仕方ないのか。。。。と諦めていましたが、最近他の事務所はもっと就業環境が良いという話も聞くようになり、転職を考えています

Q. 1 
3ヶ月ではさすがに職歴とカウントされないかと思いますし、むしろ短すぎて完全にマイナスだと思います。そこである程度働いたあとに転職をしたいのですが、なるべき早期で転職を考えた場合、どれくらいの期間が経ってから再転職をするのがよいでしょうか。
(既に40件弱の担当を持って外回りもしています)

Q.2 
実際の就業環境として私のいる事務所はブラックの部類なのでしょうか?それとも業界の平均くらいなのでしょうか?

よろしくお願いします。

A.1
税理士試験お疲れ様でした。
相続税法は、法人税法と並んで税理士試験の最難関です。
勝負には時の運もあります。残念ですが、来年も頑張ってください。

=============
税理士法人TOTALでも、今年、相続税法で最終(官報)合格できなかったスタッフがいます。
横で見ていても、十分に努力していました。
週末に相談した結果、大学院に進学してもらうことにしました。
就労年数、年齢等を考えて、一部のスタッフには 全額 事務所負担で大学院進学を勧めています。
(許可制で、一定の条件があります)
=============

転職は早い方が良いと思います。
3〜4か月でも会計事務所経験はマイナスにはならないでしょう。
(採用する側としては、その前の経理の転職歴の多さの方が気にはなります)

(1)12月に転職活動をしましょう
すぐに転職活動を始めても、現職との兼ね合いで引き継ぎによっては1〜4月転職になります。
事務所を転職すると、転職から数か月は新しいルールに合わせるための精神的な負荷が上がります。
もっとも、軒たろう様の場合は、現事務所にもまだ慣れていないので転職してもあまり変わりません。
それなら、早めに勉強との両立をしやすい事務所に移った方が来年の合格確率は上がるでしょう。
今、月間80時間程度の残業なら、確定申告期や5月はもっと忙しくなる可能性が高いということです。
その状態で、相続税法を合格するのは難しいでしょう。

(2)今の事務所に慣れてきた場合、来年の夏
3か月で慣れてきて、この後は仕事をコントロールして残業時間を減らせそうだと感じている場合、
来年の確定申告時に、
6月でやめるか(受験専念期間を設ける)、
8月でやめるか(上手に引き継ぐ)を
判断する方法もあります。

(3)2年くらい残った方が良い場合
一般論では、『最低2〜3年同じ職場でがんばりましょう。』というのは正しいのですが
軒たろう様の場合、4科目合格者であるということ、
また、会計事務所は、零細中小企業ばかりで、事務所による差が大きすぎることを考えると
我慢して残るメリットをあまり感じません。

ただ、他の同僚の方が、同じくらいの仕事量で定時近くに帰っているとしたら
勤務している会計事務所の問題ではなく、軒たろう様の仕事のスピードの問題になるので、もうしばらく頑張る必要があります。

もっとも、未経験新人3か月で40件の担当は
よほど能力が高いと期待されているか、よほど客層が悪い場合を除き、
人の使い方が間違っている可能性が高いと思います。

A.2
「ブラック」かどうかは、総合的な判断が必要になります。
最近は、ネット上で「ブラック」という言葉が独り歩きして
ちょっとでも残業があるとブラック扱いする人まで出る時代です。

日本は、ちょっと前まで、「一億総中流社会」で、
努力して会社のために長時間働くのは当たり前でした。

欧米では、確かに労働者の労働時間は平均すると短いですが、
それは、格差社会で、エリート以外の仕事の幅が狭いことによる面も多いでしょう。
欧米でも知識労働者、エリートの労働時間は日本以上だということもお聞きします。
欧米では、職業訓練を企業がしないため、若年失業率は2桁が当たり前です。
日本は若年失業率は一ケタで、アメリカの半分、ヨーロッパの3分の1です。
日本のように若年失業率が低い先進国はシンガポールくらいしか例がありません。
日本は総合職型で、一般職にもOJTで社員教育を行い、場所や職種の異動もある会社が多いでしょう。教育にコストがかかる分、労働時間は長くなりがちです。
欧米のように単純労働者の労働時間が短くて、その分失業率が高く公共の職業訓練や失業給付が手厚いのが本当に良いことかどうか、

また、グローバル化の中で、先進国の若者・未熟練労働者が、発展途上国の若者と職を争うのは、世界中どこでも見られる光景です。
トランプ現象(アメリカ)、ブレグジット(英国)、朴槿恵大統領の弾劾(韓国)は、日本の「ブラック企業」と、時代の流れについていけない大衆・かつての中産階級の不満という同じ流れの中にあるように思います。

日本の場合、移民を受け入れず
(飲食や一部サービス業のような単純労働に最低賃金の関係で違法なサービス残業を強いる)
従来の「終身雇用」制から、「格差社会」の職種別採用への意識の転換が
働く側も、雇う側も遅れており、過渡期のため、
「ブラック企業」という言葉が広まっているように思います。

話を軒たろう様に戻すと
勤務している会計事務所がブラックかどうかは、

(1)求人広告が嘘だったかどうか
「残業0」は、嘘だったといっていいでしょう。
ただ、残業ゼロを単純に信じた軒たろう様にも
30歳で社会人経験・転職経験も何度もあるということを考えると落ち度はあったかもしれません。
残業代が出ないのは、みなし残業が100時間という契約だと言われたら違法にはなりません。
残業しているかどうかは 午後6時過ぎに事務所に行けば確認できる問題ですし、
給与と仕事内容を考える必要もあります。
形式的にも、残業代や時間管理、みなし残業について「労働契約書」で確認することを怠っています。
(「労働契約書」を就労前に交付してもらえば行き違いによる問題は減ります)

最近では、税理士試験受験生が減少しているため、人不足が深刻です。
このため「受験生支援」をうたっている会計事務所が増えています。
残念ながら、実際には両立ができる事務所は多くありません。

先日、事務所訪問した今注目の
成長中の税理士法人(スタッフ100人以上)は
ここ3年間一人も科目合格者すらいないとのことでした。
(もっとも採用ページには「資格不要です」「資格を評価しません」と書いてあったので、良心的な方です)

そもそも若い経営者の成長中の会計事務所で仕事と受験が両立できているところはほぼないのかもしれません。

採用のページは広告に過ぎません。
「残業ゼロ」、「受験応援します!」は単なるお題目かもしれません。
どのくらい両立が可能なのか、一番分かりやすいのは、科目合格者の人数です。
「去年の科目合格者は何人ですか?」に加えて
「税理士受験生は何人くらいおられますか?」
と聞けば、合格率もわかります。
次回の面接の際は聞いてみてください。
受験仲間は多い方がモチベーションが続きます。受験と仕事の両立の度合いがはかれます。

=============
税理士法人TOTALは、男性は有資格者以外ほとんど税理士受験生です。女性も比較的受験生が多いです。
科目合格率は20%台半ばくらいで推移しています。平均が10%代前半の試験ですから、専念受験生や若い学生との競争を考えるとみんなよく頑張っていると思います。.
税理士法人TOTALに入社後に税理士になった方は、官報合格と大学院免除を合わせて32人、そのうち官報合格者は21人です。
=============

(2)給与水準が高いかどうか(労働時間との相関関係)

軒たろう様の、毎日3〜4時間の残業時間は会計業界では平均よりももちろん多いです。

税理士事務所・会計事務所の労働時間
を参考にしてみてください。

ただ、労働時間の多さだけでは「ブラック」とは言わないでしょう。

電通の事件は、東大卒の若い女性ということで話題になっています。
電通は、高い能力の持ち主に長時間労働で結果を求め、その分、高い給与で報いるという構造になっています。
仕事はきついけど面白く、同僚は東大卒も多く優秀です。
これは、入社する側は当然に覚悟していることでしょう。
電通の「鬼十則」は社員は入社前からみんな知っているし、業界外でも有名です。
もっとも、過度の長時間労働を肯定する意図はありません。
「鬼十則」を作った東京帝国大学卒の第4代 電通社長 吉田秀雄氏も
59歳の若さで胃がんでお亡くなりになられています。
長時間労働や強いストレスは健康を損なう危険性が高くなります。

会計業界でも、BIG4(4大税理士法人)や最大手の事務所、資産税事務所は労働時間が多いことで知られています。
それでも、若いうちから高給なら、一般的にはブラック企業とは言わないでしょう。
きつい環境を自ら選ぶかどうかの問題にすぎません。

軒たろう様の会計事務所が未経験者に500万円近い給与を出しているとしたら、
80時間近い残業時間でも妥当(ブラックではない)という意見もありうるとは思います。

残業時間がゼロで、みんな試験に受かっていき、給与が高く、仕事も面白いという事務所は残念ですがないでしょう。
「他の事務所はもっと就業環境が良い」かもしれないという
青い鳥」を探すのではなく
(他の事務所も、採用のための誇大広告かもしれませんよ)
いったい自分は今、何を優先したいのか労働時間(残業時間)なのか、
仕事内容なのか、給料なのか、職場の同僚の質なのか
をよく考えて転職することをお勧めしたいと思います。

参考 「会計事務所の規模別・種類別の特徴
   「危ない会計事務所を見分ける10の質問
   「税理士事務所・会計事務所の給与水準


=============
個人的には、若い未経験者にとっては残業時間ゼロが良いとは必ずしも思いません。
一定の経験、苦労を若いうちにすることは財産でもあるからです。ただ、月間80時間の残業時間が続くようだと問題です。

受験を優先したい、受験に集中したいなら、正社員でなくパートとして働くと言う選択もあります。
税理士法人TOTALでは「受験スタッフ」という制度を設けています。

税理士法人TOTALも、ここ2年くらいは一部(船橋)で長時間残業が発生してしまいました。早急に改善をしないといけないですね。
スタッフの健康管理は経営者の仕事です。仕事と受験、家庭の両立が図れるよう注意していきたいと思います。
=============





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2016年11月27日

社会保険労務士資格と税理士事務所への就職

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

繁忙期に向けて、税理士業界の求人が多い時期になってきています。
税理士法人TOTALも年末に向けて採用キャンペーン実施中です。
ご応募お待ちしています。

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こいぬ様からのお問合せです。

Q.
社労士試験に合格しました。税理士事務所でどのように活かせるでしょうか…?
逆に社労士資格は、税理士事務所の就職に不利でしょうか?

A.
こいぬ様、社会保険労務士試験合格おめでとうございます。

社会保険労務士試験は昨年、2.6%と史上最低の合格率だったため
今年の合格率が注目されていましたが、4.4%と2番目に低い合格率でした。
8%程度の従来の合格率から、需給関係を考慮して5%以下の合格率に移行させるものと思われます。
それに伴って、今後、難易度はかなり高めに維持されることでしょう。
=============
TOTALグループでは、今年、1名合格者が出ました。おめでとう!
今年合格できなかったスタッフは残念でしたが、また来年がんばりましょう。
=============

税理士と社会保険労務士の間では、業際に関する覚書
「税理士又は税理士法人が行う付随業務の範囲に関する確認書」があり、
税理士事務所では、「社会保険労務士業務」は行えません。
逆に、社会保険労務士は年末調整業務等の税務に関することは行うことができません。

このため、本来、税理士事務所では、社会保険労務士を雇用することは予定されていません(法律違反の恐れがあります)。

ただし、「給与計算」業務は、社会保険労務士の独占業務ではないため、
個人税理士事務所はもちろん、士業以外の一般事業会社でも行うことができます。
(税理士「法人」は業務範囲が制限される関係で本来は給与計算業務を行うことができません)

法律的には、法人や、従業員を5人以上雇っている個人事業(士業等は一部例外有り)は社会保険への加入義務がありますが、実際には加入義務がある事業所の半数以上が社会保険には今でも未加入であり、従来は放置されていたのが実情です。

最近では、建設業を中心に社会保険加入を下請けが現場に入る条件にするケースが増えています。また、年金事務所も以前よりは加入勧奨を強化しています。
このため、社会保険労務士の需要が足元は増加が予定されています。

給与計算はもちろん、社会保険労務士業務の入退社や月額算定・月額変更など、多くは単なる手続きで、パートでできるため付加価値は低くなっています。このため、パートさん部隊中心の一般事業会社や大規模社会保険労務士法人との価格競争は激しく、社会保険労務士の生産性・付加価値の低さをどうするかが課題になっています。
なお、労務相談も、パートくらいしか雇っていない小規模の社会保険労務士事務所代表よりは、普段から数字を見てもらい実際に正社員を雇って事務所を経営している顧問税理士に相談することが多く、安定した収益源に出来ているところは多くなさそうです。

実際、中堅の社会保険労務士事務所のベテラン代表者の方からも
「正社員(社会保険労務士有資格者)に年収300万円払うのはきつい」
という話をお聞きしています。
極端な例かもしれませんが…。

会計事務所の新人の給与と、社会保険労務士事務所のベテランの給与がほぼ同じという現象が一部で起きているので、社会保険労務士事務所のあまりいい求人票を見つけられない合格者が、税理士事務所に流れてきているのが最近の傾向です。
(給与の差は、業界平均の差に加えて、社労士事務所は有資格者にスタッフレベルの仕事を求めているのに対して、税理士事務所系の社労士事務所・社労士法人は幹部級の責任ある仕事を有資格者に求めているというという面もあります)

TOTALを含めて中堅・大手の税理士法人は、社会保険労務士事務所・社会保険労務士法人の設立・強化に動いています。
ただ、税理士法人の代表と話すと、
(自律的に動ける良い)社会保険労務士がいないという採用の苦労と、
社会保険労務士の生産性・付加価値の低さをどうするかが課題になっています。
先日も、「社労士業務をやってみたけれど儲からないので止めた」と
某ベテランの税理士事務所所長に言われました。

税理士事務所の経営も簡単ではありませんが、個人的には社会保険労務士事務所の経営はもっと大変だなあと思っています。

本題に戻ります。
社会保険労務士資格は、給与計算が出来たり社会保険の知識があるため税理士事務所の就職には有利です。
ただし、社会保険労務士法人・社会保険労務士事務所を併設していない税理士法人はコンプライアンスのリスクが増えるので注意が必要です。
税理士法人関連の社会保険労務士法人の就職も条件によっては選択肢になります。
また、社会保険労務士登録しない場合でも、特に医療系のお客様を多く抱えている税理士事務所・税理士法人では、労務問題が多いため評価が高くなります。労務に強い会計担当者という位置づけです
(税務相談は税理士の無償独占業務ですが、労務コンサルティングは社労士の独占業務ではありません)。

今後は、会社設立時に年金事務所へ通報する制度も予定されています。もっとも資格の専門学校が言うようには社労士資格の価値が上がっていくとは思えません。国家もそのことがわかっているので合格者を減らしているのではないかと思います。
おそらく、今後は供給側ではシステムの普及に伴うサービス価格の一層の下落、需要側では零細法人の淘汰や、法人にならない個人事業が増えて行くのではないかと危惧しています。

ちょっと辛口ですが、社会保険労務士業界を批判する意図はありません。
気に障る方がおられたら申し訳ありません。
(隣接業界のご質問なので書かせていただきましたが、間違い等がありましたら修正いたしますのでコメントを書き込んでいただければ幸いです)

=============
税理士業界も同様に色々言われ続けていますが、経営者なら外部環境を理由にせず、頑張って成長させていく必要があるし、うちはきっとやっていけると思っています。
TOTALグループでは、社会保険労務士業務の強化、生産性の向上に取り組んでいます。難易度はかなり高いですが、大規模なシステム投資を続けていき、何とか1人当たりの生産性の向上を図ろうとしているところです。
また、医療系についても、労務関連のサービスレベルの向上をはかっており、幸い多くのお客様に支持されてきています。
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2016年11月05日

地方で子育て中の主婦の税理士試験受験

税理士事務所 求人・採用・就職情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

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mikarin99様からのお問合せです。
(特定をさけるため一部編集してあります)
■年齢 31歳
■性別 女
■資格 日商簿記2級
■職歴 キーパンチャー3年(フルタイムパート)
   一般事務1年半(正社員と聞いて入ったがパート)
   データ入力の派遣社員(1年)
   販売管理事務(契約社員で受注入力)
   一般事務派遣社員(1年)
■学歴 県立商業高校
■会計事務所経験 なし
■居住地 中国地方(県庁所在地以外)
■その他 AFP&FP2級の講座修了、未受験。

はじめまして。
31歳で現在は専業主婦です。
子供は1人で1歳0ヶ月です。
今年のはじめより、親の手伝いで仕訳や確定申告書類の作成をしております。
その中で、元々簿記の勉強が好きだった事もあり、再就職の際には税理士事務所に入って、親の手伝いの役に立てないだろうかと考え始めました。
そして将来的には税理士を目指したいと思います。

再就職は2年後を考えています。
近くに義母がおり、今もたまに子供を預ける事もありますし、旦那も定時で終われる事が12月〜3月は多いので、繁忙期の残業は対応できると思います。

Q.1
この状況でも、やはり未経験の税理士事務所就職は難しいでしょうか?

Q.2
日商簿記(または全経簿記)からの税理士試験を目指すにあたって、今やっておいた方がいい事があれば、教えて下さい。

A.1
回答がおそくなってすみません。

一般論で言うなら、簿記2級 + 事務職経験があれば、
会計事務所の女性の募集条件は満たすはずです。

私は、税理士事務所経営者の勉強会に出席することも多いのですが、
都市部・地方ともに所長・代表税理士の一番の悩みは、
「人がいないよね。贅沢言わないから、普通の人で良いんだけど」
というものです。
会計業界は、最近は慢性的な人不足です。

ただ、地方の場合、沖縄、名古屋、金沢、仙台、福島、いわきなどは元気そうですが
県庁所在地の建設・公共関係を除くと衰退が著しいことも多く、
中小企業に元気がなく、それゆえ、税理士事務所も元気がない地域が多くなっているような気がします。
少子高齢化の影響は徐々に広がってきています。

mikarin99様のお住まいの地域は、製造業が盛んなようですが、
申し訳ありませんが、よく地域の状況を存じません。

いただくご質問の中で一番困るのは、ご自身の経歴をお書きになられて、
「私でも採用されますか?」という形式のものです。
それは私よりも、希望する会計事務所に応募してみるしかありません。
関東や大都市圏ならある程度推測可能ですが、
それ以外の地域についてはあいまいなお答えになってしまいますがご容赦ください。

お近くの会計事務所にいくつも電話して、履歴書をまずは送るところから始めてみましょう。

A.2
税理士試験の受験資格は、
商業高校ご出身のmikarin99様の場合、
簿記1級を取得するか、職歴2年があります。
親の事業の会計に関する事務で証明できなければ
会計事務所経験2年を待たずに、簿記1級を目指すことになります。

税理士試験の受験資格について

工業簿記の原価計算等難しい点も多く、簿記1級に合格するのは税理士試験の簿記論とあまり変わらないくらい大変です。

なお、子育て中の30代の主婦の「再就職」には税理士試験の勉強は必ずしも必要とされません。
無理に試験勉強しないで仕事に専念してくれた方が会計事務所にとってありがたかったりすることも多いのが実情です。
(女性でも20代独身なら受験生は歓迎されます)

税理士試験は、暗記と速記の要素が多い試験です。
このため、若さは圧倒的な武器になります。
商業高校出身の方が、10代から税理士試験をはじめると早ければ20歳そこそこ、普通でも20代半ばで税理士試験に合格します。

ただ、同じ商業高校の出身者の方が、
30歳を過ぎてから子育て中に税理士試験を目指すと、そもそも本当に合格できるのか、合格するとしてどれくらいの期間がかかるのか、
暗記力、速記力、学力、執念などが関係してくるので個人差が大きくなります。

税理士試験は受験期間が長く、子育てや家庭に負荷がかかります。
どうしても独立したかったり、自分のプライドや人生の記念に税理士資格を取っておきたいなどの強い思いがなければ税理士試験受験中心の生活はお勧めしません。
独立希望が強いのであれば、税理士資格は必須です。
女性税理士が成功するためには、しなやかな感性、営業力(コミュニケーション能力)など、何らかの武器も必要になってきます。
もしかしたら商売人を身近に見て、mikarin99様はこういう点はクリアしておられるのかもしれませんね。

