2015年09月

2015年09月22日

中堅税理士法人の採用戦略とコミュニケーション能力

税理士事務所し 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

ご質問はここをクリック

ぶー様からのお問合せです。
■年 齢  26才
■性 別  ?
■資 格  税理士試験二科目合格 
       三科目(科目不明?)結果待ち
■職 歴  なし
■学 歴  MARCH
■会計事務所経験 なし
■居住地  ?

こんにちわ

Q.
なかなか税理士法人から内定がもらえません、少し結果を待ってまた再び就活を始めようと思うのですが、
中堅ぐらいの税理士法人だと26職歴なし、未経験だと厳しいでしょうか??

厳しいようなら小規模の事務所も考えています。

A.
ぶー様の経歴なら、(場所が不明ですが中堅税理士法人の多い)都内なら普通は余裕で内定が出るはずなのですが…

中堅税理士法人の採用や教育の戦略はいくつかに分かれます。

1.税理士試験科目合格者優先
税理士試験2科目合格以上が原則
従来は3科目でしたが、最近では2科目合格までハードルを下げているところがほとんどです。

法人税法受験経験 や 会計事務所経験ありはプラス評価
このくらいでないと業務についていくのに厳しいからです。
多くの中堅税理士法人はこの形式をとっています。
あとは、学歴・職歴等を確認しつつ、面接で人柄(コミュニケーション能力等)を見て内定を出します。

2.会計事務所経験者優先
(1)成長中の事務所で教育している時間がおしい。
とある準大手税理士法人は、20代〜30代前半の会計事務所経験者ばかりでした。
中小零細の会計事務所出身者を中心に採用します。
(未経験者も、お客様担当者が必要なので、勉強中心の人よりは営業力がある方が採用されます)

(2)教育する仕組みがない。
最初から、中高年の会計事務所経験者や経理経験者を中心に会計工場を目指す。
教育コストをかけないで低価格を実現しています。
お客様訪問(巡回監査)が少なくて、記帳代行中心で、価格勝負の税理士法人です。
ホームページの代表者のあいさつをよく読めばこのタイプの事務所は見破れます。

3.営業力優先
税務・会計の知識・技術、勉強が進んでいるかよりも、会社の考え方にしたがってくれるかや、お客様と仲良くなれるかを優先する。
一般企業の営業出身者を優先して採用する。
残業はもちろん、残業時間にはカウントされない就業後の職場の仲間・先輩(やお客様)との飲み会が週の半分以上など、仕事の実質拘束時間が長く勉強する時間がとりにくいので、あまり勉強をしたがる人は採用しません。飲み会を断りづらい雰囲気があり、連続して上司の誘いを断ると評価が下がりかねません。飲み会で仕事の話や法人の経営理念等を伝えることが多くなります。
勉強はお客様には利益をもたらさないし、営業力だけ身につけてすぐに独立されるのも困るという考え方をそのタイプの会計事務所経営者はしています。

営業力優先の税理士法人は、税理士資格は、官報合格予定者の採用か、3科目持ち以上を大学院に行かせて免除で取らせることが多いので、2科目合格で勉強好きだと退職しやすいので採用されにくくなります。
そもそも税理士・有資格者はあまり入ってこないし、資格が取れると辞められることも多いので、税理士が少なく、税務のレベルが低くなりやすくなっています。
従業員数の10人に一人、税理士・税理士有資格者がいない場合はこのタイプの可能性が高いでしょう。また、事務所見学会があれば、人数の割に、法令集、実務書をはじめとした書籍が少なければこのタイプだとわかります(じっくり条文を読める人が少ない)。

また、営業力優先タイプは、経営理念・クレド等、精神的なものを過度に強調する税理士法人も多くなっています。
居酒屋の呼び込みのような極端なあいさつ
大声でのくりかえす理念唱和
などが見られることもあります。
(組織ですから、ビジネスの場で戦っていくうえでバラバラにならないように精神的な一体性は必要です。それを否定するわけではありません)


