2009年10月03日
35歳 旧帝大卒・職歴ありの場合の税理士への転身
東京都と千葉県船橋市の税理士法人TOTALの税理士 高橋寿克です。
EM様よりのご質問です。
■年 齢 35歳
■性 別 男
■資 格 日商3級、証券アナリスト
(来年2月、6月に日商2,1級受験計画)
■職 歴 資産運用会社(勤続11年)
■学 歴 旧帝大
■会計事務所経験 なし
■居住地 東京23区
■その他 独身ですので学習に充てることができる時間は既婚の方よりも相対的に多めと思います。
Q.
・体と頭の動く限り、定年なく長く働きたいと希望しています。
・現在の仕事ではお客様の利益と自社の利益となることの間にずれを感じております。
・上記の希望も踏まえて、地に足をつけてお客様とWINWINの関係を築いていける仕事に転向したいと考え、税理士を志しています。
・まず、簿財から学習開始し一科目でも合格した時点で会計事務所への転職活動を行おうと考えています。
この計画について、なにかアドバイス等ございましたら、お忙しいところ恐縮ですが何卒よろしくお願いします。
A.
EM様の場合、職歴・学歴ともしっかりなさっていますし、転職の選択肢は税理士の他にもありますが、人生をかけて、より早く、より確実に社会に貢献できる税理士になると言う決意があるという前提で書きます。
税理士の仕事の良い点は、お客様と会計事務所で利益が相反する場面はあまりなく、お客様の成長に貢献することが自社の利益、ひいては地域・社会の発展につながり、精神的な満足度が高いと言う点です。
まず、税理士試験には簿記1級は要りません。簿記1級は工業簿記・原価計算があり一般企業(メーカー等)の経理では評価されますが、会計事務所ではあまり評価されません。商業簿記は2級で足りるからです。もちろん、税理士の受験資格のひとつにはなっていますが、おそらく大学で履修した法律学又は経済学に属する科目で受験資格を満たしているでしょう。
簿記1級は意外に難関ですので、その時間を、税法の受験にあてるべきでしょう。
また、簿財1科目合格で働き始めるのは、年齢的に遠回り又は税理士になれないことになりかねないので反対です。
金銭的に余裕があるなら働き始める前に出来るだけ勉強する。1年間税理士試験受験に専念して簿記論・財務諸表論と法人税法又は消費税法の3科目を受験する。
税法は会計科目よりもはるかにきついです。働き始める前に肌で感じておいた方が目安になるはずです。法人税法を選択するときはそれなりの覚悟が必要です。5科目の官報合格を目指すなら通らなくてはいけない関門です(多少合格しやすい所得税法でもかまいませんが就職で若干不利になります)。
年齢的な点を考えると、働きながら、週末や夜間の大学院進学も有力です。この場合、法人税は受験せず消費税法の選択でも良いでしょう。
1年間、効率的に目的意識を持って勉強してみてください。
今からだと少し遅れ気味ですが、何とか3科目こなせると思います。
1年後の試験の出来次第ですが、ある程度の手ごたえなら働き始めて良いですし、今ひとつで大学院免除も気が乗らないならもう一年だけ税理士試験に専念しても良いと思います。
税理士は、資産運用のような刺激の強さ・スケールの大きさには欠けますが、お客様の顔が見えて、ありがとうと言ってもらえる仕事です。
税理士試験は思われているよりは大変ですが、あきらめなければ合格できる試験です。会計人として優秀な方のチャレンジを歓迎します。ぜひがんばってください。
EM様よりのご質問です。
■年 齢 35歳
■性 別 男
■資 格 日商3級、証券アナリスト
(来年2月、6月に日商2,1級受験計画)
■職 歴 資産運用会社(勤続11年)
■学 歴 旧帝大
■会計事務所経験 なし
■居住地 東京23区
■その他 独身ですので学習に充てることができる時間は既婚の方よりも相対的に多めと思います。
Q.
・体と頭の動く限り、定年なく長く働きたいと希望しています。
・現在の仕事ではお客様の利益と自社の利益となることの間にずれを感じております。
・上記の希望も踏まえて、地に足をつけてお客様とWINWINの関係を築いていける仕事に転向したいと考え、税理士を志しています。
・まず、簿財から学習開始し一科目でも合格した時点で会計事務所への転職活動を行おうと考えています。
この計画について、なにかアドバイス等ございましたら、お忙しいところ恐縮ですが何卒よろしくお願いします。
A.
EM様の場合、職歴・学歴ともしっかりなさっていますし、転職の選択肢は税理士の他にもありますが、人生をかけて、より早く、より確実に社会に貢献できる税理士になると言う決意があるという前提で書きます。
税理士の仕事の良い点は、お客様と会計事務所で利益が相反する場面はあまりなく、お客様の成長に貢献することが自社の利益、ひいては地域・社会の発展につながり、精神的な満足度が高いと言う点です。
まず、税理士試験には簿記1級は要りません。簿記1級は工業簿記・原価計算があり一般企業(メーカー等)の経理では評価されますが、会計事務所ではあまり評価されません。商業簿記は2級で足りるからです。もちろん、税理士の受験資格のひとつにはなっていますが、おそらく大学で履修した法律学又は経済学に属する科目で受験資格を満たしているでしょう。
簿記1級は意外に難関ですので、その時間を、税法の受験にあてるべきでしょう。
また、簿財1科目合格で働き始めるのは、年齢的に遠回り又は税理士になれないことになりかねないので反対です。
金銭的に余裕があるなら働き始める前に出来るだけ勉強する。1年間税理士試験受験に専念して簿記論・財務諸表論と法人税法又は消費税法の3科目を受験する。
税法は会計科目よりもはるかにきついです。働き始める前に肌で感じておいた方が目安になるはずです。法人税法を選択するときはそれなりの覚悟が必要です。5科目の官報合格を目指すなら通らなくてはいけない関門です(多少合格しやすい所得税法でもかまいませんが就職で若干不利になります)。
年齢的な点を考えると、働きながら、週末や夜間の大学院進学も有力です。この場合、法人税は受験せず消費税法の選択でも良いでしょう。
1年間、効率的に目的意識を持って勉強してみてください。
今からだと少し遅れ気味ですが、何とか3科目こなせると思います。
1年後の試験の出来次第ですが、ある程度の手ごたえなら働き始めて良いですし、今ひとつで大学院免除も気が乗らないならもう一年だけ税理士試験に専念しても良いと思います。
税理士は、資産運用のような刺激の強さ・スケールの大きさには欠けますが、お客様の顔が見えて、ありがとうと言ってもらえる仕事です。
税理士試験は思われているよりは大変ですが、あきらめなければ合格できる試験です。会計人として優秀な方のチャレンジを歓迎します。ぜひがんばってください。