2016年04月15日

ワークライフブレンドと産休育休制度

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

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まやま様からのお問合せ(後編)です。

■年齢 27才
■性別 女
■資格 簿記論
■職歴 東証一部上場企業にて経理事務
■学歴 女子大御三家
■会計事務所経験 なし
■居住地 東京

(前編、「税理士事務所と東証一部上場企業での勤務」より続く)


お忙しいところたくさんのアドバイスを下さいましてありがとうございました。
自分の中での迷いや保険的な考えがあることを気付かせて頂きました。もっと覚悟や自信を持った上で考えなくてはと反省しております。

ただ、やはり税理士になりたい、会計や税務の知識で社会の役に立ちたいという気持ちは変わりません。
お忙しいところ大変申し訳ないのですが、もう一度だけ質問させて下さい。

Q.1
転職する際に、年齢と科目数どちらを優先すべきでしょうか?
(1)今年財務諸表論を受験し、年明けに転職活動をする。その場合私は27歳です。
(2)来年消費税法受験後に、転職活動をする。その場合年齢は28歳です。

Q.2
女性の年齢的なハンデについてアドバイスをお願い致します。

Q.3
産休育休制度のある事務所では入社何年目ぐらいだと産休取得が許されますでしょうか…?

お忙しいところ大変申し訳ないのですがどうぞよろしくお願い致します。


A.1
まやま様は、真面目に一生懸命考えておられるのですね。大変失礼いたしました。
どうしても直接お会いしているわけではないので、一般論、両論併記の無難な意見を書いてしまうのはお許しください。
税理士業界を本気で目指していただいてうれしく思います。

税理士になりたいなら(2)です。
簿記論・財務諸表論、税法1科目があれば、大学院免除でいつでも税理士になれます。
30歳くらいで、子育てが始まっていなければ、働きながら大学院に通学しても良いと思います。
子育てが始まっていれば、理解がある職場なら仕事と子育てを無理しない範囲で両立させても良いし、
両立が難しい職場なら、大学院と子育ての両立でも良いでしょう。

(1)は、財務諸表論が受かっていても、税法のつらさが計りにくいし、
財務諸表論が不合格なら先が見えにくくなります。

A.2
「女性の年齢的なハンデ」ですか。
男性だって、30代後半、会計業界未経験で転職したらきついです。
女性だからきついわけではありません。

ただ、どうしても結婚すると家事や育児は、女性がする割合が大きくなります。
だったらその分早く、転職して、キャリアを上手につないでいけばいいだけです。

「仕事」と「家庭」のどちらかの選択と考えると、
ワーク ライフ バランス」は難しいです。
これをハンデと考えるとつらくなります。

うちの女性スタッフに教えてもらった言葉

ワーク ライフ ブレンド

仕事そのものを楽しんで、生活の中に仕事を埋め込んでしまう。
そう考えた方が、しなやかに生きられるのではないでしょうか。

M字カーブ(30代女性の就労率が下がる日本固有の現象)は、消滅に向かっているそうです。
多くの女性のみなさんが、頑張って両立をしておられます。

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なお、総じて女性の方が男性より、税理士試験の「勉強」と「仕事」の両立は上手です。
だらだら残業せずに切り替えて勉強できるので女性は結果として早く合格することが多いです。

「男は飲み会や遊びのつきあいもあるし、周りの眼もあって早く帰りにくいし、ハンデがあるよな。」
「女性は、人生に色々な選択肢があって自由でうらやましいなあ。」
なんてぼやいている男性もいたりします。
=============

A.3
産休育休(産前産後休業・育児休業)は法律で強制される制度なので、どこの事務所でも制度そのものは少なくとも理論的にはあります。

でも、実際に使えるかどうかは会社によります。
大企業でも、育休だと補充要員が来なくて周りのスタッフに迷惑をかけられず育児休業が事実上取りにくい職場もいくらでもあります。
プログラマーなど、納期・労働時間が厳しい仕事は、出産と同時に退職する女性も多いですよね。

会計事務所は、子育て中の女性も多い職場なので、
激務で有名な大手や成長著しい若手所長の事務所以外
子育てに理解がある事務所が多いです。

もちろん所長によって差はあるので、実際に面接の際に
「何人くらい過去に育休を取っておられますか?」
と聞いてみた方が良いかもしれません。

入社何年目から産休育休が取れるかを気にし過ぎなくても大丈夫です。
夫の転勤と違って、報告から半年近く猶予がありますし、お客様に事情も説明しやすいです。
また、大企業とちがって随時募集をするため欠員の補充時期は柔軟で、周りのスタッフにも大きな迷惑をかけずに済みます。
強いて言えば、「早く戻ってきてね」と言われる程度まで仕事ができるようになっていれば、本人も気が楽かな。

なお、育児休業給付の受給には、休業開始前の2年間に賃金支払基礎日数11日以上ある月が12ヵ月以上必要です。
受験に専念する期間を設ける場合は気を付けてください。

=============
税理士法人TOTALは、過去に育児休業取得者はのべ35人、最大で4回取得なさった方もいます。
現在、育休中の者は8名、その他にも妊娠中の方は2名、
「保活」はみなさんおおむね順調なようで
今月・来月で復職予定の方は4名おられます。

すごい速いペースで保育園を増やしていますね。
「がんばれ! ニッポン!」

新卒は少なく中途入社が多い職場なので、早い方は入社半年くらいで妊娠報告があり、1年で産休に入られています。
入社2〜3年で出産が多いかな。
採用の際に、出産したくて志望してくれているんだろうなとわかる方もおられます。
(この話はあまり書くなとスタッフには怒られますが)
=============



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2016年04月09日

税理士事務所と東証一部上場企業での勤務

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

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まやま様からのお問合せ(前編)です。

■年齢 27才
■性別 女
■資格 簿記論
■職歴 東証一部上場企業にて経理事務
■学歴 女子大御三家
■会計事務所経験 なし
■居住地 東京

いつも先生のブログを参考にさせていただいております。

今回は自分の状況を客観的に判断出来ないため、他の質問事項と多々被ってる点があり申し訳ございませんが、質問させていただきました。

私は現在、そこそこ大きい企業で経理事務をしております。企業の福利厚生は充実しており、環境的には贅沢な状況なのですが、事務職ということもあり仕事内容が限られ、給料も伸びないため、将来を見越して税理士受験(去年初受験)を開始致しました。

Q.1
去年簿記論に合格し、今年は財務諸表論、来年は消費税法を受験する予定です。
勉強しやすい環境のため、3科目合格、もしくはめどがたってから転職を考えておりますが、出産、育児も希望しているため(現在予定はないのですが)今の会社で産休を取ってから転職、つまり34歳ぐらいでの転職を希望しております。30代半ばの未経験、子持ちの場合採用への影響は大きいでしょうか?
また転職のタイミングについてアドバイス頂けると幸いです。

Q.2
転職前までに院免での税理士資格取得も考えております。私は元々エリートでもなく、ライフプランなどを考えた場合、院免で資格を早く取るほうが自分の人生には合っているような気がするからです。
上記の状況に合わせ、院免という選択をした場合の採用状況や、給与面等の不利につきアドバイス頂けると幸いです。

Q.3
税理士資格を取得し、勤務税理士となった場合の一般的な給与水準、伸び率等を参考までにご教示頂けますと幸いです。

お忙しいところ恐れ入りますが、何卒よろしくお願い致します。

A.1
30代半ばの未経験、子持ちの場合、採用への影響は、残念ながら小さくありません。
人不足のため、採用されるでしょうが条件はあまり良くないかもしれません。
どの仕事も遅くても30代半ばまでに転職した方が良いとされているのはご存知の通りだと思います。
仕事ができるようになるには、情報の蓄積、柔軟性が必要で、そのためには個人差はもちろんありますが30代前半までの記憶力、クリエイティブな頭脳が望ましいとされていて、30代後半以降はそれまでの経験を伸ばしていくキャリアプランが一般的です。
(だから中高年でリストラされるときつくなります)

今回のご質問は難しいですね。
「仕事」、そして「人生」に何を求めるかという問いになっているように聞こえるからです。
(記事が遅くなってすみません)

妻は、就職人気ランキング1位の超有名大企業に勤務していました。
そのため、優秀な同僚に恵まれ、福利厚生も、給与水準も他社に比べると圧倒的に良かったそうです。
それなのに
「(同僚に)仕事を楽しくてやっている人はいない。」
「(明日から仕事だと思う)日曜日の夕方が苦痛だった」
と言われたときは、衝撃的でした。

=============
妻は今、司法書士事務所TOTALの経営者をしています。当時よりも責任は重くなりましたが、所得は会社に残っていた場合より多少増えた程度です。
仕事は楽しいと言っています。
(もちろんつらいこともありますが)
=============

会計事務所は、
入力作業を続けるだけの人、お客様の層が合わない人を除くと、
仕事がつまらないという人は少ないです。
私自身は、勤務時代も仕事が面白いと感じていました。
会計事務所を辞める人は、労働時間が長くて疲弊する一部の激務系・成長系事務所を除くと、
社内(やお客様と)の人間関係が嫌になるか、給料が安いからが多いように思います。

