2016年11月30日

会計事務所の見分け方

税理士事務所に就職する場合の一番の問題点は
入所するまで事務所の内容が分からないこと
「良い事務所」は必ずしも多くはないことは残念ながらある程度事実です。

ただ、インターネットで言われているほど、
長く勤めるのに適さない会計事務所しかない業界かと言われると
そうではないと会計事務所経営者としては反論したいところもあります。

初めての会計事務所にうんざりして会計業界を去る人も多いので
ミスマッチを減らすべく

会計事務所の見分け方

新卒の就職活動の場合、たくさんの企業をきちんと分析するし、
履歴書は数十通〜100通近く出すと思います。
それくらいの熱意をもって努力すれば、あなたに合う会計事務所が見つかるかもしれません。



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<注意事項>
あなたが何を求めるかによりますので
以下のことが悪いとは限りません。
あくまで参考程度に…。

募集要項を見ると、その会計事務所・税理士事務所の特色も想像できます。
ただし、情報の少ない事務所もあります。
ホームページの写真等でスタッフの年齢や社員としての経験年数を想像してみてください。

(1)所長が40代以上でスタッフが若い人、経験が浅い人ばかり
→育てる能力がないか、働き続けられない理由がある。

社会人経験者はご存知でしょうが
若い人ばかりの企業は就職時には、活気がありそうで人気がありますが
実際には、働く人にはつらい危険な企業が多いのは一般企業と同じです。

(2)スタッフは女性ばかりで、男性スタッフなし
→男性が定着しない。待遇、人柄・教育・業務レベル等に問題がある。
男性は避けた方が無難。

男性にいてもらうためには制度をきちんと整える必要があります。
男性に何度も退職されると、「やめない女性」ばかり採用します。
根本的な問題は放置されます。
女性にとっても良い事務所とは限りません。

所長が女性税理士ならやむをえない面もありますが
男性の所長だとしたら確信犯的です。

(3)スタッフは男性ばかりで、女性スタッフは少ない。
男性比率が7割を超え、社歴の割に若い人が多い。
→→所長が男尊女卑
 成長意欲がある女性はフラストレーションがたまるでしょう。
→仕事が忙しすぎて結果として男性ばかり残った。
 女性は避けた方が無難。
 男性は、残業大好き、体育会系男社会のノリがOKなら可

会計事務所の男女比は難しいですね。
正常なら、一般的な会計事務所の場合
女性に向いたバックヤード事務も多いので男女比や4:6くらいで普通な気がします。

(4)未経験でも育てます系
離職率」が高いか、経験者を使いこなせないで業務レベルが低いリスクも。
単なるセールストークでないかは
何年社員が勤めているかという実績で判断できます。
面接でスタッフの社歴を聞いてみましょう。

「会計事務所・税理士事務所の離職率」はこちら

なお、広告が上手な準大手の税理士事務所・税理士法人には、残念ながら自社のホームページや求人広告・求人ビデオに虚偽の離職率(〇〇%など)を表示するところも見られます。
あくまでも広告だと割り切って事実は、ハローワークの相談員の方に確認した方が良いかもしれません。

会計業界経験者で転職組はクセがある方が多く
経営者には使いにくいことが多いです。
このため、未経験者歓迎という事務所もあります。
ただ、無資格者・未経験者ばかりだと業務水準は低くなります。
経験5年以上(大体1人前になる)の人がどれくらいいるか聞いてみましょう。

未経験者でも社会人経験があれば良いですが
社会人経験もない人ばかりだとビジネスマナーも心配です。
あなたが社会人経験がなく、まわりもそういう人が多そうなら
社会常識を、自力で本や研修で身につけましょう。
ずれていることに気づかないことがありますので注意。

(5)社員は定着しているが、若い社員が少ない会計事務所。
→お客様が増えず、業務レベルが低い可能性が高い。

業務レベルが高ければ、お客様からの紹介によって
ある程度お客様は増えます。
お客様の満足度が低いか
お客様に活力がない(良いお客様を惹きつけられない)
ということです。