2年後から働くのはなぜでしょうか。

(1)2年間勉強する
 \罵士受験資格の「職歴」を満たす場合・・・簿記論・財務諸表論
 ∪罵士受験資格の「職歴」を満たさない場合・・・簿記1級
を勉強する。
勉強は早く始める方が有利です。

(2)第2子出産予定を含めて子育てを楽しむ
子育ては大事業ですし、楽しいです。今しかできないことですし、それも当然ありです。

(3)特に予定はないが親を手伝う(三歳児神話)
我が家は第1子は1歳から、第2子は数か月目には保育園に入っています。
長くなるので省略しますが私は経験上、「三歳児神話」には否定的です。
仕事のキャリアを考えると、30代未経験のmikarin99様の場合は1歳を過ぎており、今から保育園に預けても会計事務所で時短で働き始める方が良いような気がします。

家事・育児と仕事の両立は大変です。それに受験も加わると…。
ライバルは、若い専念受験生や、人生をかけた男性だったりします。
残念ながら、あれも・これも は難しいし、時間と若さは有限です。
何がしたいか、何をどこまでできるかをじっくりと考えてみてください。

==================
税理士法人TOTALでは、男性は有資格者以外は、ほとんど税理士受験生です。
女性は、バックオフィスのスタッフや主婦には受験は必ずしも勧めていません。
(それでも受験生、そして税理士になったママも多いですし、
合格者、受験していない女性スタッフにも仕事のための勉強は続けてもらいます)

男女差別だというご意見もありますが、女性のライフプランを考えると多様性があっていいのではないかと思っています。

むしろ、パート・正社員をフレキシブルに変えられるようにして、スタッフの近くに出店を続けて通勤時間を短くし、仕事と家庭の両立を支援しています。

保育園ママも多く、育休取得者は延べ25名、子育て中のママは、女性スタッフの約半数に上ります。
=============


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2016年10月02日

税理士2世の就職、経歴詐称と解雇

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

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2世様からのお問合せです。
■年齢 33歳
■性別 男性
■資格 税理士(簿記・財表・消費・法人・固定資産税)
    AFP 
■職歴 中規模会計事務所2か月
    小規模会計事務所正社員4年
■学歴 中堅私大
■会計事務所経験 正社員4年2か月
■居住地 東京23区外 
■その他 父親(63歳)が経営している個人会計事務所

はじめまして、先生のブログをいつも拝見し、参考にさせていただいております。
現在、23区外の市内において父親が経営する会計事務所で4年働いています。

小規模(社員3名)なため、基本的には領収書整理から記帳代行業務、法人個人の確定申告・年末調整・給与計算などの仕事は経験できました。しかし、相続税についてはまったく仕事が入ってこず、また顧問先も増えず、お客様の業種についてもあまり幅は広くありません。自分の担当は12件ほどしかなく、今後の先細りを心配しています。
 税理士試験には、去年ようやく官報合格し今年の3月に税理士登録を行い、4月から広く知識つけるためAFPを勉強し取得しました。
 正直、このまま実家の会計事務所にだけ居続けて仕事を引き継ぐだけで、やっていけるのかという不安を最近感じております。
 
Q.1
転職をし、もう少し幅広い業種・業務を経験できる事務所に2〜3年以上修行に行きたいと考えておりますが、2世の税理士登録者という点で他の会計事務所に就職は可能でしょうか?

Q.2
顧問先を奪うというつもりはありませんが、2世であることで敬遠されそうならば、そもそも2世であること(親の職業)自体を隠して就職活動するということも考えてますが、ばれたときに(何か理由をつけて)解雇されたりするリスクはございますか?
もしくはそういうことがあったなどの噂を耳にされたことはございますか?

大変失礼な質問になっていたら申し訳ございません。よろしくお願いいたします。

A.1
就職は可能です。
税理士2世を採用するかどうかは、税理士事務所・税理士法人次第です。
もちろん、お客様の持ち逃げや、腰掛けで短期で辞められるリスクをおそれて採用しない事務所もあります。
一方で、向上心を持ってまじめに取り組む姿勢を買う事務所もあります。
一般論では意味がないので、興味がある税理士事務所に応募するしかありません。

=============
税理士法人TOTALでは、現在、親または配偶者が税理士の方は9名在籍しています。
そのうち3名は税理士・有資格者です。

税理士法人TOTALを退職して、親元に帰って継いだ税理士、他の税理士法人に転職して修業中の2世税理士もいます。中には一部お客様を引き継いでもらった税理士もいます。
=============

A.2
お父さんの税理士事務所は個人事務所ですから、事務所名と自分の姓が同姓で、正しく書いたら親子関係についてばれます。
履歴書に嘘を書いたり、虚偽の説明をしたら明らかな経歴詐称になります。
専門職の基幹部分の職歴ですから、重要な経歴の詐称で故意性も強いし、法律的にも完全な解雇事由です。
そもそも、ばれたらその事務所には長くはいられないでしょうね。
平気で嘘をつくような人を部下に持ちたい税理士はいません。

ちなみに、私は面接で、
高校の部活動について嘘を言った応募者に
その場で面接を中止して帰ってもらったことがあります。
いたこともないサッカー部に在籍したと嘘をついていました。
(たまたまその高校のサッカー部に当社の従業員がいました)

天網恢恢疎にして漏らさず

税理士と言う仕事は、他人の大事なお金を扱う仕事です。
信頼関係が大事です。
それゆえ、不正には厳しい仕事です。
きつい言い方になりますが、2世様も税理士ならそのくらいの職業意識は持ってもらいたいものです。

個人的には、転職はおすすめしません。
業歴が4年以上あって、一通りのことをしてきたなら自分の力で技術を磨いていけるはずです。
勤務先での特殊業務は、その事務所の営業力に依存するので2世の方にとってはあまり役に立ちません。
SPCの事務所出身者が、開業してSPC業務を受託することもないでしょうし、
資産税事務所出身者が、大手税理士法人を退職して自分の力でいきなり銀行から大口案件を受託することもありません。
相続税は年に1件も申告しない税理士の方が多いし、資産税中心の税理士事務所はあまりありません。

2世様の問題点は、営業力のなさではないでしょうか。
税理士は、お父様の時代は営業力がなくても仕事が来ました。
私の恩師は
「昔は、朝、事務所を開けると勝手に知らないお客様が何人も並んでいた」
と言っておられました。
今は、税理士業界も普通の産業です。
勉強したから、資格があるから、仕事ができるからといって
お客様が増えるわけではありません。
営業力は他の税理士事務所に勤務しても、なかなか磨けません。
自分で自分の営業スタイルを身に着けるしかありません。

=============
私は、県内有数の事務所や都内の安定した事務所で5年修業して業務は普通にできました。
開業当初、銀行に飛び込み営業をして初日で挫折しました。
初年度の売り上げは、コネ・紹介の60万円のみ。
それでも3年目には営業が何となくわかってきました。

今は私の頃より営業は難しいかもしれませんね。
全員が開業を成功させられるとは言えない時代です。

それでも、税理士法人TOTAL出身の税理士が、
一度独立開業した後、勤務に戻ったという話は今のところ聞いていません。
苦労して頑張っている人もいますが、マイペースでのんびりした独立でよければ何とかなっているのかあなと思っています。
(勤務の方が向いていて、勤務のままの税理士は、社内外ともに多いのが実情です)
=============


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2016年09月22日

公的機関でのお仕事と税理士試験の勉強

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

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ころ様からのお問合せです。
■年齢 34歳
■性別 女性
■資格 簿記2級 運転免許
■学歴 MARCH レベル
■職歴 2部上場メーカーでの営業事務11年
    国立研究開発法人の経理2カ月
■会計事務所経験  なし
■居住地 関東
■その他 2歳になる子供が一人おります

初めまして。
私は大学卒業と同時に入社した会社で11年間営業事務として勤務してきました。
現在2歳になる子供が一人おりますが、子供を出産後もすぐに職場に復帰して、時短勤務をしておりました。
しかし、実際には残業することや持ち帰りの仕事ばかりで、この先長く勤めることは厳しいと感じました。

同じように忙しいならば、もっと専門的な業務をしたいと思い、簿記2級を取得しました。そして、近所の国立研究開発法人の任期付の経理職に転職しました。
しかし、公的機関ではあまり経験にはならないということを周りから聞き、心配になっております。
確かに仕事は単純なチェック作業のみで、正職員の人のみがもっと深い仕事を担当できるようになっています。
幸いなこととしては、現在は残業もなく、時間的に少しゆとりができたので、1日に少なくとも2、3時間の勉強時間を確保できそうなことです。
そのため、何か勉強をしたいと考えています。まずは簿記一級、簿記論、財務諸表論のいち1つくらいを、あと2年以内に取得できないかなと考えております。

しかし、もし頑張って2年で取得できたとしても、36歳になってしまいますので、未経験での就職はやはり厳しいでしょうか?営業事務の経験しかないので不安に感じております。

Q.
この先の進路について、先生のアドバイスをいただけたらありがたいです。
どうぞよろしくお願い致します。

A.
(1)公的機関の任期付の経理の仕事について
残念ですが、あまり経験にならないという周りの方の意見はおそらく正しいと思います。
仕事のレベル的にも高くなく、速さも求められず、普段はあまり忙しくないはずです。
続けていてもキャリアとしてはほとんど評価されせん。
むしろ、ぬるい環境で時を過ごした弊害を採用側は心配します。

国立研究開発法人の仕事の良い点は、
周りは頭のいい、スマートで穏やかな人が多く、無理な仕事は振られず、
暇なので自由度は高く、きつくないので資格の勉強もしやすく、楽なのに
(任期や予算、枠の都合があり、先が見えないだけに)給料は普通か普通以上でしょう。
さらに、ころ様の場合、近所ですからなお都合がいい。
2〜5年間(制度次第です)家計を助けるためだというならそれもありでしょう。
ただ、今後の長いキャリアを考える場合の選択とは言いにくいでしょう。

(2)簿記1級について
簿記1級は、工業簿記がしっかり学べるので上場企業の経理では役に立ちます。
ただ、上場企業経理の中途採用は経験者か会計士等になります。
税理士事務所への転職では、簿記2級で十分です。

(3)税理士資格試験について
今夏の採用面接で感じたのは、
「正社員」には受験勉強をさせていない税理士法人・税理士事務所が多いということです。
その中には、ホームページ等で「受験生支援!」と唄っている事務所もありました。
実際には勉強しているのは「パート」さんだけという話でした。

最近も、ある100人規模の成長中の税理士法人の職員(科目合格者)の方と話した際に
「自分が入社してから科目合格した者は一人もいない。」
「自分が新しい歴史を作る」
と言われたのにはびっくりしました。

受験と仕事の両立は大変ですし、その分仕事に手を抜かれると給料は多くは払えません。
そうすると不満になって辞められてしまいます。だから、そもそも勉強させないでその分給料を払います。

パートなら、実際に働いてくれた時間分だけ払えばいいし、社会保険負担がなければ事務所は楽だし、自分で勉強してくれるのは事務所にとってもありがたいのです。

簿記論・財務諸表論は、税理士資格を目指すならエントリー科目です。
ただ、子育て中の30代の主婦の再就職には必ずしも必要とされません。
なまじ、努力して試験勉強しない方が会計事務所にとってありがたかったりすることも多いのが実情です。
(女性でも20代独身なら受験生は歓迎されます)

会計事務所を目指す女性は真面目な方が多いです。
高校や大学時代、そして新卒後しばらくは社会でも、「真面目」な「努力」は評価されました。
でも、実社会では「結果」で評価されます。中小企業である会計事務所ではなおさらです。
資格を持っているかよりも、どれだけ仕事をしてくれるかでその方の評価は決まります。
真面目な女性の中にはこれを理解できない方もいます。

「私はこれだけ努力して、家事や育児を犠牲にして
貴重な20〜30代を費やして、専門学校の受験費用や大学院の学費を払って、税理士資格や科目を取ったのに事務所に評価されないのはおかしい…」

過去の努力は事務所にとっては関係ないことなのに、
自分の努力を自分が一番知っているゆえに、埋没費用(サンクコスト)を認められないのです。

「どこかにもっと私を評価してくれるところがあるはずだ」
青い鳥探しが始まります。

競争が激しくなり、また、組織化が進み個人ではなく組織の信用で仕事をするようになると
資格を持っているという個人の価値は、営業の一部の場面を除き急速に低下します。
今やBIG4をはじめとする大手税理士法人・税理士事務所は、税理士試験に合格していても、税理士登録をしない女性がほとんどだったりします。

(4)今後について
若さは有限です。
特に転職市場では、30代前半までと30代後半では評価が違ってきます。
30代後半でも、パートなら近所の会計事務所なら間口は開いていますが、正社員だと急に狭くなるような気がします。
また、この年代の働き始めの2年の差は将来の仕事の質にも影響するでしょう。

残念ながら、30代半ばから子育て中の主婦が税理士試験をはじめても、税理士になれるのは40代半ばです。その間、子育てや家庭に負荷がかかり過ぎます。
どうしても独立したかったり、自分のプライドや人生の記念に税理士資格を取っておきたいなどの強い思いがなければ税理士試験受験中心の生活はお勧めしません。
(30代スタートで受験を優先する場合は、1〜2年専念することをおすすめします)

もし、ころ様が会計事務所を選んでいただけるのであれば、今の職場になじみ過ぎると、会計事務所に慣れるのに時間がかかることになる気がします。
(実際、税理士法人TOTALでも、公的機関からすぐの転職者は、スピードやプレッシャーへの適応に時間がかかることが多く、入社後しばらくは苦労なさっています)
早めに転職活動をしてお子さんが2歳と小さいので、片道30分圏くらいの近くの税理士事務所をさがしてまずは数年働いてみることをおすすめします。
遠くの大手税理士法人や会計法人のパートに、受験生や主婦が通勤1時間以上かけて通うのはお勧めできません。
勤めはじめた税理士事務所があまりいい事務所でなければ30代後半のうちに転職する。
 
税理士事務所で実際に働いてみて、余裕があれば、自分の仕事の幅を広げるために税理士試験を受けること自体は反対しません。

アベノミクスでも「女性の活躍推進」がたびたび言われています。
それだけ大きな社会問題になっているということです。
家事・育児と仕事の両立は大変です。
残念ながら、あれも・これも は難しいし、時間と若さは有限です。
何がしたいか、何ができるかをじっくりと考えてみてください。

=============
税理士法人TOTALでは、(男女差別と言われるかもしれませんが)
男性には若い方には、資格試験のための勉強をお勧めしています。
女性は、バックオフィスのスタッフや主婦には受験は必ずしも勧めていません。
(それでも受験生、そして税理士になったママも多いですし、
受験していない女性スタッフも仕事のための勉強はなさっています)

幸い、科目合格者、官報合格者とも例年輩出しています。
担当割や試験休暇、専門学校の学費負担等の支援を行っていますが、
それでも仕事で結果を求められながら合格するのは大変です。

試験に合格しても、給料が急に上がるわけではありません。
担当する仕事量・質、売上を中心に評価されることになります。
(もちろん、営業マンやマネージャー、縁の下の力持ちは別途評価します)
=============



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2016年09月12日

会計事務所の事業承継とM&A

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

最近、ダイエットをしています。
4か月ちょっとで26キロ痩せました。
(もとが太すぎただけです)
急に痩せたため、顔にしわが出来てしまい、
「老けた」
「やつれた」
「迫力なくなった」
と妻には言われてます。

あげくには
「癌になった?」
と心配してくれる方も。

ガーン!

さんざんです。

先日も久しぶりにお会いした方に
本気で健康状態を心配されました。
運動もして、健康には注意しているつもりなのですが、
やり過ぎは良くないですね。

お客さまにはご心配をおかけします。


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木枯らし様からのお問合せです。
■年齢 31歳
■性別 男
■資格 H25年 簿記論・財務諸表論合格
    H27年 消費税法合格
    H28年 法人税法・固定資産税受験
■職歴 営業2年→経理5年→専念1年
■学歴 早慶レベル
■会計事務所経験 なし
■居住地 大阪

はじめまして。
特定を避けるため多少濁して書く部分もありますがご容赦いただけると幸いです。

私は働きながら簿財消まで取り、その後1年間受験に専念して法人税法と固定資産税を受験しました。
どちらも専門学校の解答速報ではボーダーラインを5点ほど上回る事が出来ましたが、法人税は専門学校ごとに解答がかなり割れており、固定資産税は計算の最終値を1つ間違えていた(恐らく計算ミスです)為不合格であっても仕方がないレベルでした。

その為受験にある程度理解のある事務所を探していたのですが、先日後継者を探している税理士法人の紹介を受け面接を受けました。
結果はまだですが、感触は良かったと思います。
この税理士法人は従業員が10名程度、税理士は創業者夫婦のみでどちらも60歳overだそうです。

Q.1
このような税理士法人が私のような会計事務所未経験者を後継者候補として採用する事は普通ありえるのでしょうか?
もし普通ありえないとすればどのような裏事情が考えられるでしょうか?

Q.2
私は将来的に開業したいと思っていましたが、自分自身で開業する場合と後継者として収まる場合はどの様な相違があるでしょうか?

お忙しいとは思いますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

A.1
所長が60代以上なら普通にありえます。
税理士も、60代になると毎年の税制改正を押さえて新しい税法について行ったり、
コンピューター・ソフトの変化についていくのはつらくなってきます。
そんなとき、若くて優秀な後継者がいたらなあと思うでしょう。

夫婦以外に税理士がいないということは社内に税法がわかる優秀なスタッフはいないということです。
そのレベルの事務所には、ITに強いスタッフもおそらくいないのではないでしょうか。

木枯らし様は年齢的にも、ポテンシャル的にも、資格的にも、(色に染まっていない)キャリア的にも60代の税理士夫婦にとって最高の後継者候補に見えることでしょう。

A.2
(1)自分で開業する場合
最初はほぼお客様ゼロからのスタートになります。昔ほどのれん分けはありません。
所長1人が営業している20人以下の税理士事務所で育つと
開業当初2〜3年は経験がなく営業もできないで苦労するでしょう。

営業ができるようになったら、次は小さな組織にいたために、人の採用・管理の仕方を知らないで苦労するでしょう。

そこも苦労して乗り越えたら、次は標準化・仕組み作りで苦労するでしょう。
その後も、次から次へと課題は出てきます。

大きくなろうとすると苦労の連続です。本当に安定するには平均して10年くらいはかかります。
(いまだに私は苦労しています)
その間、プライベート・家庭もかなり犠牲になります。

ただ、それゆえに営業力や、経営者としての地力、時間の使い方も身に付くし、達成感も大きくなります。
また、どこまでやるか、何をやるかは自分で決められるので自由度は高くなります。
従業員10人の中堅事務所を作るのも、のんびりマイペースで1人で仕事をするのも、少数のパートさんだけ雇うのも自由です。もちろん1000人を超える事務所を目指すこともできます。

(2)後継者として収まる場合
最初から一定規模の売上があり、それなりの数のスタッフがいます
長い歴史で作られた事務所の信用やルールがあるため、
短期的には営業力もあまり必要としませんし、今までと大きく変えなければ安定しています。

ただ、これは諸刃の剣で
後継者は自力で営業する訓練をあまりしないので、
衰退しはじめたら苦しむことになります。

安定しているということは、変化を嫌い、成長の機会を失うということでもあります。
引き継いだスタッフは、自分よりも年上だったり、先代の言うことは聞いても自分の言うことは聞かないかもしれません。

<後継者を目指す場合の注意点>
私の知っている後継者探し2例
 1.40年近くかかりました
お子さんがいなかったので50代から「後継者募集」と採用広告を出し、
有望な素直な若者を採用するも
厳しすぎる性格、厳しすぎる要求のため、毎年のように後継者候補を次々に首にし、
結局、80代半ばで孫のような若者を養子にしました。
90近くでお亡くなりになり代替わりしましたが、
後継者は事務所の経営には興味がなく衰退していっています。

 2.お子さんが合格すると良いのですが
娘さんが二人のため、受験させるもなかなか科目合格も進まず、適当なお婿さんも見つからない。
アラフォーになってしまったお嬢さんの1日も早い合格を祈ります。

木枯らしさんが注意しなくてはいけないのは、

・実際の事業承継は20年後かもしれない。
税理士の平均年齢は60代前半です。
サラリーマンならとっくに引退する年齢でも、まだまだ現役です。
80歳くらいは普通で90歳までやる方もいます。
奥様も税理士なのでなおさらです。
それまで経営権は移らないかもしれません。

