2015年02月28日
BIG4税理士法人への転職 20代後半MARCH卒
税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。
ご質問はここをクリック
TED 様からのお問合せです。
■年齢 28歳
■性別 男
■資格 簿記論、財務諸表論、法人税法合格
TOEIC700点
■職歴 会計事務所5年
■学歴 MARCH
■会計事務所経験 25名
1年パート、4年社員
■居住地 千葉
転職活動につきましてぜひアドバイスいただきたいと思いまして投稿します。
Q.1
より規模の大きい企業の仕事をしてみたいと考えBIG4への転職を検討しておりますが上記の経歴での採用可能性はありますでしょうか。
Q.2
退職後の転職活動はやめたほうがよいのでしょうか。
アドバイスよろしくお願いします。
A.1
私自身は町の税理士事務所出身で、BIG4で働いたことはありません。
このため、税理士法人TOTALのスタッフ(6名のBIG4出身者が入社してくれました。20代半ばでBIG4に転職なさった方も1名)からの聞き取り、同業者(BIG4現役・OB)との会話、BIG4出身者の採用面接の結果等から書いているため一定の限界はあることをご了承ください。
記事が間違っている場合は、具体的に修正したご指摘の書き込みをいただければ適宜対応いたします。
お気軽にご連絡ください。
4大税理士法人(BIG4)とは
=================
再掲になりますが、従来、一般的には
4大税理士法人の採用条件は、
・法人税を含む3科目以上の合格が望ましい
(即戦力が必要、かつ繁忙期の仕事がきつく
税理士試験受験との両立が難しいため)
・年齢は受験生:20代半ば、官報:20代までが望ましい
・学歴は早慶以上が望ましく、MARCHまでは問題ない。
(学歴は官報合格者等なら必須ではありません)
・英語はTOEICで一定以上ならプラス評価される
・零細会計事務所の職歴は若くないとあまり評価されない
(30歳くらいまでしか経験者も採用されない)
・上場企業の職歴はあまり評価されない
(銀行等金融出身者を除く)。
・大学院免除は若干不利(法人税法合格者を除く)。
一般企業の採用条件に近い気がします。それに専門性の高い即戦力を求める分を追加した感じですね。
また、BIG4監査法人からの転籍等もあるため、会計士の就職状況に影響され、会計士の就職が買い手市場の時は採用されにくく、売り手市場の時は採用されやすくなる傾向があります。
もちろん、採用は企業との相性です。学歴を含む条件が多少劣っても、法人(採用担当者)が求めるものと一致すれば上記条件は必ずしも必要ではありません。参考程度と思ってください。
=================
外部環境としては、
会計士受験生が減少しており2015年は、公認会計士の就職は、売り手市場になっています。
また、税理士業界も、受験生の減少、特に若年高学歴の方の減少が著しくなっています。
会計業界の人不足は深刻です。
このため、BIG4の採用基準は若干下がっているでしょう。
TED様の場合、年齢・合格科目・学歴もおおむねクリアしています。
英語力は加点されるでしょう。
人柄に特に問題がなければ、採用される可能性の方が高いように思います。
A.2
(質問の意味を読み間違っていたらごめんなさい)
最近では在職中の転職活動が一般的です。
次を決めないと空白期間が長くなり、経済的にも辛いですし、転職活動も不利になるからです。
ただ、責任ある地位の方は繁忙期は転職活動する時間も取りにくかったりします。
TED様のような経験者は、直近では会計業界は売り手市場ですし、退職後の転職活動でも問題無いと思います。
TED様には、大変ですが試験と仕事の両立をがんばって、ぜひ素晴らしい税理士になってもらいたいと思います。
=================
ここから先は、会計事務所経営者の愚痴です。
読み飛ばしていただいた方がいいかもしれません。
最近、このサイトでもBIG4への就職に関する相談が増えてきました。
「税理士事務所の男女比とBIG4の就職状況」
「BIG4の就職事情(東京一工)」