大企業はその組織の大きさゆえに、選抜された幹部候補生や管理職を除くと、仕事を細分化・単純化して、歯車のように人間を使うことによって生産性を上げる仕組みになっています。
労働者は全体が見えないため、やらされ感、閉塞感が強くなります。その傾向は男尊女卑がやや残っている歴史ある企業のアラサー年代の女性に強いようです。

それに対して、会計事務所は最大手でも1000人行かないような中小企業で、仕組みも甘いので、自分の裁量の幅や仕事の幅が広くなっているので面白いですが、非効率で給与が低いことも多いです。

そのことを理解して、転職のタイミングうんぬんよりも、その前に本当に転職すべきかどうかをお考えになった方が良いかもしれません。

会計事務所が女性にとっていい点は、
全国どこにでもある仕事なので、夫の転勤等があっても転職が容易なこと、
パートと正社員の境目が緩く、ライフプランに合わせやすいこと、
激務で有名な大手や成長著しい若手所長の事務所以外は、子育てへの理解がある事務所が多いことなどです。

=============
男性にとって会計事務所のいい点は、
新卒就職に失敗したり、最初の仕事が合わない場合でも、
試験に合格するための努力が出来さえすれば
(勉強が苦痛なら男性にはおすすめできません)
30代前半まではキャリアチェンジができる可能性があること、
場合によっては独立できることだと思っています。
=============

まやま様の場合、
(未来の?)夫が転勤族でなく、通勤時間が短い、
現職が、時短勤務ができる、育児休業も取りやすいなど子育て出来る環境なら
無理に転職する必要がないように思います。

人不足もあり、また、一億総活躍社会で女性の定着率を上げるためにも
大企業の中には以前に比べてだいぶ子育て環境を整えてきているところもあります。
社会、そして日本にとって良いことだと思っています。

逆に、夫が転勤族だったり、現職では子育てが明らかに難しいなら、転職時期は身軽で仕事も覚えやすい30歳前後までの方が良いように思います。
30代半ばで未経験、就労時間が短いようなら、資格があっても責任ある仕事は任せにくいのです。

大企業勤務の真面目な女性の場合、
入社3年目以降は、仕事にあきて、
男性との仕事内容、役職、給料での差別を感じやすい時期です。
経理のような間接部門の場合は、残業も制限されて給料が低いのでなおのことでしょう。
でも、実際に退職して中小企業や会計事務所に転職すると、いかに大企業の待遇が恵まれていたのかを知る人もいます。
まやま様も、後悔しないように転職すべきかどうかはよく考えてみてください。

私自身は、会計事務所への転職が万能だとは思っていません。当たり前ですが、職業にはそれぞれ良い点も悪い点もあります。
このサイトは、税理士業界への就職を目指してくれる人 向けですし、自分が税理士事務所の経営者なのでミスマッチを減らして一人でも多くの方に幸せになってほしいと思って書いています。

=============
税理士法人TOTALでも、(特に女性は)有名企業在籍の転職希望者の面接をすることが結構あります。
もったいないので、なぜキャリアを捨てて転職するのかをていねいにお聞きしましす。

税理士法人という「中小企業」の経営者としては、「大企業」の仕組みは素晴らしい・うらやましいと感じることも多いです。
男性は、競争環境・労働環境が厳しすぎたり、仕事がどうしても合わない人以外は、有名企業なら転職をとどまった方が良いケースも多く、相談されてもやんわりとお止めすることがあります。

女性の場合は、大企業にもそれなりに弱点はあると感じています。
(特にSE・プログラマー・営業職は離職率が高いですね)
30代前半までに転職しないと、仕事が細分化され狭い範囲の仕事しかしていない大企業の勤務経験は必ずしも転職には有利になりません。
もちろん現職で頑張った方が良い方も多いです。
転職する場合は、時期は早い方が有利です。
=============

A.2
(1)院免除の給与面の不利な点
〆蚤腓亮綸世蓮入所年齢が上がる点です。
大学院の勉強そのものは会計事務所ではほぼゼロ評価です。
大学院の勉強は、条文・判例読みになれること以外、実務に役立つことはほぼありません。
税理士試験は一部のミニ税法以外は実務に直結するので顕著な差があります。
大学院の勉強よりも、専門学校の勉強の方が実践的です。
(大学院はアカデミックな研究の場で、目的が違います)
32歳3科目と、35歳3科目院免除の方では、
他の条件が同じなら、
子育て中の主婦が出来る仕事は、質的にも量的にも前者の方が上だと思う所長の方が多いでしょう。

独立されるリスクが高いと思われる
まやま様の場合は違うかもしれませんが、一般的には
営業力がある・独立志向が強そうな院免除会計事務所未経験の方は、
教育してもすぐに独立されると思って採用されにくかったり、給与がやや低くなったりすることもあります。
(この辺の考え方は所長によります。どうせ独立は止められないし、働いてくれるので良いという所長もたくさんいます)

参考までに
(2)院免除の給与面の有利な点
\罵士資格が必要な事務所にとっては大きな加点
 税理士法人を作りたい個人事務所、支店を出したい税理士事務所の社員(パートナー)候補になります。
 もっとも、税理士登録には2年の実務経験が必要です。

∋邯海里燭瓩諒拔をする必要がない
 その分仕事に集中できるので、結果を出せば給与が上がりやすい。

1超箸忙箸┐
 無資格者より信用があり営業に使える分、営業力がある方は給与が高くなる。
 担当者に有資格者を指名するケースも増えています。

以前は勤務税理士(法改正で今は「所属税理士」と言います)が珍しく、税理士資格保持者は希少でしたが、
最近では、大手税理士法人では、勤務税理士・有資格者を大量に抱えることが当たり前になってきています。
この場合は、有資格者だというだけではそれほど評価されません。

逆に、税理士有資格者の採用がこれだけ容易な状況で、10人に一人、税理士・有資格者がいない中堅以上の税理士事務所は、税理士業務の水準に問題があったり、有資格者が定着しない理由があるということになります。
税理士の比率が低い事務所は、税理士が残らない理由があるので、税理士にとっていい事務所というわけではないのがつらいところです。

税理士法人の税理士の数は、日税連のHPで確認できます。
「税理士 検索」でページを出して
https://www.zeirishikensaku.jp/sch/zs_sch0.asp
「条件を指定して検索したい場合」の「税理士」を選択
https://www.zeirishikensaku.jp/sch/zs_sch3.asp
「事務所名」に就職希望会計事務所を入れればすべて出てきます。
(なお、ここでは登録していないいわゆる「税理士有資格者」は検索できません
また、アルファベットは2パターンあり、TOTALはF9で入力してください)

=============
税理士法人TOTALも税理士・有資格者が30名を超えて、今も増え続けています。
以前は登録要件を満たすと必ず、税理士登録をしていましたが、最近は絞って登録しています。
=============

大学院進学・免除で女性が税理士資格を取ることは、他に税理士が少ない田舎の税理士事務所や小さな税理士事務所ではプラスです。

都市部の中堅以上の税理士法人では、年齢が進んだ分だけ、キャリアも積みにくくなるし給与も上がりにくくなる面もあるでしょう。

実際、会計事務所未経験のまま30代前半で大学院に進学した女性で、30代後半に単純な会計入力だけをやってきた方を何人か知っています。
もったいないなあ。学費が回収できるのかなあ。

一般論としては、会計事務所未経験の女性の場合、30代前半大学院に進学するのは、出産の前後で働きにくいタイミング以外はあまりおすすめしにくいです。

会計事務所経験後(又は在職中)に、資格を確実に取るために大学院に通うことは一つの選択肢だとは思います。

A.3
大企業は、終身雇用が一部崩れたとはいえ、年功序列的ですし
最初のうちは横並び、その後も年次と役職である程度給料が決まるところが多いですよね。

会計事務所は、一般的には賃金テーブルがなく、最初の年の給料以外は実力主義が多いです。
その場合は、資格ではなく生産性で評価されます。

多くの税理士事務所では担当制(一人でお客さま対応と事務処理をこなす)で、担当者の給与は売上の25〜40%になります。
(営業、マネジメント等については別途加算されます)
一見すると低いようですが、それでも間接人員を含めた総人件費率は60%を超えます。

伸び率は、生み出す付加価値によるので人によって違います。普通は、直接お客様と面談する担当者の年収は入社後3〜5年は数十万円くらいずつあがります。
税理士資格を持っている方は、信用力があるため、単価が高いお客様を付けやすくなるので結果として給与は上がりやすくなります。コミュニケーション能力・営業力が高ければなおさらです。
ただし、子育て中の主婦の場合、時間に制限があるため担当も持たない方も多く、その場合は専門性か作業処理能力がないとあまり給与はあがりません。
大学院免除の有資格者で、担当者以外の給与が上がりやすいのはA.(2),離院璽垢砲覆蠅泙后