ぶー様は、一番多い 1.税理士試験科目合格者優先の条件を十分に満たすので、普通は内定が出るはずなのですが…。

内定が出ないとしたら
(1) スタートが遅かった。
初の就職でのんびり構えていた。
零細税理士事務所と違い、中堅以上の税理士法人は入社手続きも厳格なところも多く、8月末内定では9月入社に間に合いません。
中堅税理士法人は今年はみんな9月入社に合わせて早めに動いていました。
入社予定数に達すれば、しっかりした税理士法人ほど、経験者はよほどいい人でないと普通は採用しません。
9月が一斉入社で、集合研修等を行うためです。
いつでも会計事務所経験者の正社員を採用できるのは、
 ・あまり教育をしない税理士法人
 ・辞める人が多い税理士法人
 ・成長率が高すぎる税理士法人、
などになります。
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TOTALは、部門によって異なりますが、税務部門の正社員で会計事務所未経験者は、9月入社か新卒の4月入社が多いです。
ただ、実際には成長率も高く、それ以外の月も必要に応じて採用しています。
会計事務所経験者は、ツールもしっかりしてきているので通年採用でも問題がありません。
=============

(2) 上記2や3の税理士法人に応募していた。
2は会計事務所未経験のぶー様では採用されにくくなります。
3も、落ちることも多いかもしれません。

2と3は、別々ではなく重複することも多くなっています。このタイプの事務所は時代を反映して成長していることも多いし、営業力があって求人広告も上手なので、求人も目立ちます。
ぶー様が早めに動いたにもかかわらず、採用されていないとしたらこのタイプの税理士法人を多く受けていたのかもしれません。

(3)コミュニケーション能力の不足
(1)、(2)が思い当たらない場合、社会人としてのコミュニケーション能力が不足していることが考えられます。
学生のような話し方、文章の書き方では、お客様を担当させられません。
社会人経験で補えるのですが、その教育をしない・できない税理士法人もあります。
また、人気のある中堅税理士法人には、相対的な比較の問題でコミュニケーション能力が不足していると採用されにくいかもしれません。

今年は、まだ採用活動を続けていて、10月以降も採用を予定している税理士法人も多くなっています。
中堅の税理士法人を目指してもう少し頑張ってもいいような気がします。

もっとも、小規模税理士事務所が悪いということではありません。特にコミュニケーション能力が不足しているとしたら、所長が50代〜60代前半くらいで年配者の多い小規模な税理士事務所は、むしろしっかりしたお局さん、番頭さんがいて社会人経験を補うのに良いケースもあります(私の場合は、27歳職歴なし、3科目持ち2科目待ちでした。当時50代後半と60代前半の所長の中小規模の事務所でしたが勤務した2か所とも上司に恵まれました)。
そこが合わなければ、1〜3年たてば中堅の税理士法人に転職することは今よりもずっと容易なはずです。


今夏の採用の特色は、税理士試験が例年よりも遅かったため短期集中型で、
受験生の減少に伴う売り手市場のため、
人気のある税理士法人に応募者が殺到して、特定の求職者が内定をたくさん持っていました。

このため、人気があるところから順に内定が決まっていき、人気がない税理士法人・税理士事務所は必要数の新人が採用できずに困っています。
この傾向は、一般企業が人不足で就職市場が活況なのでしばらく続きそうです。

TACや大原簿記学校の就職説明会は、応募者の数より、採用活動をしている事務所スタッフの数の方が多いのではないかという状況でした。
それでも、いくつか人気のある事務所は行列が出来ていました。

ちなみに、専門学校の就職雑誌に載せているのに、就職説明会には出ない中堅税理士法人は
(1)説明会に出てスタッフに負担をかけたくない
金銭的には中堅にとっては言うほど負担ではありません。ただ、休日を使って大人数を出さなくてはいけません。その結果が芳しくないとしばらく出なくなります。
(2)勉強優先の業界未経験者は欲しくない
会計業界経験者も就職雑誌は読みますが、税理士試験から動く方が多いです。このため、就職説明会には真面目な業界未経験者が多くなっています。
(3)過去に出入り禁止になった
現場での勧誘にはルールがあります。呼び込みをやりすぎると他の参加事務所からクレームが来て、専門学校から就職説明会は出入り禁止にされます。いくつかの有名事務所が対象になっているとお聞きしています。
(今年、ルール変更を知らないでTACさんにはご迷惑をおかけしました。今のところ「出入り禁止」とは言われおらずホッとしています)