・途中で気が変わって後継者を変えたり、事務所を売ることになるかもしれません。
最近では会計事務所のM&Aも盛んです。
木枯らしさんに譲るよりも、仲介業者が営業にきて事務所を他の税理士法人に売るかもしれません。

最大手の税理士法人はこのくらいで1億円近く出すと言うでしょう。
その場合は、お客様は引き継がれますが、スタッフの多くはついていけなくてやめることになるかもしれません。
中堅の税理士法人も譲渡先候補として名乗りを上げるかもしれません。
その頃、事務所が小さくなっていたら、仕事はないけれどお金はある公認会計士・税理士が買うかもしれません。
それだけのお金を木枯らし様が勤務しながら貯めることは難しいでしょう。

=============
税理士法人TOTALでも、会計事務所のM&Aは過去に4回行っています。
そのうち2回は、スタッフが辞めないで済むように、所長先生が最大手に売らないで
税理士法人TOTALを「ホワイトナイト(白馬の騎士)」として期待してくれたものでした。

せっかく受け入れることに慣れてきたので、今後も、案件によっては会計事務所を買おうと思っています。
関東エリアに限らず、
将来的には、大阪、名古屋、仙台、福岡、広島、札幌に出店したいのでその場合はM&Aは有力な選択肢です。

先日も将来、譲渡してもいいかなあという感じの先生と会食いたしました。
譲渡希望の税理士先生がおられましたらお気軽に問い合わせください。
仲介手数料がかからないように直接取引がお得ですよ(笑
=============

・10人前後の事務所の所長は難しい。
ある程度の成功体験があるため、アクが強く、自分に自信があるため内心は我が強いことも多い。
一方で人を使う力に欠けるためそれ以上の組織が作れなかったので、所長も事務所としても弱点を抱えている。

・一番うまくいくとしたら娘婿
息子が税理士になれない場合、娘に期待します。ただ、娘さんを税理士にするより、優秀な娘婿をもらう方が簡単です。
この場合は30代半ば以降には代替わりが進むでしょう。
夫婦仲の維持が最大の問題ですが。


なお、会計事務所のM&Aについては

参考 「税理士・会計事務所の事業承継




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BIG4から上場企業経理を目指す方へ

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

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たわし様からのお問合せです。
■年齢  24歳
■性別  男
■資格  H27 簿記論 財務諸表論 取得
    TOEIC 700
    今年 法人 消費 受験
■職歴 なし
■学歴 今年の3月に某旧帝大工学部を卒業
■会計事務所経験 なし
■居住地 都内
■その他 10月よりBIG4税理士法人

初めまして。いつもブログ拝見させて頂いております。
この度は今年の税理士試験を踏まえて自分の将来を相談をさせていただければと思います。よろしくお願い致します。
卒業論文に追われつつも何とか乗り切り卒業後かなり追い込みをかけて専門学校で二科目とも合格確実圏まで到達することができたのですが、今年の試験の結果は不合格になってしまうだろうという手応えとなってしまいました。
ただ落ち込んでばかりもいられないので、今後について先生の御意見を頂ければと思います。

Q.1
現在税理士として独立したいと考えておりません。しかし、租税の考え方に興味があることや語学力の向上を目指したいことから今は国際税務を主軸としたキャリアを積みたいと考えております。
ただずっとBIG4に従事するということは現実的ではないため、将来的には上場企業の経理等の転職も視野に入れているのですが、この場合事業会社への転職の際、税理士資格が必須になる場合が多いのでしょうか?
もし必要である場合、消費税法のみ来年受験し、タイミングを見計らって大学院も視野に入れております。

Q.2
税理士法人内での出世は内勤が多いとされる大規模な税理士法人であっても有資格>経験という序列が一般的なのでしょうか?

Q.3
事業会社において上場企業に対する税務業務の経験は評価されるものなのでしょうか?

よろしくお願いいたします。

A.1
若ければ必須ではないでしょう。
たわし様の場合、学歴的に上場企業のポテンシャルにおそらく達しています。
上場企業の経理・財務の枠は原則としてプロパーの社員が当てられます。
例外的に公認会計士やBIG4の出身者が中途で採用されます。
むしろ、何年もかけて税理士資格を取ってじっくり経験を積むよりも、
上場企業に行くなら第2新卒枠で入って経理に希望を出した方が良いような気がします。

A.2
マネージャ職等、ある一定以上の役職に達するとそこから上は、有資格が要求されることが増えるはずです。
対外的に営業上必要であること、それによって仕事の幅が広がること、部下の統率もしやすいことなどです。
資格だけでなく、(経験というよりは)仕事ができることは当然の前提です。

A.3
中途の経験者採用なら、(一定のポテンシャル・学歴を前提に、)業務の経験がないと経理では採用されないと思います。

=============
個人的な感想ですが、上場企業の経理をキャリアの目標にするなら、
旧帝や早慶レベル以上の人は、税理士試験の勉強をしてBIG4に行く意味はあまり感じません。
就職活動を最初からしっかり準備してやって、新卒や第2新卒でそのまま上場企業に進んだ方がよほど採用されやすいし、企業選択の幅も広くなります。
新卒でなら財閥系にしろ業界最上位にしろ可能性はありますが、BIG4から中途では、もしかしたら上場企業の中でも下位に属する企業か、上場子会社で後悔することになるかもしれません。
出世だって明らかにプロパーの方が中途より有利でしょう。

日東駒専レベル以下や、コミュニケーション能力が劣っていて就職活動に失敗して、税理士資格とBIG4経験で補強して上場企業に入りたいというならありうる選択だとは思いますが。

勉強したことを結果に結び付けたいという気持ちはわかりますが、
本当に求める未来が何なのかはよく考えてみてください。
サンクコストの呪縛に縛られないように。
=============



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2016年08月19日

2016年夏 税理士業界の就職事情(会計事務所のアルバイトの評価)

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

税理士試験が終わり、今年も夏の就職シーズンが来ました。
短期決戦になりますが皆さん、頑張ってくださいね。

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ノリ様からのお問合せです。

■年齢 27歳
■性別 男
■資格 簿記論、財務諸表論合格
 消費税法、法人税法、事業税法受験
■職歴 下記会計事務所経験のみ
■学歴 MARCH(一浪)
■会計事務所経験 個人事務所で一年程度
■居住地 関東

こんばんは。
現在就職活動中のノリと申します。

今年の試験を受験をしまして、消費税法には自信があり、法人税法、事業税法も手ごたえ的には悪くなく、あとは正社員として働きながらの取得にシフトしようと思い、正社員希望として履歴書を提出していますが、去年と比べ一年間アルバイトにしたためか書類選考の結果があまり好ましくありません。

Q.
年齢も27歳ということもあり、早く業務を覚えたく準大手あたりに就職を考えていますが、
年齢と今現在二科目という科目からして準大手あたりでは書類が通らないのでないかという懸念から、中堅(スタッフ50人前後)に視野を広めようと思っておりますが、どうでしょうか?
 
また、オーナー系企業を中心に扱っていきたいという思考から準大手を志望しておりますが、私の今現在の状況からして厳しいでしょうか?

お休みの中申し訳ありませんが、今後の就職活動の参考にさせていただきたいのでアドバイスをいただけたら幸いです。

A.
ノリ様のスペック、27歳・MARCH卒・2科目なら、ほとんどの会計事務所で書類選考対象になるはずです。
税理士試験合格科目数については、以前は中堅以上の税理士法人だと3科目合格を要求することが多かったのですが、
最近では受験生の減少、大学院進学の一般化もあり2科目を要件にすることが普通です。

会計事務所のアルバイトの経験は、ごく一部のプロパー優先の会計事務所以外の 多くの事務所では、ややプラス評価だと思います。
正社員の職歴がないのはマイナスですが、年齢的にそこまで問題になるとは思えません。

ノリ様が書類選考の結果がよくないとしたら
(1)営業系の税理士法人で、熱いノリを優先し、受験生を好ましく思っていないところだった。
(2)受験が5科目一通り終わっているので腰掛けだと思われた。
(3)準大手のうち資産税関係は「相続税法」を受験していないのでマイナス評価だった。
(4)学歴がMARCH下位、高校の評価も低かった。
(5)昨年に続いて同じ事務所に送って、「冷やかし」だと思われた。
などでしょうか。
あまりピンときませんが…。

比較的強気に行っていいと思います。

税理士業界は、他の業界と同様に2極化が進んでおり、
強い税理士法人はより強くなり、零細事務所・弱い事務所の淘汰が進んできています。
それ以上に働く人、特に税理士受験生の減少が著しく、今年の税理士業界の就職事情は、前年にほぼ準じた売り手市場だと思います。

今年は、税理士試験の日程が例年並みに戻り、スケジュールに余裕ができたためか、昨年に比べて特定の人に内定が集中しています。
税理士法人TOTALで内定を出した方も、たくさん他の税理士事務所・税理士法人から内定をいただいています。
内定辞退に伴う「玉突き」が起きて来週後半くらいから補充を短期で行う必要が出るはずです。

なお、「オーナー系企業」のイメージがよくわかりませんが、
同族会社は日本の企業の98%です。
上場関連や外資系企業がメインのBIG4税理士法人とごく一部の準大手監査法人系の税理士法人を除くと、どこの税理士事務所もお客様はオーナー企業ばかりです。
中堅税理士法人以上なら、事務所規模とお客様の規模はあまり強い相関関係はありません。

夏は1年で最大の就職シーズンですから、準大手をきちんと対処しつつ、多少面倒でも中堅税理士法人にも書類は出してみて、できるだけのことはして悔いがないように就職活動を頑張ってみてください。




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2016年08月07日

新人の仕事量と転職時期、エージェントの危険性

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

今年もまた暑い夏、税理士試験の季節が来ました。
明後日から税理士試験が始まります。
受験生の皆さん、頑張ってくださいね。

試験が終わったら転職活動なさる方も多いと思います。
税理士法人TOTALもよろしくお願いします。

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あさみ様からのお問合せです。

■年齢 27歳
■性別 女
■資格 日商2級 簿記論学習中(今年の1月から)
■職歴 教育5年→中規模税理士法人 3ヶ月目
■学歴 MARCH理工学部卒
■会計事務所経験 3ヶ月(とある業界に特化)
■居住地 東京

お世話になります。
(1)会計事務所の労働環境について
(2)これからどうすべきか
相談させてください。

私は、
(拔したことを業務に活かすため
⊆尊櫃寮罵士の仕事を身近で見て学んで適性を判断するため
J拔時間の確保(週休2日・定時退社ができる日が欲しかった)のため
にエージェントを通して転職しました。

早速相談内容に入ります

Q.1
入社時に言われたことと実情が違うというギャップについて
当初 : 通常期残業0〜20h/月・繁忙期50〜60h/月 残業代支給
現実 : 残業時間50〜70h/月 残業代なし

当初: 平日の通学可能・両立可能
現実:当然平日通学不可能・先輩方は大学院3留,試験に落ち続けてる等
など、他にも複数あります。

こういうギャップはよくあることなのでしょうか。

Q.2
雑務(備品管理や来客対応)をのぞく私の仕事量は、
担当20件
うち、決算のみ4件・給与計算も受託13件
月次のトータル仕訳数は約4000/月
給与自計の顧問先でも雇用保険や算定基礎などの諸手続きは受託してます。

自分の仕事が遅いだけなのか、(初心者にとって)仕事量が多いのかもよくわかりません。
先輩たちも結構残業をしています。

Q.3
今後について
今の事務所には最低でも1年は勤めます。
入社3ヶ月でこんな事を申し上げると、根性無しと思われてしまうかもしれませんが、今の事務所で働きながら勉強を続けることに不安しかありません。
今年の試験を受ける予定ですが、1.5年で2科目取ればいいと思ってます。

3月いっぱいで今の会社を退職し、4〜8月まで試験勉強に専念し、9月に次の会社に入社したいなという考えもあります。

この不安な気持ちはただの甘えなのか
それとも、パート(雇用保険に加入したいので週4)で雇ってもらえる事務所で両立するという逃げ道を作るか
助言を頂きたく存じます。

よろしくお願い致します。


A.1
記事の記載が遅くなって、長くお待たせいたしました。申し訳ありません。
あさみ様の入社時期が繁忙期(今年春)だったため
閑散期や試験前を勤務後の方が冷静に判断できるのではないかと思ってこの時期に記事にさせてもらいました。

(1)残業時間について
会計事務所の繁忙期は、12月〜5月です。

ただし、社労士事務所を併設しているなら、
雇用保険や算定基礎届などの諸手続きをする6〜7月前半も繁忙期が続きます。
税理士・社労士事務所併設の総合事務所に入社した場合で、
社労士業務も税理士事務所スタッフにさせるときは
閑散期は、7月後半〜11月になります。

なお、税理士事務所単体では、雇用保険や算定基礎届などの社会保険労務士業務は行えません。
この場合は、社会保険労務士法違反になり、注意が必要です。
社会保険労務士事務所を併設していますか?

もっとも、社労士事務所併設の総合事務所の多くは、役割分担で、
少なくとも税理士試験受験生には社労士業務もさせないところが多いのですが。
=============
TOTALグループも、社会保険労務士法人がありますが、
税理士試験受験生には月額算定・年度更新の社労士業務の手伝いは原則としてしてもらっていません。
=============

あさみ様入社から直前(5月、場合によっては7月前半)まで、ずっと繁忙期が続いていてやっと閑散期に入ったということになります。

繁忙期なら残業時間が月60時間程度になることはそれほど珍しいことではありません。

(2)残業代について
「みなし残業」制度なら、所定の時間まで残業代を払わなくても問題ありません。
みなし残業は月20〜40時間程度のところが多いと思います。
みなし残業でないのに残業を支払わなかったり、みなし残業時間の超過分について払わないのも違法です。
「うちは残業代は出ないよ」は認められません。

(3)専門学校への通学
専門学校に通うのは、個人の意思と仕事のスピードや段取りによるところも多いので一概には言えません。
ただ、事務所によっては通いにくい(先に抜けにくい)雰囲気があるところもあります。

(4)税理士試験の合格率
合格率は各科目10〜20%くらいです。
これは、大学生、専念受験生を含んだ数字です。
税理士試験の場合、暗記と速記が重要ですから、若さは有利ですし、仕事と受験の両立は容易ではありません。
=============
税理士法人TOTALのスタッフの科目合格率は、大原簿記学校やTACといった専門学校の既修者クラス(上級クラス)と同等の20〜30%くらいです。みんな頑張っているなあと思いますが、限界があるのも事実です。このため、年齢によっては大学院進学を勧めるケースもあります。
=============

(5)大学院の留年
免除狙いを受け入れる多くの大学院は、原則として単位も緩いですし、論文評価も甘いです。
まじめに授業に出て論文を書けば税理士になれます。
ただ、その2年間は、働きながらだと忙しくて時間的にはきついでしょう。
学費負担を考えても2年で終了するのが普通です。
=============
税理士法人TOTALでは、大学院進学者は全員2年で終了して大学院免除を受けています。
ただ、忙しいことで有名な大手事務所の番頭さんが、大学院に進学したにもかかわらず免除を受けられなかったという話は聞いたことがあります。
=============

A.2 業務量について
簿記2級のみの初学者の女性に入社3か月で担当20件+給与計算13件は聞いたことがありません。
人不足で無理に担当してもらっているのでしょう。
周りも慢性的な残業でスタッフの管理状態も悪くなっていませんか。
=============
税理士法人TOTALでも、最近管理が行き届かず、業務量が間違っている本部がありました。速やかに新人の担当数を減らすように指示をしたところです。
管理は難しいですね
=============

A.3 今後について

以前にも書いたことがありますが、
相談する相手(転職エージェント)を間違ったような気がします。
参照「転職エージェントと会計事務所・経理への転職

転職エージェントは、人材を企業に紹介する仕事です。
紹介料は、働く人の年収の30%くらいが普通です。
高いですね。

とってもうちでは払えません。

会計事務所業界ではほとんど人材紹介サービス・エージェントを使っていません。
「会計事務」は、女性に人気がある職種で有効求人倍率は正社員で0.3倍、パートでも0.9倍前後で不足感はありません。
最近、会計事務所業界の人不足で問題になっているのは応募者の「量」ではなく、「質」です。
このため、税理士・有資格者や科目持ちの会計事務所経験者ならともかく、
未経験の職員採用に転職エージェントを使う会計事務所はまれです。
高い金額を、紹介会社に払える会計事務所は
一部の大手税理士法人や慢性的な人不足で「即戦力」を求める会計事務所に限られます。

また、採用した会計事務所からすると、
採用コストが高かった分、早く回収するために、無理な仕事量を与えやすいという傾向もあるかもしれません。

会計事務所未経験者は、早くから業界を絞って可能性を狭めるよりも、働いてキャリアを積んでいく中で自己の適性を探って得意分野を伸ばした方がいいですから、
特定の業界、特定の業務に限られる会計事務所は嫌われやすく人不足に悩まされます。
人不足になると悪循環が始まります。

未経験者にまでエージェントを使えるとなると医療系(又は歯科)専門の会計事務所かな。
だとしたら個人事業も多いから、来年の確定申告時期はもっときつくなるでしょうね。

おそらく、あさみ様の勤務している事務所は、残念ながら「外れ」の可能性が高いと思います。

もし、7月の後半も残業時間が多かったとしたら、来年の受験も厳しくて、1.5年で2科目は難しいでしょう。
このまま1年間働き続けるメリットをあまり感じません。
根性なしだとは思いません。

「過ちては改むるに憚ること勿れ」
です。

今年の試験の手ごたえによっては、この夏に、他の事務所に転職することをお勧めします。
その際には、2〜3科目までパートという選択肢も税理士になるためにはもちろん有効だと思います。

=============
税理士法人TOTALでも、受験を優先したいスタッフのために「受験スタッフ」という制度を設けています。
=============




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ご質問の前に、同様な質問が無いかご確認いただけると幸いです。
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2016年06月06日

転勤族の妻のライフプランと税理士試験

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

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アンズ様からのお問合せです。

■年齢 24歳
■性別 女
■資格 簿記2級
 21歳簿記論不合格
■職歴 営業(上場企業/金融業界)
■学歴 MARCH卒
■会計事務所経験 無し
■居住地 東京

初めまして。税理士について調べていたところ、こちらのブログにたどり着き、熟読させていただいております。

現在、新卒就職し金融業界の営業として働いております。最近20歳差の彼(転勤族)との結婚が決まり、今後のことを考えていく中で元々将来の夢である税理士を再度目指し、今後ずっと働き続けたいと考えたため、今悩んでいる選択肢について、ご質問させていただきたくコメントいたします。


Q.2点どちらにするか悩んでいます。
(1) 社会人3年目が終わると共に今の仕事を辞める。1年間税理士試験に専念し2科目(もしくは1科目)とり、税理士事務所に就職。

(2)上記と同じく仕事を辞める。その時期に合わせて税理士事務所に転職し、働きながら資格取得。


今後生活をしていくには私が転勤する彼についていけることと20年後に安定した収入を得ることが絶対条件となると考えています。彼の転勤については、役定になる55歳(残り10年程)までは可能性があります。そのため逆に考えれば35歳以降の転勤による転職の可能性はありません。

また、夫となる人とはなるべく早めの(希望では27歳頃までに)出産育児を考えています。同じ会社の元上司で、現在管理職です。しばらくは相手の収入で生活は問題ありませんが、お互い希望している子供(できれば2人です)を育て上げるためや、彼の定年までに私が安定して稼げるようになることが目標です。細かいところで言えば、私の年収が現在400万円弱なので、30〜34歳までにはここの年収より上まではもっていきたいのです。

5月も下旬、ご多用の中恐縮ですが、、
今の状況下から、どのような動きが一番より良いのかを、ぜひアドバイスいただきたく思います。

A.
ご結婚おめでとうございます。
きちんと人生設計なさってすばらしいですね。

都市銀行等の金融機関は、社員の皆さんはもちろん優秀なのですが、
全国転勤も多く、奥さまは、仕事もお子さんの教育も大変そうです。

会計事務所が女性にとっていい点は、
全国どこにでもある仕事なので、夫の転勤等があっても転職が容易なこと、
パートと正社員の境目が緩く、ライフプランに合わせやすいこと、
激務で有名な大手や成長著しい若手所長の事務所以外は、子育てへの理解がある事務所が多いことなどです。

