2017年05月18日

メガバンク(都市銀行)の営業と税理士

税理士事務所 求人・採用・就職情報
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

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吉田 様からのお問合せです。
■年齢 22才
■性別 男 
■資格 簿記3級 証券外務員1種、生命保険販売資格 
■職歴 メガバンク法人営業(1年目)
■学歴 MARCH
■会計事務所経験 なし
■居住地 神奈川県

私は新卒でメガバンクに入行し、神奈川県の支店で法人営業をしております。
5月頃から先輩行員と営業に同行したり、データを打ち込んだりしています。データの打ち込みの正確さや伝票を書く早さは課長にもお褒めいただけたのですが、営業として圧しが弱い、メンタルが弱いなどと言われ、さらに支店長からパワハラも受けており、退職して公認会計士や税理士になろうかと考え始めました。

元々会計の勉強は好きで、証券外務員1種や簿記3級も3週間ほど勉強して受かり、またデータを打ち込む作業も得意なので経理や会計の仕事をしつつ資格を取りたいと考えています。しかし、1年も持たずに辞めたとなると世間的に「根性なし、忍耐弱い」と思われるのではないかと考えると不安です。

Q.1
こんな私が税理士事務所や公認会計士事務所に転職することは可能でしょうか。ご回答よろしくお願いします。

A.1
かなり古い話で恐縮ですが、
私の新卒時代(バブル期です)には、都市銀行等の金融機関に就職するのが普通で、
(就職活動をしていなかった私のところにも都市銀行から勧誘のお電話をいただきました)
メーカーや商社に行くのは変わっているとさえ言われていました。

ただ、都市銀行に行った同期は、転職や出向でその多くがもう銀行本体には残っていません。
高学歴者みんなが目指した業界は、競争も激しく、衰退も早いのは世の習いです。

昔からの、銀行は「安定したしっかりした会社」というイメージで入行した方が多いでしょうが、
法人営業の男性はもちろん、女性行員にすら結構な「目標」と言うノルマがあります。
データ入力のような事務はパートや派遣社員に置き換わってきて
正社員は、営業成績で評価・選抜されます。

マイナス金利とアベノミクスによる資金余剰、
法人は過去最高益を更新する一方で、
国内市場の縮小に伴い設備投資意欲は低下し
貸付金の利ザヤで稼ぐモデルは成り立ちにくくなってきています。

そうなると、銀行の経営陣としては、自分たちの信用を利用して生命保険や投資信託、外貨建て債権、仕組み債といったリスクのある金融商品の販売手数料を稼いで利益を確保しようとします。

でも、中小企業の現状ではそんなに資金余力もありません。
経験が少なく技術も乏しい若手に営業ノルマを課し、
銀行にとって都合のいいセールストークを用意して、
お願い営業、押し込み営業を強いることも多くなります。

銀行員さんは真面目で、証券外務員やFP等の資格を取得し、休日も勉強会やフェアなど様々なセミナーに参加して金融知識をしっかりと身につけていきます。
超低金利の現状では魅力的な金融商品はほぼなく、
銀行の都合で手数料の高い商品を売ることも多く、
(販売手数料が高い商品は、運用手数料も高いことが多く)
元本割れ等が発生すると、銀行員はお客様からの苦情に直接さらされます。

そうなると、金融リテラシーの高い、優秀な人ほど本部からの指示に疑問を抱くようになります。
投資環境を考えず、自行の利益を経営陣は優先しているのではないか…
金融リスクがよくわかっていないお客様を食い物にし
これっぽっちもお客様のことを考えてないのではないか……

監督官庁の金融庁の森信親長官は
「消費者の真の利益を顧みない生産者の論理が横行している。そんなビジネスを続ける社会的な価値があるのか」
と言って、毎月分配型の投資信託を批判しました。
銀行が窓口で売りやすく、お客様のためにならない商品の典型と言ってもいいでしょう。

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実は、私も10年くらい前に毎月分配型の投資信託を銀行さんのお付き合いで買って、損をしたことがあります。
父も、都市銀行の売ったファンドラップで大損をして、支店長が連日のように謝りに来ていたことがありました。

もちろん、投資は自己責任です。
それ以降、私は損する可能性の高い金融商品に付き合うことはしなくなりました。父の投資も事前に私に相談してもらうようにしました。
その後は幸いにして付き合いの投資で何とか利益を出し続けていますが。
(もっともブラジルレアルの仕組み債にはかなり心配させられました)
=============

