2010年08月
2010年08月06日
語学力がありBIG4向きの方の新卒就職
税理士法人TOTALの税理士 高橋寿克です。
hiko様からのご質問です
■年齢 23歳
■性別 男性
■資格 なし 簿記2級受験予定
一昨年USCPA受験。経済的理由で断念。
■職歴 なし
アルバイト:通信会社データ入力、ホテルフロント
今は予備校の小論文添削
■学歴 早慶文系(2011年3月卒業見込み)
■会計事務所経験 なし
■居住地 横浜市北部
■その他
・院進学も検討しましたが、父が失業し、兄弟の受験も控えているため、
何がなんでも就職することにしました。
・Big4(国際税務コンサル)の最終面接で落ちて、
未練がましくメールしたところ、キャンセル待ちに。
とはいえかなり厳しいです。
就職活動中なのですが、なかなか内定をいただけずにいます。大企業の総合職ばかり見ていましたが、失敗の原因を突き詰めていくうちに、専門的な仕事がしたかったのだと気づきました。
Q.
未経験・無資格なので、ポテンシャルをアピールすべきなのかと存じますが、この理解で合っていますでしょうか?以下のうち何か材料になり得るものはありますでしょうか?
(1)性格
理論や型の習得に執着があります。ディベートや小論文指導をしているのはこれが理由です。また経営学専攻なのですが、理論が後付けに感じられ「何かディシプリンがほしい」と思い、ゲーム理論の研究も始めました。
(2)英語力
TOEICは795点しかありません。しかしサークル活動でオーストラリア大使館と折衝したり、ゼミ研究でデータを得ようとニューヨーク公立図書館に電話するくらいの英語力はあります。帰国子女ではありません
(3)Big4の最終面接まで進んだこと
長くなりました。とんちんかんな質問かもしれません。自分をどう位置づけたら良いかわかりません。よろしくお願いいたします。
A.
リーマンショックの影響が、新卒採用には遅れて伝わるため、就職状況はここから数年は過去にあまり例のない、最悪の状況になる可能性があります。
大手企業の総合職での就職は、その方のこれからの「のびしろ」を見るのですが、その際に重視するのは、ポテンシャルの高さと、組織で働くための素直さだろうと思います。
早慶レベルの学生で新卒就職を生かせないとしたらショックだと思います。
もし、hiko様が現役よりも2年間就職が遅れているとしたら、就職難に伴うネガティブチェックにひっかかっている可能性があります。
1年しか遅れていないとしたら、こだわりの部分が、柔軟性がない・バランスが悪いと評価されたのかもしれません。
逆に、簿記2級もなしにBIG4の最終面接まで行ったことは驚きです。
(BIG4についてはこちら)
BIG4の定期採用の場合、原則 税理士試験2〜3科目程度の合格が事実上の募集条件です。
例外的に英語力がある、ポテンシャルが高いことを評価されたのでしょう。
BIG4の仕事をするには
地頭の良さ、理論的な鋭さも必要なので(1)も評価されたかもしれませんね。
未経験・無資格なので、ポテンシャルをアピールすることは正しいと思います。
ただ、BIG4以外の税理士事務所・税理士法人に新卒で就職するには、「素直さ」が必要だと思います。
この点で、上記(1)〜(3)をアピールすることは、むしろマイナス評価になりかねない危険性があると思います。
なお、中堅以上の会計事務所で国際業務をやっているところの中には、USCPA受験・英語力を評価する所もあると思います。ただし、その場合もやはりできれば税理士試験2科目合格くらいが望ましいでしょう。
語学力は新卒レベルとしては十分だと思います。
(私は英語が苦手なのでうらやましい限りです)
個人的にお勧めするパターンは3つ
(1)来年以降のBIG4採用を目指す
アルバイトや派遣労働(会計業界にこだわらず受験のしやすさ優先)又は零細会計事務所(合わないところもあるので選別が重要になります)に勤務して生活費を捻出し、1〜2年で税理士試験科目合格を目指す。
短期間で2〜3科目合格の目処がつけば語学力・論理的思考力を評価されBIG4のどこかに採用されると思います。
(2)税理士業界ではなく外資系企業に新卒就職する
外資系企業は通年採用が多いのでこれからでも間に合うでしょう。経験者採用が中心ですが、語学力・ポテンシャルがあればもぐりこめるところもあるでしょう。ホテルでの接客、データ入力経験も有利に働くかもしれません。
入社後は実力勝負です。転職してキャリアアップも望めます。
(3)語学力を生かす
日本の大企業・普通の会計事務所の多くは、理論的鋭さより組織に対する忠誠心・素直さ、同質性を評価する傾向が強いようです。
hiko様のこだわりを見るかぎり、どちらかというとBIG4を含めた外資系の文化に合うような気がします。
もちろん、hiko様はお若いので、これからいくらでも変われますし変えられると思います。ご自身を日本の同質な企業風土(これはこれで日本の良さでもあります)になじむように変えることを否定するものでないことは言うまでもありません。
企業・会計事務所ともに、今は同質的だったとしても、これから国際化を進めることも多いでしょう。そういう中から自分の語学力を評価してくれるところをさがす手はあると思います。
=============
国際化と言えば、税理士法人TOTALでは最近、中国関連の仕事が増えています。
中国語のできるスタッフの採用を検討しています。
=============
若さそれ自体が、可能性の大きさです。
自分の適性が、後から仕事を通じて発見されることは良くあります。
上記に限らず、与えられた環境の中で柔軟に対応してみてください。
hiko様からのご質問です
■年齢 23歳
■性別 男性
■資格 なし 簿記2級受験予定
一昨年USCPA受験。経済的理由で断念。
■職歴 なし
アルバイト:通信会社データ入力、ホテルフロント
今は予備校の小論文添削
■学歴 早慶文系(2011年3月卒業見込み)
■会計事務所経験 なし
■居住地 横浜市北部
■その他
・院進学も検討しましたが、父が失業し、兄弟の受験も控えているため、
何がなんでも就職することにしました。
・Big4(国際税務コンサル)の最終面接で落ちて、
未練がましくメールしたところ、キャンセル待ちに。
とはいえかなり厳しいです。
就職活動中なのですが、なかなか内定をいただけずにいます。大企業の総合職ばかり見ていましたが、失敗の原因を突き詰めていくうちに、専門的な仕事がしたかったのだと気づきました。
Q.
