2008年01月

2008年01月26日

会計事務所への就職〜社会人経験なし、科目合格なしの場合

税理士法人TOTALの
税理士 高橋寿克です。

なべさんよりのご質問です。
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Q、
現在、大学三年生です。
去年から簿財法の受験勉強を始め,
今年8月に受験予定です。
在学中に試験に合格できそうにないので
働きながら試験勉強を続けていきたいと思います。
親に迷惑をかけたくないので一年試験に専念ということは考えていません。
科目合格がなくとも雇ってくれる事務所はあるのでしょうか?
もし今年合格できずに事務所に就職できなかったらどのように対処したらいいのでしょうか?

A、
科目合格がなくても雇ってくれる事務所はあるでしょう。

ただし、新卒を採用するのは会計事務所にとっては
かなり大きなリスクがあります(→くわしくはこちら)。
あいさつの仕方、日本語の使い方、お酒の飲み方、
学生と社会人ではまるで違います。
Wスクールをしている学生は
アルバイト経験も少ないですし。
当事務所でも、昨年、
社会人経験がない新人を4人採用しました。
まずはビジネスマナーを身につけないと
対外的な仕事は任せられません。
お客様は経営者が多いですからね。
しばらくは温かい目で見守っていきましょう。

それでも雇うのは、中期的な投資です。具体的には
(1)いわゆる地頭が良い人
この場合は学歴は重要です。
一般的に言うと早慶卒からMARCHレベルまで
今後の伸びが見込めるからです。

(2)癖がある経験者よりは未経験者の方がいいと考えている事務所です。

BIG4等、本当の大手は科目なしの新卒は雇わないでしょうね。
仕事もきついですから気力が続かないですし。
地頭がよければそれ以下の税理士法人なら可能性があります。

地頭が普通でも会計事務所によっては採用しているところもあります。
都内だと5人〜30人くらいの事務所
地方だとそれよりも大きいところも採用しているでしょう。

どうしても仕事と勉強を両立して税理士になりたいのなら
就職できなかったらと考えるより
就職できるまでがんばってみてください。

仕事と受験の両立は楽ではありませんが
税理士試験合格者の多くはそれを乗り越えてきました。

なお、このブログ等を参考に何十箇所も応募して
やるだけやってそれでも採用されないとしたら、
コミュニケーションに問題があるケースでしょう。
その場合は、適性があるのか今一度考えた方がいいのかもしれません。
税理士には知識だけでなく高いコミュニケーション能力が要求されます。
その資質があると認めてもらわないと就職しにくいでしょう。
今年の試験で科目合格をした方が
就職しやすいのは言うまでもありません。

2008年01月17日

開業まもない会計事務所に勤務するリスク

東京都千代田区と千葉県船橋市の税理士法人TOTALの
税理士 高橋寿克です。

Q、
開業まもない(2年くらい)事務所に勤務するのは
廃業リスク以外の注意点はありますでしょうか?

当初は週15時間程度で所長のアシスタント、
一年程度を目処に正社員で担当させていくという求人があったので応募しようと考えているのですが・・・

A、
開業2年で人を雇用する事務所は、営業能力がある方でしょう。
(のれん分け、事務所後継を除く)
そのため、廃業リスクは高くはないと思います。

考えられるリスクは
(1)給与水準が低い
税理士業界は開業当初から利益が出ることは稀です。
以前、知り合いの税理士の方が
(給与13万円の求人票で)
「良い人が募集してこない」
と言っていたときはびっくりしました。
初任給が普通でも昇給が少ないかもしれません。

(2)同僚に優秀な人がいない
優秀な方は、もっと自分が成長できそうな
勉強になるところを選びます。

(3)教育やシステムが不足している。
はじめて人を雇用するときは
組織としてのルールや仕組みもないし
教育のツールも存在しないでしょう。
社会人経験がない人の場合はおすすめできません。

(4)所長にマネンジメントスキルがない
もともと職人的な方が多い上
人を使ったことがないと、
人に対する接し方に欠点があることがあります。
(所長自身はそのつもりはないのですが
職員から見ると、所長のやりたい放題
暴君、絶対君主に見えてうんざりすることも)

(5)所長が忙しすぎる。
2年で人を雇えるということは所長は忙しいはずです。
営業、お客様訪問で事務所にはあまりいないでしょう。

もちろん、これらが全てあてはまるわけではありません。
例外はいくらでもあります。
ただ、上記のうちいくつかは、恥ずかしながら
過去において私が経験してきたことでもあります。
人をきちんと雇用するには技術と経験が必要です。
そのことを私が理解にするのに5年以上かかりました。

今は資金的に余裕がないので、まずはパートで雇って
仕事量が増えてくる1年後には正社員にしたいということかもしれませんね。


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片手落ちになるといけないので良い点も
(1)事務所の開業の苦労を横で見ることが出来る。
開業するかどうか迷っている人には良い経験かも。