参考) 「税理士事務所・会計事務所の給与水準


後編「ワークライフブレンドと産休育休制度」につづく



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2016年03月21日

中卒者の税理士事務所就職

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

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希様からのお問合せです。

■年齢 29歳今年で30歳
■性別 男性
■資格 簿記一級、全経上級、簿記論、財務諸表論取得、消費税法受験経験あり
■職歴 接客業中心に転々としてきました
■学歴 中卒
■会計事務所経験 未経験
■居住地 地方
■その他 無し

高橋先生始めまして、希と申します。

今回の相談に関してアドバイスを頂けたら幸いです。

私は今現在受験専念をしており、
2014年に簿財に合格し、2015年消費税法A判定不合格、
そして今年は消費税法を受験しようと予定しています。
今年でもう30歳になりますし受験専念も3年目、今年の受験後にどうしようか悩んでいます

Q.1
以下は私が考えているプランです。
(1) 今年の受験後8月に就職、その後は働きながら官報合格を目指す
(2)今年の受験で消費を取得、さらに専念し、翌年にもう1科目受験し8月に就職、その後は働きながら官報合格を目指す
(3)今年の受験後8月に就職、その後は働きながら通信制の大学に行き、大学卒業後仕事をやめ大学院に入学し院免、再就職

私の中では(1)が一番いいのではないかと思っていますが、仕事しながら難関の税法に合格できるのか不安でしょうがないです。
ただ年齢も高いので受験専念を延長するのはやめたほうがいいのではないかと思っています。
そもそも私のような「学歴」、「職歴」、「若さ」など何もない者が就職できるのかという疑問もあると思いますがアドバイスお願いします。

Q.2
そして最後に大学入学からなので年数はかかりますが院免も選択肢に考えています。


A.1
私も(1)がお勧めです。

「学歴」
参照 「税理士の学歴
税理士事務所の職員の学歴は、やや高卒と短大卒が増えるくらいでしょう。
税理士法人TOTALでも、高卒の方はそれなりにいますし、
高校中退で高認(高等学校卒業程度認定試験)の方は数名いますが
中卒の方は残念ながらいません。

ただ、簿記1級を持っており、
簿記論、財務諸表論を初年度で合格、
消費税法も初年度でAなら、
「学歴」に代わる「学力」「地頭の良さ」の証明はある程度されていると思います。


「若さ」
今より若いときはないので、2科目持ち、税法受験経験ありなら就職は早い方が有利です。
売手市場の今、1年でも早い方が良いので(2)はあまりお勧めできません。
20代はともかく、30代になると、1科目進むよりも1歳若い方が価値は高くなります。
長い受験専念もマイナス評価になります。


「職歴」
接客業だと、にこやかに話すことはできると評価されます。

接客業から30歳前後で会計業界に入って来ると、
.灰潺絅縫院璽轡腑鵑亮
その場の単発のコミュニケーションではなく、継続して安定した信頼関係を築くためのコミュニケーション能力

∋務処理能力 
パソコンを駆使して速く正確な同時並行能力、期日と品質の管理が求められます。

この2つの差に戸惑います。
(職歴の中で店長等を経験していると、並行処理能力、管理能力もある程度鍛えられているはずです)

責任ある仕事ですし、当初の2年くらいは仕事中心でないと回らないと思いますから(3)は難しいでしょう。
通信制大学は入学のハードルは低いですが、卒業のハードルはかなり高いです。
文部科学省の学校基本調査(平成26年度)によると、
通信制大学の入学者12,310名 正規の過程の学生数166,778名です。
仕事が忙しい中、通信制の大学を4年ちょっとくらいで卒業するのはきびしいかもしれません。
学費を払うだけになってしまう人も多いでしょう。
放送大学や産業能率大学を選ぶ等の工夫をすれば多少は楽にはなると思いますが。

=============
税理士法人TOTALでも、通信制(大学院ではなく)大学に通っておられる方がいます。
大学院免除のためではありません。
勉強そのものがお好きなようです。
素晴らしい!
=============


まずは、今夏まで受験勉強を頑張って、試験後に求職活動をしてください。
そうすれば、税理士業界からの評価もわかるはずです。
ある程度の評価は受けられるような気がします。
駄目だとしたら、
・人柄・ポテンシャルが足りないと思われるケース か、
・お住いの地方では適当な求人がないケースでしょう。

最近は、地方の疲弊が止まりません。その中でも中小企業の衰退は進んでいます。
地方の税理士業務は大都市圏よりも厳しいでしょう。
希様も、場合によっては首都圏など、大都市圏に来た方が良いかもしれません。


A.2
大学院は、あまり知られていませんが、実は大学を卒業しなくても入学できます。
大学院が個別の入学資格審査により認めれば(中卒でも)入学できます。
ただし、個別の入学資格審査を実施するか否かなどは、各大学の判断となっておりますので、実際に受験資格が認められるか否かは各大学にお問い合わせ下さい。

首都圏なら、働きながら週末・夜間で通える大学院がいくつもあります。
このため、一部の大学院から、税理士試験の2科目合格者について入学資格審査の推薦依頼が私の所にも来ています。
大学院も受験生確保に必死です。

なお、通信制の東亜大学院は有名ですが、
入試倍率は3倍程度と高いし、なかなか大変とお聞きしています。
実際に通える大学院の方が、やはり修了するのは楽でしょう。

=============
税理士法人TOTALでは、東亜の通信制大学院1名を含む4名が、働きながら大学院に通っています。
=============




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2016年03月19日

税理士法人とコンサルティング会社

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

経営コンサルタント、ショーンK(こと川上伸一郎)さんの学歴詐称が問題になっています。
テンプル大学卒、ハーバード大学院MBAではなく、
日本の高卒、ハーバードの誰でも受講できるオープンコースを受講しただけだったとのこと。
コンサルタントにとっては、学歴は大事な看板です。
「これはダメ」(by加藤浩次)ですね。

ただ、事実を認めて謝罪したので、落ち着いたらやり直してほしいものです。

税理士業界でも、
早稲田大学卒や 慶応大学大学院法学研究科修了としていながら
税理士なら受講できる「税理士のための法律講座」を修了しただけの方もいます。
(学生時代の話が、まるでかみ合わないのでわかったりしました)
一定規模の税理士事務所・税理士法人のトップだったり、
セミナーをする上でかっこ悪かったのでしょうが、
学歴誤認を狙って意図的に使うのはやはり、
「これはダメ」でしょう。

もっとも、学歴コンプレックスは私にもありますね。
息子にはできれば、東大に行ってほしいなあ。

参考)「税理士の学歴


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モリオ様からのお問合せです。

■年齢 26歳
■性別 男性
■資格 簿記論 財務諸表論
■職歴 なし
■学歴 MARCH
■会計事務所経験 アルバイト経験二年
■居住地 関東

こんにちは。
いつも参考にさせてもらっております。
高橋先生お世話になります。
1つ御相談があるのですが、

卒業後今年で三年専念になりますのでどこか就職を考えております。

Q.1
もし、税法の合格がならなかった場合にはどのくらいの規模の税理士法人に就職するのがいいのでしょうか?

Q.2
また、コンサルティング会社の就職も選択肢としても考えております。
会計業界でのコンサルティングでの職歴の価値はどのぐらいなのでしょうか?

Q.3
コンサルティング会社に三年勤務したら29になりますが、そこから税理士法人に転職は容易でしょうか??

1つ参考にアドバイスをご頂戴いただければと思います。

A.1
2016年3月現在、会計事務所の労働市場は極端な売り手市場です。

税理士試験受験生の減少は深刻で、心配しなくても実務経験がある20代後半の2科目持ちの方は、
履歴書を送れば、うちはもちろん、BIG4クラスを含むたいがいの税理士法人で採用面接に呼ばれます。

もっとも、実際に採用されるかどうかは、その税理士法人が求めるものによって違います。
面接に呼ばれて不採用だとしたら税法の合格がないせいではありません。
(そもそも税法合格者しか採用しないなら、わざわざ面接に呼びません)
コミュニケーションの質、ポテンシャル、税理士法人との相性等が合っていないと判断されると不採用になるでしょう。このため、一年余計に勉強して、税法に合格しても採用されないことが多くなります。

はじめての就職 税理士事務所編
をじっくりお読みください。

3年受験専念なら受験仲間も多いでしょうし、アルバイトした税理士事務所でも一定の情報を得られるし、肌で感じたものもあるでしょう。
ご自身のライフプランにあった税理士法人を選べばいいと思います。

個人的なお勧めは、まずは税理士試験と仕事の両立のため
 ・超激務でない(3科目持ちではないので)
 ・受験は支援してくれる
 ・いざとなったら大学院に通える
 ・家から近い
税理士法人です。

社会人経験がないため、業務やビジネスマナーについて社員教育がある程度できる規模が望ましいので
規模的には、東京なら100人級以上、
(100人以上の組織は、機能分化し、教育機能の専門化が進みます)
東京以外なら県内1、2位の規模の税理士法人がお勧めになります。