採用に苦しむ中堅以下の税理士法人では、税理士業界の魅力を発信するための取り組みが目立ってきました。
特に若手の会計事務所経営者の中には組織立った動きもあります。業界の新しい取り組みに期待しています。

インターネットでは、職場環境は実態よりもどうしても悪く書かれがちです。自分の事務所の良さを書き込む人は少ないですが、辞めた方は悪口は感情的になって書きがちです。
税理士の仕事は、若いうちは普通ですが、年齢とともに価値が増す、50代でも成長を続けられる極めて珍しい仕事です。普通は、営業力は40才を過ぎると急速に衰え、管理職に出世しないと会社に居場所がだんだんなくなってきます。
コンサルや監査法人はもちろん、銀行をはじめとする金融機関もその傾向が強くなっています。
これに対して、税理士に最も求められるコミュニケーション能力は経験を積むほど磨かれますし、医療や相続といった仕事、総合的な視野が求められる中堅企業のコンサルは若者よりも中高年の方が強くなります。
このため、税理士業界は、アラサーでも人生のやり直し、敗者復活戦ができるのです。


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税理士法人TOTALも、今夏は例年になく危機感を持って採用を進めました。

面接では内定を既に2つも3つも持っている応募者、うちの後にいくつか面接が入っている応募者の方も多くおられました。
このため、早めに内定を連発したのですが、ありがたいことに辞退されることも少なく、ほとんどの方にご入社いただけました。

専門学校の就職説明会にも久しぶりに参加しました。11年前に最初に参加したときは、知名度・人気がなくて、まったく誰にも相手にされなかったのですが、ありがたいことに今回は行列が出来ました。ただ、一度に対応する力がないので、残念ながら面接を入れる前に他の税理士法人に行かれる方も多くおられました。
(どこも今年の内定は早かったですね)
スタッフにはご迷惑をおかけしたので、来年、出席するかどうかはじっくり考えます。

結果として採用予定数に達した後にご応募いただいた方の中には、いつもなら文句なく採用する水準なのに、採用できなくなった方が出てしまい申し訳ありませんでした。

税理士法人TOTALの採用は、じっくりコストをかけてうちの事務所にあっている人を採用しようとしているのが特徴です。

 「人」 は組織にとっての 「財産」 です

税理士法人TOTALでは悪い点も採用のページにはかなり書いています。このため、応募者に驚かれることも多いですが、そうすることによって不幸なミスマッチを減らそうと考えています。
一旦採用した人は、なかなか結果を残せなくても異動や配置転換を繰り返して、極力その方が生きるように努力しています(本人以上に、実は上司が疲れますが)。

伸びている中堅の税理士法人は、
厳しい競争を課して、結果で出世を競わせて自然淘汰で選抜しているところも多いようです。
これは組織のつくり方としてはむしろ一般的です。

中には、入口ではゆるくして、入社当初、試用期間ではなく1〜2か月の有期雇用(雇い止めが合法的にできます。さらに社会保険がその間未加入なら、その間に辞める人が多いということです)やインターンにして、合わない人は純化のためにやめてもらうという税理士法人もあります。短期間に半分以上辞めてもらう税理士法人もあり、その採用規模を最初お聞きした時は衝撃的でした。
実際、1時間程度の面接ですべてを見破ることは出来ないので合理的なやり方ではあります。ドライに割り切れてうらやましいですが、(きちんとやめさせる方のフォローはなさっているようでしたが)この方法は一歩間違えると働いてくれた人に恨まれかねないので心臓の弱い?私には選びにくいですね。

採用に決まった答えはないように思います。
うちが、受験生や主婦、働く人に寄り添おうとするのは、田舎の駅から坂を上って10分以上歩くという極端に立地条件が悪くて応募してくれるだけでありがたいという事務所からスタートした歴史があり、そのDNAが今も生きているからかもしれません(新規出店は駅近ばかりです)。

その分、応募者が多くなった今では、面接はかなりじっくり行います。このため、素早く機動的には面接を行うことができないという欠点を抱えています。
なかなか採用は難しいですね。

来夏以降も、早目のご応募お待ちしています。
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2015年09月20日

税理士試験の選択科目と専門学校卒の出世

税理士事務所し 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

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イエス様からのお問合せです。
■年 齢  20才
■性 別  男
■資 格  日商簿記1級 
■職 歴  なし
■学 歴  専門学生(4年制)
■会計事務所経験 なし
■居住地  関東

はじめまして。
いつも拝見させていただいております

私は今回始めての税理士試験ということで簿記論・財務諸表論を受けました。
そして、9月からは法人税法と消費税法の2科目を勉強します。

それで、あと1つの科目について何を選択しようか迷っている最中です。

Q.1
受験科目の選択の際に、
(1)実務との関連性を考えて所得税法や相続税法をとるか
(2)はやく税理士試験を突破することを目的にいわゆるミニ税法を受けてでもはやく合格をするか
どちらがよいのでしょうか?