私のお勧めは、その2つなら(1)です。

・税理士試験は若さが一番の武器で、年齢によって合格率が大きく違います。
・転職の可能性が高いことを考えると若いうちに科目合格を進めることは、良い(働きやすい)事務所に就職しやすくなるはずです。
・だんだん、お客様訪問に有資格者が求められるようになり、税理士試験の勉強をしていない女性は仕事が限られ給料が上がりにくくなる危険性がある。

もっとも20代半ば、March 卒なら、1年はご主人に甘えて、家事を手抜きしてでも(失礼)
3科目受験がお勧めです。簿記論・財務諸表論と税法を1科目。
税法科目は、
  ‖膤惘,帽圓気があるか
 ◆|羮企業中心か、資産税中心を目指すか 
で変わってきます。
今のうちに3科目合格してしまえば、自由度は高いと思います。
場合によっては2年専念でも良いかもしれません。

税理士事務所は、主婦にとってはフレキシビリティが高い職場です。
資格を取るためにも、良い会計事務所に入るためにも
ここは頑張って勉強してみませんか。

=============
税理士法人TOTALでも、元金融機関勤務の女性で、ご主人と職場結婚という方はかなりいます。
お昼休みにSAPIX(中学受験塾)の問題を解いている方もいて、大変そうですし、頭が下がります。

旦那さんの転勤は、関東内のケース(千葉県→神奈川県、東京都→埼玉県 等)は本部異動で対応できましたが、海外や地方では対応できません。頭が痛い問題です。
=============




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アラフォー 税理士試験への挑戦

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

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なお様からのお問合せです。

■年齢 38歳
■性別 男
■資格 簿記論、財務諸表論合格
 消費税、事業税、固定資産税学習経験あり
 法人税学習中
■職歴 同一企業にて15年勤務
  商社部門・メーカー部門・建築部門勤務(全て営業職)
■学歴 私立大学(産近甲龍)
■会計事務所経験 未経験
■居住地 関西圏

はじめまして。
現在、営業職をしながら税理士試験の学習をしている38歳(今年39歳)です。
平成25年より勉強を開始し、
平成25年に簿記論を受験しA判定。
平成26年に簿記論と財務諸表論を合格。
平成27年に消費税と固定資産税を受験し、共にA判定。
平成28年は法人税の学習をしております。
※年齢的に法人税を取得していなければ転職先が無いと判断した為法人税を学習。

現在、建築資材(メーカー)の営業をしており、製品の販売と工事の請負を行っております。部下は4人おります。
中小の建設会社の社長様と接する機会も多く税理士を信頼している方が多く興味を持ち勉強を始めたしだいです。以前より、独立願望も高く税理士が独立開業に、むいている資格である事も勉強を始めたキッカケの一つです。

しかし、記載しました通り現在38歳(今年39歳)で、家族構成は妻と息子一人(小学生2年生)の3人家族です。

貴サイトの質問を拝見させて頂いておりますが、この年齢での事例が少なかった為質問させて頂きました。

質問したい点は下記の通りです。

Q.1
現在の年齢で2科目合格のみで転職は可能でしょうか?

Q.2
転職可能な場合、税理士資格取得までの税理士補助として勤務した場合の年収はどれくらいでしょうか?(事務所により異なる為、回答難しいかもせれませんが、家族を養っていかなければいけない以上一番知りたい点でもあります。)

Q.3
転職可能な場合、転職時期としては今すぐでも行うべきでしょうか?
転職が無理なのであれば、今後学習を続けていく意味があるのかと悩んでおりますので、ぜひご回答宜しくお願い致します。

A.1
税理士事務所によっては可能です。
以前は、若い税理士試験受験生がたくさん業界に入ってきてくれて、
人を大切にしない業界でした。
「一人辞めたら二人採れ、
 二人辞めたら四人採れ」
などと大手税理士法人も言っていました。

今では、税理士業界も人不足です。

社会全体の人不足で他業界と人の取り合いです。
中小企業の減少もあり、税理士業界は人気がありません。
そんな中でも業界の寡占化は進み、
一部の税理士法人・税理士事務所は成長を続けています。
若い経営者の税理士法人は採用は得意でも、管理が苦手で離職率が高くなります。
減少する就職希望者を上手に育てきれていません。
税理士業界の人不足はかなり深刻です。

なお様の場合、年齢的に若手の税理士の事務所は向きませんが、
中高年の所長税理士の普通の事務所も玉突きで人不足になり補充もままなりません。
このため、探せば なお様を採用したいという事務所はあると思います。

なお、今の就職状況では合格科目が法人税法かどうかは重要ではありません。

A.2
会計事務所によって給料の決め方は大きく異なります。

(1)30代以下の所長の税理士事務所
年上の家族持ちを採用するリスクは大きいですから、なお様を採用しないことが多いでしょう。

(2)40〜50代前半の所長の税理士事務所
家族持ち男性でも、最初は2科目で年収300〜350万円、3科目で350〜400万円でしょう。
(それより安い事務所もありますが、採用しないでしょうし、なお様も就職しないでしょう)
この年代の所長の税理士事務所の多くは、特別な超過利潤は少なく、
実力通りしか給料が払えません。
これ以上払うとしたら、激務で労働時間が長いところが中心です。
(その他に特殊業務で高付加価値の事務所がありますが、なお様の方向性とは違うでしょう)
入社後、結果を出せれば年数十万円ずつは上がります。
なお様の場合、営業経験が豊富なので、年数は必要ですが500万円くらいまではそれほど難しくないかもしれません(但し、無資格者なら上限は600万円くらいです)。

(3)50代後半〜60代の所長の税理士事務所
従業員10人以上のこの年代の所長が経営する事務所は、比較的お客様に恵まれており、
また、正社員がお客様を毎月訪問する、いわゆる月次巡回監査モデルのため
男性正社員を必要とし、その給料は高めに設定されています(男尊女卑的です)
最初から400万円台、無資格者でも700〜800万円という事務所も珍しくありません。
最初からアラフォー未経験者に500万円以上が出るとしたら、
このタイプのTKCかJDLの事務所な気がします。

ただ、衰退する関西経済の影響か、値切られるせいか
大阪は全国有数の激戦区だとお聞きしています。
もしかしたらその分だけ若干低いかもしれません。

A.3
上記条件は、なお様にはなかなか厳しいですよね。

「税理士」が男性にとって良い点は、
30代半ばまではキャリアチェンジが可能なこと、
安定して給料を上げていけること、
場合によっては独立できることでしょう。

もちろん、アラフォー未経験で会計事務所に入って独立開業した税理士も見てきましたし、
税理士法人の社員(パートナー)で活躍している税理士もおられます。

働きながら、アラフォーが短期間で科目合格は容易ではありません。
(合格率は年齢によって全く違っています)
なお様の試験の経過は、働きながらであることや年齢を考えるとかなり優秀です。

ただ、インターネットでのご相談で限界があり、
なお様の場合、そもそも転職を勧めていいのか自信がありません。

普通の仕事は、新卒でどこに就職したかに大きく依存します。
上司との人間関係や、会社の業績に大きく人生が左右されます。
どうしても合わない場合の大きなキャリアチェンジは、
出来れば20代後半まで、おそくとも30代前半までの方が安全です。

懐の深い税理士業界でも、
アラフォーでの転職は、家族持ちの方にはなかなか厳しいのが現実です。

=============
税理士法人TOTALも、幸い今も成長を続けて採用活動を続けています。
その中には40代前半、会計事務所未経験で入って来たスタッフも何名かいます。
優秀で、独身者や、既婚でも扶養家族のいない方が多いです。
=============

仕事については、35歳までに何をしてきたかが重要だと思っています。
30代後半になったらキャリアチェンジは一般的には難しいでしょう。
専門職は、知識の蓄積や一定の密度が必要なのでその傾向が強くなります。

アラフォーになると、前を向いて何が出来るかを考えて人生を選び取っていく覚悟も必要になります。

それでも、もし転職するなら、法人税法の合格を確認してからがおすすめです。
手ごたえがあれば、秋から前年の2科目を勉強し、いずれにせよ短期合格を目指す必要があります。



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2016年04月15日

ワークライフブレンドと産休育休制度

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

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まやま様からのお問合せ(後編)です。

■年齢 27才
■性別 女
■資格 簿記論
■職歴 東証一部上場企業にて経理事務
■学歴 女子大御三家
■会計事務所経験 なし
■居住地 東京

(前編、「税理士事務所と東証一部上場企業での勤務」より続く)


お忙しいところたくさんのアドバイスを下さいましてありがとうございました。
自分の中での迷いや保険的な考えがあることを気付かせて頂きました。もっと覚悟や自信を持った上で考えなくてはと反省しております。

ただ、やはり税理士になりたい、会計や税務の知識で社会の役に立ちたいという気持ちは変わりません。
お忙しいところ大変申し訳ないのですが、もう一度だけ質問させて下さい。

Q.1
転職する際に、年齢と科目数どちらを優先すべきでしょうか?
(1)今年財務諸表論を受験し、年明けに転職活動をする。その場合私は27歳です。
(2)来年消費税法受験後に、転職活動をする。その場合年齢は28歳です。

Q.2
女性の年齢的なハンデについてアドバイスをお願い致します。

Q.3
産休育休制度のある事務所では入社何年目ぐらいだと産休取得が許されますでしょうか…?

お忙しいところ大変申し訳ないのですがどうぞよろしくお願い致します。


A.1
まやま様は、真面目に一生懸命考えておられるのですね。大変失礼いたしました。
どうしても直接お会いしているわけではないので、一般論、両論併記の無難な意見を書いてしまうのはお許しください。
税理士業界を本気で目指していただいてうれしく思います。

税理士になりたいなら(2)です。
簿記論・財務諸表論、税法1科目があれば、大学院免除でいつでも税理士になれます。
30歳くらいで、子育てが始まっていなければ、働きながら大学院に通学しても良いと思います。
子育てが始まっていれば、理解がある職場なら仕事と子育てを無理しない範囲で両立させても良いし、
両立が難しい職場なら、大学院と子育ての両立でも良いでしょう。

(1)は、財務諸表論が受かっていても、税法のつらさが計りにくいし、
財務諸表論が不合格なら先が見えにくくなります。

A.2
「女性の年齢的なハンデ」ですか。
男性だって、30代後半、会計業界未経験で転職したらきついです。
女性だからきついわけではありません。

ただ、どうしても結婚すると家事や育児は、女性がする割合が大きくなります。
だったらその分早く、転職して、キャリアを上手につないでいけばいいだけです。

「仕事」と「家庭」のどちらかの選択と考えると、
ワーク ライフ バランス」は難しいです。
これをハンデと考えるとつらくなります。

うちの女性スタッフに教えてもらった言葉

ワーク ライフ ブレンド

仕事そのものを楽しんで、生活の中に仕事を埋め込んでしまう。
そう考えた方が、しなやかに生きられるのではないでしょうか。

M字カーブ(30代女性の就労率が下がる日本固有の現象)は、消滅に向かっているそうです。
多くの女性のみなさんが、頑張って両立をしておられます。

=============
なお、総じて女性の方が男性より、税理士試験の「勉強」と「仕事」の両立は上手です。
だらだら残業せずに切り替えて勉強できるので女性は結果として早く合格することが多いです。

「男は飲み会や遊びのつきあいもあるし、周りの眼もあって早く帰りにくいし、ハンデがあるよな。」
「女性は、人生に色々な選択肢があって自由でうらやましいなあ。」
なんてぼやいている男性もいたりします。
=============

A.3
産休育休(産前産後休業・育児休業)は法律で強制される制度なので、どこの事務所でも制度そのものは少なくとも理論的にはあります。

でも、実際に使えるかどうかは会社によります。
大企業でも、育休だと補充要員が来なくて周りのスタッフに迷惑をかけられず育児休業が事実上取りにくい職場もいくらでもあります。
プログラマーなど、納期・労働時間が厳しい仕事は、出産と同時に退職する女性も多いですよね。

会計事務所は、子育て中の女性も多い職場なので、
激務で有名な大手や成長著しい若手所長の事務所以外
子育てに理解がある事務所が多いです。

もちろん所長によって差はあるので、実際に面接の際に
「何人くらい過去に育休を取っておられますか?」
と聞いてみた方が良いかもしれません。

入社何年目から産休育休が取れるかを気にし過ぎなくても大丈夫です。
夫の転勤と違って、報告から半年近く猶予がありますし、お客様に事情も説明しやすいです。
また、大企業とちがって随時募集をするため欠員の補充時期は柔軟で、周りのスタッフにも大きな迷惑をかけずに済みます。
強いて言えば、「早く戻ってきてね」と言われる程度まで仕事ができるようになっていれば、本人も気が楽かな。

なお、育児休業給付の受給には、休業開始前の2年間に賃金支払基礎日数11日以上ある月が12ヵ月以上必要です。
受験に専念する期間を設ける場合は気を付けてください。

=============
税理士法人TOTALは、過去に育児休業取得者はのべ35人、最大で4回取得なさった方もいます。
現在、育休中の者は8名、その他にも妊娠中の方は2名、
「保活」はみなさんおおむね順調なようで
今月・来月で復職予定の方は4名おられます。

すごい速いペースで保育園を増やしていますね。
「がんばれ! ニッポン!」

新卒は少なく中途入社が多い職場なので、早い方は入社半年くらいで妊娠報告があり、1年で産休に入られています。
入社2〜3年で出産が多いかな。
採用の際に、出産したくて志望してくれているんだろうなとわかる方もおられます。
(この話はあまり書くなとスタッフには怒られますが)
=============



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ご質問の前に、同様な質問が無いかご確認いただけると幸いです。
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2016年04月09日

税理士事務所と東証一部上場企業での勤務

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

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まやま様からのお問合せ(前編)です。

■年齢 27才
■性別 女
■資格 簿記論
■職歴 東証一部上場企業にて経理事務
■学歴 女子大御三家
■会計事務所経験 なし
■居住地 東京

いつも先生のブログを参考にさせていただいております。

今回は自分の状況を客観的に判断出来ないため、他の質問事項と多々被ってる点があり申し訳ございませんが、質問させていただきました。

私は現在、そこそこ大きい企業で経理事務をしております。企業の福利厚生は充実しており、環境的には贅沢な状況なのですが、事務職ということもあり仕事内容が限られ、給料も伸びないため、将来を見越して税理士受験(去年初受験)を開始致しました。

Q.1
去年簿記論に合格し、今年は財務諸表論、来年は消費税法を受験する予定です。
勉強しやすい環境のため、3科目合格、もしくはめどがたってから転職を考えておりますが、出産、育児も希望しているため(現在予定はないのですが)今の会社で産休を取ってから転職、つまり34歳ぐらいでの転職を希望しております。30代半ばの未経験、子持ちの場合採用への影響は大きいでしょうか?
また転職のタイミングについてアドバイス頂けると幸いです。

Q.2
転職前までに院免での税理士資格取得も考えております。私は元々エリートでもなく、ライフプランなどを考えた場合、院免で資格を早く取るほうが自分の人生には合っているような気がするからです。
上記の状況に合わせ、院免という選択をした場合の採用状況や、給与面等の不利につきアドバイス頂けると幸いです。

Q.3
税理士資格を取得し、勤務税理士となった場合の一般的な給与水準、伸び率等を参考までにご教示頂けますと幸いです。

お忙しいところ恐れ入りますが、何卒よろしくお願い致します。

A.1
30代半ばの未経験、子持ちの場合、採用への影響は、残念ながら小さくありません。
人不足のため、採用されるでしょうが条件はあまり良くないかもしれません。
どの仕事も遅くても30代半ばまでに転職した方が良いとされているのはご存知の通りだと思います。
仕事ができるようになるには、情報の蓄積、柔軟性が必要で、そのためには個人差はもちろんありますが30代前半までの記憶力、クリエイティブな頭脳が望ましいとされていて、30代後半以降はそれまでの経験を伸ばしていくキャリアプランが一般的です。
(だから中高年でリストラされるときつくなります)

今回のご質問は難しいですね。
「仕事」、そして「人生」に何を求めるかという問いになっているように聞こえるからです。
(記事が遅くなってすみません)

妻は、就職人気ランキング1位の超有名大企業に勤務していました。
そのため、優秀な同僚に恵まれ、福利厚生も、給与水準も他社に比べると圧倒的に良かったそうです。
それなのに
「(同僚に)仕事を楽しくてやっている人はいない。」
「(明日から仕事だと思う)日曜日の夕方が苦痛だった」
と言われたときは、衝撃的でした。

=============
妻は今、司法書士事務所TOTALの経営者をしています。当時よりも責任は重くなりましたが、所得は会社に残っていた場合より多少増えた程度です。
仕事は楽しいと言っています。
(もちろんつらいこともありますが)
=============

会計事務所は、
入力作業を続けるだけの人、お客様の層が合わない人を除くと、
仕事がつまらないという人は少ないです。
私自身は、勤務時代も仕事が面白いと感じていました。
会計事務所を辞める人は、労働時間が長くて疲弊する一部の激務系・成長系事務所を除くと、
社内(やお客様と)の人間関係が嫌になるか、給料が安いからが多いように思います。

大企業はその組織の大きさゆえに、選抜された幹部候補生や管理職を除くと、仕事を細分化・単純化して、歯車のように人間を使うことによって生産性を上げる仕組みになっています。
労働者は全体が見えないため、やらされ感、閉塞感が強くなります。その傾向は男尊女卑がやや残っている歴史ある企業のアラサー年代の女性に強いようです。

それに対して、会計事務所は最大手でも1000人程度の中小企業で、仕組みも甘いので、自分の裁量の幅や仕事の幅が広くなっているので面白いですが、非効率で給与が低いことも多いです。

そのことを理解して、転職のタイミングうんぬんよりも、その前に本当に転職すべきかどうかをお考えになった方が良いかもしれません。

会計事務所が女性にとっていい点は、
全国どこにでもある仕事なので、夫の転勤等があっても転職が容易なこと、
パートと正社員の境目が緩く、ライフプランに合わせやすいこと、
激務で有名な大手や成長著しい若手所長の事務所以外は、子育てへの理解がある事務所が多いことなどです。

=============
男性にとって会計事務所のいい点は、
新卒就職に失敗したり、最初の仕事が合わない場合でも、
試験に合格するための努力が出来さえすれば
(勉強が苦痛なら男性にはおすすめできません)
30代前半まではキャリアチェンジができる可能性があること、
場合によっては独立できることだと思っています。
=============

まやま様の場合、
(未来の?)夫が転勤族でなく、通勤時間が短い、
現職が、時短勤務ができる、育児休業も取りやすいなど子育て出来る環境なら
無理に転職する必要がないように思います。

人不足もあり、また、一億総活躍社会で女性の定着率を上げるためにも
大企業の中には以前に比べてだいぶ子育て環境を整えてきているところもあります。
社会、そして日本にとって良いことだと思っています。

逆に、夫が転勤族だったり、現職では子育てが明らかに難しいなら、転職時期は身軽で仕事も覚えやすい30歳前後までの方が良いように思います。
30代半ばで未経験、就労時間が短いようなら、資格があっても責任ある仕事は任せにくいのです。

大企業勤務の真面目な女性の場合、
入社3年目以降は、仕事にあきて、
男性との仕事内容、役職、給料での差別を感じやすい時期です。
経理のような間接部門の場合は、残業も制限されて給料が低いのでなおのことでしょう。
でも、実際に退職して中小企業や会計事務所に転職すると、いかに大企業の待遇が恵まれていたのかを知る人もいます。
まやま様も、後悔しないように転職すべきかどうかはよく考えてみてください。

私自身は、会計事務所への転職が万能だとは思っていません。当たり前ですが、職業にはそれぞれ良い点も悪い点もあります。
このサイトは、税理士業界への就職を目指してくれる人 向けですし、自分が税理士事務所の経営者なのでミスマッチを減らして一人でも多くの方に幸せになってほしいと思って書いています。

=============
税理士法人TOTALでも、(特に女性は)有名企業在籍の転職希望者の面接をすることが結構あります。
もったいないので、なぜキャリアを捨てて転職するのかをていねいにお聞きしましす。