規模がそれよりも一回り小さい場合は、
ツールが足りなくてもマンパワーで教育が出来る
社歴が長く安定している税理士法人がお勧めです。

教育が足りない税理士法人の場合は、
書籍等で補ってくださいね。


A.2
コンサルティングの定義はあいまいです。
戦略コンサル、ITコンサル、業界特化コンサル、国内独立系コンサル、人事コンサル、WEBコンサル、そして財務コンサル等

会計業界でのコンサルティングでの職歴の価値は、それぞれ違います。
この中で比較的評価が高いのは、
・戦略コンサル(学歴≒頭が良く、かつハードワークで鍛えられている)
・ITコンサル(税理士法人のITリテラシーは高くない)
でしょうか。
それ以外のコンサルティングの価値は、
一部には、コンサルティングの即戦力として歓迎する税理士法人もありますし、
逆に、くせがあって使いにくいと敬遠する税理士法人もあるでしょう。
一般的には会計業界では、その分野の知識にたけている、又はフレームワークを習ってきた という程度の評価になります。

=============
税理士法人TOTALには、世界的な戦略コンサルティング会社で長期間勤務経験があるスタッフがいます。
動きの速さ・正確さ、詰め方、相手への合わせ方などは、
さすがコンサルだなあと感心させられます。
=============

税理士業界が行うコンサルティングは、ほとんど財務コンサルです。
財務コンサルと税理士業務は親和性が高いですが、
財務コンサルティング会社に行ってから税理士法人に入るくらいなら、
最初から税理士法人に入った方がキャリアロスは少ないでしょう。
(基本になるのが会計・税務)

A.3
税理士法人 → コンサルテイング会社 はそれなりにいます。
コンサルティング会社 → 税理士法人 はあまりいません。
残念ながら、コンサルティング業界の方が給料が高いことが多いですから。

もっとも、
税理士法人 → コンサルテイング会社 → 税理士法人 
のいわゆる 出戻り もみかけます。
コンサル会社は単発案件が多く狩猟的 で、
継続的・安定的に人間関係を築く税理士業務
と違うので、仕事が合う・合わないは個人差があります。

コンサルティング会社に三年勤務、
29歳 2科目持ち以上なら、
転職は、若さや素直さがなくなった分だけ、今より少しだけきびしい程度でしょう。
もしかしたらBIG4は3科目持ちになっていないと厳しいかもしれません。
(今からその時点を予測するのは正確ではありません)
BIG4以外の税理士法人への転職は容易だと思います。

=============
私の経営コンサルティングに対する想いは

税理士の経営コンサルティング
=============




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2016年03月13日

地方銀行出身者の税理士事務所への転職

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

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金融マン様からのお問合せです。

■年齢 27歳
■性別 男性
■資格 簿記2級、FP2級等金融系資格他
■職歴 地方銀行にて、5年勤務
    法人営業、個人営業の経験あり
■学歴 関関同立
■会計事務所経験 なし
■居住地 関西

初めまして。進路に関して大変悩んでおり、アドバイスを頂戴出来ればと思いご連絡させていただきました。

大学を卒業し、銀行に5年勤務しました。この3月で銀行を退職し、8月の試験(簿財2科目)に専念する予定でおります。その後、9月より転職を考えております。

Q.
以下選択肢で迷っており、ご助言を頂戴出来ればと存じます。
銀行勤務という経歴を活かし多少の年収の低さには目をつぶり会計事務所にて勤務
銀行時代に引き抜きの誘いがあった医療業界(機器の営業)への転職し、年収を確保した上で科目を揃える

私の中では、税理士事務所の開業を将来的に視野に入れております。しかしながら、現時点で科目保有しておらず、会計事務所の未経験となれば給与も安く、不安もあります。
一方で、医療業界であれば年収が期待できる利点があるものの全くの他業種ということで、最終点から逆算したときの不安もあります。

高橋様のブログ等を拝見しておりますと、税理士社員になるのは2科目合格をしてからにすべきとの意見もございますが、如何でしょうか?

確定申告の時期に大変ご多忙のところ恐れ入りますが、ご連絡お待ちしております。

A.
金融マン様は、3月末退職ですから、おそらくもう 辞表(退職届)は出されていることと思います。

難しい選択で、悩まれる気持ちもよくわかります。
税理士事務所の給料は、入社当初は安いです。
専門職・職人の世界なので、技術や経験が必要なため、
会計事務所未経験者の評価は、新卒と大して変わりません。
未経験者の給料は、入社後は5年くらいは徐々に確実に上がります。
ただし、教育をしてくれる事務所、税理士試験を支援してくれる事務所は残念ながら少ないのが実情です。
多くの零細税理士事務所は、そもそも教育システムを整える余裕がないし、
中堅以上の税理士法人は、厳しい競争のため ゆっくり税理士試験にかまっていられないのです。
このため、3〜5年安定して同じ職場にいないことが多く、
短期で転職すると給料も上がりません。

参照)「税理士事務所・会計事務所の給与水準


税理士試験と仕事の両立は大変です。

税理士試験が合わなくて税理士になりそびれた

では、安定した大企業の職を失う損失は大きいです。


2科目合格で、税法も勉強したら、
税理士試験の難易度はほぼ正確にわかるでしょうし
いざとなれば、大学院に進学すれば週一科目合格で税理士になれます。
このため、2科目合格後の就職を私は勧めています。
(在職中に勉強してみて合わないと感じた方や)
受験に専念して2年で2科目合格できないようなら
税理士事務所への転職はやめた方が良いかもしれません。

地方銀行をはじめとした金融機関からの転職者は、税理士事務所には多いです。
(税理士法人TOTALでは10人以上います)
継続した人間関係を築き、法人経営者や個人資産家に対するルートセールスを行うという点が似ています。
金融の知識はもちろん、コミュニケーション的にも会計事務所の即戦力です。
税理士の方が、地銀よりもさらに密接に中小企業の社長とはおつきあいすることができます。

=============
税理士法人TOTALでは、金融機関のうち地方銀行出身者の男性は2名ですが、
3科目合格等で入社、税理士法人TOTALに在職中に30歳前後で二人とも官報合格、
今も主力で頑張ってくれています。
=============

税理士業界に転職するメリットは
・社会的には「先生」と呼ばれ一定の評価をいただける
・「ありがとう」と感謝されることが多い
・お客様とベクトルおおむね一致しているのでWIN-WINの関係が築きやすい
・技術と経験の蓄積が必要なので長く働ける
(70代の「老害」が目立つとも言われていますが)
・人間関係と経験で50歳を過ぎても仕事の評価が下がらない
・独立することができる
・勤務しても一定の給料は確保できる
・営業ノルマがない
・家庭環境に応じて働き方を変えやすい(女性)
・国家財政の基本となる「税金」関係のため仕事が安定している
・どこの地域・場所でもある仕事である
・30代以降でも転職がしやすい
などでしょうか。

これに対して、医療業界(機器の営業)は、
営業結果さえ出せれば会計事務所よりも給料は高いと思います。
医療に付随する業界は、
命に係わるし、高齢化も進み、しばらくは数少ない成長産業でもあります。

ただ、地方銀行出身の受験生の転職先として、医療営業は次の2点が懸念されます。
(1)コミュニケーションの質は、よりていねいに下から行かなくてはいけない。
地方銀行は(会計業界も)、お客様との関係がフラットかやや上からのコミュニケーションになります。
お客様の方から気をつかっていただけます。
これに対して医療の業界は独特です。
感覚的ですが、
院長>(他の医師)>>看護士(=税理士・金融機関)>>>医療事務等>>>医療営業マン
です。
病院に出入りなさっているMR(医薬情報担当者 医薬品メーカーの営業)の方の細かい気遣い、苦労をみていると頭が下がります。
もっとも、金融マン様は、ヘッドハントされたくらいですから向いていると判断されているのでしょう。

(2)税理士試験の勉強はしにくいと思われる
営業マンである以上、ノルマは必須で、高い給与には営業成績という数字の裏付けが必要です。
中途入社なら、新卒と違って早く結果を出さなくてはいけないというプレッシャーもきついでしょう。
また、医師という専門職にお話を聞いていただくためには、医療関係の知識を出来るだけ早く大量に覚える必要があります。
税理士試験の税法科目は、細かい知識を膨大に正確に覚えることを要求されます。
税理士試験の税法の理論暗記と医療営業の仕事を並行するのが容易とは思えません。

また、税理士試験を4月からの専念で2科目合格するのは意外と大変なはずです。
他の受験生の多くは、前年の9月から勉強しているのですから。

個人的には,皚△皀團鵑箸ません。

,任蓮働きながら税理士になるのに時間がかかりすぎて気持ちが持たないかもしれません。
金融マン様が当分結婚予定がなく、
税理士の「独立」が第一目標で、組織に所属し続けることが窮屈で、
今夏の税理士試験が向いていると感じたら、
今年の9月に就職せずに来年まで受験に専念し、
3科目合格以上を目指す。
来年の試験後に税理士事務所に就職するのが税理士になるには早いと思います。

