2015年07月

2015年07月30日

経理派遣社員と正社員

会計業界未経験の方は
就職活動がうまく行かず、不採用が続くと
自分を否定されているようで
手っ取り早く仕事に就けてお金になる
経理派遣に逃げたくなります。

残業も少ないし、時給にすると会計事務所の正社員と変わらないので
(というか、賞与・福利厚生、昇給が無かったりする分、給料では派遣の方が高いケースも多いです)
一見お得そうですが、

税理士になりたいなら、派遣は絶対にやめましょう

税理士は職業専門家、プロフェッショナルです。
経理派遣労働は税理士業務とは異質なものですし
派遣社員は、未経験者がキャリアを積む所ではありません。

派遣労働とは本来、
「専門知識を持ったプロフェッショナル」が
時間を有効に使うための労働形態だったはずです。

「経験者限定」の所は高いスキルを要求します。
実際には、「未経験者可」も多く、この場合は売掛金管理・買掛金管理など、単純事務作業要員としての募集なのが実情です。

派遣労働は将来賃金独立のための技術獲得で大損です。

派遣社員で楽な選択をするのも自己責任で、大きなお世話ですが
派遣が社会問題になっているように

格差社会の「負け組」に確定しかねません。

正社員経験がない人は分かりにくいでしょうが
日本の場合
「男性」の派遣社員は自己中心的、責任感がない
という目で見られがちです。
「女性」の場合も、正社員へのキャリアアップはできにくいでしょう。
(紹介予定派遣は除く)
若いうちは良いですが、社員とは別に扱われ、1か所に3年以内しかいられません。

派遣社員は、以前なら大企業の社員がやっていた「作業」、
若くて素直でないと続けられない「作業」を、
社員でない若い人に置き換えるために使われることが多いです。
このため、30歳代後半が事務職派遣の実質的な定年になるのです。
(会社にとっては、作業者の昇給という無駄な将来負担が減り、
解雇の問題を抱えずに、作業量によって雇用を事実上調整できます)


派遣社員からの脱出が出来にくいので「格差社会の固定」として社会問題になっているのです。

「アリとキリギリス」ですね。

派遣社員よりは、零細税理士事務所や税理士法人のパートの方がいいでしょう。 



ただ、大手の会計事務所の中には税理士補助や「正社員」という名目で
経理「派遣」要員を募集している事務所も見られます。

ホームページや募集要項では見破りにくいのですが
・スタッフ数の5倍以下しか法人クライアントがない
または、
・スタッフの20分の1以下しか税理士がいない
事務所は派遣労働中心でしょう。

地道な下積みや技術の積み重ねが会計人としての素養を育てます。
これらは決して派遣では身につけられません。

将来がある若者が、きちんとした職歴も積めずに
会計業界から去っていくのは非常にもったいないことだと思います。

1年税理士試験の受験に専念して科目合格を増やすのも手ですが
ご家庭の事情で難しいこともあるでしょう。

派遣社員で働く前に
「あきらめずに会計事務所に就職する方法」はこちら






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会計・税務ソフトと会計事務所の関係

税理士事務所 求人・採用情報 就職・転職マニュアルの
税理士の高橋寿克です。

会計事務所未経験者はあまりご存じないかもしれませんが
ソフトにも会計事務所のくせは出ています。

会計ソフト
・弥生会計(達人または魔法陣)
・会計王(達人または魔法陣)
・勘定奉行(奉行シリーズ)
・PCA会計(達人または魔法陣)
・発展会計
カッコ内は税務ソフトでこの組み合わせが一般的ですが絶対ではありません。

会計ソフト・税務ソフトの両方あるメーカー
・JDL(日本デジタル研究所)
・TKC
・ミロク
・EPSON

最近では、クラウド会計も普及し始めています。
マネーフォワード、freee、crew等の新興勢力や
従来からの発展会計、
さらに、最大手の弥生会計も対応するなど、徐々に各社ともクラウド対応を進めています。
この他にも、会計ソフトは多数あります。

基本的にはどのソフトメーカーでもいいですが
(あまりマイナーなもの、独自開発のものは不利です)
若干特徴的なのは

・「JDL
 ハードも独自なオフコンメーカー
 (かゆいところに手は届く)
昔からの名門会計事務所も多い。

・「TKC
 理念(「自利利他」)の共有をはかり、教育もある程度整っているけれど
 良くも悪くも排他的
 (一部では宗教的と非難されることもあります)
 他のシステムの会計事務所への転職はしにくいかもしれません。

上記2社は税理士事務所向けでは最大手です。
価格的にも他社よりも高いといって良いでしょう。
(メーカーはその分、機能やサービスが優れていると言うでしょう)

税務申告ソフトは上記に加えて
達人シリーズ(NTTデータ)
・魔法陣(バンド)
税理士は独立時に、慣れ親しんだ自分が勤務時に試用していたソフトを使うことが多いのですが
この2つは価格が安いので選ばれることも増えています。
その他にもセイショウ、ICSなどがあります。


また、ごく一部ではありますが、高齢な税理士の中にはいまだに手書きやエクセルでの対応をしていたり、メールを使いこなしていない事務所もあります。
そんな税理士事務所に入るのはさすがに危険ですのでやめましょう。