税理士法人という「中小企業」の経営者としては、「大企業」の仕組みは素晴らしい・うらやましいと感じることも多いです。
男性は、競争環境・労働環境が厳しすぎたり、仕事がどうしても合わない人以外は、有名企業なら転職をとどまった方が良いケースも多く、相談されてもやんわりとお止めすることがあります。

女性の場合は、大企業にもそれなりに弱点はあると感じています。
(特にSE・プログラマー・営業職は離職率が高いですね)
30代前半までに転職しないと、仕事が細分化され狭い範囲の仕事しかしていない大企業の勤務経験は必ずしも転職には有利になりません。
もちろん現職で頑張った方が良い方も多いです。
転職する場合は、時期は早い方が有利です。
=============

A.2
(1)院免除の給与面の不利な点
〆蚤腓亮綸世蓮入所年齢が上がる点です。
大学院の勉強そのものは会計事務所ではほぼゼロ評価です。
大学院の勉強は、条文・判例読みになれること以外、実務に役立つことはほぼありません。
税理士試験は一部のミニ税法以外は実務に直結するので顕著な差があります。
大学院の勉強よりも、専門学校の勉強の方が実践的です。
(大学院はアカデミックな研究の場で、目的が違います)
32歳3科目と、35歳3科目院免除の方では、
他の条件が同じなら、
子育て中の主婦が出来る仕事は、質的にも量的にも前者の方が上だと思う所長の方が多いでしょう。

独立されるリスクが高いと思われる
まやま様の場合は違うかもしれませんが、一般的には
営業力がある・独立志向が強そうな院免除会計事務所未経験の方は、
教育してもすぐに独立されると思って採用されにくかったり、給与がやや低くなったりすることもあります。
(この辺の考え方は所長によります。どうせ独立は止められないし、働いてくれるので良いという所長もたくさんいます)

参考までに
(2)院免除の給与面の有利な点
\罵士資格が必要な事務所にとっては大きな加点
 税理士法人を作りたい個人事務所、支店を出したい税理士事務所の社員(パートナー)候補になります。
 もっとも、税理士登録には2年の実務経験が必要です。

∋邯海里燭瓩諒拔をする必要がない
 その分仕事に集中できるので、結果を出せば給与が上がりやすい。

1超箸忙箸┐
 無資格者より信用があり営業に使える分、営業力がある方は給与が高くなる。
 担当者に有資格者を指名するケースも増えています。

以前は勤務税理士(法改正で今は「所属税理士」と言います)が珍しく、税理士資格保持者は希少でしたが、
最近では、大手税理士法人では、勤務税理士・有資格者を大量に抱えることが当たり前になってきています。
この場合は、有資格者だというだけではそれほど評価されません。

逆に、税理士有資格者の採用がこれだけ容易な状況で、10人に一人、税理士・有資格者がいない中堅以上の税理士事務所は、税理士業務の水準に問題があったり、有資格者が定着しない理由があるということになります。
税理士の比率が低い事務所は、税理士が残らない理由があるので、税理士にとっていい事務所というわけではないのがつらいところです。

税理士法人の税理士の数は、日税連のHPで確認できます。
「税理士 検索」でページを出して
https://www.zeirishikensaku.jp/sch/zs_sch0.asp
「条件を指定して検索したい場合」の「税理士」を選択
https://www.zeirishikensaku.jp/sch/zs_sch3.asp
「事務所名」に就職希望会計事務所を入れればすべて出てきます。
(なお、ここでは登録していないいわゆる「税理士有資格者」は検索できません
また、アルファベットは2パターンあり、TOTALはF9で入力してください)

=============
税理士法人TOTALも税理士・有資格者が30名を超えて、今も増え続けています。
以前は登録要件を満たすと必ず、税理士登録をしていましたが、最近は絞って登録しています。
=============

大学院進学・免除で女性が税理士資格を取ることは、他に税理士が少ない田舎の税理士事務所や小さな税理士事務所ではプラスです。

都市部の中堅以上の税理士法人では、年齢が進んだ分だけ、キャリアも積みにくくなるし給与も上がりにくくなる面もあるでしょう。

実際、会計事務所未経験のまま30代前半で大学院に進学した女性で、30代後半に単純な会計入力だけをやってきた方を何人か知っています。
もったいないなあ。学費が回収できるのかなあ。

一般論としては、会計事務所未経験の女性の場合、30代前半大学院に進学するのは、出産の前後で働きにくいタイミング以外はあまりおすすめしにくいです。

会計事務所経験後(又は在職中)に、資格を確実に取るために大学院に通うことは一つの選択肢だとは思います。

A.3
大企業は、終身雇用が一部崩れたとはいえ、年功序列的ですし
最初のうちは横並び、その後も年次と役職である程度給料が決まるところが多いですよね。

会計事務所は、一般的には賃金テーブルがなく、最初の年の給料以外は実力主義が多いです。
その場合は、資格ではなく生産性で評価されます。

多くの税理士事務所では担当制(一人でお客さま対応と事務処理をこなす)で、担当者の給与は売上の25〜40%になります。
(営業、マネジメント等については別途加算されます)
一見すると低いようですが、それでも間接人員を含めた総人件費率は60%を超えます。

伸び率は、生み出す付加価値によるので人によって違います。普通は、直接お客様と面談する担当者の年収は入社後3〜5年は数十万円くらいずつあがります。
税理士資格を持っている方は、信用力があるため、単価が高いお客様を付けやすくなるので結果として給与は上がりやすくなります。コミュニケーション能力・営業力が高ければなおさらです。
ただし、子育て中の主婦の場合、時間に制限があるため担当も持たない方も多く、その場合は専門性か作業処理能力がないとあまり給与はあがりません。
大学院免除の有資格者で、担当者以外の給与が上がりやすいのはA.(2),離院璽垢砲覆蠅泙后


参考) 「税理士事務所・会計事務所の給与水準


後編「ワークライフブレンドと産休育休制度」につづく



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2016年03月21日

中卒者の税理士事務所就職

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

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希様からのお問合せです。

■年齢 29歳今年で30歳
■性別 男性
■資格 簿記一級、全経上級、簿記論、財務諸表論取得、消費税法受験経験あり
■職歴 接客業中心に転々としてきました
■学歴 中卒
■会計事務所経験 未経験
■居住地 地方
■その他 無し

高橋先生始めまして、希と申します。

今回の相談に関してアドバイスを頂けたら幸いです。

私は今現在受験専念をしており、
2014年に簿財に合格し、2015年消費税法A判定不合格、
そして今年は消費税法を受験しようと予定しています。
今年でもう30歳になりますし受験専念も3年目、今年の受験後にどうしようか悩んでいます

Q.1
以下は私が考えているプランです。
(1) 今年の受験後8月に就職、その後は働きながら官報合格を目指す
(2)今年の受験で消費を取得、さらに専念し、翌年にもう1科目受験し8月に就職、その後は働きながら官報合格を目指す
(3)今年の受験後8月に就職、その後は働きながら通信制の大学に行き、大学卒業後仕事をやめ大学院に入学し院免、再就職

私の中では(1)が一番いいのではないかと思っていますが、仕事しながら難関の税法に合格できるのか不安でしょうがないです。
ただ年齢も高いので受験専念を延長するのはやめたほうがいいのではないかと思っています。
そもそも私のような「学歴」、「職歴」、「若さ」など何もない者が就職できるのかという疑問もあると思いますがアドバイスお願いします。

Q.2
そして最後に大学入学からなので年数はかかりますが院免も選択肢に考えています。


A.1
私も(1)がお勧めです。

「学歴」
参照 「税理士の学歴
税理士事務所の職員の学歴は、やや高卒と短大卒が増えるくらいでしょう。
税理士法人TOTALでも、高卒の方はそれなりにいますし、
高校中退で高認(高等学校卒業程度認定試験)の方は数名いますが
中卒の方は残念ながらいません。

ただ、簿記1級を持っており、
簿記論、財務諸表論を初年度で合格、
消費税法も初年度でAなら、
「学歴」に代わる「学力」「地頭の良さ」の証明はある程度されていると思います。


「若さ」
今より若いときはないので、2科目持ち、税法受験経験ありなら就職は早い方が有利です。
売手市場の今、1年でも早い方が良いので(2)はあまりお勧めできません。
20代はともかく、30代になると、1科目進むよりも1歳若い方が価値は高くなります。
長い受験専念もマイナス評価になります。


「職歴」
接客業だと、にこやかに話すことはできると評価されます。

接客業から30歳前後で会計業界に入って来ると、
.灰潺絅縫院璽轡腑鵑亮
その場の単発のコミュニケーションではなく、継続して安定した信頼関係を築くためのコミュニケーション能力

∋務処理能力 
パソコンを駆使して速く正確な同時並行能力、期日と品質の管理が求められます。

この2つの差に戸惑います。
(職歴の中で店長等を経験していると、並行処理能力、管理能力もある程度鍛えられているはずです)

責任ある仕事ですし、当初の2年くらいは仕事中心でないと回らないと思いますから(3)は難しいでしょう。
通信制大学は入学のハードルは低いですが、卒業のハードルはかなり高いです。
文部科学省の学校基本調査(平成26年度)によると、
通信制大学の入学者12,310名 正規の過程の学生数166,778名です。
仕事が忙しい中、通信制の大学を4年ちょっとくらいで卒業するのはきびしいかもしれません。
学費を払うだけになってしまう人も多いでしょう。
放送大学や産業能率大学を選ぶ等の工夫をすれば多少は楽にはなると思いますが。

=============
税理士法人TOTALでも、通信制(大学院ではなく)大学に通っておられる方がいます。
大学院免除のためではありません。
勉強そのものがお好きなようです。
素晴らしい!
=============


まずは、今夏まで受験勉強を頑張って、試験後に求職活動をしてください。
そうすれば、税理士業界からの評価もわかるはずです。
ある程度の評価は受けられるような気がします。
駄目だとしたら、
・人柄・ポテンシャルが足りないと思われるケース か、
・お住いの地方では適当な求人がないケースでしょう。

最近は、地方の疲弊が止まりません。その中でも中小企業の衰退は進んでいます。
地方の税理士業務は大都市圏よりも厳しいでしょう。
希様も、場合によっては首都圏など、大都市圏に来た方が良いかもしれません。


A.2
大学院は、あまり知られていませんが、実は大学を卒業しなくても入学できます。
大学院が個別の入学資格審査により認めれば(中卒でも)入学できます。
ただし、個別の入学資格審査を実施するか否かなどは、各大学の判断となっておりますので、実際に受験資格が認められるか否かは各大学にお問い合わせ下さい。

首都圏なら、働きながら週末・夜間で通える大学院がいくつもあります。
このため、一部の大学院から、税理士試験の2科目合格者について入学資格審査の推薦依頼が私の所にも来ています。
大学院も受験生確保に必死です。

なお、通信制の東亜大学院は有名ですが、
入試倍率は3倍程度と高いし、なかなか大変とお聞きしています。
実際に通える大学院の方が、やはり修了するのは楽でしょう。

=============
税理士法人TOTALでは、東亜の通信制大学院1名を含む4名が、働きながら大学院に通っています。
=============




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2016年03月19日

税理士法人とコンサルティング会社

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

経営コンサルタント、ショーンK(こと川上伸一郎)さんの学歴詐称が問題になっています。
テンプル大学卒、ハーバード大学院MBAではなく、
日本の高卒、ハーバードの誰でも受講できるオープンコースを受講しただけだったとのこと。
コンサルタントにとっては、学歴は大事な看板です。
「これはダメ」(by加藤浩次)ですね。

ただ、事実を認めて謝罪したので、落ち着いたらやり直してほしいものです。

税理士業界でも、
早稲田大学卒や 慶応大学大学院法学研究科修了としていながら
税理士なら受講できる「税理士のための法律講座」を修了しただけの方もいます。
(学生時代の話が、まるでかみ合わないのでわかったりしました)
一定規模の税理士事務所・税理士法人のトップだったり、
セミナーをする上でかっこ悪かったのでしょうが、
学歴誤認を狙って意図的に使うのはやはり、
「これはダメ」でしょう。

もっとも、学歴コンプレックスは私にもありますね。
息子にはできれば、東大に行ってほしいなあ。

参考)「税理士の学歴


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モリオ様からのお問合せです。

■年齢 26歳
■性別 男性
■資格 簿記論 財務諸表論
■職歴 なし
■学歴 MARCH
■会計事務所経験 アルバイト経験二年
■居住地 関東

こんにちは。
いつも参考にさせてもらっております。
高橋先生お世話になります。
1つ御相談があるのですが、

卒業後今年で三年専念になりますのでどこか就職を考えております。

Q.1
もし、税法の合格がならなかった場合にはどのくらいの規模の税理士法人に就職するのがいいのでしょうか?

Q.2
また、コンサルティング会社の就職も選択肢としても考えております。
会計業界でのコンサルティングでの職歴の価値はどのぐらいなのでしょうか?

Q.3
コンサルティング会社に三年勤務したら29になりますが、そこから税理士法人に転職は容易でしょうか??

1つ参考にアドバイスをご頂戴いただければと思います。

A.1
2016年3月現在、会計事務所の労働市場は極端な売り手市場です。

税理士試験受験生の減少は深刻で、心配しなくても実務経験がある20代後半の2科目持ちの方は、
履歴書を送れば、うちはもちろん、BIG4クラスを含むたいがいの税理士法人で採用面接に呼ばれます。

もっとも、実際に採用されるかどうかは、その税理士法人が求めるものによって違います。
面接に呼ばれて不採用だとしたら税法の合格がないせいではありません。
(そもそも税法合格者しか採用しないなら、わざわざ面接に呼びません)
コミュニケーションの質、ポテンシャル、税理士法人との相性等が合っていないと判断されると不採用になるでしょう。このため、一年余計に勉強して、税法に合格しても採用されないことが多くなります。

はじめての就職 税理士事務所編
をじっくりお読みください。

3年受験専念なら受験仲間も多いでしょうし、アルバイトした税理士事務所でも一定の情報を得られるし、肌で感じたものもあるでしょう。
ご自身のライフプランにあった税理士法人を選べばいいと思います。

個人的なお勧めは、まずは税理士試験と仕事の両立のため
 ・超激務でない(3科目持ちではないので)
 ・受験は支援してくれる
 ・いざとなったら大学院に通える
 ・家から近い
税理士法人です。

社会人経験がないため、業務やビジネスマナーについて社員教育がある程度できる規模が望ましいので
規模的には、東京なら100人級以上、
(100人以上の組織は、機能分化し、教育機能の専門化が進みます)
東京以外なら県内1、2位の規模の税理士法人がお勧めになります。

規模がそれよりも一回り小さい場合は、
ツールが足りなくてもマンパワーで教育が出来る
社歴が長く安定している税理士法人がお勧めです。

教育が足りない税理士法人の場合は、
書籍等で補ってくださいね。


A.2
コンサルティングの定義はあいまいです。
戦略コンサル、ITコンサル、業界特化コンサル、国内独立系コンサル、人事コンサル、WEBコンサル、そして財務コンサル等

会計業界でのコンサルティングでの職歴の価値は、それぞれ違います。
この中で比較的評価が高いのは、
・戦略コンサル(学歴≒頭が良く、かつハードワークで鍛えられている)
・ITコンサル(税理士法人のITリテラシーは高くない)
でしょうか。
それ以外のコンサルティングの価値は、
一部には、コンサルティングの即戦力として歓迎する税理士法人もありますし、
逆に、くせがあって使いにくいと敬遠する税理士法人もあるでしょう。
一般的には会計業界では、その分野の知識にたけている、又はフレームワークを習ってきた という程度の評価になります。

=============
税理士法人TOTALには、世界的な戦略コンサルティング会社で長期間勤務経験があるスタッフがいます。
動きの速さ・正確さ、詰め方、相手への合わせ方などは、
さすがコンサルだなあと感心させられます。
=============

税理士業界が行うコンサルティングは、ほとんど財務コンサルです。
財務コンサルと税理士業務は親和性が高いですが、
財務コンサルティング会社に行ってから税理士法人に入るくらいなら、
最初から税理士法人に入った方がキャリアロスは少ないでしょう。
(基本になるのが会計・税務)

A.3
税理士法人 → コンサルテイング会社 はそれなりにいます。
コンサルティング会社 → 税理士法人 はあまりいません。
残念ながら、コンサルティング業界の方が給料が高いことが多いですから。

もっとも、
税理士法人 → コンサルテイング会社 → 税理士法人 
のいわゆる 出戻り もみかけます。
コンサル会社は単発案件が多く狩猟的 で、
継続的・安定的に人間関係を築く税理士業務
と違うので、仕事が合う・合わないは個人差があります。

コンサルティング会社に三年勤務、
29歳 2科目持ち以上なら、
転職は、若さや素直さがなくなった分だけ、今より少しだけきびしい程度でしょう。
もしかしたらBIG4は3科目持ちになっていないと厳しいかもしれません。
(今からその時点を予測するのは正確ではありません)
BIG4以外の税理士法人への転職は容易だと思います。

=============
私の経営コンサルティングに対する想いは

税理士の経営コンサルティング
=============




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2016年03月13日

地方銀行出身者の税理士事務所への転職

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

新たなご質問はここをクリック

金融マン様からのお問合せです。

■年齢 27歳
■性別 男性
■資格 簿記2級、FP2級等金融系資格他
■職歴 地方銀行にて、5年勤務
    法人営業、個人営業の経験あり
■学歴 関関同立
■会計事務所経験 なし
■居住地 関西

初めまして。進路に関して大変悩んでおり、アドバイスを頂戴出来ればと思いご連絡させていただきました。

大学を卒業し、銀行に5年勤務しました。この3月で銀行を退職し、8月の試験(簿財2科目)に専念する予定でおります。その後、9月より転職を考えております。

Q.
以下選択肢で迷っており、ご助言を頂戴出来ればと存じます。
銀行勤務という経歴を活かし多少の年収の低さには目をつぶり会計事務所にて勤務
銀行時代に引き抜きの誘いがあった医療業界(機器の営業)への転職し、年収を確保した上で科目を揃える

私の中では、税理士事務所の開業を将来的に視野に入れております。しかしながら、現時点で科目保有しておらず、会計事務所の未経験となれば給与も安く、不安もあります。
一方で、医療業界であれば年収が期待できる利点があるものの全くの他業種ということで、最終点から逆算したときの不安もあります。

高橋様のブログ等を拝見しておりますと、税理士社員になるのは2科目合格をしてからにすべきとの意見もございますが、如何でしょうか?