△任蓮営業と受験勉強の両立が問題になります。
もし、金融マン様が既婚者(または 結婚予定が近い)なら、
夏まで税理士試験を受けて、税理士試験を簡単だと思わなければ、
税理士試験のことは当面忘れて、医療機器営業で本気で働いた方が良いかもしれません。

その他にも(簡単ではありませんが)地方銀行に復職したり、他の地方銀行に転職して働きながら税理士試験を受ける方法だって考えられます。

仕事にはそれぞれに良い点も、悪い点もあります。
税理士も、医療営業も、地方銀行もそれは同じです。

金融マン様が、何を求めて、何のために転職するか、
また、家庭の状況等でも 結論は変わります。

あまりお役にたたない意見ですみません。
地方銀行の退職が決まった以上、
夏までは全力で悔いが残らないように勉強して、
試験が終わったら、手ごたえと相談しつつ、
自分の人生の優先順位を考えてみてください。

=============
税理士は、仕事柄、金融機関の方とお話しすることも多いです。

以前は、支店長は私より年上で、銀行の役員さんより若いスタッフの方と話す方が気が楽でした。

担当者だった方の中には支店長になられた方もいます。
最近では、支店長が年下のことも多く、かえって気を遣っていただいています。
いつの間にか、支店長や役員の方とお話する方が楽しいと感じる自分に気が付かされます。

地銀の担当の方と、当社のスタッフが直接やり取りしていることの方が多くなりました。
月日が流れるのは早いですね。

スタッフの成長はうれしいですが、まだまだ負けられません。
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2016年02月27日

開業医の妻と税理士事務所への転職

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

新たなご質問はここをクリック

ぶるー様からのお問合せです。
■年齢 25歳
■性別 女 
■資格 簿記3級、通関士試験
     消費税法・国税徴収法を今年受験予定
■職歴 アパレル販売員(アルバイト)5年
     昨年秋に転職し、現在は中小企業で経理・事務
■学歴 MARCH
■会計事務所経験 無し
■居住地 東京

初めまして。
税理士業界のことについて調べておりましたら、このページに辿り着きました。

私が税理士を受験してみようと思い立ったのは去年の暮れです。
簿記の知識もほとんどなかったため、予備校の1月開講で無理なく受験できそうな、消費税法と国税徴収法を選択しました。
夏にこの2つを受験し、9月から簿財の勉強をするつもりです。

私は独立思考もありませんし、大きい法人でバリバリ働きたいというわけでもありません。

しかし、将来開業医を継ぐことになる男性との結婚が決まり、何か役に立つことを勉強したいなと思った次第です。

また、身内に会社を経営している者がおり、(現在はそこの経理をお手伝いしています)そこにも役立つかなと思ったので勉強しています。

しかし、勉強して官報を目指すからには、やはり税理士登録をしたいと思うのですが、現状、実務経験がありません。

また、大学卒業後、アルバイトをしつつ親の経営する事業を手伝っていたりした関係で、正社員として企業に就職した経験もありません。

通関士資格も持っていますが、こちらも実務経験はないのでプラス材料にはならないかと思います。

Q.1
このような状況で、私が目指せる税理士事務所はどのようなところになるでしょうか。

Q.2
今のところ、来年の夏に簿財を受験してからの転職を考えておりますが
、(消国受験だけでは就職も不利だと思いますし、とりあえずは勉強に専念したいので)
この点に関してはどうお考えでしょうか。

長くなりましたが、アドバイスいただけたらと思います。
よろしくお願いいたします。

A.1
ぶるー様の場合、
開業医の妻という立場になります。
そのことを念頭に文章を書いてみます。

税理士は、色々な産業を見ます。私は現在も数百社の決算打ち合わせを担当していますし、それ以外の会社・事業所の数値をチェックしています。
また、国税庁のデータにも目を通すようにしています。

その中で、開業医はすべての産業中、もっとも安定して高額所得です。
40歳前後で開業して3年もすれば、所得2000万円以上の人ばかりになります。
落ち着くと青色事業専従者給与と合わせて5000万円近く稼ぐ人が増えて、節税のために医療法人成りします。
人(医者)を使えて、分院を作ったり、大きな病院にすると法人所得と合わせて1億円以上稼ぐ方もでてきます。

これだけ高額所得なら、医者を目指す人が増えます。
(個人的には、理数系の頭脳があまりにも多く医師を目指す風潮は社会的な損失だし、研究者・エンジニア・官僚等
社会の発展に貢献できる仕事もあるように思いますが)
そうすると難易度は上がり、
関東の国立の医学部は、東大よりも難関のところもあるし、
地方の国立大学でも東大に準ずるレベル、
以前はお金さえ出せれば幅広く入れた下位の私立医大でも今では早慶の下位学部よりは難しくなっています。
寄付金を積んでも補欠でさえもなかなか合格しません。
私立と国立ではかかる金額も違い、大学6年間だけでも下位私大なら4000万円かかるでしょう。
地方国立なら、私大より学費が安いので合格祝いに大学近くの駅前にマンションを買う医師家庭も多いです。

また、私立・国立のいわゆる名門中高一貫校出身者の占める比率が高く、
東京大学で医学部に進学する理科三類にいたっては
出身高校は灘、開成、筑波大学附属駒場、桜蔭の4校だけで全体の半分
2名以上の合格者を出しているのは、すべて私立・国立中高一貫校になります。
普通に高校受験で都立、県立の高校を受験していては、天才かよほど意志の強い秀才以外は、東大医学部には入れません。
(地方国立医学部は、地域枠の推薦・優遇がありそこまで大変ではありません)

こうなると確実に名門中高一貫校に入学するための早期教育が発達し、幼児期からの英才教育をしているママも多く、
(東大理靴忙或佑了劼鮃膤覆気擦榛監ママは、幼児期に絵本を1万冊! 読み聞かせをしたそうです)
都内なら、場合によっては私立小学校の受験も視野に入ってきます。

多くのドクターは小さいころから勉強をしてきていますし、医者はみんな勉強ができるのです。
開業医のご家庭なら、このことを当然の前提として
奥様は、お子さんを医学部に合格させることがもっとも求められます。

このため、開業医の奥様は専業主婦率が極めて高く、お金のために働くことはほぼありません。
ぶるー様の親や身内の会社経営者の方は、おそらく趣味が仕事で、働き者の方が多いことと思います。
違和感があるかもしれませんが、子供の教育・管理が開業医の妻の仕事だとも言えます。
もっとも開業医の奥様は、聡明な女性も多く、
子育てが落ち着いてくると、
クリニック、病院の経営をお手伝いする方が増えてきます。
そのときには、お金まわりに明るいことは役に立つでしょう。

目指せる税理士事務所」ですか。
心配しなくても、税理士業界は人不足です。
MARCH卒、接客経験があるおしゃれな科目合格者を欲しい事務所は多いと思います。
給与水準さえこだわらなければ就職は問題ないでしょう。
(税理士法人TOTALでも欲しいタイプかもしれません。)

むしろ、ぶるー様が「目指すべき税理士事務所」は
(1)医療関連に比較的強い
 (身内のことを考えると、医療専門ではない方が良いのでしょう)
(2)住所地か住む予定のところに近く
(3)受験に理解があるか時短も認めてくれる
税理士法人でしょう。

医療関連は、特殊性が強くブランド力も必要なため、特定の会計事務所にお客様が集中しています。
(所長が高学歴か、医療関連の人脈があるかなど)
実際にどれくらいの数の医療関連のお客様の顧問をしているかを確認する必要があります。

=============
税理士法人TOTALは、代表社員二人が開成高校出身で、医療系に強いです。
医療系の専門チームを持ち、
開業支援だけでも、昨年は20クリニックの開院をお手伝いしました。
医療法人成り、労務手続き、給与計算、各種届出など、会計税務にとどまらず、TOTALグループで、バックオフィスのサポートを行っています。

参考)
医者と進学校 (中学受験は大変です)
=============

A.2
医師のご家庭では、「医師」という「資格」を評価します。
このため、親族も医師が多く、それ以外では「弁護士」なども見られます。
資格者という意味では「税理士」もそれに準ずるのでしょう。

ぶるー様は、税理士という「資格」の取得を優先しようとお考えなのでしょうか。

国税徴収法と消費税法ですか
早めの合格という意味では間違っていませんが
残念ですが開業医に一番縁のない税法科目です。

国税徴収法は滞納処分の際に使う法律です。
「つぶクリ」という言葉は、なかなかクリニックはつぶれないから存在するわけです。
(税理士法人TOTALのお客さまでは、高齢以外には廃業した医師はおられません)

消費税法も、社会保険診療が消費税非課税のため、
自由診療や大規模病院でないとあまり出てきません。

ご結婚が近いなら、
子供は授かりものです。
いつ産まれるかはわかりません。
子育てが始まると子供の教育が生活の中心になるので、
ゆっくり会計事務所で働き続けることはないような気がします。
資格取得のために実務経験を積むなら、むしろ出産前の今しかないかもしれません。