私自身は、ミニ税法を受けてはやく税理士試験を突破し、それ以後に必要な科目については勉強するのがよいのではないと考えています。
理由は、税理士の資格をとらないと賃金が安いままというのと、はやく試験に受かってしまえばメンタル的にも楽なのではと思ったからです。
もちろんミニ税法=簡単というわけではないのも重々承知です。

Q.2
私は将来、税理士法人で働きたいと思っております。
その際に
(1)取得した税法科目により法人内での役職、立場には影響などはありますか?
(2)専門学校卒の人間でもマネージャーのような役職につくことは可能なのでしょうか?

浅はかな知識しかないため、間違ったことを言っているかもしれませんが、
どうかアドバイスをお願いします

A.1
簿財受験後に、法人税法と消費税法を受験するのは一般的ですよね。
最後の一科目は意見が分かれます。

もちろん、イエス様の意見は一理あります。
5科目受験時20代後半以上なら、私もその方が良い人もおられると思います。

イエス様の場合、私の意見は(2)です。
受験が一巡する時点でも22歳ですよね。仮に受験で数年余計にかかっても、25歳前後で官報合格になります。
あまり若いと独立はしにくいし、科目によって行ける事務所・できる仕事も若干だけですが変わってきます(A.2参照)。

3科目持ち以上で就職するなら、独身ならたいして生活には困らない給与水準でしょう。
不合格になった科目は時間をかけた分、後になっても忘れにくくなります。実務で必要ないミニ税法を受けるくらいなら、主要科目を受けた方がかえってロスがありません。
急がば回れ」です。

それに昔から
若い時の苦労は買ってでもせよ
と言うではありませんか。
若い頃の苦労や失敗を乗り越えた経験は、自分を鍛え上げるのに役立ち、大きく成長するための大いなる財産です。
苦労を経験せずに、上手に楽に立ちまわろうとすると、その分、小さくまとまった人物になりかねません。

私自身を振り返っても、10代、20代の努力や病気による苦労、30代前半の受験のつらさが、今でも生きていると感じています。

ただし、結婚予定が20代前半にある場合は、家庭を持つことにより時間的・経済的に制約を受けるので、(1)の方が良いと思います。

追記) 所得税法と相続税法では、
・医療系を目指す場合以外は、相続税法が実務的には役に立ちます。
・合格への難易度でいうと、法人税法が仕上がっていれば重複する部分が多い所得税法の方がやや楽かもしれません。

A.2
(1)取得科目は役職、立場への影響はほぼありません。
ただし、資産税業務をやる場合は、相続税法合格者の方が採用されやすいし、仕事も振られやすいでしょう。
もっとも、入社後に合格者レベルの勉強をし、そのことをアピールできればその差はカバーできるでしょう。

(2)専門学校卒の人間が出世で差別されるかは税理士法人によります。
BIG4(4大税理士法人)や、公認会計士がトップの場合にみられる上場・外資関連や金融機関のお客様を多く持つ税理士法人は残念ながら、マネージャーになれるかはもちろん、入社時にも差はあると思います。

外資系は、実力主義・成果主義と言いながら、一方でMBAを中心として学歴で差別があることでも有名です。
外資系コンサルなどは、東大・京大・一橋・東工+早慶の上位学部以外ほとんどおらず、出身高校も見られたりするのです。
クライアントである外資系企業や、上場関連企業は相手方の担当者も高い学歴になります。
金融機関の支店長や担当者と話す際に学歴は結構話題にのぼります。
税理士法人のスタッフを紹介する際にそれに見合う学歴が当然に要求されるのです。
最近では、会計業界は売り手市場で専門学校卒の方もそういう税理士法人に入社できるチャンスは増えていると思います。
それでも、営業力が求められるマネージャー以上の役職になるのは容易ではありません。BIG4のプロパーの幹部には専門卒は誰もいないかもしれません。