厳しい金融状況で、銀行は不毛な金利競争に明け暮れており、
課長も支店長も営業成績で評価され、生存競争を強いられています。
支店長は、遺言信託や遺産整理のような売りにくい商品も売らされています。
こうなると、どうしても部下にも結果を求め、いきおいパワハラが発生しやすい状況になっています。

銀行員は、真面目で優秀な方が多いので、
不合理な販売スタイルや営業ノルマに嫌悪感を抱き
良心の呵責に耐えかね、うんざりして辞めていく人が多いと先日もニュースになっていました。
特に、潔癖で真面目な若い方や女性はその傾向が強くなります。

銀行と言う社会的に評価が高い組織を短期間でおやめになるのはもったいないという意見もあると思います。
それでも文章を読んでいると、吉田様は都市銀行をおやめになっても良いような気がします。
真面目なだけに、いつか、うつ病を発症するのではないかと感じられるからです。
うつは一度発症すると、再発の危険が高くなります。

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実際にうちを担当してくれていた女性が急にうつで配置転換されたことがありました。
都市銀行の支店長にお聞きしたら、精神的に病んでうつ等を発症する方が増えているそうです。
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私は「根性なし、忍耐弱い」とは思いません。
税理士事務所は、中途で入ってきてくれる方が圧倒的に多い業界です。
地方銀行、都市銀行、生命保険会社、損害保険会社等の金融機関出身者も多くおられます。

金融機関は2年程度で異動があり、人間関係を作るのは大変ですよね。
都市銀行なら異動は、ほぼ予告なしに全国ですからなおさらです。
お客様に寄り添うよりは、短期で営業結果を求められる業界です。

それに対して税理士事務所は、
若手の熱さが売りのイケイケ事務所や、
生命保険を積極的に売っている事務所を除くと
職員にはほぼ営業ノルマはありません。

顧問契約は安定した長い人間関係を前提にするので、
お客様と利害関係が一致しないのは顧問料の決定くらいでしょう。
お客様のために尽くし、お客様と共に成長することができる、
これがきれいごとではなく普通に行える業界です。

税理士業界は、真面目で勉強が好きな方が多い業界です。
営業能力に自信がなく、もっと言うと営業自体を意識しない人も多く、
コミュニケーションもおぼつかない状態の新人もいます。
それでも事務所内で先輩に教わり
定期的にお客様と連絡をし、時に訪問してお客様に学び、
コミュニケーション能力を徐々に高めていきます。

都市銀行に新卒で入れるだけの人柄、能力があるなら
税理士事務所では十分通用します。
転職はもちろん可能です。
税理士業界は、優秀な若い男性が入って来ることを歓迎します。

(申し訳ありませんが、私は公認会計士ではないので、公認会計士事務所や監査法人がどう評価するかはわかりませんしコメントする立場にありません)

5月病でないか、やめたいのが一時的な感情でないか、もう少しだけ考えてみて
それでも銀行は違うなと思ったら、
転職して、税理士を目指されてもいいと思います。

経済的な理由や家庭の事情等で 受験専念せず、(士業事務所ではなく)一般企業の経理・会計の仕事をしながら税理士試験の勉強をするなら、
(公認会計士は働きながらの受験は事実上不可能でしょう)
注意点としては、経理・会計は経験者が優先して採用される業界ですし、
一般企業では短期間過ぎる離職の評価は低くなるので、
転職先を決めてから銀行をおやめになられた方がいいかもしれません。

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税理士法人TOTALは、営業ノルマはありません。
営業は一部の得意な方にやってもらっていますし、そもそも商品力が強いので簡単に売れます。
普通にやっても半分以上がクローズできます。
私も営業していますが8割くらい決まります。
(残りは価格にシビアな方と、こちらからお断りする方が多いです)

生命保険ですらほとんど売っていません。必要な保険くらい売るべきなので専任の営業担当を置こうと思っていますます。

なお、税理士法人TOTALの場合、在籍者のうち金融機関出身者は約15%です。
男性は、営業で通用しなかったという人も多いです。
女性は、全体としては結婚・出産等の家庭の事情の方が多いですが、最近は営業が精神的に嫌だったという方も増えています。中には短期間で銀行をおやめになった女性もいます。
第2新卒扱いで積極的に採用を進めています。

なお、うちの本部長の4割が金融機関出身者ですから、税理士業務との相性は良いと言えるでしょう。
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