むしろ、夏には就職活動をすることをお勧めします。
医療系に強い事務所なら、他のクリニックや病院の経営を見ることもできますし、
医師との接し方を裏側から学ぶこともできます。
医療系専門の会計事務所での勤務経験は、医師の親戚付き合いの中でも生きる気がします。

=============
税理士法人TOTALは、逆に医師のご家庭出身者が比較的多く在籍しています。
医師の世界の文化をよく御存じなので、
医療系のお客様を担当してもらうことが多くなっています。
=============

税理士資格は、税法1科目さえ今年合格すれば
簿記論・財務諸表論を自力で合格し
(勤務中で足りなければ、子育て中でかまいません)
大学院に進学して経営を学びつつ税法免除を受ける方が楽な気がします。

来年夏まで勉強を続けるのを私がお勧めするのは、
彼が若すぎて結婚予定が3年後とか、出産は30歳まで待とうと決めているというようなケースです。
 
子は宝 です。
出産は幸せなことですし、周囲にも歓迎されるでしょう。

税理士になり親戚の役に立ち、自分の仕事を確立する一方で、
未来の旦那様にふさわしい、また、「嫁」としても評価してもらえる
税理士という資格・職歴も欲しいとお思いかもしれませんね。

開業医が妻に求めるのは、一般的には
 ・激務の医師を癒してくれる笑顔や気遣い、美貌
 ・子供の教育
 ・医師同士の交流に際しての教養やファッションセンス
 ・食事をはじめとした家事能力(外注・外食も可)
 ・経営を補助するための管理能力
などでしょうか。

なお、意外なことですが、
クリニックや病院の中には、事務が得意な人はほとんどいません。
「事務長」も気遣いができる方が選ばれており、事務処理能力が優れていることは多くありません。
事務が安定してできる ぶるー様はそれだけで開業医の経営の役に立ちます。


最後になりますが、ご結婚が決まり、

おめでとうございます

お幸せに!




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ご質問の前に、同様な質問が無いかご確認いただけると幸いです。
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記事を商業利用するには、高橋寿克の事前の明示許諾が必要です。
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2016年02月14日

大学院進学後中退者の税理士法人への就活

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

4月に向けて、採用活動を強化しています。
特に秋葉原、池袋、船橋駅前では人が足りません。
それ以外の本部も含めて、
いつでもご応募お待ちしています。


ご質問はここをクリック

たろう様からのお問合せです。
■年齢 23歳
■性別 男
■資格 簿記論・財表・消費税法
■職歴 なし
■学歴 国立文系卒(偏差値60程度)
■会計事務所経験 なし
■居住地 関西圏

始めまして。厳しい答えでも構いません。

大学在学中から税理士を目指し、簿財消の3科目に合格しました。大学卒業後は、税法免除を目的として、税法の教員のいる会計専門職大学院に進学しました。(現在1年次在学中です)

しかし、入学後、様々なハードルがあり、修士論文の作成による税法免除を諦めることとなりました。

理由としては以下の点があります。
・会計専門職大学院であるため、修士論文の作成が大学院の修了要件でないこと
・そのため、税法免除を大学院が想定しておらず、修士論文作成の適切な指導が受けられないこと
・過去にも多くの税理士志望の学生が論文作成を諦めていること

現在は、税法2科目(法人税法と国税徴収法)を勉強して、今年の試験での合格を目指しています。試験の辛さから安易に大学院免除に逃れた過去の自分や大学院選びを真剣に考えず、適当に決めてしまったことを大変後悔しています。

進学した以上は、大学院を修了しようと考えてきましたが、税法2科目の勉強と税理士試験に直結しない大学院の授業との両立に限界を感じています。そのため、中退して、8月まで受験専念してから、税理士法人に就職することを考えています。
(今年の試験で合格しなかった場合の怖さやプレッシャーもありますし、大学時代の友人が既に社会に出て働いていることにも焦りを感じています。)

Q.1
大学院の中退(新卒切符を捨てること)は就活に大きくマイナスでしょうか?

Q.2
23歳、簿財消合格済みの税理士業界の就活における価値はどの程度でしょうか?

よろしくお願いします。

A.1
一般企業への就職を考える場合は、おそらく大きなマイナスでしょう。
きちんとものごとをやり遂げられない、事前に調べて論理的な判断をすることができないという評価をされるかもしれません(総合職に求められる資質です)。
新卒切符を捨てることは、新卒一括採用を行っていて、プロパー優先で中途採用や敗者復活戦が少ない大企業にとっては大きなチャンスを失うことを意味します。

税理士業界では全く問題ありません。

新卒でそのまま大学院に進学する人を、
試験の辛さから安易に大学院免除に逃れ、
世の中をなめていると嫌う傾向がある業界です。

新卒から大学院に進んで免除を受けた人をプラス評価するのは、
激務で勉強をさせられないし、大企業相手でお客様との接点が少ないために挫折経験が要らない
BIG4(4大税理士法人)や監査法人系準大手税理士法人くらいでしょう。

大学院免除よりは、
税理士試験を真面目に勉強して合格を目指す人を高く評価する税理士法人・税理士事務所の方が多いと思います。

=============
税理士法人TOTALでも、新卒大学院進学直行組よりは、学部卒3科目の人を評価します。
新卒大学院進学での免除者は、他の会計事務所の経験をした方を採用することが多いのが実情です。
(1カ所目の会計事務所で比較的短期間で挫折してくる方も多いのですが、うちでは幸いにして頑張ってくれています)

順調に24歳で免除を受けて独立しても、20代半ばではお客様に選んでもらえません。
大学院免除を受けても、いずれ法人税・消費税・所得税・相続税の勉強をしないわけにはいきません。
それなら若いうちに少し苦しんだり挫折した方が、人を大きくし、中小企業の社長をお客様にする税理士業界には意味があると私は考えています。

もっとも、働きながら税理士試験が受からない年が何年も続いたら、大学院免除を受けることには反対しません。
税理士法人TOTALの場合、働きながら大学院に通学している人も多く、
どこの大学院が税法免除にどれくらい積極的か、どのくらい楽なのかといった情報は豊富です。
(さすがにインターネットには書きませんが)
30代のスタッフの中には、選抜の上、全額学費負担をしているケースもあります。

大学院進学は、あくまでも税理士資格を取るための手段だと割り切れればいいのですが、
面白い( ≒ 厳しい)授業とか、MBAで箔付けとか、もしかしたら公認会計士試験一部免除もとか
欲張ると、仕事との両立に苦しむことになります。

税理士法人TOTALは大学院進学者はいまのところ全員免除に成功していますが、
他の会計事務所の幹部の方の中には、
働きながら大学院免除を狙っていたのに論文が認められず免除を受けられなかった人もおられるとお聞きしているので注意は必要です(忙しすぎたせいかもしれませんが)。
=============

A.2
税理士業界は、ここ数年、受験生の恒常的な減少に伴う人不足に悩まされています。
23〜24歳で3科目持ち法人税法既習なら、スペック的には、BIG4を含むかなり多くの税理士法人で高評価です。

逆に、たろう様を評価しない税理士法人は、
(1)勉強を推奨しない税理士法人
 従業員10人に1人も税理士がいないところは疑った方が良いでしょう。

税理士の数は、日税連のHPで確認できます。
「税理士 検索」でページを出して
https://www.zeirishikensaku.jp/sch/zs_sch0.asp
「条件を指定して検索したい場合」の「税理士」を選択
https://www.zeirishikensaku.jp/sch/zs_sch3.asp
「事務所名」に就職希望会計事務所を入れればすべて出てきます。
(なお、ここでは登録していないいわゆる「税理士有資格者」は検索できません)

(2)家族経営の税理士法人
 税理士は代表者親子や夫婦だけ、法人とは名ばかりで資格を取ったら出ていってほしいと思っている場合はすぐに有資格者になる人は採用したくないでしょう。
従業員の人数の割に、男性税理士は代表者と同姓の人しかいなければこのパターンです。
(女性は結婚して別姓もありえます)

(3)会計事務所経験者を育てられない税理士法人
 ・社会保険に最初2〜3か月は加入させない
  育たないで辞められる or 育てないで辞めさせる 
 ・やたらと会計事務所経験者ばかり取っているところ。
  採用ページが経験者歓迎を押し過ぎている
  スタッフ紹介で「会計事務所勤務を経て入所」の人が多すぎる、 

今年の試験で合格するつもりで、一生懸命勉強することはもちろん大事です。
でも、実際にはそんなに楽ではありませんし、ここで合格できなくても数年後でもそれこそ再度(今度は免除が楽な)大学院に進学すれば税理士に成れることは確定的です。

焦りもわかりますが、税理士業界では年齢的にも税理士試験の進捗的にも、たろう様か最も若くて順調な部類に属します。

今夏の税理士試験の
出来が良ければ,BIG4のような、新卒教育をして鍛えてくれる税理士法人でも良いですし
出来が良くなければ、落ち着いて勉強出来る環境がある税理士法人に就職することもできるでしょう。
もちろん、この機会に、関西を飛び出して、関東で働く選択だってかまいません。