BIG4のクライアントは、上場関連企業や外資系企業が多く、規模も平均すると大きくなります。
街の会計事務所の経験は客層が異なるため、あまり役に立たないし、
条文の解釈、新しい事案の検討、国際課税や上場関連等、若くて切れるタイプが有利です。
BIG4(税理士法人)には、BIG4(監査法人)から転籍をする公認会計士、最初から税理士法人に入りつつ、監査実務も行う公認会計士もいます。
彼らは、将来の独立も視野に入れつつ向上心を持って入ってきます。若くて優秀な方がたくさんいます。その中で法人に残る人間とポジションを争うことになります。
公認会計士もいる UP or OUT(昇進するか、さもなくば、辞めるか)の出世競争は大変で、残れなそうな場合は、アラサー、遅くとも30代前半のうちに、上場関連経理やコンサル等への転職を検討し始めることになります(BIG4出身者は、会計士を除くと独立組は少数派になります)。
それ以上の年齢ではキャリアの積み上げが、転職時には加齢と合わせてマイナス評価されかねません。
BIG4は都心部にしかオフィスが無く、終電がなくなるような日もあるため、郊外在住アラサー3科目の叩き上げタイプの方は、(家賃は上がりますが)引っ越すか、勉強時間が減るのを甘受するかという問題も抱えます。
このため、TED様のような方は、(当社でも欲しいですし)従来は、普通の税理士事務所で30代前半までに官報合格して税理士になるのが一般的でした。
25名規模の事務所なら中堅のそれなりの事務所でしょう。このクラスの事務所から、BIG4を目指す郊外在住アラサ―の方が増えているとしたら、(私を含めて)会計事務所経営者が「普通の税理士業務」の魅力を伝えたり、将来展望を見せたりすることが出来ていないのでしょう。
税理士は、小さくても一生懸命会社を経営している社長・経営者と直接お会いし、継続的に信頼関係を築け、お客様のために行動して、直接「ありがとう」と言ってもらえます。
(これは、書類、メール、電話のやり取りを関係部署とするBIG4より面白い点です)
資格を取れば「先生」として一定の社会的な評価もされますし、経験・技術の蓄積が生きるので40代、50代、人によっては60代でも成長を続けられる仕事です。
20代前半のスタートダッシュでリードしなくても、30代でも人生のやり直しが出来る数少ない仕事でもあります。
税理士法人TOTALでは、今週、2名の求職者の方に内定を出しました。
一人は内定をたくさん持っていた方ですが、当社を選んでくれました。ありがたいことです。
彼女の在籍している会計事務所には他に税理士試験を受験している人がいないそうです。最近は、受験生を歓迎しない事務所も増えてきました。うちは、有資格者と主婦以外は(庶務・総務の方を除くと)受験生が圧倒的に多くなっています。
もう一人の方は、当社のみを第一志望で受けてくれました。これもまたありがたいことです。
彼の在籍している事務所は、正社員が未経験者しかおらず、入退社する人も多く、落ち着いて仕事と勉強に取り組む雰囲気がないとのこと。
税理士資格の取得を本気で応援する、応援できる会計事務所は残念ながら多くはないのかもしれません。
私もいつのまにか独立から17年目を迎え、半数近い約60名のスタッフがキャリアが5年以上あります。
(成長率が高いため、新しいスタッフも多いのは課題ですが)
たくさんの優秀なスタッフに恵まれています。
年上の部下も12名います。今月は当社初の定年退職者も出ました。Kさん、お疲れ様でした。ありがとうございました。
一人でも多くの素晴らしい税理士・会計人や他の資格者を輩出し、もって社会の発展に寄与することが
我々の使命だと思っています。
〜あなたと共に歩み、あなたと共に成長したい〜
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インターネットで顔が見えない方に適切な回答をするために、 質問の書式にご協力いただけると幸いです。 情報が不足する場合には回答できないことがあることはご留意ください。
また、このサイトもありがたいことに皆様のご質問をいただき、事例が増えてきました。