(6)有資格者の比率が低すぎる会計事務所
→業務レベルが低い可能性が高い

税理士有資格者一人で10人見れないので
標準的会計事務所なら、税理士有資格者が
社員数の10分の1以上が望ましい

税理士の数は、日税連のHPで確認できます。
「税理士 検索」でページを出して
https://www.zeirishikensaku.jp/sch/zs_sch0.asp
「条件を指定して検索したい場合」の「税理士」を選択
https://www.zeirishikensaku.jp/sch/zs_sch3.asp
「事務所名」に就職希望会計事務所を入れればすべて出てきます。
(なお、ここでは登録していないいわゆる「税理士有資格者」は検索できません)

営業力が強く、業務水準が低い事務所は
所長・代表社員と営業を行う店長クラス以外、税理士がほとんどいないことがあります。

なお、SPC,REIT、IPO等、特殊業務の場合は
必然的に有資格者が多くなるので
税理士業務の業務水準との相関性はあまりありません。
(下記(7)参照)

(7)会計士の業務に専門特化した会計事務所
→ REIT(不動産投資信託)、SPC(特定目的会社)、
IPO(新規公開株式)、J-SOX(内部統制)等は本来、公認会計士の仕事です。
独立開業を目指す税理士の仕事ではありませんし
法人内でも給与・待遇で会計士には勝てないでしょう。

横文字で言われるとかっこよく聞こえますが
仕事自体は慣れると実は単調で物足りなくなるため
定着率は低く、人手も足りないので忙しいことが多い。

高度な業務というのが幻想だと悟り、限界を感じて
3年以内での退職が多く税理士にはお勧めしません。

標準化が簡単で、利益も上がりやすかったので
以前は、公認会計士ならおいしい仕事だったこともあります。
最近では量自体が減ってきました。

実は、これらの会計事務所は、求人広告が非常に上手です。
総合事務所、大きな税理士、オールラウンドプレーヤーなど耳障りの良いキャッチフレーズが並びます。
実際には単一業務がほぼ100%という悪質な広告のケースも見られます。
キャッチフレーズが本当かどうか見極めることが重要です。

(8)派遣をたくさん行っている会計事務所
→お客様の需要でやむを得ない場合もありますが
それがメインの会計事務所は人材を育てる余裕はないでしょう。 

税理士は職業専門家、プロフェッショナルです。
派遣中心の事務所は、未経験者がキャリアを積む所ではありません。
将来賃金や独立のための技術獲得で大損です。
まだ、零細事務所やパートの方がいいでしょう。
(パートから正社員になれる事務所は多いです)
派遣会社とは本来、
「専門知識を持ったプロフェッショナル」が
時間を有効に使うための労働形態だったはずです。

スタッフ数の5倍以下しか法人クライアントがなかったり
または、スタッフの20分の1以下しか税理士がいない
会計事務所は派遣中心でしょう。

正社員経験がない人は分かりにくいでしょうが
実際には、日本の場合
「男性」の派遣社員は自己中心的、責任感がない
という目で見られがちです。
派遣からの脱出がなかなか出来ないので
秋葉原の事件等に見られるように社会問題になっているのです。

「経理派遣と正社員」はこちら

税理士になる意思が強いなら、
目先のお金よりキャリアの方が重要でしょう。

(9)労働時間が長すぎる会計事務所。
(大手・中堅で見られます。)

→繁忙期以外に会計事務所に夕方・夜行ってみてください。
明かりが何時までついて、退社時間がどれくらいか
すぐにわかりますね。
税理士受験生はやめた方がいいでしょう。
朝8時前から「自主的」な?(就業時間には含まれません)
勉強会をやっているところもあります。
また、つきあい残業、一人では帰れない雰囲気が蔓延している税理士事務所・税理士法人もあります。

私は付き合い残業は嫌いです。
第一、知的仕事で1日12時間以上働いても
生産性は上がらないんじゃないかな。

ただ、労働時間が長い事務所は
経験を早く積みたい有資格の未経験者、
残業代が必要な税理士資格をあきらめた方
(残業代が出ないところも多いですが)
には良いでしょう。

残業過多・受験しにくい会計事務所  NGワード集
 「熱意のある、熱い方 募集中」
 「明るく、楽しく、若いスタッフ」  
 「平均年齢30歳」
 「資格の取得をまったく評価しません。」 (「受験勉強するな」という意味です)
 「あなたが資格をとってもお客様には関係ありません」
(一般就職の「ブラック企業の見分け方」とあまり大きな違いはありません)

