2017年09月

2017年09月07日

アラフォー官報合格者の大企業経理から税理士事務所への転職

税理士事務所 求人・採用・就職情報
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

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Y様からのお問合せです。

■年 齢:40歳
■性 別:男
■資 格:官報合格(H28:簿財法固消)
■職 歴:大手企業
■学 歴:早慶
■居住地:東京

大手企業で課長をしています。新卒で今の会社に就職し主に決算・税務に従事してきましたが、2年前に無関係の部署に異動となりました。今年元の経理部門に戻る予定が、残念ながら組織都合で戻れず、来年以降も不透明です。
決算・税務業務では社内の相談に誠実に対応することを通じて信頼関係を構築できることにやりがいを感じていました。
しかし、現在は上層部の無理な指示と仕事量が多く、成果の圧力も厳しいため、ストレスフルでやりがいが持てません。地位や高給には元々関心はありません。

父が認知症等で長年自宅療養しており私も同居していました。昨年からは入院・転院を繰り返しています。同居の母が主として介護等してきましたが、年齢的・体力的に厳しくなることが予想され、私が本格的に両親の介護をすることに現実味を感じます。今の環境では将来の介護との両立は困難です。最悪介護離職まで考えると、今独立は考えていないものの、自らの力で働ける要素が必要になるとも思います。
そこで、税理士としての転職可能性を考え始めました。

Q.1
官報合格者とはいえ40歳で一般企業から税理士業界への転職は厳しいと思いますが、最近の情勢はいかがでしょうか。

Q.2
税理士業界は残業が多いイメージですが、男性で介護と仕事を両立できる環境は探せばあるのでしょうか。

Q.3
副業を認められることはあるでしょうか。または、税理士業務以外の事業を行える環境はあるでしょうか。
少しでもお役にたてればと、税理士受験生悩み向けのブログを立ち上げました。直接人にサービスを提供できる力量はまだありませんが、お悩みをサポートするようなことにも関心があります。

長文にて恐縮ですが、よろしくお願い致します。

A.1 
大企業の場合、個人の意向よりも組織の全体最適のために人事が行われるのはやむをえません。
特に、経理部門は(財務の一部を除くと)単なるコストセンターで、
職人的な女性はともかく、男性にとって重要なポジションとは認識されていないと思います。
Y様の場合は現在の職種よりも経理職の方が肌に合うということですよね。

税理士事務所業界の就職事情はここ数年で劇的に変化しています。
従来は、他の産業から流れてきた20代後半〜30代前半の税理士試験受験生が採用の主力でした。
この層が、社会全体のバブル期以来の人不足で急速に減り、
税理士試験受験生が確実に減り続け、特に20代の落ち込みが目立っています。
人不足はしばらく続くことが予想されます。

お客様訪問のためには、どうしても男性が一定数必要で、
どの税理士事務所も、以前に比べるとだいぶ基準を甘くして採用をしています。

男性の採用拡大のための税理士事務所の対策は、
 ・20代前半の税理士試験0〜1科目合格の若者を採用する
 ・30代後半〜40代の男性を採用する
に限られます。

40歳のY様も、高い学歴、官報合格で、もちろん採用の対象です。

ただ、Y様が注意してほしいのは、
(1)税理士の仕事は法人営業に近い
経理や税務の知識については、企業の経理部門と共通しますが、
やる仕事は、どちらかというと営業に近いと思います。
独立しない限り、営業成績を問われるシビアな場面は少ないので
ノルマのないルートセールスといった感じです。

(2)給料は下がる可能性が高い。
現職では20年近く仕事や評価の蓄積がありますが、
税理士事務所では単なるペーパードライバーです。
残念ながら長く勤めた大企業からの転職ならば、元が高いだけに給料は下がる可能性が高いでしょう。

もっとも面白い、仕事のやりたい仕事を専門職として続けられ、職種チェンジや転勤のリスクは勤務先の所長の高齢による廃業以外はほぼありません。

(3)税理士登録は早めにした方が良い
勤務している会社に実務経験の証明書をもらって早めに登録をすすめましょう。
給料を上げやすくなるし、場合によっては税理士法人のパートナーになるという選択肢も選べるようになります。

A.2 
会計事務所は、残業時間が特別に多い職場ではありません。

残業時間が多いのは、
・BIG4(最近労基が入って問題になっている監査法人はもとより、税理士法人も)
・最大手の税理士法人
・熱血営業系の若手経営者の税理士法人
・企業理念等で洗脳する税理士法人
・大手派遣系税理士法人
・2世事務所や昔からの事務所のうち生産性が低いところ
など、ごく一部に限られます。
インターネットで、税理士事務所は残業時間が多いと書かれるのは、
皆さんが上記の事務所に入りたがることが多いためでしょう。

面白そうに見えたりするのか、それとも自分だけは大丈夫だと思うのか
いくら書いてもこういう事務所の人気が高いのです。
もっともBIG4や最大手の一角あたりは給料も高いので残業の多さを承知で入るのなら止めるつもりはありません。

むしろ、普通の会計事務所は、残業時間が少ないからこそ、女性、特に子育て中の主婦に人気があるのです。

残業時間が少なく、介護と仕事の両立ができる事務所を見分ける方法は簡単です。
女性比率の高い、子育て中の主婦が外回りもしている事務所をさがせばいいのです。
(製販分離で入力作業だけ女性にやらせている事務所は除く)
主婦は、子育てや介護で長時間残業はできませんから。
実は多くの税理士事務所がこの要件を満たします。

=============
税理士法人TOTALに、今夏、労働基準監督署の調査がありました。
タイムカードや残業時間も見られましたが、
若干の指導くらいで大きな問題はなく、ほっとしています。