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2015年07月20日

税理士試験に理解がある税理士法人

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

税理士試験までいよいよ1か月を切ってきました。
今年もたくさんの合格者が出ることを期待しています。



ご質問はここをクリック


NT様からのお問合せです。

■年齢 21歳
■性別 男
■資格 簿記論、財務諸表論
■職歴 なし
■学歴 関関同立経済学部
■会計事務所経験 なし
■居住地 関西

はじめまして。いつも参考にさせていただいています。
是非お話を伺ってみたいと思い、質問させていただきました。

私はWスクールをして昨年簿財に合格し、今年法人と相続を受験予定の大学4年で、絶賛就活中です。
ビジネスマナーや社会人の常識を学ぶためにも新卒で企業に就職し、20代後半で会計業界に転職、ゆくゆくは独立できればと考えています。

後々役に立つ知識を身に付けたいと思いから、金融やITの企業を中心に見ています。その中で先日準大手のシステム開発企業からSEとして内々定を頂きました。ただ、いざとなるとこれで良いのか不安になってしまいました。SEはそれなりに忙しいと聞きますし、税法で理論に苦戦していることもあり、試験に対する不安が大きく、もちろん、どんな仕事でも忙しさや辛さはあるとは思いますが、他の企業(経理等)にも目移りし、試験に理解のある税理士法人等への就職も魅力を感じています。

また、実は父が税理士(父と数名の従業員さんの小さな事務所)をしているのですが、それを継ぐのではなく、出来れば自分で独立し、軌道に乗せてから引き継ぐ形が私の理想です。(そんなに甘くはないというのは覚悟しているつもりです)父との関係が悪いわけではなく、ただ見栄を張りたいというか親の七光りと思われたくないという気持ちと自分がどこまでできるのかに挑戦してみたいという気持ちが半々というような感じです。


そこで質問なのですが、

Q.1
新卒で会計事務所か企業かの選択については過去の質問で拝見させていただいたのですが、企業の中でも業種や職種で将来税理士として役に立つものはどういったものが考えられるのでしょうか?

Q.2
税理士2世で一から始められる方はおられるのでしょうか?
また、素直に継ぐのがセオリーなのかとは思うのですが、先生のお考えを聞いてみたいです。

長文になってしまい、かつ内容もバラバラでわかりづらいかとは思いますが、ご回答いただけると幸いです。

A.1
「会計事務所は新卒ではいるべきか、中途入社が良いか」
は読んでいただきましたよね。

普通の(税理士2世でない)方の場合、どちらとも言えませんが、
税理士の2世の方なら、組織に属した経験は役に立つと思いますので
一般企業に就職した方がいいと思います。

お客様の事業承継も若いうちに
「よその釜の飯を食う」
(他人に使われて苦労させる)
ために、他の会社で働かせることが多くなっています。

研修システムを売りにして採用活動を行っている税理士事務所も増えてきましたが、
業界では有名なシステムを買ってきて「自社開発の教育ツール」と言っていたり、ほとんど効果がないとわかっていてもWEBシステムを使ったりと、一般企業と比べるとたいしたことはないのが実情です。
新卒の方にきちんとした研修ができるのはBIG4クラスだけといっても言い過ぎではありません。
(数週間から1年にわたる泊まり込みの研修がある大企業は、うらやましい限りです)

税理士の仕事にかかわる前職として、親和性があるものには、
NT様が書かれているように、
・金融 : 融資、金融商品知識と法人営業経験
・IT   : 税理士業務とシステムは切り離せません
・経理 : 会計処理は即戦力。配属が経理かは不明
があります。

税理士法人TOTALの税理士を見ても、
金融(地方銀行、都市銀行、生命保険)、IT(プログラマー、SE)、経理(メーカー)の方はいます。
ただ、それ以外にも、政治家秘書、海外企業、メーカー・旅行業等の営業、プロスポーツ選手、専門学校講師、歯科医、流通、通信等、前職は結構バラバラです。

業界別の知識そのものは、一時的なアドバンテージに過ぎません。税理士になってからも勉強は続きますし、必要な知識は身に付きます。

ただ、新卒で入った会社の文化はかなり後まで残ります。
また、面白いことに、前職を生かして、自分のキャラクターを作っていってくれています。
元政治家秘書は、演説がうまく
海外企業出身者は、国際税務を手掛け
営業出身者は、開拓・紹介営業が得意で人に好かれ、
元プロスポーツ選手は、ナイスガイでもてるし
元専門学校講師は、セミナーや教育が得意で、
元歯科医は、歯科のお客様を担当して、
流通出身者は長時間労働を苦にせず、
元通信出身者は、堅めの考え方をします。

もちろん、前職が税理士事務所(税理士法人)という方も多いです。
採用難のためか、「試験に理解がある」と掲げる税理士法人も増えてきましたが、実際には制度はあっても機能していない、ないし、名目だけのところも多くなっています。
税理士法人は利益が大企業に比べると少ないし、離職率も大企業より高くなっています。税理士法人が、教育コストをかけて試験と仕事の両立を目指させるのは効率が悪いのです。