(2)所長の人柄に合えば、対人的な問題は少ない。
他には嫌なお局さん・番頭さんはいない。

(3)仕事量が少ないかもしれない
もしかしたら所長がいない間
自由にのんびりできるかもしれない


2008年01月08日

税務署からの税理士への転進

東京都千代田区と千葉県船橋市の税理士法人TOTALの
税理士 高橋寿克です。

アクセル様からのご質問です
=============
■年 齢 28才
■性 別 男 独身
■受験歴 2科目合格(簿財)
■実務経験
某税務署資産課税部門(相続の税務調査等)で4年間の国税調査官
会計事務所経験なし。

現在某中央省庁(行政職)勤務です。
今年6月末で退職し、本格的に税理士を目指そうと思っています。
実務では相続税、所得税についてはある程度知識はあるものの、税法の試験勉強はこれからです。
会計事務所で働きながら3科目とるか、1年勉強に専念するかで迷っています。
Q.1
税法3科目一からだと働きながらだと逆に時間がかかってしまいそうな気もするし、1年間仕事しないのも30近いので不安です。
採用側からの視点でアドバイスを頂けたら幸いです。
Q.2
税法免除OB税理士は採用側には人気ないのでしょうか

A.1
家庭状況によりますが
1年間の専念をおすすめします。

働きながら税法3科目はかなりきついはずです。
簿財とは受験生のレベル、合格ラインが違います。
一度専念してから残った科目を働きながらの受験の方が早いでしょう。

A.2
税法免除OB税理士の評価は
(1)小さな会計事務所
後継者含み以外人気がないでしょう。
独立志向の方を採用するリスクが大きいからです。

(2)BIG4の場合
年齢が高くなっているはずなので
採用上も自分のキャリア上も不利でしょう。

(3)準大手の場合
有資格で実務経験があるので
むしろ30代前半までなら評価されると思います。
ただし、10年もいると組織の色に染まるリスクはあります。
役所的な色が強い方は
民間では使いくにいという評価になるかもしれません。

ちなみにうちはOB税理士の方にもお手伝いいただいています。

会計事務所のパートと正社員の選択と転職時の評価

東京都千代田区と千葉県船橋市の税理士法人TOTALの
税理士 高橋寿克です。

こう様からのご質問です
■年 齢 30
■性 別 男性
■資 格 科目合格なし
■会計事務所経験 実務経験なし
■職 歴 金融機関の職歴2年(営業)

という状況から建て直しを計るべく去年から簿記論の勉強をしています。採用試験では書類審査は五分五分ですが、やはり早期退職の不安からか不採用が続いてます。

年齢と職歴のなさから勉強に専念というのはするべきではないと感じていますが、週15時間程度のパートでも良いから実務経験をつんでいくべきか。それとも地方都市で事務所は多いので根気強く正社員で探すべきかで悩んでいます。

Q、
事務所を移る時のパートによる実務経験の評価、15時間というと40時間労働の約3分の1程度なので2ヶ所に勤めるということが可能なのか。パートと正社員はまったくの別なのか?など雇用者側の立場からのアドバイスをいただけると幸いです。

A、
年齢的に時間的余裕がないので優先順位を決めてみてはいかがでしょうか。

(1)税理士になることが優先なら
専念か、短い時間で働く

(2)職歴をつけて社会人としてやっていくことを優先するなら
正社員やそれに順ずる仕事を丹念に探す。

どちらを選ばれますか?

なお、会計業務は専門性が強く、知識のアップデートに時間をとられるため
週15時間ではほとんど単なる雑用でしょう。
正社員とはまったく別物です。
仕事を覚えるなら、通常20〜30時間が下限です。
2ヶ所でパートをするのは賛成できません。
割り切って受験中心にする場合ですね。

週30時間程度以上で、担当を持たせてもらう場合
量が違うだけで、仕事の質は正社員とあまり差はありません。
知識や技術に加えて、責任感、コミュニケーション能力が必要です。

週20〜30時間で
担当を持たない場合、試験との両立は比較的容易です。
ただし、給与は低いでしょうし、キャリアとしての評価も低いでしょう。
その後正社員になったときに、年齢が行き過ぎると仕事を覚えるのが難しくなります。

会計事務所間の転職の場合は、
前職の職務内容を見ます。
質と量は少し話すとすぐに分かります。

大手に転職する場合は、科目と実務経験をシビアに判定するでしょう。
(あまり低いレベルの仕事だとゼロないしマイナス評価もありえます)
小さな事務所なら、補助的な経験でも評価されるはずです。

繰り返しになりますが、
何に優先順位をおくかを良く考えて
選択されるのが良いのではないでしょうか。

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税理士 高橋寿克

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