ご質問の前に、同様な質問が無いかご確認いただけると幸いです。
「過去の質問」はこちら
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。
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TED 様からのお問合せです。
■年齢 28歳
■性別 男
■資格 簿記論、財務諸表論、法人税法合格
TOEIC700点
■職歴 会計事務所5年
■学歴 MARCH
■会計事務所経験 25名
1年パート、4年社員
■居住地 千葉
転職活動につきましてぜひアドバイスいただきたいと思いまして投稿します。
Q.1
より規模の大きい企業の仕事をしてみたいと考えBIG4への転職を検討しておりますが上記の経歴での採用可能性はありますでしょうか。
Q.2
退職後の転職活動はやめたほうがよいのでしょうか。
アドバイスよろしくお願いします。
A.1
私自身は町の税理士事務所出身で、BIG4で働いたことはありません。
このため、税理士法人TOTALのスタッフ(6名のBIG4出身者が入社してくれました。20代半ばでBIG4に転職なさった方も1名)からの聞き取り、同業者(BIG4現役・OB)との会話、BIG4出身者の採用面接の結果等から書いているため一定の限界はあることをご了承ください。
記事が間違っている場合は、具体的に修正したご指摘の書き込みをいただければ適宜対応いたします。
お気軽にご連絡ください。
4大税理士法人(BIG4)とは
=================
再掲になりますが、従来、一般的には
4大税理士法人の採用条件は、
・法人税を含む3科目以上の合格が望ましい
(即戦力が必要、かつ繁忙期の仕事がきつく
税理士試験受験との両立が難しいため)
・年齢は受験生:20代半ば、官報:20代までが望ましい
・学歴は早慶以上が望ましく、MARCHまでは問題ない。
(学歴は官報合格者等なら必須ではありません)
・英語はTOEICで一定以上ならプラス評価される
・零細会計事務所の職歴は若くないとあまり評価されない
(30歳くらいまでしか経験者も採用されない)
・上場企業の職歴はあまり評価されない
(銀行等金融出身者を除く)。
・大学院免除は若干不利(法人税法合格者を除く)。
一般企業の採用条件に近い気がします。それに専門性の高い即戦力を求める分を追加した感じですね。
また、BIG4監査法人からの転籍等もあるため、会計士の就職状況に影響され、会計士の就職が買い手市場の時は採用されにくく、売り手市場の時は採用されやすくなる傾向があります。
もちろん、採用は企業との相性です。学歴を含む条件が多少劣っても、法人(採用担当者)が求めるものと一致すれば上記条件は必ずしも必要ではありません。参考程度と思ってください。
=================
外部環境としては、
会計士受験生が減少しており2015年は、公認会計士の就職は、売り手市場になっています。
また、税理士業界も、受験生の減少、特に若年高学歴の方の減少が著しくなっています。
会計業界の人不足は深刻です。
このため、BIG4の採用基準は若干下がっているでしょう。
TED様の場合、年齢・合格科目・学歴もおおむねクリアしています。
英語力は加点されるでしょう。
人柄に特に問題がなければ、採用される可能性の方が高いように思います。
A.2
(質問の意味を読み間違っていたらごめんなさい)
最近では在職中の転職活動が一般的です。
次を決めないと空白期間が長くなり、経済的にも辛いですし、転職活動も不利になるからです。
ただ、責任ある地位の方は繁忙期は転職活動する時間も取りにくかったりします。
TED様のような経験者は、直近では会計業界は売り手市場ですし、退職後の転職活動でも問題無いと思います。
TED様には、大変ですが試験と仕事の両立をがんばって、ぜひ素晴らしい税理士になってもらいたいと思います。
=================
ここから先は、会計事務所経営者の愚痴です。
読み飛ばしていただいた方がいいかもしれません。
最近、このサイトでもBIG4への就職に関する相談が増えてきました。