「試験に理解がない税理士法人」を見破る方法は、
(1)税理士が少なすぎること
税理士・有資格者が従業員数の10分の1以下のところは、受験できるレベルの人は少ない。
無資格者中心で営業力や作業の生産性で勝負しています。
(2)税理士・有資格者の男性が多すぎること
税理士・有資格者の男性が従業員数の半分近くの場合、長時間労働が当たり前になります。合格後なら良いのですが、受験生の間は激務過ぎて税理士受験との両立には向きません。

もっとも(1)や(2)以外が多いし、このクラスの中堅税理士法人になると、ホームページも採用広告もよくできているので受験生が見破るのは容易ではありません。
一般論で言うと、所長が若い成長著しい税理士法人は、自社の成長が優先せざるをえないため税理士試験受験には理解がないことが多いかもしれません。

あとは、
(3)ノリが良すぎる、明るさを押し出し過ぎているところは税理士試験には向かないかもしれません。仲間意識の強さは税理士試験ではマイナスにもなります。試験勉強は孤独です。誰かが助けてくれるわけではありません。自分できちんと仕事から頭を切り替えて勉強と向き合わなければ、難関の税理士試験の合格は難しいでしょう。

ちなみに私は、50代の所長の地元の優良税理士事務所の出身です。安定した会計知識を学べました。
その前は元司法試験受験生なので、条文・判例を読むのはつらくないですし、税務調査でも、実体法だけでなく訴訟法まで視野に入れて考えることができます。
このため、税理士法人TOTALは税務調査にはかなり強く是認も多くなっています。
スタッフには、「税理士は、税務に関する法律家だ」とよく話します。

税理士法人TOTALには、税理士2世もそれなりに在籍していますが、前職で自分がやりたいことをやってきたからか頭を切り替えて、今は、仕事と税理士試験に集中しています。

過去をきちんと生かせば、「人生には無駄はない」ような気がします。
自分と向き合って、やりたい仕事をきちんと探してみてください。

=================
税理士法人TOTALの税理士試験受験生の支援は
(1)試験休み
正社員は6日あります。受験日当日も別途休みです。有給の消化と合わせて7月に入ると休みを計画的に取る受験生が増えてきました。
(2)、専門学校の学費と税理士試験の受験費用を負担
一定の要件があり、正社員のみ1科目かつ最大20万円までですが
(3)科目手当、資格手当
(4)大学院進学
働きながら大学院進学も可能です。
大学院の学費は、一部の幹部を選抜して事務所全額負担も行っています。
(5)受験スタッフ
勉強が進んでいない方用には、「受験スタッフ」というパート枠も設けています。

ここまで、資格取得をサポートする税理士法人はあまりないかもしれません。
有資格者と無資格者では見える景色も違います。「責任」と「自覚」が生まれます。
せっかく士業の業界に入ったなら、なんとかして、多くの方に早めに資格を取ってもらいたいと思っています。
(社会保険労務士についても同様のサポートを行っています)

でも、アメばかりではありません。
税理士法人TOTALの給与水準は、受験生時代は普通レベルです。
本当は、学費サポートと休みを金銭換算すると年額50万円近い給与アップに匹敵するはずですが…。
(合格後は、働いて給与を稼いでもらっています)
学費サポートは、2年連続C判定以下になると翌年は受けられません。
勉強しないと、男性は少し言い訳しないといけなくなって居づらくなるかもしれませんね。
(女性は、家庭と仕事の両立に頑張ってくれています。無理に受験は勧めていません)

数年前、大原簿記学校の就職セミナーでこんな話をしたところ、
「税理士法人TOTALは、良いことしか言わないから嘘に決まっている」という誹謗中傷記事を某大手税理士法人の大幹部にブログに書かれました。
大手でも、事実と違う採用広告をしているところがあるのは知っていますが、うちは誇大広告はしていないつもりです。明らかな名誉棄損・侮辱で、さすがに抗議して撤回してもらいましたが、このくらいの人材教育のサポートは当たり前に競う業界であってほしいと思います。
=================


A.2
2世でも一から始められる方は結構おられます。
違う場所で開業して、自力で集客して、その後、父と税理士法人を作られる方も最近ではよく見かけます。

もちろん、今でも、若いうちに他の会社や税理士事務所で働いた後、お父様の事務所で修業を積まれる方も多いとは思います。

税理士になるには専門知識と経験の蓄積は必須です。これに加えていつの日か事務所を継ぐなら最終的には人を使うための高いコミュニケーションスキルも求められます。
それを父の事務所で得るか、外で獲得するか、
最初から事務所に入るか、結果を残して合流するか。
どちらがセオリーという一般論はないでしょう。ご自身の生き方を自分と向き合って決めるべき問題だと思います。

友人の2世税理士の方々を見ていると、事務所の承継は、最初は基盤があってうらやましいですが、年上の部下のコントロールは若いうちはしんどいだろうなとも思います。

私自身は、年上の部下の気遣いに感謝することも増えてきました。
こちらもそれなりの年齢になってきたということでしょう。



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