2018年04月21日

40代半ばでの会計事務所への転職

税理士事務所 求人・採用・就職情報
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

「40代半ばでの会計事務所への転職」

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ゆう様からのお問合せです。

■年齢 44歳
■性別 男性
■資格 簿記論、財務諸表論 消費税法 合格
   法人税法 学習中(初学)
■職歴 接客業(20年目)
■学歴 産近甲龍
■会計事務所経験 なし
■居住地 関西

今年の本試験終了後に会計事務所への転職を考えております。
ただ、受験仲間などからは私の現在の年齢で業界未経験で転職するのは厳しい・・・というか無理ではないか?というように言われました。
ひょっとして、今、勉強していても、結局、将来会計業界で働くことはできないのではないかと不安を感じ、今は勉強もなかなか手につかない状態です。
そこで質問なのですが・・・

Q.
今は8月の本試験後に転職をと思っているのですが、やはりもう年齢的に会計業界で働くことは厳しい、もしくは諦めないといけないのでしょうか?

長々と書かせてもらい単純な質問で申し訳ありませんが、アドバイスいただけますと幸いです、よろしくお願いします。

A.
今なら、会計業界に働くこと自体は諦めなくてもいいかもしれません。

日本の転職市場では、以前は30代前半までの転職を高く評価する傾向(35歳限界説)がありました。これは若さ、可塑性があり、新しい環境、ルールになじめるのがその年代くらいまでだと思われているためです。

最近は、極端な人不足になり有効求人倍率も記録的な高さで、転職市場は40代まで広がっています。
ただ、40代の転職は、それまでやってきたことを見られることになります。
同業内の転職なら技術力、専門知識をベースに評価することになりますが、ゆう様のような異業種からの転職なら、コミュニケーション、営業、マネジメント等、ビジネスマンとして能力をチェックすることになります。
接客業を20年経験なさっているとのことなので、おそらくコミュニケーション能力は問題ないと思いますが、接客業も幅広いので中小企業の社長や資産家、医師といった税理士のお客様に合ったコミュニケーションスキルがあるかは確認されるでしょう(例えば、居酒屋バイトを20年やったというのは、単に大声を出せるという評価なので、必ずしもプラスにはなりません)。
営業力やマネジメント能力は、一般企業の転職に求められるレベルよりはだいぶ低くて問題ありません。会計事務所業界に入ってくる男性は、そもそも営業適性や組織適性に欠けていて資格を取れば生きていけるだろうという考えの方が多いですから(私もそうでした)。

ゆう様の場合、税理士試験に3科目合格していますので一定以上の専門知識があり、働きながら大学院免除も受けられます。最近の税理士試験受験生の減少、若者の会計業界への流入の減少を考えるとゆう様を採用する会計事務所はあると思います。

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一般論で言うなら、会計事務所業界に入るなら男性なら30代半ばまで、女性でも30代後半までが良いと今でも私は思っています。
税理士は様々な経験や膨大な知識量が必要で、一流になるまでの期間がIT等の新しい産業よりも長くなる仕事だからです。

もっとも、だからこそ税理士になれば、50代はおろか、60代でも成長し続けることが可能です。
70代でも80代でも仕事を続けられます(税理士の平均年齢は60代です)。
そんな面白い仕事はもうそんなにありません。

短期で結果を求めて苦労を嫌がる若者が増えているので、税理士の人気は落ちてきています。
確かに若いうちに努力は必要ですが、それゆえに参入障壁が大きく、社会で長く必要とされるので、生涯を通じて考えると生涯年収はかなり高く、超高齢化が進む社会ではかなり恵まれた良い仕事です。

私にとって、税理士は天職(てんしょく)なのかもしれません。
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採用されることが目標ではなく、転職を成功させることが重要になります。そのためには

(1)本当に会計事務所への転職が必要かどうか考える
家族構成によっては、年収等の面で40代を下積みや受験(又は大学院進学)に充てるのはきついでしょう。
今の職場の人間関係が嫌でとか、飽きが来たので転職しようとしているのだったとしたら転職は辞めておいた方がいいかもしれません。
40代までのキャリアを捨てるのではなく、社内で残って生かすのか、同業への転職で生かす方法はないのかは先に今一度考えるべきでしょう。

逆に、今の業界の、ないし今の会社の将来性がないというなら、最後までそこに居続けるよりも変化を求めた方が安全かもしれません。

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なお、税理士事務所が消滅するという方がいますが、私はあまり悲観していません。単純な会計入力のほとんどは、IT・AIの普及により縮減していくでしょう。むしろそれは人不足を補う効果があります。税理士は、より人間らしいコミュニケーションや専門知識で生きていくだけです。
会計は経営の基幹の一部ですし、税金は国家財政の中心をなします。
これらに関わる仕事の重要性が減ることはないでしょう。

税理士法人TOTALも最近、40代前半の会計事務所経験者の男性を採用しました。勤務していた会社及び業界の将来を悲観してのことです。その会社の業績は彼の退職後も落ち続けており、会社は年内に存続の危機を迎えそうです。彼は社会人経験の長さや前職で鍛えられた組織適性で、転職の苦労を乗り越えようとしています。

転職後に結婚することも決まりました。おめでとうございます!
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(2)自分に合った会計事務所をさがす
若ければ、失敗から体で学んだり、再度転職すれば良いですが、ゆう様はもう失敗は許されないという覚悟が必要です。

持っている能力が正確にわかりませんが、例えば、事務・コンピューター処理が苦手だけれど人に好かれるコミュニケーション能力は高いというなら、一人で完結する担当制のスタイルの事務所よりも、フロントとバックを分ける分業制の会計事務所を選ぶといいかもしれません。

どうしても、通勤時間や給料で選びがちですが(もちろんそれも重要です)
40代の転職なら、自分のキャリア・能力や今後の生き方、ライフプランに合った事務所をきちんと選びましょう。






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コメント一覧

1. Posted by ゆう   2018年04月24日 16:42
大変ご丁寧な回答をありがとうございます。
まずは今年の本試験まで頑張り、その後、8月から転職活動を進めていきたいと思います。
40代を下積みになる可能性は十分覚悟しております。それでもやはり税理士になりたいと強い気持ちを持っているので、なんとか頑張っていこうと思っています。

本当に貴重なアドバイスをありがとうございました。

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