確定申告の時期に大変ご多忙のところ恐れ入りますが、ご連絡お待ちしております。

A.
金融マン様は、3月末退職ですから、おそらくもう 辞表(退職届)は出されていることと思います。

難しい選択で、悩まれる気持ちもよくわかります。
税理士事務所の給料は、入社当初は安いです。
専門職・職人の世界なので、技術や経験が必要なため、
会計事務所未経験者の評価は、新卒と大して変わりません。
未経験者の給料は、入社後は5年くらいは徐々に確実に上がります。
ただし、教育をしてくれる事務所、税理士試験を支援してくれる事務所は残念ながら少ないのが実情です。
多くの零細税理士事務所は、そもそも教育システムを整える余裕がないし、
中堅以上の税理士法人は、厳しい競争のため ゆっくり税理士試験にかまっていられないのです。
このため、3〜5年安定して同じ職場にいないことが多く、
短期で転職すると給料も上がりません。

参照)「税理士事務所・会計事務所の給与水準


税理士試験と仕事の両立は大変です。

税理士試験が合わなくて税理士になりそびれた

では、安定した大企業の職を失う損失は大きいです。


2科目合格で、税法も勉強したら、
税理士試験の難易度はほぼ正確にわかるでしょうし
いざとなれば、大学院に進学すれば週一科目合格で税理士になれます。
このため、2科目合格後の就職を私は勧めています。
(在職中に勉強してみて合わないと感じた方や)
受験に専念して2年で2科目合格できないようなら
税理士事務所への転職はやめた方が良いかもしれません。

地方銀行をはじめとした金融機関からの転職者は、税理士事務所には多いです。
(税理士法人TOTALでは10人以上います)
継続した人間関係を築き、法人経営者や個人資産家に対するルートセールスを行うという点が似ています。
金融の知識はもちろん、コミュニケーション的にも会計事務所の即戦力です。
税理士の方が、地銀よりもさらに密接に中小企業の社長とはおつきあいすることができます。

=============
税理士法人TOTALでは、金融機関のうち地方銀行出身者の男性は2名ですが、
3科目合格等で入社、税理士法人TOTALに在職中に30歳前後で二人とも官報合格、
今も主力で頑張ってくれています。
=============

税理士業界に転職するメリットは
・社会的には「先生」と呼ばれ一定の評価をいただける
・「ありがとう」と感謝されることが多い
・お客様とベクトルおおむね一致しているのでWIN-WINの関係が築きやすい
・技術と経験の蓄積が必要なので長く働ける
(70代の「老害」が目立つとも言われていますが)
・人間関係と経験で50歳を過ぎても仕事の評価が下がらない
・独立することができる
・勤務しても一定の給料は確保できる
・営業ノルマがない
・家庭環境に応じて働き方を変えやすい(女性)
・国家財政の基本となる「税金」関係のため仕事が安定している
・どこの地域・場所でもある仕事である
・30代以降でも転職がしやすい
などでしょうか。

これに対して、医療業界(機器の営業)は、
営業結果さえ出せれば会計事務所よりも給料は高いと思います。
医療に付随する業界は、
命に係わるし、高齢化も進み、しばらくは数少ない成長産業でもあります。

ただ、地方銀行出身の受験生の転職先として、医療営業は次の2点が懸念されます。
(1)コミュニケーションの質は、よりていねいに下から行かなくてはいけない。
地方銀行は(会計業界も)、お客様との関係がフラットかやや上からのコミュニケーションになります。
お客様の方から気をつかっていただけます。
これに対して医療の業界は独特です。
感覚的ですが、
院長>(他の医師)>>看護士(=税理士・金融機関)>>>医療事務等>>>医療営業マン
です。
病院に出入りなさっているMR(医薬情報担当者 医薬品メーカーの営業)の方の細かい気遣い、苦労をみていると頭が下がります。
もっとも、金融マン様は、ヘッドハントされたくらいですから向いていると判断されているのでしょう。

(2)税理士試験の勉強はしにくいと思われる
営業マンである以上、ノルマは必須で、高い給与には営業成績という数字の裏付けが必要です。
中途入社なら、新卒と違って早く結果を出さなくてはいけないというプレッシャーもきついでしょう。
また、医師という専門職にお話を聞いていただくためには、医療関係の知識を出来るだけ早く大量に覚える必要があります。
税理士試験の税法科目は、細かい知識を膨大に正確に覚えることを要求されます。
税理士試験の税法の理論暗記と医療営業の仕事を並行するのが容易とは思えません。

また、税理士試験を4月からの専念で2科目合格するのは意外と大変なはずです。
他の受験生の多くは、前年の9月から勉強しているのですから。

個人的には,皚△皀團鵑箸ません。

,任蓮働きながら税理士になるのに時間がかかりすぎて気持ちが持たないかもしれません。
金融マン様が当分結婚予定がなく、
税理士の「独立」が第一目標で、組織に所属し続けることが窮屈で、
今夏の税理士試験が向いていると感じたら、
今年の9月に就職せずに来年まで受験に専念し、
3科目合格以上を目指す。
来年の試験後に税理士事務所に就職するのが税理士になるには早いと思います。

△任蓮営業と受験勉強の両立が問題になります。
もし、金融マン様が既婚者(または 結婚予定が近い)なら、
夏まで税理士試験を受けて、税理士試験を簡単だと思わなければ、
税理士試験のことは当面忘れて、医療機器営業で本気で働いた方が良いかもしれません。

その他にも(簡単ではありませんが)地方銀行に復職したり、他の地方銀行に転職して働きながら税理士試験を受ける方法だって考えられます。

仕事にはそれぞれに良い点も、悪い点もあります。
税理士も、医療営業も、地方銀行もそれは同じです。

金融マン様が、何を求めて、何のために転職するか、
また、家庭の状況等でも 結論は変わります。

あまりお役にたたない意見ですみません。
地方銀行の退職が決まった以上、
夏までは全力で悔いが残らないように勉強して、
試験が終わったら、手ごたえと相談しつつ、
自分の人生の優先順位を考えてみてください。

=============
税理士は、仕事柄、金融機関の方とお話しすることも多いです。

以前は、支店長は私より年上で、銀行の役員さんより若いスタッフの方と話す方が気が楽でした。

担当者だった方の中には支店長になられた方もいます。
最近では、支店長が年下のことも多く、かえって気を遣っていただいています。
いつの間にか、支店長や役員の方とお話する方が楽しいと感じる自分に気が付かされます。

地銀の担当の方と、当社のスタッフが直接やり取りしていることの方が多くなりました。
月日が流れるのは早いですね。

スタッフの成長はうれしいですが、まだまだ負けられません。
=============





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2016年02月27日

開業医の妻と税理士事務所への転職

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

新たなご質問はここをクリック

ぶるー様からのお問合せです。
■年齢 25歳
■性別 女 
■資格 簿記3級、通関士試験
     消費税法・国税徴収法を今年受験予定
■職歴 アパレル販売員(アルバイト)5年
     昨年秋に転職し、現在は中小企業で経理・事務
■学歴 MARCH
■会計事務所経験 無し
■居住地 東京

初めまして。
税理士業界のことについて調べておりましたら、このページに辿り着きました。

私が税理士を受験してみようと思い立ったのは去年の暮れです。
簿記の知識もほとんどなかったため、予備校の1月開講で無理なく受験できそうな、消費税法と国税徴収法を選択しました。
夏にこの2つを受験し、9月から簿財の勉強をするつもりです。

私は独立思考もありませんし、大きい法人でバリバリ働きたいというわけでもありません。

しかし、将来開業医を継ぐことになる男性との結婚が決まり、何か役に立つことを勉強したいなと思った次第です。

また、身内に会社を経営している者がおり、(現在はそこの経理をお手伝いしています)そこにも役立つかなと思ったので勉強しています。

しかし、勉強して官報を目指すからには、やはり税理士登録をしたいと思うのですが、現状、実務経験がありません。

また、大学卒業後、アルバイトをしつつ親の経営する事業を手伝っていたりした関係で、正社員として企業に就職した経験もありません。

通関士資格も持っていますが、こちらも実務経験はないのでプラス材料にはならないかと思います。

Q.1
このような状況で、私が目指せる税理士事務所はどのようなところになるでしょうか。

Q.2
今のところ、来年の夏に簿財を受験してからの転職を考えておりますが
、(消国受験だけでは就職も不利だと思いますし、とりあえずは勉強に専念したいので)
この点に関してはどうお考えでしょうか。

長くなりましたが、アドバイスいただけたらと思います。
よろしくお願いいたします。

A.1
ぶるー様の場合、
開業医の妻という立場になります。
そのことを念頭に文章を書いてみます。

税理士は、色々な産業を見ます。私は現在も数百社の決算打ち合わせを担当していますし、それ以外の会社・事業所の数値をチェックしています。
また、国税庁のデータにも目を通すようにしています。

その中で、開業医はすべての産業中、もっとも安定して高額所得です。
40歳前後で開業して3年もすれば、所得2000万円以上の人ばかりになります。
落ち着くと青色事業専従者給与と合わせて5000万円近く稼ぐ人が増えて、節税のために医療法人成りします。
人(医者)を使えて、分院を作ったり、大きな病院にすると法人所得と合わせて1億円以上稼ぐ方もでてきます。

これだけ高額所得なら、医者を目指す人が増えます。
(個人的には、理数系の頭脳があまりにも多く医師を目指す風潮は社会的な損失だし、研究者・エンジニア・官僚等
社会の発展に貢献できる仕事もあるように思いますが)
そうすると難易度は上がり、
関東の国立の医学部は、東大よりも難関のところもあるし、
地方の国立大学でも東大に準ずるレベル、
以前はお金さえ出せれば幅広く入れた下位の私立医大でも今では早慶の下位学部よりは難しくなっています。
寄付金を積んでも補欠でさえもなかなか合格しません。
私立と国立ではかかる金額も違い、大学6年間だけでも下位私大なら4000万円かかるでしょう。
地方国立なら、私大より学費が安いので合格祝いに大学近くの駅前にマンションを買う医師家庭も多いです。

また、私立・国立のいわゆる名門中高一貫校出身者の占める比率が高く、
東京大学で医学部に進学する理科三類にいたっては
出身高校は灘、開成、筑波大学附属駒場、桜蔭の4校だけで全体の半分
2名以上の合格者を出しているのは、すべて私立・国立中高一貫校になります。
普通に高校受験で都立、県立の高校を受験していては、天才かよほど意志の強い秀才以外は、東大医学部には入れません。
(地方国立医学部は、地域枠の推薦・優遇がありそこまで大変ではありません)

こうなると確実に名門中高一貫校に入学するための早期教育が発達し、幼児期からの英才教育をしているママも多く、
(東大理靴忙或佑了劼鮃膤覆気擦榛監ママは、幼児期に絵本を1万冊! 読み聞かせをしたそうです)
都内なら、場合によっては私立小学校の受験も視野に入ってきます。

多くのドクターは小さいころから勉強をしてきていますし、医者はみんな勉強ができるのです。
開業医のご家庭なら、このことを当然の前提として
奥様は、お子さんを医学部に合格させることがもっとも求められます。

このため、開業医の奥様は専業主婦率が極めて高く、お金のために働くことはほぼありません。
ぶるー様の親や身内の会社経営者の方は、おそらく趣味が仕事で、働き者の方が多いことと思います。
違和感があるかもしれませんが、子供の教育・管理が開業医の妻の仕事だとも言えます。
もっとも開業医の奥様は、聡明な女性も多く、
子育てが落ち着いてくると、
クリニック、病院の経営をお手伝いする方が増えてきます。
そのときには、お金まわりに明るいことは役に立つでしょう。

目指せる税理士事務所」ですか。
心配しなくても、税理士業界は人不足です。
MARCH卒、接客経験があるおしゃれな科目合格者を欲しい事務所は多いと思います。
給与水準さえこだわらなければ就職は問題ないでしょう。
(税理士法人TOTALでも欲しいタイプかもしれません。)

むしろ、ぶるー様が「目指すべき税理士事務所」は
(1)医療関連に比較的強い
 (身内のことを考えると、医療専門ではない方が良いのでしょう)
(2)住所地か住む予定のところに近く
(3)受験に理解があるか時短も認めてくれる
税理士法人でしょう。

医療関連は、特殊性が強くブランド力も必要なため、特定の会計事務所にお客様が集中しています。
(所長が高学歴か、医療関連の人脈があるかなど)
実際にどれくらいの数の医療関連のお客様の顧問をしているかを確認する必要があります。

=============
税理士法人TOTALは、代表社員二人が開成高校出身で、医療系に強いです。
医療系の専門チームを持ち、
開業支援だけでも、昨年は20クリニックの開院をお手伝いしました。
医療法人成り、労務手続き、給与計算、各種届出など、会計税務にとどまらず、TOTALグループで、バックオフィスのサポートを行っています。

参考)
医者と進学校 (中学受験は大変です)
=============

A.2
医師のご家庭では、「医師」という「資格」を評価します。
このため、親族も医師が多く、それ以外では「弁護士」なども見られます。
資格者という意味では「税理士」もそれに準ずるのでしょう。

ぶるー様は、税理士という「資格」の取得を優先しようとお考えなのでしょうか。

国税徴収法と消費税法ですか
早めの合格という意味では間違っていませんが
残念ですが開業医に一番縁のない税法科目です。

国税徴収法は滞納処分の際に使う法律です。
「つぶクリ」という言葉は、なかなかクリニックはつぶれないから存在するわけです。
(税理士法人TOTALのお客さまでは、高齢以外には廃業した医師はおられません)

消費税法も、社会保険診療が消費税非課税のため、
自由診療や大規模病院でないとあまり出てきません。

ご結婚が近いなら、
子供は授かりものです。
いつ産まれるかはわかりません。
子育てが始まると子供の教育が生活の中心になるので、
ゆっくり会計事務所で働き続けることはないような気がします。
資格取得のために実務経験を積むなら、むしろ出産前の今しかないかもしれません。

むしろ、夏には就職活動をすることをお勧めします。
医療系に強い事務所なら、他のクリニックや病院の経営を見ることもできますし、
医師との接し方を裏側から学ぶこともできます。
医療系専門の会計事務所での勤務経験は、医師の親戚付き合いの中でも生きる気がします。

=============
税理士法人TOTALは、逆に医師のご家庭出身者が比較的多く在籍しています。
医師の世界の文化をよく御存じなので、
医療系のお客様を担当してもらうことが多くなっています。
=============

税理士資格は、税法1科目さえ今年合格すれば
簿記論・財務諸表論を自力で合格し
(勤務中で足りなければ、子育て中でかまいません)
大学院に進学して経営を学びつつ税法免除を受ける方が楽な気がします。

来年夏まで勉強を続けるのを私がお勧めするのは、
彼が若すぎて結婚予定が3年後とか、出産は30歳まで待とうと決めているというようなケースです。
 
子は宝 です。
出産は幸せなことですし、周囲にも歓迎されるでしょう。

税理士になり親戚の役に立ち、自分の仕事を確立する一方で、
未来の旦那様にふさわしい、また、「嫁」としても評価してもらえる
税理士という資格・職歴も欲しいとお思いかもしれませんね。

開業医が妻に求めるのは、一般的には
 ・激務の医師を癒してくれる笑顔や気遣い、美貌
 ・子供の教育
 ・医師同士の交流に際しての教養やファッションセンス
 ・食事をはじめとした家事能力(外注・外食も可)
 ・経営を補助するための管理能力
などでしょうか。

なお、意外なことですが、
クリニックや病院の中には、事務が得意な人はほとんどいません。
「事務長」も気遣いができる方が選ばれており、事務処理能力が優れている人はあまりおられません。
事務が安定してできる ぶるー様はそれだけで開業医の経営の役に立ちます。


最後になりますが、ご結婚が決まり、

おめでとうございます

お幸せに!




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2016年02月14日

大学院進学後中退者の税理士法人への就活

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

4月に向けて、採用活動を強化しています。
特に秋葉原、池袋、船橋駅前では人が足りません。
それ以外の本部も含めて、
いつでもご応募お待ちしています。


ご質問はここをクリック

たろう様からのお問合せです。
■年齢 23歳
■性別 男
■資格 簿記論・財表・消費税法
■職歴 なし
■学歴 国立文系卒(偏差値60程度)
■会計事務所経験 なし
■居住地 関西圏

始めまして。厳しい答えでも構いません。

大学在学中から税理士を目指し、簿財消の3科目に合格しました。大学卒業後は、税法免除を目的として、税法の教員のいる会計専門職大学院に進学しました。(現在1年次在学中です)

しかし、入学後、様々なハードルがあり、修士論文の作成による税法免除を諦めることとなりました。

理由としては以下の点があります。
・会計専門職大学院であるため、修士論文の作成が大学院の修了要件でないこと
・そのため、税法免除を大学院が想定しておらず、修士論文作成の適切な指導が受けられないこと
・過去にも多くの税理士志望の学生が論文作成を諦めていること

現在は、税法2科目(法人税法と国税徴収法)を勉強して、今年の試験での合格を目指しています。試験の辛さから安易に大学院免除に逃れた過去の自分や大学院選びを真剣に考えず、適当に決めてしまったことを大変後悔しています。

進学した以上は、大学院を修了しようと考えてきましたが、税法2科目の勉強と税理士試験に直結しない大学院の授業との両立に限界を感じています。そのため、中退して、8月まで受験専念してから、税理士法人に就職することを考えています。
(今年の試験で合格しなかった場合の怖さやプレッシャーもありますし、大学時代の友人が既に社会に出て働いていることにも焦りを感じています。)

Q.1
大学院の中退(新卒切符を捨てること)は就活に大きくマイナスでしょうか?

Q.2
23歳、簿財消合格済みの税理士業界の就活における価値はどの程度でしょうか?

よろしくお願いします。

A.1
一般企業への就職を考える場合は、おそらく大きなマイナスでしょう。
きちんとものごとをやり遂げられない、事前に調べて論理的な判断をすることができないという評価をされるかもしれません(総合職に求められる資質です)。
新卒切符を捨てることは、新卒一括採用を行っていて、プロパー優先で中途採用や敗者復活戦が少ない大企業にとっては大きなチャンスを失うことを意味します。

税理士業界では全く問題ありません。

新卒でそのまま大学院に進学する人を、
試験の辛さから安易に大学院免除に逃れ、
世の中をなめていると嫌う傾向がある業界です。

新卒から大学院に進んで免除を受けた人をプラス評価するのは、
激務で勉強をさせられないし、大企業相手でお客様との接点が少ないために挫折経験が要らない
BIG4(4大税理士法人)や監査法人系準大手税理士法人くらいでしょう。

大学院免除よりは、
税理士試験を真面目に勉強して合格を目指す人を高く評価する税理士法人・税理士事務所の方が多いと思います。

=============
税理士法人TOTALでも、新卒大学院進学直行組よりは、学部卒3科目の人を評価します。
新卒大学院進学での免除者は、他の会計事務所の経験をした方を採用することが多いのが実情です。
(1カ所目の会計事務所で比較的短期間で挫折してくる方も多いのですが、うちでは幸いにして頑張ってくれています)

順調に24歳で免除を受けて独立しても、20代半ばではお客様に選んでもらえません。
大学院免除を受けても、いずれ法人税・消費税・所得税・相続税の勉強をしないわけにはいきません。
それなら若いうちに少し苦しんだり挫折した方が、人を大きくし、中小企業の社長をお客様にする税理士業界には意味があると私は考えています。

もっとも、働きながら税理士試験が受からない年が何年も続いたら、大学院免除を受けることには反対しません。
税理士法人TOTALの場合、働きながら大学院に通学している人も多く、
どこの大学院が税法免除にどれくらい積極的か、どのくらい楽なのかといった情報は豊富です。
(さすがにインターネットには書きませんが)
30代のスタッフの中には、選抜の上、全額学費負担をしているケースもあります。

大学院進学は、あくまでも税理士資格を取るための手段だと割り切れればいいのですが、
面白い( ≒ 厳しい)授業とか、MBAで箔付けとか、もしかしたら公認会計士試験一部免除もとか
欲張ると、仕事との両立に苦しむことになります。

税理士法人TOTALは大学院進学者はいまのところ全員免除に成功していますが、
他の会計事務所の幹部の方の中には、
働きながら大学院免除を狙っていたのに論文が認められず免除を受けられなかった人もおられるとお聞きしているので注意は必要です(忙しすぎたせいかもしれませんが)。
=============

A.2
税理士業界は、ここ数年、受験生の恒常的な減少に伴う人不足に悩まされています。
23〜24歳で3科目持ち法人税法既習なら、スペック的には、BIG4を含むかなり多くの税理士法人で高評価です。

逆に、たろう様を評価しない税理士法人は、
(1)勉強を推奨しない税理士法人
 従業員10人に1人も税理士がいないところは疑った方が良いでしょう。

税理士の数は、日税連のHPで確認できます。
「税理士 検索」でページを出して
https://www.zeirishikensaku.jp/sch/zs_sch0.asp
「条件を指定して検索したい場合」の「税理士」を選択
https://www.zeirishikensaku.jp/sch/zs_sch3.asp
「事務所名」に就職希望会計事務所を入れればすべて出てきます。
(なお、ここでは登録していないいわゆる「税理士有資格者」は検索できません)

(2)家族経営の税理士法人
 税理士は代表者親子や夫婦だけ、法人とは名ばかりで資格を取ったら出ていってほしいと思っている場合はすぐに有資格者になる人は採用したくないでしょう。
従業員の人数の割に、男性税理士は代表者と同姓の人しかいなければこのパターンです。
(女性は結婚して別姓もありえます)

(3)会計事務所経験者を育てられない税理士法人
 ・社会保険に最初2〜3か月は加入させない
  育たないで辞められる or 育てないで辞めさせる 
 ・やたらと会計事務所経験者ばかり取っているところ。
  採用ページが経験者歓迎を押し過ぎている
  スタッフ紹介で「会計事務所勤務を経て入所」の人が多すぎる、 