まずは、税理士試験の合格目指して頑張ってください。



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資産税専門国税職員の税理士事務所就職

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。


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きよのすけ様からのお問合せです。
■年齢 40〜50代??
■性別 男性
■資格 税理士有資格
■職歴 国税職員 20年以上

ご意見を賜りたく存じます。

現役の国税職員ですが、税理士資格を有しています。
20年以上税務に携わっていますが、資産税の経験しかございません。
しかしながら、資産税一般実務、資産評価、税務訴訟及び国際資産税等、すべての資産税業務を経験しており、各分野で研修等の講師も務めたことがございます。

Q.
スキルや経験に偏りがありますが、ニーズはございますか。
なお、得意分野は、税務訴訟及び国際資産税実務です。

A.
税理士は、75000人以上いますが、
私のように税理士試験で合格する人(45.7%)と並んで、
試験免除者・税務署等出身特別試験合格者(41.9%)が多く、
その他は、 、公認会計士や弁護士などとなっています。

税務署出身者は、特別試験合格者はもちろん、
試験免除者も多く、税理士試験合格者に次ぐ勢力になっています。
税務署に23年以上勤務して一定の研修を受けると、税理士資格が自動的に付与されます。

税務署職員は、以前は定年の2年くらい前に退官するのが普通で、
退職金代わりに一定の法人顧客を税務署・国税局の退職の際に斡旋されていました。
「お2階さん(2階建て)を受け入れた優良申告法人には、厳しい税務調査はない」
 とか
「税務署出身者は税務調査が来にくい」
などと、当時は言われていました。
元署長・副署長を顧問税理士にしておけば税務調査が甘いというのでは税務行政の公平性に問題があります。
国会審議で天下りの一種として大問題になり、現在では斡旋が行われることはなくなりました。
(最近では、法人会ですら税務署長等との接触が減っています)

=============
私の勤務時代には、「お2階さん」と呼ばれる元税務署長の税理士が、私たちが作った申告書に はんこ だけ押しに来ていました。
また、独立した後も、地元の農協(JA)の顧問税理士になった元税務署長から、相続について聞かれたりしました。

(税務署長にまで出世なさる方は、国税局の税務調査で法人畑で結果を残された人が多く資産税出身者は少ないし、管理職として総務・管理が長く、税務実務からは離れていたのでやむをえませんが実務は苦手な人も多いようです)

昔は、盆暮れに税務署にビール券を持ち込む社長も多く、署内での飲み会に連日使われていたとお聞きしました。

いまではちょっと考えにくいことが行われていた時代もあったようです。
=============

今でも国税局OBの神通力に期待する悪質な脱税者もいるでしょうが、残念ながら?都市伝説に過ぎません。
元国税局長!(現場出身の最高ポストです)が脱税で逮捕されたり、
一昨年はマルサOBで元大規模署税務署長もラブホテル脱税で起訴されています。
昨年も、ネットで「節税」を売りにして集客していた元国税OBの税理士が、出会い系サイトの大規模脱税で摘発されています。
毎年国税OBが複数名逮捕・起訴されている状況です。架空のコンサルタント料の計上や、資料作成を主導、現役職員に賄賂をおくるなど、ずさんで悪質と言われても仕方がない脱税を行っていたようですが…。
これらを見る限り、少なくとも、税務署出身者だからといって、税務調査での手加減はなさそうです。
税務行政は、役所の中でもコンプライアンスを重視してかなり公平に行われているといってよいと思います。今後もその傾向は強まっていくでしょう。

斡旋がなくなった最近では、独立しても集客が難しいため税務署出身者の税理士登録は急速に減っています。
(代わって、大学院免除者の税理士登録が増えています)
税務署に定年まで残る人が普通になり、さらに定年後も年金の支給年齢の引き上げに伴い、勤務日数を減らして税務署で働く いわゆる「再任用」の方も増えています。
再任用には、元 特別国税調査官(特官)の腕が立つ人もいて、税務調査の現場でも目が笑っていなくてなかなか手ごわいし、勉強にもなります。

顔が利かなくても、税務署出身者の税理士には、
税務調査の経験が多く、事実認定の加減や税務行政の流れを知っているという職人としての価値・強みがあります。

(最近では、「税務調査に強い」とインターネットで売り出している若手税理士もいますが、率直に言ってかなり実力不足な方も多いように思います。
参照) 「税理士は、税務に関する法律家」
実務経験がものをいう職人技の世界で、さすがに若手でネット営業している人にはきびしいものがあります)



経験や勘で仕事をなさる税務職員も多いので、
訴訟や審判に耐えられる知識・経験があり、きちんと条文が読めて論理的に物事を考えられるきよのすけ様のような税務職員は貴少でしょう(税務署出身でなくても、得意な税理士は少ないのが実情です)。
さらに、需要が増えている資産税・国際課税に強い税務署出身者は、税理士法人でも引く手あまたでしょう。

なお、税務署の人事は、法人担当は法人税調査ばかり、資産税の人間は資産税ばかりなど偏るのが一般的ですよね。今までは、税理士業務は法人税の申告がメインだったので資産税に偏っているのは不利でした。
昨年の相続税法の改正により、需要が急速に拡大し資産税部門が強化する税理士法人も増えています。
一部の税理士事務所に資産税業務は集中していくでしょうから、そういうところを狙えば良いだけです。

オフショア脱税に対する国際社会の取り締まりも強化され、OECDを中心に税務に関する金融口座情報が自動的に交換される仕組み(多国間合意)も整ってきています。国際税務専門官等の専門家の育成は道半ばで若手・中堅を中心に教育を進めており、それに対応できるOB税理士は多くはないのは きよのすけ様の方がお詳しいはずです。

国税局の電話相談、税務署の審理担当、国税不服審判所の審判官、裁判所調査官への出向、税務大学校の講師経験などは、大手税理士法人や資産税専門税理士事務所にとっては高い評価になります。

きよのすけ様のキャリアは、国税庁の中では必ずしもメインの出世コースではないかもしれませんが
時代にピッタリ合っていて、ニーズもあるでしょう。


具体的な税理士事務所選びですが、

税理士事務所も徐々に、個性が際立ってきています。

・資産税に強い税理士事務所
・国際税務に強い税理士事務所 BIG4等
・医療系に強い税理士事務所
・税務調査対応に強い事務所
・飲食店専門の税理士事務所
・美容室専門の税理士事務所
・ベンチャーサポート税理士法人のように「起業支援」に強い税理士法人
(ベンチャーサポート税理士法人の社員税理士の
古尾谷先生には大変お世話になっています。
やさしくて包容力のある方です。仕事では熱血指導とお聞きしていますが。
ベンチャーサポート税理士法人の求人サイトはこちら」 )

インターネット時代なので、検索すれば絞り込みが容易です。
ただ、あくまで広告なので、内容が本物かどうかは見極めが必要です。
安心してください。ベンチャーさんは本物ですよ (*^_^*)

会計事務所の規模別・種類別の特徴
もご覧ください。

また、人材ドラフトや、国税OBの紹介システム等に登録するのも有効でしょう。

=============
税理士法人TOTALでも、数年前に元国税局長に、
資産税の実務に精通して、条文・判例を読めて法解釈に強い国税OBの税理士を紹介していただきました。
資産税案件のチェック(土地の評価や資金移動等)や意見書作成をお願いしています。
業務品質の向上に大変役立っていますし、他のスタッフには良い刺激になって人材の育成にもつながっています。

国際税務は、BIG4等大手税理士法人出身の経験者、USCPA有資格者 及び 海外勤務経験がある語学堪能な者等で行っています。
税務調査時に、誠実で技術がしっかりしている再任用の方を見極めてリクルートしようとしていますが、
国際税務が今後もっと増えるようなら、国税OBの方をまた元国税局長に紹介していただく日が来るかもしれません。

TOTALグループは
起業から中堅企業への成長支援を軸に、
医療系と資産税の業務の標準化も進み、急速にお客様が増えています。
このあとは、国際業務も強化していきます。
TOTALという名に違わぬように欲張りに攻めます。
その方が色々なスタッフ、色々なお客様の成長を支援できて楽しいですから。

みんなちがって、みんないい
=============




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2016年02月11日

40歳未経験女性の税理士事務所就職

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

ご質問はここをクリック

はま娘 様からのお問合せです。
■年齢 40歳
■性別 女
■資格 簿記3級 現在2級取得中
■職歴 正社員にて営業事務/ 契約社員にて現場事務/現在は派遣にて総務事務(給与事務補佐含む)
■学歴 専門学校(事務系)
■会計事務所経験 無
■居住地 神奈川県

初めまして。
経理系の仕事にチャレンジしたく、簿記3級取得後、現在2級取得を目指しています。

現在は派遣にてちょっとした経理的な処理(支払いや請求発行)をやっています。

今後、経理や税理士・会計事務所で補佐的でも良いので、簿記資格が活かせる仕事をしていきたいと思っていますが、経理経験も無い、年齢的な面でも厳しい事は承知しています。(非正規からの正規雇用が望ましいですが、特にこだわってはいません)