それ以外の税理士法人は、トップの考え方によります。
高学歴者優先の事務所も一部にありますが
同族の中小・中堅企業のお客様が中心の多くの税理士法人は、専門学校卒でもマネージャーやさらにその上のパートナーになることも可能です。
実際、同族オーナー社長は、いわゆる高学歴の理屈っぽくてスノッブ(俗物的)な人が嫌いな方も多く、自分に近いたたき上げの苦労人を好む傾向が見られます。
若くから努力した専門学校卒の税理士のうち、営業やマネジメントに向いている方は出世することも多いでしょう。

=============
税理士法人TOTALでは、
(1)資産税業務は相続税法受験経験者優先で行ってもらっています。
相続税法受験未経験者で資産税業務希望者には、専門学校に通ってもらったりしていただいています。

(2)専門学校卒の方もマネージャーはもちろん、パートナーにもなってもらっています。
実際、私を含めて10人のパートナー(役員)・本部長のうち2名が専門学校卒です。
税理士の学歴」によると専門卒は8.5%(第63回税理士試験)、高校卒と合わせても14.2%ですから、税理士法人TOTAL(20%)はそれ以上になります。
お二人とも20代前半から会計業界でキャリアを積まれた優秀な方で、もちろん特に優遇したわけではありません。
税理士法人TOTALは、学歴に関係なく、マネジメントや営業の実力でマネージャーやパートナーを選んでいます。
=============



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2015年09月05日

税理士事務所の就職とコミュニケーション能力

税理士事務所し 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

例年ならこの時期は、税理士事務所の就職・採用シーズンも一段落なのですが、今年は試験日が遅かったため、まだまだ就職活動をしている受験生の方もおられると思います。
もう一息、がんばってください。



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サーニー様からのお問合せです。

■年齢 27歳
■性別 男
■資格 なし
■職歴 郵便配達員(契約社員)2年半
■学歴 高専卒、地方国立大学自主退学
■会計事務所経験 なし
■居住地 東北

初めまして。

これから税理士を目指すべきか悩んでいるものです。

高専を卒業して、大学にも編入しましたが、恥ずかしながら、学生時代ろくに勉強しなかったので、理系の専門知識が全く身につかず、そして大学は卒業すらできず退学しました。

そして現在、地元の郵便局で郵便配達員(契約社員)として働いています。

先生のブログ等を拝見するようになり、税理士は30歳前後からでもキャリアをスタートさせることが可能だと知り、税理士を目指そうかと考えました。

しかし、よく拝見するにつれて、税理士という仕事はコミュニケーション能力や人に好かれる人柄が必要になることを知りました。

私は、人付き合いがとても苦手です。人と親密な関係になることが不得意で、コミュニケーション能力が乏しいです。特段人に好かれる人柄だとも思いません。

Q.
私のような人間は、税理士を目指さない方がいいのでしょうか?
先生のご意見を頂けたら幸いです。よろしくお願いいたします。

A.
税理士事務所は、30歳前後で試験勉強を始めて、30代前半までキャリアチェンジができる
「敗者復活戦」 有りの珍しい資格だと思います。

一方で、「税理士」という仕事は、お客様と話をするので、内勤者を除くと、一定のコミュニケーションが必要なのも事実です。

というか、そもそも、どの仕事も、内勤の作業者以外、コミュニケーション能力が必要です。社外の人と接点が少ない仕事でも、社内の人との調整にコミュニケーションを取る必要があります。

もっと言うと、コンピューターが普及し、ロボットの活用が進むと、人間が行う「作業」の範囲はますます狭くなっていき、内勤の単純作業者は減り続けるし、付加価値は上がりません。
「孤高」のイメージの大学の研究室でさえ、コミュニケーション・調整能力がないと、成果を上げられないとお聞きしています。

「人間」という言葉は、「人」の「間」と書きます。
社会的な動物で、「一人」で生きていくことはできないし、他者とのコミュニケーションを前提とする生き物だということを物語っているのでしょう。

では、税理士事務所に入る人はみんな
高いコミュニケーション能力を持っているのでしょうか?
そういう人しか税理士事務所には入ってこないのでしょうか?