もっとも、管理が行き届かない本部は残業時間が増えますので
本部長の管理能力の向上は重要ですね。
=============、

A.3
副業を認めるか、そういう環境にあるかは税理士事務所の所長、代表者の個別判断です。

ただ、個人的にはY様の場合、40歳とスタートが遅く、
税理士として一流になる、稼げるようになるために、数年は副業ではなく本業に注力すべきだと思います。
どんな仕事でもプロになるには3〜5年、1万時間かかると言われています。
本業で勝つのが一番効率が良い自己投資になります。

サラリーマンの人が思うほど副業で利益を上げるのは簡単ではありません。
もし副業するなら、(比較的効率よく勝ちやすい)株式や不動産投資あたりならとめません。

「税理士受験生悩み向けのブログ」で多少の反応があれば、楽しいですし自己満足にはなるでしょう。
ただ、それを副業として収益を上げるのはもちろん、人の悩みをサポートするのは、厳しいようですが意外に難しいものです。

=============
私は、事務所勤務時代の趣味? 株式投資の利益3000万円をつぎ込んで、税理士事務所の運転資金に充てました。
もっとも開業後は、株式投資はほぼ行っていません。数年前に全てのポジションを整理しました。
副業をやる余裕などありません。

また、税理士受験生の悩み向けのブログや相談サイトで長く続いているものが、このサイト以外にそれほど多くないのは、本気の文章を書くのに相当な労力がかかるのに、書く側にメリットがそれほどないからです。

ちなみに私は、皆さんからの質問に対する回答記事を1本書くのに平均して5時間くらいはかけています(その後の見直しを考えると10時間くらいか)。
相談者の立場・状況を考えて、かつ、それを読んだ他の方への影響も考慮し、一定のレベルの文章を書くのは、たくさんの受験生・就職希望者を面接し、このサイトを10年間続けてきた私でも大変です。
(本業の合間に行うため、回答が遅くなったり、一部回答しないこともあります。申し訳ありません)

参考までに、税理士法人TOTALのスタッフで小説家、シナリオライターをしていた方がいますが、400字詰め原稿用紙を1枚書くのに平均1日かかっていたそうです。
プロとして文章を書くには、それなりの時間・労力・技術を必要とするのです。

それでも私がこのサイトを続けるのは、
税理士事務所求人・就職情報 設立の趣旨
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2017年09月03日

税理士事務所の休日と海外旅行

税理士事務所 求人・採用・就職情報
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

7月10日過ぎ〜9月は税理士事務所で一年間で一番暇な時期、
いわゆる閑散期です。

税理士法人TOTALでは、法定外の有給で、夏季休暇を3日間付与しています。
これに有給休暇を合わせて、旅行に行く方が多くおられます。

・地方に里帰りをのんびりする人
・国内のリゾート地でバカンスを過ごす人
・毎年、9月に海外に出かける人(8月は高い)

私は今夏は北京に行ってきました。

中国人の社長様、中国とビジネスするお客様は増え続けています。
上海、香港、シンガポールと最近、中華圏への旅行が多めです。

事前に旅行地の本を読みまくり、ネットで調べまくり、自分でエアやホテルの手配、行程表を作成します。
かなりマニアックです。
旅行内容については
北京旅行 故宮博物院、万里の長城と中南海 世界の中心を旅する(2)

正月のニューヨーク、大阪、北京と続き、次はドバイに行こうと思っています。

あ、遊んでばかりいませんよ。普段は忙しく日常の業務をしていますし、
旅費は経費にしていませんからね。
税務署が怖いし(笑)。

それに、
旅に出て、人に会い、本を読む。
自分を磨き、何をすべきかを考えるのが経営者の最も大事な仕事です。

この時期は、スタッフの皆さんのお土産がデスクに置かれることが多いです。
ちなみに私の今年のお土産はパンダのクッキーでした
(こてこてです)。

そう言えば、9月に入社してくれた会計事務所経験の長い女性スタッフが
海外旅行に行ったことがほぼないと言っていました。
お爺ちゃん事務所で、忌引き以外で休むことができる雰囲気ではなく、
新婚旅行にも行っていないとのこと。

私も大昔、会計事務所勤務時代に
初めて2泊3日でソウルに行って1日有給を取得したら、
忌引き以外では休めないものだと言われたことを思い出しました。
(昔はそれが当たり前な時代でした)

もう、そんな時代じゃないと思いますし、そんな税理士事務所は多くないと思いたいですね。
彼女には、来年はぜひ夫婦でのんびりと旅行に行ってもらいたい!

税理士試験受験生は、旅行する余裕はありません。
受験生は、夏季休暇の代わりに、
試験当日は有給の休日になるのに加えて
法定外有給で試験休暇を6日付与しています。


ところで、8〜9月は採用シーズンです。
最近、求人票で休みの多さを誇るために?
<年間休日120日> という記載が増えています。

これって不思議なんですが…

土日祝日と年末年始を合わせると
(夏季休暇がゼロでも)
2016年は実に123日
2017年は118日(日の並びが極端に悪かった)
2018年も それだけで120日、

最低限の有給休暇を合わせると130日になるんですよね。
有給休暇は使われないから含まないんですかね。

日本人は世界的に見て有給消化率が低いそうです。
休む時は休んで、仕事には集中して取り組んだ方が効率はいいですよ。
ワーカホリック(仕事中毒)の私が言うと説得力ないですかね。

税理士法人TOTALは、一般企業出身者が多い関係で夏季休暇又は試験休暇はもちろん、法定の有給休暇もそれなりに使われています。
もっとも繁忙期は休日出勤の方もいます。
ありがたいことにメリハリをつけて働いてくれています。



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