2017年10月21日
税理士試験の挫折 と 税理士の年収
税理士事務所 求人・採用・就職情報
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。
会計事務所博覧会2017 が開かれ
「女性戦力をどう活かすか!」
に当社のパートナー(一般企業の役員にあたります)
松浦薫 税理士がパネラーとして登場しました。
女性が社会で活躍するためには、
(1)単なるお題目ではなく、
「女性に輝いて働いてもらおう!」
という経営者の強い同意
(2)制度を整えるだけでなく、
それが当たり前だという文化
(3)身近な女性管理職というロールモデル
(4)女性自身の意識改革
が重要でしょう。
お越しいただいた皆さん、ありがとうございました。
松浦税理士、おつかれさまでした。かっこよかったですよ。
新たなご質問はここをクリック
めぐみ様からのお問合せです。
質問文が長文のため、若干、編集の上省略させていただき、複数回に分けて回答させていただきました。
前回は
「簿記1級と税理士試験の難易度」
今回が最終回です。
「税理士試験の挫折 と 税理士の年収」
■年齢 28才
■性別 女
■資格 無
■職歴 無
■学歴 高卒
■会計事務所経験 無
■居住地 東京
■その他 長期の病気(現在完全に治っている)、
Q.1
税理士試験受験生歓迎と書いてあっても表向きだけのこともあるとこのサイトに書かれていましたが、未習2科目を残して就職すると勉強はできす、到底合格不可能でしょうか。
小規模事務所だと環境が悪く、勉強する時間が取れないと思いますがいかがでしょうか。
Q.2
5科目合格しないまま終わる人も多いと聞くのですが、2・3・4科目合格で終わる人は、それぞれどういう所(企業の経理含む)に就職するのか、給料はいくらなのか、将来リストラされるのでしょうか。
Q.3
6割の税理士が700万未満だと聞くのですが、一生300万未満や400万の人もいるのでしょうか。
給料が低い人とはどういう経歴でどういう事務所に勤め、どれ位仕事ができる人でしょうか。
A.1
求人ページに書いてあることは採用のための広告にすぎませんから、
『受験生歓迎』と書いてあっても、そもそも受験生が一人もいないという事務所もあります。
ただ、すべての税理士事務所が勉強できないわけではありません。
未習2科目を残して就職して官報合格することは事務所によってはもちろん可能です。
また、大手税理士法人が受験のための環境がよく、小規模事務所が環境が悪いということも特にありません。
むしろ、大手税理士法人の方が、平均すると受験環境はあまりよくありません。
100人級の事務所でも最近数年間、科目合格者が一人もいないというところすらあります。
東京駅(丸の内)や渋谷駅、新宿駅の賃料は高いので、のんびり受験できる環境は整えにくいので、
東京駅や副都心の駅近にある大手税理士法人の多くは税理士になってから勤めた方が合格するためには良かったりします。
50代後半以上の所長ののんびりした小規模税理士事務所は、定時に帰れたりして税理士試験を勉強するにはいい環境です。
若手の所長の成長中の小規模事務所の場合は、慢性的な人不足や、管理技術の不足から多忙になることも多いです。
もっとも、これは税理士事務所によるとしか言いようがありません。
面接の際に、税理士試験受験生の数と最近の税理士試験科目合格者の数を聞いてみれば、おおむね真実がわかると思います。
==============
税理士法人TOTALは、男性は有資格者以外は税理士受験生が多いですし、女性も比較的受験生が多いです。
科目合格率は20%台半ばくらいで推移しています。平均が10%代前半の試験ですから、専念受験生や若い学生との競争を考えるとみんなよく頑張っていると思います。
税理士法人TOTALでは、毎年のように官報合格者を輩出しています。税理士法人TOTALに入社してから税理士になった方は、官報合格と大学院免除を合わせて32人、そのうち官報合格者は21人です。
=============
A.2
科目合格者は、大企業に勤務中の方を除くと、多くは会計事務所に就職します。
税理士事務所の場合、給料は実力主義で、額面給与は担当売り上げの25〜40%くらいになります。
(これでも間接要員、法定福利費等で人件費率は65%程度です)
無資格者で2〜4科目なら 年収300万円(若い新人)〜800万円(大番頭さん)といったところでしょう。
人間関係と経験が生きる仕事なのでリストラはあまりありません。
合わなければ比較的早く転職していきます。
実際には、所長が高齢になると廃業リスクが高くなります。
そういう事務所なら、転職が難しくなる前に30代前半のうちに転職するのが望ましいでしょう。
税理士試験は長くてストレスフルですし、小規模税理士事務所も多くて対人関係にも疲れると企業経理に転じる方もおられます。
学歴によっては上場子会社の経理に転職する方もいます。
もっともそういう学歴の方なら新卒なら子会社ではなく親会社でも入れたはずなので後悔される方もおられます。
A.3
所得の低い税理士は
(1)税務署OB