未経験・無資格なので、ポテンシャルをアピールすべきなのかと存じますが、この理解で合っていますでしょうか?以下のうち何か材料になり得るものはありますでしょうか?
(1)性格
理論や型の習得に執着があります。ディベートや小論文指導をしているのはこれが理由です。また経営学専攻なのですが、理論が後付けに感じられ「何かディシプリンがほしい」と思い、ゲーム理論の研究も始めました。
(2)英語力
TOEICは795点しかありません。しかしサークル活動でオーストラリア大使館と折衝したり、ゼミ研究でデータを得ようとニューヨーク公立図書館に電話するくらいの英語力はあります。帰国子女ではありません
(3)Big4の最終面接まで進んだこと
長くなりました。とんちんかんな質問かもしれません。自分をどう位置づけたら良いかわかりません。よろしくお願いいたします。
A.
リーマンショックの影響が、新卒採用には遅れて伝わるため、就職状況はここから数年は過去にあまり例のない、最悪の状況になる可能性があります。
大手企業の総合職での就職は、その方のこれからの「のびしろ」を見るのですが、その際に重視するのは、ポテンシャルの高さと、組織で働くための素直さだろうと思います。
早慶レベルの学生で新卒就職を生かせないとしたらショックだと思います。
もし、hiko様が現役よりも2年間就職が遅れているとしたら、就職難に伴うネガティブチェックにひっかかっている可能性があります。
1年しか遅れていないとしたら、こだわりの部分が、柔軟性がない・バランスが悪いと評価されたのかもしれません。
逆に、簿記2級もなしにBIG4の最終面接まで行ったことは驚きです。
(BIG4についてはこちら)
BIG4の定期採用の場合、原則 税理士試験2〜3科目程度の合格が事実上の募集条件です。
例外的に英語力がある、ポテンシャルが高いことを評価されたのでしょう。
BIG4の仕事をするには
地頭の良さ、理論的な鋭さも必要なので(1)も評価されたかもしれませんね。
未経験・無資格なので、ポテンシャルをアピールすることは正しいと思います。
ただ、BIG4以外の税理士事務所・税理士法人に新卒で就職するには、「素直さ」が必要だと思います。
この点で、上記(1)〜(3)をアピールすることは、むしろマイナス評価になりかねない危険性があると思います。
なお、中堅以上の会計事務所で国際業務をやっているところの中には、USCPA受験・英語力を評価する所もあると思います。ただし、その場合もやはりできれば税理士試験2科目合格くらいが望ましいでしょう。
語学力は新卒レベルとしては十分だと思います。
(私は英語が苦手なのでうらやましい限りです)
個人的にお勧めするパターンは3つ
(1)来年以降のBIG4採用を目指す
アルバイトや派遣労働(会計業界にこだわらず受験のしやすさ優先)又は零細会計事務所(合わないところもあるので選別が重要になります)に勤務して生活費を捻出し、1〜2年で税理士試験科目合格を目指す。
短期間で2〜3科目合格の目処がつけば語学力・論理的思考力を評価されBIG4のどこかに採用されると思います。
(2)税理士業界ではなく外資系企業に新卒就職する
外資系企業は通年採用が多いのでこれからでも間に合うでしょう。経験者採用が中心ですが、語学力・ポテンシャルがあればもぐりこめるところもあるでしょう。ホテルでの接客、データ入力経験も有利に働くかもしれません。
入社後は実力勝負です。転職してキャリアアップも望めます。
(3)語学力を生かす
日本の大企業・普通の会計事務所の多くは、理論的鋭さより組織に対する忠誠心・素直さ、同質性を評価する傾向が強いようです。
hiko様のこだわりを見るかぎり、どちらかというとBIG4を含めた外資系の文化に合うような気がします。
もちろん、hiko様はお若いので、これからいくらでも変われますし変えられると思います。ご自身を日本の同質な企業風土(これはこれで日本の良さでもあります)になじむように変えることを否定するものでないことは言うまでもありません。
企業・会計事務所ともに、今は同質的だったとしても、これから国際化を進めることも多いでしょう。そういう中から自分の語学力を評価してくれるところをさがす手はあると思います。
=============
国際化と言えば、税理士法人TOTALでは最近、中国関連の仕事が増えています。
中国語のできるスタッフの採用を検討しています。
=============
若さそれ自体が、可能性の大きさです。
自分の適性が、後から仕事を通じて発見されることは良くあります。
上記に限らず、与えられた環境の中で柔軟に対応してみてください。