私は、会計事務所の経営者として、たくさんの方を面接して、たくさんの方を採用しました。

その結果は、驚くかもしれませんが、実際には…

男性会計人には、高校・大学時代に、
リーダーシップを発揮していた人、
面白くてクラスの人気者だった人、
気の利いたジョークを言えるコミュニケーション能力が高い人
は決して多くありません。1割くらい、どんなに多く見ても2割はいません。
(女性の場合は、転職組にはむしろこのタイプがかなりおられます)

ちょっと考えるとわかりますが、そんな男性は、商社、金融機関、建設・不動産やメーカーで、営業成績を上げ、税理士業界には転職してきません。

がんばったけど営業成績が上がらず、限界を感じていた人
堅物で真面目にコツコツが得意で経理に配属された人
営業が嫌で学生時代から資格の勉強をしていた人
このタイプのおだやかな男性が最も多いです。

さらに、
塾・専門学校講師やプログラマーといったあまり営業力を求められない仕事だった人、
現場の体を使う長時間労働の現業職がきつくて事務職に逃げてきた人
新卒就職時に、ESをたくさん出してもお祈り続きで、たまに面接に進んでもコミュニケーション能力で落とされて新卒就職がうまくいかなかったフリーター・派遣労働者
体を壊したり心を病んで社会に適合できず、職歴がない
こういった人もかなり多くなっています。

それでも会計事務所が回るのは、

最初は社内で入力作業をしながら、あいさつや話し方といったコミュニケーションの基本を学べます。
気の良いお局さんや番頭さんといった古参の教育係の職員さんがいる事務所も多いです。
ほとんどの会計事務所には営業ノルマはないので(狩猟型ではなく農耕型)、プレッシャーは過度にかかりません。
お客様に継続して定期的な訪問をする中で、トップセールスマンである社長からコミュニケーションを学べます
(所長を信頼してくれているので職員にも気を使ってくれます)。

仕事の中に、ゆっくりとコミュニケーション能力を向上させるための仕組みが用意されているのです。

また、中小企業の社長は、挫折組も多く、敗者復活組の税理士事務所職員とは相性も良くなっています。


=============
私は、
小学生時代は学級委員にはなかなか成れなかったですし、
中学・高校時代は年賀状も少なく、
大学時代には「スクエア(融通の利かないつまらない奴)」と言われました。
体を壊して、28歳近くで初めて会計事務所に就職した際は、塾講師のアルバイトしかしたことがなかったので履歴書に「職歴なし」と書きましたし、
社会人になっても「銀行員さんみたい(四角四面で話し相手にならない奴)」と言われました。
青年会議所の理事投票でもいつも下位に低迷していました。
私は、本質的には、人に好かれるタイプではありませんし、最初からコミュニケーション能力を持っていたわけでもありません。

こう振り返ると典型的な、ダメ人間だなあ。

それでも、最近では、くだらない?ジョークを連発したり、相手の方の意図に沿った会話はできるようになりました。
=============

成功している会計人は、
穏やかな優しい人 か
評論家タイプの皮肉屋さん
が多いような気がします。
共通するのは真面目さですね。

税理士試験は、地味な長丁場の試験です。大学院進学を考慮しても2科目合格で働き始めないと正社員の場合は、仕事と勉強の両立は厳しくなります。

繰り返しになりますが、税理士試験の勉強をコツコツとできて、コミュニケーション能力もある方は少ないです。

このため、最近では、逆に科目合格不問(というか 実質は税理士試験の勉強をしない人を優先)・会計事務所未経験の営業経験者歓迎にして、コミュニケーション能力だけで採用する事務所もあります。
営業力・コミュニケーション能力があれば、パターンでお客様と話をするので税法をあまり知らなくても大丈夫というビジネスモデルです。
このタイプの事務所に入社した場合、勉強する余裕はないので40歳までに税理士になれない可能性が高く、その後の人生が不安定になります(若さの体力と営業力だけでは40歳前後で昇給が止まり、科目なし40代では会計事務所への転職は難しいし、異業種への転職はなおきついです)。
ライセンスのない男性会計人は減少していくのが歴史の宿命だと思います。