税務署OBの税理士は、全体の2割程度を占めます。以前はOBに対する優良法人のあっせん(斡旋)がありましたが、天下りの禁止に伴い、所得は少なくなっています。700万円を超える方はごく少数でしょう。
(2)引退間際の高齢者、高齢での開業者
税理士の平均年齢は60代と言われています。
普通の会社なら定年を迎え、再雇用されているか年金生活者です。
70歳を超える税理士もめずらしくありません。
お客様を徐々に減らして、自分のペースでのんびり税理士業務を行う先生も多くなっています。
また、経理等のサラリーマンで有資格者だった方が会社を定年後、のんびり開業することもあります。
(3)主婦パート
女性にとっては、税理士は長く安定してできる仕事のため、頑張って合格なさる主婦の方もおられます。
パートや時短の主婦はさすがに年収700万円を超えないでしょう。
(4)開業直後の税理士
開業直後は、お客様も少ないですし、単価も低くなっています。
営業力が重要なので、みんなが開業して成功する時代ではなくなってきました。
また、集客できる成長志向の税理士なら利益を削っても営業と人材に投資します。このため、自分が利益を取るのは後回しにされます。
開業後しばらくは所得700万円には達しない方も多いでしょう。
時短ではないフルタイマーで一生年収400万円以下の税理士は、上記(1)〜(2)を除くと、都市圏ではほぼいないと思います。
(地方の給与水準はよくわかりません)
ただ、女性税理士は、営業価値が下がる分、やや男性税理士よりも年収が低いことも多いかもしれません。
==============
税理士法人TOTALでは
税理士の過半数が年収700万円を超えています。
(パートナーの比率が高いからです)
時短、パートの方を除くと、年収400万円以下の税理士は現在いません。
=============
※なお、この件に関するコメントは下記のコメント欄をご利用ください。
新規のご質問はここをクリック してください。
インターネットで顔が見えない方に適切な回答をするために、 質問の書式にご協力いただけると幸いです。 情報が不足する場合には回答できないことがあることはご留意ください。
また、このサイトもありがたいことに皆様のご質問をいただき、事例が増えてきました。
ご質問の前に、同様な質問が無いかご確認いただけると幸いです。
「過去の質問」はこちら
記事の無断コピーや一部利用は著作権侵害で違法です。
記事を商業利用するには、高橋寿克の事前の明示許諾が必要です。
商業利用(おまとめサイト等を含む)は原則として有料になります。
利用料の金額等、詳しくは税理士法人TOTALまでお問い合わせください。
また、違法なコピーを発見した方は通報いただけると幸いです。
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。
会計事務所博覧会2017 が開かれ
「女性戦力をどう活かすか!」
に当社のパートナー(一般企業の役員にあたります)
松浦薫 税理士がパネラーとして登場しました。
女性が社会で活躍するためには、
(1)単なるお題目ではなく、
「女性に輝いて働いてもらおう!」
という経営者の強い同意
(2)制度を整えるだけでなく、
それが当たり前だという文化
(3)身近な女性管理職というロールモデル
(4)女性自身の意識改革
が重要でしょう。
お越しいただいた皆さん、ありがとうございました。
松浦税理士、おつかれさまでした。かっこよかったですよ。
新たなご質問はここをクリック
めぐみ様からのお問合せです。
質問文が長文のため、若干、編集の上省略させていただき、複数回に分けて回答させていただきました。
前回は
「簿記1級と税理士試験の難易度」
今回が最終回です。
「税理士試験の挫折 と 税理士の年収」
■年齢 28才
■性別 女
■資格 無
■職歴 無
■学歴 高卒
■会計事務所経験 無
■居住地 東京
■その他 長期の病気(現在完全に治っている)、
Q.1
税理士試験受験生歓迎と書いてあっても表向きだけのこともあるとこのサイトに書かれていましたが、未習2科目を残して就職すると勉強はできす、到底合格不可能でしょうか。
小規模事務所だと環境が悪く、勉強する時間が取れないと思いますがいかがでしょうか。
Q.2
5科目合格しないまま終わる人も多いと聞くのですが、2・3・4科目合格で終わる人は、それぞれどういう所(企業の経理含む)に就職するのか、給料はいくらなのか、将来リストラされるのでしょうか。
Q.3
6割の税理士が700万未満だと聞くのですが、一生300万未満や400万の人もいるのでしょうか。
給料が低い人とはどういう経歴でどういう事務所に勤め、どれ位仕事ができる人でしょうか。
A.1
求人ページに書いてあることは採用のための広告にすぎませんから、
『受験生歓迎』と書いてあっても、そもそも受験生が一人もいないという事務所もあります。
ただ、すべての税理士事務所が勉強できないわけではありません。
未習2科目を残して就職して官報合格することは事務所によってはもちろん可能です。
また、大手税理士法人が受験のための環境がよく、小規模事務所が環境が悪いということも特にありません。
むしろ、大手税理士法人の方が、平均すると受験環境はあまりよくありません。