「熱血」「体育会系」「宗教」「不夜城」とか色々言われています。
これ以上具体的な話は、特定の税理士事務所を批判になりかねません。それではこのサイトの趣旨に反するので
2ちゃんねる等、匿名有名サイトで悪質な会計事務所・税理士法人は確認しましょう。

大きな税理士事務所は多少の批判は有名税でやむを得ません。誹謗中傷もありえます。
ただ、火のないところに煙は立たないという言葉もあります。極端に評判が悪い場合は慎重な判断が必要です。

感情や意見表明を省いて、どこがどう批判されているのか
事実が何なのかじっくり読んで考えてみましょう。

(10)一人当たり担当者数が多すぎる事務所
低価格型の会計事務所は、電話やメールのやり取りが中心で、ほとんどお客様とお会いしません。
会計事務所経営者としては時代に上手に向き合って営業力があり、伸びているしすばらしいと思います。
ただ、税理士になろうという方にとっては、入力作業や、せいぜいルーティンの電話対応が仕事で
専門性コミュニケーション能力はみがかれないので
(社員教育がいらない分、価格を安くできるのです)。
お客様とあまり接しない、メールと電話で済ませる来店型の比率が高すぎる会計事務所はおすすめしません。
訪問をしている会社の比率が、どれくらいかを聞ければ内情はわかるのですが聞きにくいですよね。
このタイプは比較的ホームページが充実しているので、一人当たりの担当数が多すぎるときは疑ってみると良いかもしれません。

従来は、担当者一人につき平均30社以上になると多すぎました。難しいのは、最近は製販分離が進み、接客・フロントだけなら60社近くまで可能な時代になりつつあります。もっともその場合は、事務作業にバックオフィス担当者が1人必要になります。
=============
私自身は、税理士は中小企業の良き相談相手として、何でもお客様から気軽にお声掛けしていただきたいと思っています。
仕事にやりがいを感じるのは、お客様から「ありがとう」と言っていただけたときです。
これから税理士になる方は、もちろん、作業の生産性を上げるのは重要ですが、職業専門家として社会により役立つ仕事をしてもらいたいと思っています。
=============
もちろん、経験が浅く作業を覚えたいという方や、人と会うのは苦痛なので内勤の方が良いと言う人にとっては全く問題ありません。


こう書いてくると、ほとんどの会計事務所がダメで
どこにもいけなくなりそうですが
自分の求めるものと一致すれば
あまり気にしすぎても仕方がありません。

税理士事務所・公認会計士事務所は、最大手でも1000人級で
零細・中小企業にすぎません。
最大手でもBIG4を除くと、代表者の個人商店です。
上場企業のような待遇を最初から求めるのは現実的ではありません。
世の中の零細・中小企業に比べれば待遇・給与は恵まれている方だと思います。

ただ、お金のためだけに働くという方には税理士業務は向きません。
税理士事務所は荒稼ぎできる商売ではありません。

それでも税理士は
地域のベンチャー起業家、経営者、資産家といった
お客様に感謝され、
お客様の成長を一緒に喜べる
やりがいのある仕事です。

自分の心にうそをついて仕事をしたり無理にセールスする必要もない。
社会的にも「先生」として一定の評価をしてもらえる。

正しいことを正しくすすめて
お客様に、
「ありがとう」
と感謝される。


私はこの仕事が大好きです

一人でも多くの方に
素晴らしい会計人になってもらいたいものです。






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また、このサイトもありがたいことに皆様のご質問をいただき、事例が増えてきました。
ご質問の前に、同様な質問が無いかご確認いただけると幸いです。
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コメント一覧

2. Posted by 税理士ひさ   2011年12月21日 07:32
> リュウ様
コメントありがとうございます。

事務所選びは、気にしすぎても仕方がありませんが
少しでもミスマッチが減ってくれればと思っています。

勉強大変ですが、頑張ってください。
1. Posted by リュウ   2011年12月21日 06:30
はじめまして、リュウと申します。
検索サイトからきました。

高橋さんの情報、すごく参考になりました。
ありがとうございます。

自分は、現在税理士を目指している社会人です。
また見に来ます。

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高橋寿克

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