東北在住の理系の方だと、イメージ的には純朴でコミュニケーションに自信がない方も多そうですね。
ただ、コミュニケーション能力は、国語力の類(たぐい)で、訓練すればだれでもある程度までは達すると思います。

サーニー様が、税理士を目指すべきかどうかは、
今、コミュニケーション能力が乏しいかどうかはそれほど重要ではありません。
一番に、あきらめずに試験勉強を続けられるか、
(高専出身者なら勉強は苦手ではないと思います)
次いで、お客様のために頑張ろうと思えるようになるかどうかだと思います。

お客様をよく見て、お客様のためにと思えれば、コミュニケーションを含む能力はおのずと身についてくるものです。



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2015年09月01日

税理士事務所求人・情報 設立の趣旨

税理士試験受験生、会計事務所就職希望者の皆さん
はじめまして

税理士の高橋寿克です。
税理士法人TOTALの代表をしています。
毎年、税理士業界未経験者と面接し
たくさん質問もいただきました。

ご質問はここをクリック

新卒の学生
税理士試験に専念して初めての就職を迎える方
会計事務所勤務経験がある方
子育てが可能な事務仕事をさがしている女性の方
大学院進学について悩んでいる方
アルバイトしてでも税理士受験を始めたい方
公認会計士試験からの転身を考えている方

たくさんの方と面接させていただき、
たくさんの方を採用しました。

今では東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県に首都圏最大級の店舗網を持ち、多くの社員に恵まれていますが、
実は、たくさんの失敗をしてきました。
特に、事務所とのミスマッチのために辞められた方もたくさんいました。
(最近ではだいぶ定着率が上がってほっとしているところです)

「こんなはずではなかった」と言うことのないように
会計業界志願者・税理士受験生のための
就職・転職情報をまとめてみました。

間違いだらけの就職活動!
某有名掲示板では
会計事務所の悪口のオンパレードです。
(まるで世の中には良い会計事務所は存在しないかのような書かれようです)
でも、その原因の多くは

税理士事務所は入社しないと内容がわからない

所長次第のロシアンルーレットみたいなもの

良い事務所もたくさんありますし、
(うちの事務所が良いと書き込む人は少ないでしょう)
事務所・所長との相性が悪いだけかもしれません。

=============
このサイトでは原則として税理士法人TOTALの採用に関するお問い合わせはお受けしていません。
採用については 税理士法人TOTAL採用ページ

税理士法人TOTALでは、お客様の増加に伴い、通年で募集を行っております。
=============

ミスマッチが起こるのは
会計事務所側の情報発信不足
就職希望者側の情報収集力・分析力不足によるでしょう。

このサイトがミスマッチ解消に貢献できれば幸いです。

自分の反省も含めて
就職希望者・会計業界のために書き続けていきたいと思います。

税理士試験は努力が必要な試験です。
技術と経験が求められ、一定期間の下積みも必要です。
そして、税理士事務所は安定した収益を着実に伸ばせますが、短期間で荒稼ぎできる商売ではありません。

短期間で「大きく儲けたい」
という方は金融・不動産投資、国際業務等をお勧めします。


それでも税理士は
勉強や経験といった仕事の蓄積が実力となり、
安定して成長していることを日々実感できます。

地域のベンチャー起業家、経営者、資産家、医師といった
お客様に感謝され、
お客様の成長を一緒に喜べる
やりがいのある仕事です。

自分の心にうそをついて仕事をしたり
無理にセールスする必要もない。
社会的にも「先生」として
一定の評価をしてもらえる。

正しいことを正しくすすめて
お客様に、
「ありがとう」
と感謝される。

私はこの仕事が大好きです。

仕事は楽しいですよ。


それに、他の仕事に比べて、50代以降も能力を伸ばし続けられるので、
70歳を過ぎても一線で働けて、超高齢化社会では
実は生涯年収はかなり高く、お得な職業でもあります。

一人でも多くの方に
素晴らしい会計人になってもらいたいものです。

なお、かなりはっきりした形で私見を書きますが
特定の税理士事務所を非難・中傷する意思はありません。
気にさわった方はすみません。
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会計業界が良い業界になるよう、
業界に入った若者を失望させることが減るように願っています。

それでは就職活動の前にじっくりとどうぞ。



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