今年の試験で合格するつもりで、一生懸命勉強することはもちろん大事です。
でも、実際にはそんなに楽ではありませんし、ここで合格できなくても数年後でもそれこそ再度(今度は免除が楽な)大学院に進学すれば税理士に成れることは確定的です。

焦りもわかりますが、税理士業界では年齢的にも税理士試験の進捗的にも、たろう様か最も若くて順調な部類に属します。

今夏の税理士試験の
出来が良ければ,BIG4のような、新卒教育をして鍛えてくれる税理士法人でも良いですし
出来が良くなければ、落ち着いて勉強出来る環境がある税理士法人に就職することもできるでしょう。
もちろん、この機会に、関西を飛び出して、関東で働く選択だってかまいません。

まずは、税理士試験の合格目指して頑張ってください。



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資産税専門国税職員の税理士事務所就職

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。


新たなご質問はここをクリック

きよのすけ様からのお問合せです。
■年齢 40〜50代??
■性別 男性
■資格 税理士有資格
■職歴 国税職員 20年以上

ご意見を賜りたく存じます。

現役の国税職員ですが、税理士資格を有しています。
20年以上税務に携わっていますが、資産税の経験しかございません。
しかしながら、資産税一般実務、資産評価、税務訴訟及び国際資産税等、すべての資産税業務を経験しており、各分野で研修等の講師も務めたことがございます。

Q.
スキルや経験に偏りがありますが、ニーズはございますか。
なお、得意分野は、税務訴訟及び国際資産税実務です。

A.
税理士は、75000人以上いますが、
私のように税理士試験で合格する人(45.7%)と並んで、
試験免除者・税務署等出身特別試験合格者(41.9%)が多く、
その他は、 、公認会計士や弁護士などとなっています。

税務署出身者は、特別試験合格者はもちろん、
試験免除者も多く、税理士試験合格者に次ぐ勢力になっています。
税務署に23年以上勤務して一定の研修を受けると、税理士資格が自動的に付与されます。

税務署職員は、以前は定年の2年くらい前に退官するのが普通で、
退職金代わりに一定の法人顧客を税務署・国税局の退職の際に斡旋されていました。
「お2階さん(2階建て)を受け入れた優良申告法人には、厳しい税務調査はない」
 とか
「税務署出身者は税務調査が来にくい」
などと、当時は言われていました。
元署長・副署長を顧問税理士にしておけば税務調査が甘いというのでは税務行政の公平性に問題があります。
国会審議で天下りの一種として大問題になり、現在では斡旋が行われることはなくなりました。
(最近では、法人会ですら税務署長等との接触が減っています)

=============
私の勤務時代には、「お2階さん」と呼ばれる元税務署長の税理士が、私たちが作った申告書に はんこ だけ押しに来ていました。
また、独立した後も、地元の農協(JA)の顧問税理士になった元税務署長から、相続について聞かれたりしました。

(税務署長にまで出世なさる方は、国税局の税務調査で法人畑で結果を残された人が多く資産税出身者は少ないし、管理職として総務・管理が長く、税務実務からは離れていたのでやむをえませんが実務は苦手な人も多いようです)

昔は、盆暮れに税務署にビール券を持ち込む社長も多く、署内での飲み会に連日使われていたとお聞きしました。

いまではちょっと考えにくいことが行われていた時代もあったようです。
=============

今でも国税局OBの神通力に期待する悪質な脱税者もいるでしょうが、残念ながら?都市伝説に過ぎません。
元国税局長!(現場出身の最高ポストです)が脱税で逮捕されたり、
一昨年はマルサOBで元大規模署税務署長もラブホテル脱税で起訴されています。
昨年も、ネットで「節税」を売りにして集客していた元国税OBの税理士が、出会い系サイトの大規模脱税で摘発されています。
毎年国税OBが複数名逮捕・起訴されている状況です。架空のコンサルタント料の計上や、資料作成を主導、現役職員に賄賂をおくるなど、ずさんで悪質と言われても仕方がない脱税を行っていたようですが…。
これらを見る限り、少なくとも、税務署出身者だからといって、税務調査での手加減はなさそうです。
税務行政は、役所の中でもコンプライアンスを重視してかなり公平に行われているといってよいと思います。今後もその傾向は強まっていくでしょう。

斡旋がなくなった最近では、独立しても集客が難しいため税務署出身者の税理士登録は急速に減っています。
(代わって、大学院免除者の税理士登録が増えています)
税務署に定年まで残る人が普通になり、さらに定年後も年金の支給年齢の引き上げに伴い、勤務日数を減らして税務署で働く いわゆる「再任用」の方も増えています。
再任用には、元 特別国税調査官(特官)の腕が立つ人もいて、税務調査の現場でも目が笑っていなくてなかなか手ごわいし、勉強にもなります。

顔が利かなくても、税務署出身者の税理士には、
税務調査の経験が多く、事実認定の加減や税務行政の流れを知っているという職人としての価値・強みがあります。

(最近では、「税務調査に強い」とインターネットで売り出している若手税理士もいますが、率直に言ってかなり実力不足な方も多いように思います。
参照) 「税理士は、税務に関する法律家」
実務経験がものをいう職人技の世界で、さすがに若手でネット営業している人にはきびしいものがあります)



経験や勘で仕事をなさる税務職員も多いので、
訴訟や審判に耐えられる知識・経験があり、きちんと条文が読めて論理的に物事を考えられるきよのすけ様のような税務職員は貴少でしょう(税務署出身でなくても、得意な税理士は少ないのが実情です)。
さらに、需要が増えている資産税・国際課税に強い税務署出身者は、税理士法人でも引く手あまたでしょう。

なお、税務署の人事は、法人担当は法人税調査ばかり、資産税の人間は資産税ばかりなど偏るのが一般的ですよね。今までは、税理士業務は法人税の申告がメインだったので資産税に偏っているのは不利でした。
昨年の相続税法の改正により、需要が急速に拡大し資産税部門が強化する税理士法人も増えています。
一部の税理士事務所に資産税業務は集中していくでしょうから、そういうところを狙えば良いだけです。

オフショア脱税に対する国際社会の取り締まりも強化され、OECDを中心に税務に関する金融口座情報が自動的に交換される仕組み(多国間合意)も整ってきています。国際税務専門官等の専門家の育成は道半ばで若手・中堅を中心に教育を進めており、それに対応できるOB税理士は多くはないのは きよのすけ様の方がお詳しいはずです。

国税局の電話相談、税務署の審理担当、国税不服審判所の審判官、裁判所調査官への出向、税務大学校の講師経験などは、大手税理士法人や資産税専門税理士事務所にとっては高い評価になります。

きよのすけ様のキャリアは、国税庁の中では必ずしもメインの出世コースではないかもしれませんが
時代にピッタリ合っていて、ニーズもあるでしょう。


具体的な税理士事務所選びですが、

税理士事務所も徐々に、個性が際立ってきています。

・資産税に強い税理士事務所
・国際税務に強い税理士事務所 BIG4等
・医療系に強い税理士事務所
・税務調査対応に強い事務所
・飲食店専門の税理士事務所
・美容室専門の税理士事務所
・ベンチャーサポート税理士法人のように「起業支援」に強い税理士法人
(ベンチャーサポート税理士法人の社員税理士の
古尾谷先生には大変お世話になっています。
やさしくて包容力のある方です。仕事では熱血指導とお聞きしていますが。
ベンチャーサポート税理士法人の求人サイトはこちら」 )

インターネット時代なので、検索すれば絞り込みが容易です。
ただ、あくまで広告なので、内容が本物かどうかは見極めが必要です。
安心してください。ベンチャーさんは本物ですよ (*^_^*)

会計事務所の規模別・種類別の特徴
もご覧ください。

また、人材ドラフトや、国税OBの紹介システム等に登録するのも有効でしょう。

=============
税理士法人TOTALでも、数年前に元国税局長に、
資産税の実務に精通して、条文・判例を読めて法解釈に強い国税OBの税理士を紹介していただきました。
資産税案件のチェック(土地の評価や資金移動等)や意見書作成をお願いしています。
業務品質の向上に大変役立っていますし、他のスタッフには良い刺激になって人材の育成にもつながっています。

国際税務は、BIG4等大手税理士法人出身の経験者、USCPA有資格者 及び 海外勤務経験がある語学堪能な者等で行っています。
税務調査時に、誠実で技術がしっかりしている再任用の方を見極めてリクルートしようとしていますが、
国際税務が今後もっと増えるようなら、国税OBの方をまた元国税局長に紹介していただく日が来るかもしれません。

TOTALグループは
起業から中堅企業への成長支援を軸に、
医療系と資産税の業務の標準化も進み、急速にお客様が増えています。
このあとは、国際業務も強化していきます。
TOTALという名に違わぬように欲張りに攻めます。
その方が色々なスタッフ、色々なお客様の成長を支援できて楽しいですから。

みんなちがって、みんないい
=============




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2016年02月11日

40歳未経験女性の税理士事務所就職

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

ご質問はここをクリック

はま娘 様からのお問合せです。
■年齢 40歳
■性別 女
■資格 簿記3級 現在2級取得中
■職歴 正社員にて営業事務/ 契約社員にて現場事務/現在は派遣にて総務事務(給与事務補佐含む)
■学歴 専門学校(事務系)
■会計事務所経験 無
■居住地 神奈川県

初めまして。
経理系の仕事にチャレンジしたく、簿記3級取得後、現在2級取得を目指しています。

現在は派遣にてちょっとした経理的な処理(支払いや請求発行)をやっています。

今後、経理や税理士・会計事務所で補佐的でも良いので、簿記資格が活かせる仕事をしていきたいと思っていますが、経理経験も無い、年齢的な面でも厳しい事は承知しています。(非正規からの正規雇用が望ましいですが、特にこだわってはいません)

Q.
2級取得後、何か勉強しておくと良い資格はありますか?
いろいろなサイトによると、1級より税理士の科目受験を奨める内容が多いのですが、専門卒で受験資格があるか?も曖昧です。(ちなみに日商簿記3級の授業は1年間、週1でありましたが…)
FPも気になっています。

A.
一般企業の経理についてはコメントする立場にありませんので税理士事務所について書かせていただきます。

1.資格の勉強
(1)税理士試験
残念ながら、はま娘さんは、
「法人又は事業を営む個人の会計に関する事務」(職歴)2年の職務経歴書がもらえないと税理士試験の受験資格がないかもしれません。

参照) 「税理士試験の受験資格

(2)FP
私自身、CFPを持っていますし、FPの勉強会(SG)に参加することもありますが、
生命保険の営業マンの信用補完のアクセサリーとしては意味がありますし、勉強もそれなりに面白いのですが、知識を広く浅くというスタイルなので会計事務所の内勤女性事務員に求められるものと違うので、税理士事務所の採用ではあまり評価されないでしょう。

(3)簿記1級
しいて言うと、はま娘様の場合は、この後勉強するなら 簿記1級でしょう。
(簿記1級は、大企業向きの工業簿記の原価計算の比率が高く、
商業簿記中心の税理士事務所には重すぎるのですが…)

他には法人税や消費税の実務講習のようなものもありますが、お金や時間をかけてもその分評価されるかは微妙です。

2.就職活動
私は、30代前半までにできるだけ勉強してほしいと思っていますが、
アラフォーになったら、勉強よりも、今までのキャリアを生かしていかに就職活動をするかの方が重要な気がします。

若いうちは、どこまで伸びるのか、ポテンシャルで人を評価しますが、
30代後半以降は、今まで何をやってきて、今後実際に何ができるかが問われます。

就職活動は、認識なさっているように楽ではありませんが、
確率を上げるためには、
(1)家の近くの会計事務所
安定した事務仕事なので、辞めない女性を求める会計事務所は多いです。
通勤30分以内の事務所なら辞めにくいので採用されやすくなります。

(2)年配の所長の会計事務所
若さを売りにしている事務所には採用されにくいですが、
年配の所長なら40歳の事務職経験者を求めているかもしれません。

(3)給与計算や事務代行もやっている総合事務所
会計事務所の中には、最近では給与計算に取り組む事務所も増えてきています。
また、事務代行として、経理だけでなく営業事務の一部や振込代行も行う事務所も増えています。
はま娘様の場合、経理は未経験ですが、給与や事務代行なら即戦力です。

最近はどこの事務所も人不足に悩んでいます。
経験者採用をあきらめて、新卒採用にチャレンジする事務所も増えています。
今後は、40代の女性事務員の採用を検討する事務所も増えてくるかもしれません。
あきらめずに就職活動を続けてみてください。

参照  「あきらめずに会計事務所に就職する方法

=============
TOTALグループは、「お客様訪問をする」スタッフは、未経験者の場合は受験スタッフ(受験生パートです)を除くと税理士試験2科目以上合格が基本になります。

バックオフィスも、経験者採用ができればいいのですが…、
大募集中ですが、どうしても不足します。
未経験でのバックオフィスの採用は、女性が多く、主として30代前半までの方を採用して総務・会計や給与入力から始まって、徐々に技術やコミュニケーションスキルを磨いてもらっています。バックオフィスは受験勉強よりも人柄とポテンシャルを重視しています。
新卒の方も、4月に去年に引き続き2名入社してくれます。若いスタッフと働くのを楽しみにしています。
=============



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2016年01月31日

税理士事務所の教育・管理と解雇

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

ご質問はここをクリック

ハジメ 様からのお問合せです。
■年齢 36歳
■性別 男
■資格 簿記2級(簿財を今年受験予定)
■職歴 接客業
■学歴 MARCH
■会計事務所経験 1ヶ月 正社員
■居住地 埼玉

こんにちは。
今年初めて税理士事務所で働くことになりました。
未経験で科目合格すらない自分を採用していたいて本当に感謝しているのですが、いろいろ不安もありご相談させていただきます。

現在の事務所は全員で7名の事務所です。所長は70歳前後の税理士で、とても穏やかな方です。実際に仕切っているのは40代前半の税理士ですが、ドライな感じです。

まず最初に雇用契約書や労働条件などの説明がないことに不安を覚えました。書面もありません。また入所してこの約1ヶ月は入力をしているのですが、ソフトの使い方や書類等の場所はもちろん、所内のルール等もほとんど説明はありません。わからないことは自分で調べ、過去のデータ等を参考に見よう見まねで入力してますが、どうしてもわからない時は恐る恐る質問する感じです。終わってもチェックすらない状態なので、正しくできているのかも不明です。

個人商店が多いこの業界ではよくあることだとは思いますが、一番の心配はミスなくできているのかもわからず、後々発覚して解雇されるのではないかということです。何も教えてもらえないままミスを重ね、わずか数ヶ月で解雇された話もよく聞きます。そこでご相談ですが、

Q.1
この業界では使い物にならないと思えばすぐ解雇といったことはよくありますか?

Q.2
仕事を早く覚える為に、申告や税の本などで勉強しようと思うのですが、何を優先的に覚えれば良いのかわかりません。使い物にならないと思われないように、特に最初は何を優先的にするのが良いと思われますか?

お忙しい中恐れ入りますが、よろしくお願いします。

A.1
入社当初ですぐ解雇する会計事務所は、少数ですがあります。
(どこも人不足ですから、「よく」はありません)

一つは、入社は広く受け入れて、試用期間(3か月くらい)中に判断しようという事務所です。
拡大中で人が不足しているので選別している余裕はないし、入社前はきちんと選別しようとしても限界があるから、まずはやる気がある人は入れてしまうというスタイルです。比較的、若い所長・代表者の税理士事務所、税理士法人に多くみられますが、かなり大手の税理士法人でもこの手法を使っているところもあります。
半分くらい試用期間で解雇している税理士法人もあるとお聞きしています。試用期間に社会保険加入しない場合はこのタイプの可能性も高いです。
その後のケアはもちろんされておられますので問題にはなっていません。こういう事務所では短期間での解雇は当然ですし、事務所の戦略でもあります。
(ちょっと違いますが、監査法人も入社は楽で、残るのはきついですよね)

もう一つは、若かったり、年輩でも感情の起伏が激しい所長の税理士事務所で、人の使い方・教育が下手で自律的に工夫できる人以外いらなかったり残れなかったり、勢いで辞めさせてしまうケースです。

年齢とともに人間関係・人の使い方を学ぶため、人を採用してきた50代以上の所長税理士の多くは、人柄が温厚な人格者になっていきます。ただ、そうはいっても70歳前後からは細かいことが出来ずに目も行き届かなくなり、技術的にも組織的にもきちんとした後継者がいないと事務所の存続が危ぶまれるようになります。

会計事務所が初めての方は、ご自身の条件がそろっているなら、組織化されて教育がしっかりしていて、勉強もできる良い税理士事務所を目指すべきですが、そんな事務所ばかりではありませんし倍率は高くなります。

次善の策は、従業員3人以上10人くらいまでで所長が50歳〜60代前半の穏やかな方の事務所になります。このタイプの事務所に入社した場合は、早めに科目をそろえて、3〜5年勤務の会計事務所経験者として(所長が65歳になる前に)他の中堅以上の税理士法人に転職することをおすすめします。

ハジメ 様の場合、所長は70歳前後で穏やかなので、よほど40代前半の税理士に嫌われない限り、すぐに解雇されることはないように思います。

=============
税理士法人TOTALは、採用は私と本部長が立ち会うことも多く、かなりていねいに行います。
どうやったらその方を採用できるかを考えて行うため面接が長くなってしまい、不採用の方にも期待させてしまうこともあり申し訳なく思っています。

入社後に上手くいかない方の場合、配置転換を行って適性を探ったり環境を変えてみる努力をしています。きちんとがんばってくれればある程度の時間の余裕は見ています。
このため、短期間での解雇はほぼありません。

逆に、前向きな努力を続けられない方にはきついかもしれませんし、短期間で自らおやめになる方は残念ながらおられます。
=============

A.2
従業員30人未満の事業所は、個人事業と言っていいでしょう。これは、税理士業界に限りません。
雇用契約書や労働条件などの説明がないのは普通です。就業規則だって、10人いないと労働基準監督署への提出義務もありません。実際には30人くらいまでは作ってもいないところがほとんどです。

業務の標準化も、10人までは、やる方が面倒です。
「前のを見てやっといて。どうしてもわからなかったら聞いてね。」
の方が全体としての効率がいいのです。

ソフトの使い方や書類等の場所といったことは説明されないのではなくて、チェックすらされないことも含めて、人によってバラバラでそもそも所内の統一のルールがないのかもしれません。
大手税理士法人でも、明るさ、熱意を前面に打ち出すような営業力が優先のところは業務の標準化はされていないところも多いです。営業は画一性よりも、機敏さや融通が求められるからでもあります。

未経験者にルールを教えず、教育せず、管理もしていないとしたら、その責任はハジメさんにはなく、事務所の体制の問題です。後からミスが発覚してもそれで解雇するのは明らかに不当ですし、そんな状態なら解雇される可能性は高くないような気もします。

会計業界は、入社当初1〜2年が一番大変です。業務に関する膨大な知識・情報が必要とされるのに、何も知らない状態で処理を任されたり外回りをしたりします。お客様はプロとしての結果を要求します。
自分で調べ、見よう見まねで処理し、チェックすらされない経験は、独立したり自分が責任をもって仕事をするときの役に立ちます。

今、一番理解してほしい、やってほしいのはコミュニケーションの質の向上です。
税理士業界の接客は、表面的・形式的なものよりはトップセールスマンである中小企業の社長に合った、速くて計算されたコミュニケーションを要求されます。事務所内でもこのコミュニケーションが使われています。言葉はていねいでも、素早くて簡略化されたコミュニケーションです。
これさえできれば、番頭(お局?)税理士に気に入られて、教えてもらったり聞きやすくなったります。
前職の接客業にもよりますが、それを学ばないと、いつか番頭税理士に嫌われるかもしれません。
上司に聞くには、聞くタイミングや手法、話し方も重要になります。無駄に上司にだらだらと時間を浪費させると最悪です。

体系的に勉強しようとしたら知識はあまりにも膨大です。税務だけでも3年や5年はかかります。
社内のマニュアルがないとしたら、税務署が出している法人税や消費税の申告書作成のための手引き書あたりを読むのが良いでしょう。初心者・経理担当者向けのうすめの本をさっと読んでも構いません。
あとは、実際に出てきた問題を一つずつていねいに専門書等で調べてこなして行くだけです。