「税理士事務所の男女比とBIG4の就職状況」
「BIG4の就職事情(東京一工)」
BIG4のクライアントは、上場関連企業や外資系企業が多く、規模も平均すると大きくなります。
街の会計事務所の経験は客層が異なるため、あまり役に立たないし、
条文の解釈、新しい事案の検討、国際課税や上場関連等、若くて切れるタイプが有利です。
BIG4(税理士法人)には、BIG4(監査法人)から転籍をする公認会計士、最初から税理士法人に入りつつ、監査実務も行う公認会計士もいます。
彼らは、将来の独立も視野に入れつつ向上心を持って入ってきます。若くて優秀な方がたくさんいます。その中で法人に残る人間とポジションを争うことになります。
公認会計士もいる UP or OUT(昇進するか、さもなくば、辞めるか)の出世競争は大変で、残れなそうな場合は、アラサー、遅くとも30代前半のうちに、上場関連経理やコンサル等への転職を検討し始めることになります(BIG4出身者は、会計士を除くと独立組は少数派になります)。
それ以上の年齢ではキャリアの積み上げが、転職時には加齢と合わせてマイナス評価されかねません。
BIG4は都心部にしかオフィスが無く、終電がなくなるような日もあるため、郊外在住アラサー3科目の叩き上げタイプの方は、(家賃は上がりますが)引っ越すか、勉強時間が減るのを甘受するかという問題も抱えます。
このため、TED様のような方は、(当社でも欲しいですし)従来は、普通の税理士事務所で30代前半までに官報合格して税理士になるのが一般的でした。
25名規模の事務所なら中堅のそれなりの事務所でしょう。このクラスの事務所から、BIG4を目指す郊外在住アラサ―の方が増えているとしたら、(私を含めて)会計事務所経営者が「普通の税理士業務」の魅力を伝えたり、将来展望を見せたりすることが出来ていないのでしょう。
税理士は、小さくても一生懸命会社を経営している社長・経営者と直接お会いし、継続的に信頼関係を築け、お客様のために行動して、直接「ありがとう」と言ってもらえます。
(これは、書類、メール、電話のやり取りを関係部署とするBIG4より面白い点です)
資格を取れば「先生」として一定の社会的な評価もされますし、経験・技術の蓄積が生きるので40代、50代、人によっては60代でも成長を続けられる仕事です。
20代前半のスタートダッシュでリードしなくても、30代でも人生のやり直しが出来る数少ない仕事でもあります。
税理士法人TOTALでは、今週、2名の求職者の方に内定を出しました。
一人は内定をたくさん持っていた方ですが、当社を選んでくれました。ありがたいことです。
彼女の在籍している会計事務所には他に税理士試験を受験している人がいないそうです。最近は、受験生を歓迎しない事務所も増えてきました。うちは、有資格者と主婦以外は(庶務・総務の方を除くと)受験生が圧倒的に多くなっています。
もう一人の方は、当社のみを第一志望で受けてくれました。これもまたありがたいことです。
彼の在籍している事務所は、正社員が未経験者しかおらず、入退社する人も多く、落ち着いて仕事と勉強に取り組む雰囲気がないとのこと。
税理士資格の取得を本気で応援する、応援できる会計事務所は残念ながら多くはないのかもしれません。
私もいつのまにか独立から17年目を迎え、半数近い約60名のスタッフがキャリアが5年以上あります。
(成長率が高いため、新しいスタッフも多いのは課題ですが)
たくさんの優秀なスタッフに恵まれています。
年上の部下も12名います。今月は当社初の定年退職者も出ました。Kさん、お疲れ様でした。ありがとうございました。
一人でも多くの素晴らしい税理士・会計人や他の資格者を輩出し、もって社会の発展に寄与することが
我々の使命だと思っています。
〜あなたと共に歩み、あなたと共に成長したい〜
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また、このサイトもありがたいことに皆様のご質問をいただき、事例が増えてきました。
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