2016年11月27日

社会保険労務士資格と税理士事務所への就職

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

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Q.
社労士試験に合格しました。税理士事務所でどのように活かせるでしょうか…?
逆に社労士資格は、税理士事務所の就職に不利でしょうか?

A.
こいぬ様、社会保険労務士試験合格おめでとうございます。

社会保険労務士試験は昨年、2.6%と史上最低の合格率だったため
今年の合格率が注目されていましたが、4.4%と2番目に低い合格率でした。
8%程度の従来の合格率から、需給関係を考慮して5%以下の合格率に移行させるものと思われます。
それに伴って、今後、難易度はかなり高めに維持されることでしょう。
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TOTALグループでは、今年、1名合格者が出ました。おめでとう!
今年合格できなかったスタッフは残念でしたが、また来年がんばりましょう。
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税理士と社会保険労務士の間では、業際に関する覚書
「税理士又は税理士法人が行う付随業務の範囲に関する確認書」があり、
税理士事務所では、「社会保険労務士業務」は行えません。
逆に、社会保険労務士は年末調整業務等の税務に関することは行うことができません。

このため、本来、税理士事務所では、社会保険労務士を雇用することは予定されていません(法律違反の恐れがあります)。

ただし、「給与計算」業務は、社会保険労務士の独占業務ではないため、
個人税理士事務所はもちろん、士業以外の一般事業会社でも行うことができます。
(税理士「法人」は業務範囲が制限される関係で本来は給与計算業務を行うことができません)

法律的には、法人や、従業員を5人以上雇っている個人事業(士業等は一部例外有り)は社会保険への加入義務がありますが、実際には加入義務がある事業所の半数以上が社会保険には今でも未加入であり、従来は放置されていたのが実情です。

最近では、建設業を中心に社会保険加入を下請けが現場に入る条件にするケースが増えています。また、年金事務所も以前よりは加入勧奨を強化しています。
このため、社会保険労務士の需要が足元は増加が予定されています。

給与計算はもちろん、社会保険労務士業務の入退社や月額算定・月額変更など、多くは単なる手続きで、パートでできるため付加価値は低くなっています。このため、パートさん部隊中心の一般事業会社や大規模社会保険労務士法人との価格競争は激しく、社会保険労務士の生産性・付加価値の低さをどうするかが課題になっています。
なお、労務相談も、パートくらいしか雇っていない小規模の社会保険労務士事務所代表よりは、普段から数字を見てもらい実際に正社員を雇って事務所を経営している顧問税理士に相談することが多く、安定した収益源に出来ているところは多くなさそうです。

実際、中堅の社会保険労務士事務所のベテラン代表者の方からも
「正社員(社会保険労務士有資格者)に年収300万円払うのはきつい」
という話をお聞きしています。
極端な例かもしれませんが…。

会計事務所の新人の給与と、社会保険労務士事務所のベテランの給与がほぼ同じという現象が一部で起きているので、社会保険労務士事務所のあまりいい求人票を見つけられない合格者が、税理士事務所に流れてきているのが最近の傾向です。
(給与の差は、業界平均の差に加えて、社労士事務所は有資格者にスタッフレベルの仕事を求めているのに対して、税理士事務所系の社労士事務所・社労士法人は幹部級の責任ある仕事を有資格者に求めているというという面もあります)

TOTALを含めて中堅・大手の税理士法人は、社会保険労務士事務所・社会保険労務士法人の設立・強化に動いています。
ただ、税理士法人の代表と話すと、
(自律的に動ける良い)社会保険労務士がいないという採用の苦労と、
社会保険労務士の生産性・付加価値の低さをどうするかが課題になっています。
先日も、「社労士業務をやってみたけれど儲からないので止めた」と
某ベテランの税理士事務所所長に言われました。

税理士事務所の経営も簡単ではありませんが、個人的には社会保険労務士事務所の経営はもっと大変だなあと思っています。

本題に戻ります。
社会保険労務士資格は、給与計算が出来たり社会保険の知識があるため税理士事務所の就職には有利です。
ただし、社会保険労務士法人・社会保険労務士事務所を併設していない税理士法人はコンプライアンスのリスクが増えるので注意が必要です。
税理士法人関連の社会保険労務士法人の就職も条件によっては選択肢になります。
また、社会保険労務士登録しない場合でも、特に医療系のお客様を多く抱えている税理士事務所・税理士法人では、労務問題が多いため評価が高くなります。労務に強い会計担当者という位置づけです
(税務相談は税理士の無償独占業務ですが、労務コンサルティングは社労士の独占業務ではありません)。

今後は、会社設立時に年金事務所へ通報する制度も予定されています。もっとも資格の専門学校が言うようには社労士資格の価値が上がっていくとは思えません。国家もそのことがわかっているので合格者を減らしているのではないかと思います。
おそらく、今後は供給側ではシステムの普及に伴うサービス価格の一層の下落、需要側では零細法人の淘汰や、法人にならない個人事業が増えて行くのではないかと危惧しています。

ちょっと辛口ですが、社会保険労務士業界を批判する意図はありません。
気に障る方がおられたら申し訳ありません。
(隣接業界のご質問なので書かせていただきましたが、間違い等がありましたら修正いたしますのでコメントを書き込んでいただければ幸いです)

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税理士業界も同様に色々言われ続けていますが、経営者なら外部環境を理由にせず、頑張って成長させていく必要があるし、うちはきっとやっていけると思っています。
TOTALグループでは、社会保険労務士業務の強化、生産性の向上に取り組んでいます。難易度はかなり高いですが、大規模なシステム投資を続けていき、何とか1人当たりの生産性の向上を図ろうとしているところです。
また、医療系についても、労務関連のサービスレベルの向上をはかっており、幸い多くのお客様に支持されてきています。
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