100人級の事務所でも最近数年間、科目合格者が一人もいないというところすらあります。
東京駅(丸の内)や渋谷駅、新宿駅の賃料は高いので、のんびり受験できる環境は整えにくいので、
東京駅や副都心の駅近にある大手税理士法人の多くは税理士になってから勤めた方が合格するためには良かったりします。
50代後半以上の所長ののんびりした小規模税理士事務所は、定時に帰れたりして税理士試験を勉強するにはいい環境です。
若手の所長の成長中の小規模事務所の場合は、慢性的な人不足や、管理技術の不足から多忙になることも多いです。
もっとも、これは税理士事務所によるとしか言いようがありません。
面接の際に、税理士試験受験生の数と最近の税理士試験科目合格者の数を聞いてみれば、おおむね真実がわかると思います。
==============
税理士法人TOTALは、男性は有資格者以外は税理士受験生が多いですし、女性も比較的受験生が多いです。
科目合格率は20%台半ばくらいで推移しています。平均が10%代前半の試験ですから、専念受験生や若い学生との競争を考えるとみんなよく頑張っていると思います。
税理士法人TOTALでは、毎年のように官報合格者を輩出しています。税理士法人TOTALに入社してから税理士になった方は、官報合格と大学院免除を合わせて32人、そのうち官報合格者は21人です。
=============
A.2
科目合格者は、大企業に勤務中の方を除くと、多くは会計事務所に就職します。
税理士事務所の場合、給料は実力主義で、額面給与は担当売り上げの25〜40%くらいになります。
(これでも間接要員、法定福利費等で人件費率は65%程度です)
無資格者で2〜4科目なら 年収300万円(若い新人)〜800万円(大番頭さん)といったところでしょう。
人間関係と経験が生きる仕事なのでリストラはあまりありません。
合わなければ比較的早く転職していきます。
実際には、所長が高齢になると廃業リスクが高くなります。
そういう事務所なら、転職が難しくなる前に30代前半のうちに転職するのが望ましいでしょう。
税理士試験は長くてストレスフルですし、小規模税理士事務所も多くて対人関係にも疲れると企業経理に転じる方もおられます。
学歴によっては上場子会社の経理に転職する方もいます。
もっともそういう学歴の方なら新卒なら子会社ではなく親会社でも入れたはずなので後悔される方もおられます。
A.3
所得の低い税理士は
(1)税務署OB
税務署OBの税理士は、全体の2割程度を占めます。以前はOBに対する優良法人のあっせん(斡旋)がありましたが、天下りの禁止に伴い、所得は少なくなっています。700万円を超える方はごく少数でしょう。
(2)引退間際の高齢者、高齢での開業者
税理士の平均年齢は60代と言われています。
普通の会社なら定年を迎え、再雇用されているか年金生活者です。
70歳を超える税理士もめずらしくありません。
お客様を徐々に減らして、自分のペースでのんびり税理士業務を行う先生も多くなっています。
また、経理等のサラリーマンで有資格者だった方が会社を定年後、のんびり開業することもあります。
(3)主婦パート
女性にとっては、税理士は長く安定してできる仕事のため、頑張って合格なさる主婦の方もおられます。
パートや時短の主婦はさすがに年収700万円を超えないでしょう。
(4)開業直後の税理士
開業直後は、お客様も少ないですし、単価も低くなっています。
営業力が重要なので、みんなが開業して成功する時代ではなくなってきました。
また、集客できる成長志向の税理士なら利益を削っても営業と人材に投資します。このため、自分が利益を取るのは後回しにされます。
開業後しばらくは所得700万円には達しない方も多いでしょう。
時短ではないフルタイマーで一生年収400万円以下の税理士は、上記(1)〜(2)を除くと、都市圏ではほぼいないと思います。
(地方の給与水準はよくわかりません)
ただ、女性税理士は、営業価値が下がる分、やや男性税理士よりも年収が低いことも多いかもしれません。
==============
税理士法人TOTALでは
税理士の過半数が年収700万円を超えています。
(パートナーの比率が高いからです)
時短、パートの方を除くと、年収400万円以下の税理士は現在いません。
=============
※なお、この件に関するコメントは下記のコメント欄をご利用ください。
新規のご質問はここをクリック してください。
インターネットで顔が見えない方に適切な回答をするために、 質問の書式にご協力いただけると幸いです。 情報が不足する場合には回答できないことがあることはご留意ください。
また、このサイトもありがたいことに皆様のご質問をいただき、事例が増えてきました。
ご質問の前に、同様な質問が無いかご確認いただけると幸いです。
「過去の質問」はこちら
記事の無断コピーや一部利用は著作権侵害で違法です。
記事を商業利用するには、高橋寿克の事前の明示許諾が必要です。
商業利用(おまとめサイト等を含む)は原則として有料になります。
利用料の金額等、詳しくは税理士法人TOTALまでお問い合わせください。
また、違法なコピーを発見した方は通報いただけると幸いです。