それ以外では、ぜひ税理士試験の勉強をすべきです。税理士試験の勉強は、簿記論、財務諸表論、法人税法、消費税法、所得税法、相続税法は、受験生が思うよりはるかに実務に直結しています。

ハジメさんの事務所の場合、残念ですが、数年後に状況がうまくいかなくなっている可能性がありそうなので、転職する機会があるかもしれません。その際の評価は合格科目数と会計事務所経験年数になります。
仕事と税理士試験の受験の両立は大変ですが頑張ってください。

=============
税理士法人TOTALは、業務の標準化を徹底して進めています。
入社時の研修資料は多いですし、毎週研修を行っています。
法人税の申告書を作るだけでも20ページ800項目のチェックリストを3人がチェックしています。
入社後しばらくは大変ですが、慣れれば楽になります。

管理・教育体制もかなり見えてきました。
管理に適した人材、教育ができる人材も多く恵まれています。
あと1〜2年で、きちんと整えるのが現在の私の課題です。
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2016年01月30日

IT業界(SE)から税理士業界への転身

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

ご質問はここをクリック

ろく 様からのお問合せです。
■年齢 28歳
■性別 男
■資格 簿記2級(昨年取得)
■職歴 ネットワークエンジニア 5年 勤務中
■学歴 MARCH(法律学科のため税理士の受験資格有・1浪入学)
■会計事務所経験 なし
■居住地 茨城 転職先付近に引っ越す予定

初めまして。コメント失礼いたします。
いつも興味深く拝読させていただいております。
私の悩みも相談させていただければと思います。

現在いわゆるSEで働いている私ですが、税理士に興味があり会計業界への転職を希望しています。
資格は簿記二級しかない現状ですが、現在の仕事は精神的にキツく早めに転職したいと考えております。
また受験に専念出来るだけの費用的な余裕もありません。

Q.
この先私が考えているのは、
(1)転職活動をすぐ開始し、アルバイト・パートでも良いので会計業界に入る。
(2)6月の簿記1級を目指し、合格発表後の8月に転職活動をする。
(3)簿・財を取得するまで勤務しながら学習し、その後転職活動をする。
を選択肢として考えております。
この3つではどれが良い選択でしょうか。
心情的には(1)を希望していますが、やはり難しいのでしょうか。

A.
コンピューターが普及する一方で、成果主義的な評価がされる社会では、労働者は精神を病む方が全体的に増えてきています。

その中でも、IT業界(SE、プログラマー)は、
・厳しい納期
・不規則な仕事
・長時間労働
・外出が少なく運動不足になりやすい
・お客様との接触が少なく直接感謝されにくい
・35歳定年説がいわれるように技術についていかなくてはいけないというプレッシャーが強い
・真面目で責任感が強くやや内向的な方が多い
これらによりうつ病や統合失調症など精神疾患になる男性が多い仕事とされています。

一方で、IT業界は女性にとっては、男女差別はないけれどその分男性同様に不規則で長時間の仕事のため、結婚や出産との両立が難しくなっています。

このため、IT業界から、長く安定して働ける税理士業界への転身は男女とも非常に多く、
税理士法人TOTALでもSE・プログラマーといった元IT業界出身者の方がたくさん(1割程度)在籍しています。

IT業界だと、作業を若いうちに体で覚えることが重要ですし、人不足もあり、若いうちの給与は比較的高めです。もっとも30代後半以降は、より上流工程をこなしたりマネジメント能力がないと給料が上がりにくくなります。

税理士業界は、複合的な知識、コミュニケーション能力、継続した人間関係が重要なため、どうしても経験年数が必要になり入社当初は給料は低めです。
逆に言うと、年々給料は上がっていき、国内産業で、国家の基盤となる税金に関する法律を扱うため他の業界に比べると大きな変化も少なく安定した仕事だともいえます。

一方で、税理士試験は
 若さ=暗記力+字を書くスピード 
がより必要とされます。
科目合格制ゆえに、逆に1つ1つの科目のレベルは高く、仕事と受験の両立は楽ではありません。
専門性、営業力(信用)で劣る無資格者の給与は、途中から上げにくくなり、年齢とともに作業処理能力は衰えるので、男性にとっては40代前半までに資格を取らないと給与が上がらなくなる可能性が高い仕事でもあります。

女性にとっては、家の近くでどこにでもあるため夫の転勤に対応しやすく、通勤時間を短くでき、家庭(家事や育児)との両立がしやすい数少ない事務系の仕事です。

若さは永遠ではありません。今、ろく様が思っているよりも、残念ながら税理士試験は正社員として働きながら合格するのは大変です。
頭の良し悪しはほとんど関係ありません。どれだけ詰めて覚えて、どれだけ速く字が書けるかが重要です。
受験に専念して本気で勉強すれば、若ければ比較的簡単に受かる試験です。

平成27年度税理士試験の科目合格率
 25歳以下 32.4% に対して 41歳以上は10.4%
実に3倍(トリプルスコア)以上、
見事なまでに年齢と相関関係があることがわかります。

税理士業界を目指す男性には、私は繰り返しになりますが、声を大にして言いたい。

<税理士を目指すなら、出来れば2科目合格以上してから正社員になるべきです>

30歳前後までに2科目合格で、その後もあきらめずに勉強を続けられるなら、平均して30代半ば、(大学院進学も含めれば)おそくとも40歳頃には税理士になれるはずです。

本当は、人生をかけて親に頼み込んででも
1年程度受験に専念するのが最善だと思っていますが、
ご家庭の事情もそれぞれおありでしょう。

親の協力が得られない場合、ろく様のご質問の回答ですが、
(2)はありません。
簿記1級は工業簿記中心・大企業経理のためのもので、税理士業界にとっては(努力は認めますが)簿記2級と大差がなく重要ではありません。

(3)は、仕事が時間的につらくないなら最有力なのですが、
精神的にきつい長時間労働なら難しいかもしれません。
頭が切り替わるか、時間の融通ができるかを考えてみてください。

(3)が難しい場合、消去法として(1)になります。
上記の理由から、税理士試験の受験をこれから始めるろく様の場合、正社員はやめてパート・アルバイトを選んでいただきたいですが、
給与が安いので、できれば実家から通える、通勤時間が短い(30分程度まで)会計事務所が望ましいと思います。

税理士は、社会的にも評価され、お客様にも感謝される安定した良い仕事だと思います。
ただ、税理士になるには、正社員になるまでに何科目合格しておくかと、あきらめない心が重要になります。

=============
税理士法人TOTALは、年々、税理士・有資格者が増え、30名を超えました。
先日、税理士の勉強会で
「どうして先生のところは税理士が採用できるのですか?」
とご質問いただきました。
経験を積んだ「税理士」の採用は多くありません。
在籍中のスタッフに勉強してもらって税理士試験に合格してもらったり
未経験の税理士有資格者に実務経験を積んでもらって
地味ですが徐々に税理士が増えてきているのが実情です。

年の初めから1か月、すでにお二人の方に税理士登録のための在職証明書を書きました。
税理士法人TOTALに残ってくれる方、独立して自分の力でやってみる方
どちらも頑張ってくれています。
今後も、より多くの税理士を生み出していきたいと思っています。
=============



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2016年01月09日

事業承継と税理士試験の勉強

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

年末年始にできなかった大掃除を今日になってしました。
ちょっとした運動になって気持ちいい汗をかきました。
ご飯がおいしくてますます太って…(冷や汗ですかね)

今年もよろしくお願いします。

ご質問はここをクリック

たいこ 様からのお問合せです。
■年齢 40才
■性別 男
■資格 日商簿記2級
■職歴 業種:JAグループ
     職種:監査業務、会計税務支援
■学歴 地方国立大学卒
■会計事務所経験 なし
■居住地 中核市

お世話になります。たいこと申します。ちょっとイレギュラーな質問ですが、回答いただけたらと思います。

 実家は小規模な会社(法人で従業員数10人未満)を経営(運輸、不動産を中心とした多角的経営)をしており、将来(親のリタイア後5年先くらい)は跡を継ごうと考えています。業況は厳しいものの、経営は安定しています。
 私は、零細企業の経営者は、相当の税務知識を有していたほうが望ましいと考えています。現在、仕事で会計税務に関わっていることもあり、9月から専門学校の映像講座で消費税法を学習したところ、試験勉強がそのまま実務に直結していると実感しているところです。今後、1年に1税法(法人税、所得税、相続税)税理士試験を活用してスキルアップしていこうと考えています。
 ただし、知り合いの会計事務所に相談したしたところ、「やめといた方がいい。優秀な経営者に相当の税務知識がある者はいない。税務はすべて会計事務所に任せておくべきだ」と一蹴されてしまいました。

Q.
やはり経営者に、相当の税務知識(税理士試験B判定以上?)は必要ないものでしょうか。
5年もの時間があれば、別分野のスキルアップをした方がよいのでしょうか。意見をいただけたらと存じます。

A.
ご質問はこのサイトの趣旨である「税理士事務所の就職」には直接には関係ないのですが、
税理士は、単なる税金の計算屋ではなく、お客様の経営に関する相談相手であることが強く求められているので、税理士と「経営」という点を含めて書いてみます。

たいこ様は、JAグループで、監査業務・会計税務支援とのことですから、おそらく臨税ではなく、農業協同組合監査士(農協監査士)又はその補助者として単位農協を監査しておられるのですよね。

(1)農協監査
従来、全国農業協同組合中央会(全中)は、単位農協(単位JA)に対して独占的に監査権を有していました。
萬歳章会長の全中が、TPPに全面的に反対し、単位農協を通じて国会議員を攻めるに至り、安倍政権は、全中を「抵抗勢力」と判断しました。
全面戦争の結果は全中の完敗で、全中の単位農協への力の源泉とみられた監査権は農協改革で昨年廃止が決定され、JA全国監査機構を分離し、将来は公認会計士法に従い新たな監査法人を作り独立することになりました
(もっとも、他に代替する監査法人がどれだけ出てくるかは疑問ではありますが)。
萬歳会長は辞任し、TPPは国内では大きな反対はなくなり、昨年秋に参加国で大筋合意に達しました。

(2)臨税
本来、税理士にしか認められていない確定申告等の税務書類作成・税務相談の対応を、JA職員は例外的に2か月間「無報酬」で行うことが認められています(税理士法50条)。これを「臨時税理士(臨税)」制度といいます。かなり批判がある制度ですが、農家の確定申告を滞りなく行えるよう、今も認められています。

=============
私の父は、市川市農協(単位JA)の理事を長く勤め、農協のナンバー2にまでさせていただきましたが、吸収合併された「中核市」の船橋市の農協出身でありトップの組合長にはなれず、定年で昨年春退職しました。
そう言えば、在任中は財務諸表の見方を勉強していましたね。
両親は、今も毎日畑に出ており、現役バリバリの農家です。
=============

経営者にとって、会計データが見れることは重要ですが、たいこ様は農協監査を行っているとしたら、会計数値・税務に関する「相当の」知識や経験はすでに十分お持ちなのではないかと思います。
税務の勉強をすることは悪いことではありませんが、
腕が立つ税理士をきちんと選んで(これは結構難しいですが)、他のことに頭脳を使った方が個人的には事業承継に有用だと思います。

私たちプロの税理士でも、毎年の税制改正を確実に押さえて高いレベルで仕事をするのは簡単ではありません。税理士でも個人事務所で一人でやっている方は、独立して10年もすると(コミュニケーションのレベルは上がっても)、税務知識のアップデートはつらくなってきます。
口だけ、営業力だけで仕事をしていたら専門家としては終わりです。
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税理士法人TOTALでは、有資格者には税制改正大綱を読むように勧めています。また、税制改正他の社内研修も行っています。講師は私か、専門学校の講師出身者が多いですね。
=============

逆に、経営者の税法の勉強は、自社に関係する税制やその改正を軽く押さえて顧問税理士に確認するくらいで良いと思います(餅は餅屋です)。

税理士試験の法人税法、所得税法、相続税法のB以上は、税理士事務所の職員が一年苦労してやっととっているのが実情です。
そんなに簡単ではありませんし、40代のたいこ様が簡単に1年に1税法こなしたら、将来のキャリアのために頑張っている他の税理士試験受験生がかわいそうかな。

実家の運輸・不動産業務の業務に関しては瞬時に判断できるよう知識は正確かつ大量に必要です。
営業スタイルも、信用がある大企業と、自分で信用を作らないといけない中小企業では異なります。親から引き継げるものとそうでないものがあります。人脈でいくのか仕組みで行くのか、組み合わせたり新たに作ったり。

また、大きな組織と、中小企業では、部下との関係も異なります。会社の従業員さんとの人間関係は一朝一夕にできるものではありません。早めに付き合い始める必要があります。
中小企業では組織に対する求心力が働いていませんし、大企業ほど人のレベルが安定していません。それに合わせた採用・教育・管理が必要になります。これだって知識や技術が要ります。

農協「監査」と「経営」で最も違うのは、
農協「監査」は、基準・ルールが決まっていて、それに合っているかどうかを確かめるのが仕事になります。「答え」があらかじめ決まっているのです。
これに対して、「経営」は、答えが決まっていません。答えは一つなのか、複数あるか、もっといい答えがあるか、そもそも一つもないのか…、

情報を集め、仮説を立て、価値判断し、実行し、検証する

これを繰り返し、繰り返し行うことになります。
この価値判断をした経験の蓄積が経営者の力になります。
大きな組織の監査では、この辺の感覚はあまり磨かれません。
=============
税理士法人TOTALには、監査経験が豊富な本部長(公認会計士)がいますが、外から監査するのと中で経営するのは大違いで、経験や知識が不足してストレスも多く苦労しつつ頑張ってくれています。
=============

父に経営判断の方法を教えてもらい、場合によってはその一部でもやらせてもらう。
今すぐこれを始めていいのではないでしょうか。
それはもうやっているというなら、
事業承継を早めて、新たに新規事業を起こして実際に経営を始めてもいいように思います。

40才という年齢は、決して事業承継を始めるのに早い年齢ではありません。
それでも、5年の時間があれば、きちんと事業を承継をするのに十分な時間かもしれません。

=============
日本の社会全体に高齢化は進み、中小企業も事業承継は重要になってきています。
税理士法人TOTALでも、事業承継関連のサービスは需要が増えています。
お子さん(後継者)が30才前後になるとスタートし、40代前半にはだいたい完了します。

そう言えば、会計業界でも所長の高齢化・事業承継も進み、税理士法人TOTALでも、4つの会計事務所が合流してくれています。これも知識や経験が必要で私もやっとわかってきたところです。
機会があれば引き続きチャレンジします。譲渡希望の所長税理士さんがおられましたらご連絡ください。ていねいに対応させていただきます。

また、税理士法人TOTALの各本部長(店長)には、経営者として価値判断を行ってもらっています。
大変ですが頑張ってくれているので最近はだいぶ助かっています。
本部長税理士はこの経験を活かして、たくさんの社長の良き相談相手になってくれています。
今頑張ってくれている本部長、そしてこれからなる本部長の中から、私自身の後継者も育成しないといけないのでしょう。
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2015年12月30日

転職エージェントと会計事務所・経理への転職

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

ご質問はここをクリック

しゃま 様からのお問合せです。
■年齢 38才
■性別 女
■資格 日商簿記2級
■職歴 業種:消費者金融、
     職種:経理事務
     期間:9年(就業期間は13年、在職中です)
     転職歴:2回(サービス業)
■学歴 高卒
■会計事務所経験 なし
■居住地 都市圏

現在、転職を考えています。エージェントを利用したところ、担当の方にスキル不足と言われ経理職、会計事務所への転職は厳しいと伝えられました。

Q.
不足しているスキルは税務業務です。税務申告は税理士にすべてを任せております。
転職はせず短大へ行き税理士受験資格を取得を考えていますが、他にスキル不足を補える方法はあるでしょうか。

A.
率直に言って、相談する相手(転職エージェント)を間違っているような気がします。

転職エージェントは、人材を企業に紹介する仕事です。
紹介料は、働く人の年収の30%くらいが普通です。
年収500万円の人を紹介して150万円になります。

高いですね。

とってもうちでは払えません。

これだけの金額を、紹介会社に払う企業はお金がある大企業が中心になります。
一部の大手税理士法人と慢性的な人不足で即戦力を求める会計事務所以外、会計事務所業界ではほとんど人材紹介サービス・エージェントを使っていません。

「会計事務」は、女性に人気がある職種で有効求人倍率は0.5倍前後で不足感はありません。
最近、会計事務所業界で問題になっているのは応募者のではなく、です。
このため、税理士・有資格者や科目持ちの会計事務所経験者ならともかく、未経験の職員採用に転職エージェントを使う会計事務所はまれです。

経理職・税理士・会計士をターゲットとした、会計業界用の転職エージェントは、
会計事務所ではなく、「大企業の経理」に送り込むのが主な仕事です。

大企業では、基幹人材となる正社員は社内で育てるのが基本です。
大企業でもITの活用で一般事務職は「正社員」から「派遣社員」に置き換わって激減しています。
参照) 「派遣社員と教育(会計事務所編)」 

転職エージェントにお金を払ってでも求める人材は、連結決算・連結納税をコントロールするための経験がある即戦力が中心でしょう。
会計士や税理士、連結決算を組む実務経験がある方…。
エージェントの担当の方にスキル不足と言われたのはそういう意味だと思います。
(顧問税理士がいる中小企業の経理で税務スキルで採否が決まるとは考えにくいです)
減点主義の大企業では、高卒である点や、消費者金融という経歴も残念ながらマイナス評価されます。

しゃま 様の場合は、会計事務所や中小・中堅企業の経理への転職の方が現実的でしょう。

なお、しゃま様はすでに税理士受験資格をお持ちなので、短大へ行く必要はありません。
ちょっとわかりにくいですが、税理士試験の受験資格は、
 (1)学歴(大卒、短大卒) 
 (2)資格(簿記1級、全経上級)
 (3)職歴
です。
職歴は、銀行に限らず、一般の事業会社の経理経験2年以上で大丈夫です。
受験資格はかなり広く認められています。
税理士試験の受験資格について

職務経歴書」をもらってください。

もっとも、しゃま様の場合は、税理士試験の受験を個人的にはあまりお勧めしません。
今から上場関連企業に経理として入るには、最難関の「法人税法」に合格して一定の実務経験が必要でしょう。合格まででも数年かかってしまいます。

税理士試験はスピードと暗記力が重要な試験で、若ければ簡単ですが、アラフォーで始めるにはつらい試験です。

会計事務所に入るだけなら
男性は、2科目以上合格しているかどうかは重要なポイントですが、
女性の場合は、税理士試験の会計科目の合格と経理実務経験はほぼ同等に評価されます。
(男女差別と批判されそうですが、たくさんの会計事務所経営者との交流から感じる実情です)

経理事務9年という実務経験を生かして、早めに転職活動を開始することをお勧めします。

エージェントに頼るのではなく、自分でさがし、応募する方が良いでしょう。
ハローワークにいったり、ホームページを調べたり、たくさんの媒体を使って頑張ってみてください。
新卒のときと同様の熱意で30社でも50社でも履歴書を出してみれば、どこか決まると思います。
それでも決まらなければ、
あきらめずに会計事務所に就職する方法

スキル不足を補えるのは、実務経験が一番です。
転職活動頑張ってくださいね。

それ以外で強いて言うなら
会計事務所なら、税理士試験(「法人税法」、「消費税法」、「相続税法」)の勉強(合格しなくてもいい)、
経理職なら、簿記1級でしょう。

=============
最近では、働く人も新卒と違って、忙しいからか、転職活動で楽をして面倒を避け、
どこかいい条件の所が向こうから来てくれないかなあ といった「受け身」の傾向が見られます。

自分に合った会社、近くだったり、会社の考え方に共鳴出来たり、キャリアがきちんと生きたり、今後のキャリアプランに合っていたりといったことを考えて積極的に行動し、伝えられる人が減っています。
採用する側としては、自社のことをよく考えてきてくれた人の方が安心ですし、採用しやすいです。
=============







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また、このサイトもありがたいことに皆様のご質問をいただき、事例が増えてきました。
ご質問の前に、同様な質問が無いかご確認いただけると幸いです。
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■ 立川本部(立川駅)
TEL 042-508-9008
■ 西東京本部(田無駅)
TEL 042-464-8390
■ 船橋駅前本部(船橋駅)
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