Q.
2級取得後、何か勉強しておくと良い資格はありますか?
いろいろなサイトによると、1級より税理士の科目受験を奨める内容が多いのですが、専門卒で受験資格があるか?も曖昧です。(ちなみに日商簿記3級の授業は1年間、週1でありましたが…)
FPも気になっています。

A.
一般企業の経理についてはコメントする立場にありませんので税理士事務所について書かせていただきます。

1.資格の勉強
(1)税理士試験
残念ながら、はま娘さんは、
「法人又は事業を営む個人の会計に関する事務」(職歴)2年の職務経歴書がもらえないと税理士試験の受験資格がないかもしれません。

参照) 「税理士試験の受験資格

(2)FP
私自身、CFPを持っていますし、FPの勉強会(SG)に参加することもありますが、
生命保険の営業マンの信用補完のアクセサリーとしては意味がありますし、勉強もそれなりに面白いのですが、知識を広く浅くというスタイルなので会計事務所の内勤女性事務員に求められるものと違うので、税理士事務所の採用ではあまり評価されないでしょう。

(3)簿記1級
しいて言うと、はま娘様の場合は、この後勉強するなら 簿記1級でしょう。
(簿記1級は、大企業向きの工業簿記の原価計算の比率が高く、
商業簿記中心の税理士事務所には重すぎるのですが…)

他には法人税や消費税の実務講習のようなものもありますが、お金や時間をかけてもその分評価されるかは微妙です。

2.就職活動
私は、30代前半までにできるだけ勉強してほしいと思っていますが、
アラフォーになったら、勉強よりも、今までのキャリアを生かしていかに就職活動をするかの方が重要な気がします。

若いうちは、どこまで伸びるのか、ポテンシャルで人を評価しますが、
30代後半以降は、今まで何をやってきて、今後実際に何ができるかが問われます。

就職活動は、認識なさっているように楽ではありませんが、
確率を上げるためには、
(1)家の近くの会計事務所
安定した事務仕事なので、辞めない女性を求める会計事務所は多いです。
通勤30分以内の事務所なら辞めにくいので採用されやすくなります。

(2)年配の所長の会計事務所
若さを売りにしている事務所には採用されにくいですが、
年配の所長なら40歳の事務職経験者を求めているかもしれません。

(3)給与計算や事務代行もやっている総合事務所
会計事務所の中には、最近では給与計算に取り組む事務所も増えてきています。
また、事務代行として、経理だけでなく営業事務の一部や振込代行も行う事務所も増えています。
はま娘様の場合、経理は未経験ですが、給与や事務代行なら即戦力です。

最近はどこの事務所も人不足に悩んでいます。
経験者採用をあきらめて、新卒採用にチャレンジする事務所も増えています。
今後は、40代の女性事務員の採用を検討する事務所も増えてくるかもしれません。
あきらめずに就職活動を続けてみてください。

参照  「あきらめずに会計事務所に就職する方法

=============
TOTALグループは、「お客様訪問をする」スタッフは、未経験者の場合は受験スタッフ(受験生パートです)を除くと税理士試験2科目以上合格が基本になります。

バックオフィスも、経験者採用ができればいいのですが…、
大募集中ですが、どうしても不足します。
未経験でのバックオフィスの採用は、女性が多く、主として30代前半までの方を採用して総務・会計や給与入力から始まって、徐々に技術やコミュニケーションスキルを磨いてもらっています。バックオフィスは受験勉強よりも人柄とポテンシャルを重視しています。
新卒の方も、4月に去年に引き続き2名入社してくれます。若いスタッフと働くのを楽しみにしています。
=============



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2016年01月31日

税理士事務所の教育・管理と解雇

税理士事務所 求人・採用情報の
税理士法人TOTAL 高橋寿克です。

ご質問はここをクリック

ハジメ 様からのお問合せです。
■年齢 36歳
■性別 男
■資格 簿記2級(簿財を今年受験予定)
■職歴 接客業
■学歴 MARCH
■会計事務所経験 1ヶ月 正社員
■居住地 埼玉

こんにちは。
今年初めて税理士事務所で働くことになりました。
未経験で科目合格すらない自分を採用していたいて本当に感謝しているのですが、いろいろ不安もありご相談させていただきます。

現在の事務所は全員で7名の事務所です。所長は70歳前後の税理士で、とても穏やかな方です。実際に仕切っているのは40代前半の税理士ですが、ドライな感じです。

まず最初に雇用契約書や労働条件などの説明がないことに不安を覚えました。書面もありません。また入所してこの約1ヶ月は入力をしているのですが、ソフトの使い方や書類等の場所はもちろん、所内のルール等もほとんど説明はありません。わからないことは自分で調べ、過去のデータ等を参考に見よう見まねで入力してますが、どうしてもわからない時は恐る恐る質問する感じです。終わってもチェックすらない状態なので、正しくできているのかも不明です。

個人商店が多いこの業界ではよくあることだとは思いますが、一番の心配はミスなくできているのかもわからず、後々発覚して解雇されるのではないかということです。何も教えてもらえないままミスを重ね、わずか数ヶ月で解雇された話もよく聞きます。そこでご相談ですが、

Q.1
この業界では使い物にならないと思えばすぐ解雇といったことはよくありますか?

Q.2
仕事を早く覚える為に、申告や税の本などで勉強しようと思うのですが、何を優先的に覚えれば良いのかわかりません。使い物にならないと思われないように、特に最初は何を優先的にするのが良いと思われますか?

お忙しい中恐れ入りますが、よろしくお願いします。

A.1
入社当初ですぐ解雇する会計事務所は、少数ですがあります。
(どこも人不足ですから、「よく」はありません)

一つは、入社は広く受け入れて、試用期間(3か月くらい)中に判断しようという事務所です。
拡大中で人が不足しているので選別している余裕はないし、入社前はきちんと選別しようとしても限界があるから、まずはやる気がある人は入れてしまうというスタイルです。比較的、若い所長・代表者の税理士事務所、税理士法人に多くみられますが、かなり大手の税理士法人でもこの手法を使っているところもあります。
半分くらい試用期間で解雇している税理士法人もあるとお聞きしています。試用期間に社会保険加入しない場合はこのタイプの可能性も高いです。
その後のケアはもちろんされておられますので問題にはなっていません。こういう事務所では短期間での解雇は当然ですし、事務所の戦略でもあります。
(ちょっと違いますが、監査法人も入社は楽で、残るのはきついですよね)

もう一つは、若かったり、年輩でも感情の起伏が激しい所長の税理士事務所で、人の使い方・教育が下手で自律的に工夫できる人以外いらなかったり残れなかったり、勢いで辞めさせてしまうケースです。

年齢とともに人間関係・人の使い方を学ぶため、人を採用してきた50代以上の所長税理士の多くは、人柄が温厚な人格者になっていきます。ただ、そうはいっても70歳前後からは細かいことが出来ずに目も行き届かなくなり、技術的にも組織的にもきちんとした後継者がいないと事務所の存続が危ぶまれるようになります。

会計事務所が初めての方は、ご自身の条件がそろっているなら、組織化されて教育がしっかりしていて、勉強もできる良い税理士事務所を目指すべきですが、そんな事務所ばかりではありませんし倍率は高くなります。

次善の策は、従業員3人以上10人くらいまでで所長が50歳〜60代前半の穏やかな方の事務所になります。このタイプの事務所に入社した場合は、早めに科目をそろえて、3〜5年勤務の会計事務所経験者として(所長が65歳になる前に)他の中堅以上の税理士法人に転職することをおすすめします。

ハジメ 様の場合、所長は70歳前後で穏やかなので、よほど40代前半の税理士に嫌われない限り、すぐに解雇されることはないように思います。

=============
税理士法人TOTALは、採用は私と本部長が立ち会うことも多く、かなりていねいに行います。
どうやったらその方を採用できるかを考えて行うため面接が長くなってしまい、不採用の方にも期待させてしまうこともあり申し訳なく思っています。

入社後に上手くいかない方の場合、配置転換を行って適性を探ったり環境を変えてみる努力をしています。きちんとがんばってくれればある程度の時間の余裕は見ています。
このため、短期間での解雇はほぼありません。

逆に、前向きな努力を続けられない方にはきついかもしれませんし、短期間で自らおやめになる方は残念ながらおられます。
=============

A.2
従業員30人未満の事業所は、個人事業と言っていいでしょう。これは、税理士業界に限りません。
雇用契約書や労働条件などの説明がないのは普通です。就業規則だって、10人いないと労働基準監督署への提出義務もありません。実際には30人くらいまでは作ってもいないところがほとんどです。

業務の標準化も、10人までは、やる方が面倒です。
「前のを見てやっといて。どうしてもわからなかったら聞いてね。」
の方が全体としての効率がいいのです。

ソフトの使い方や書類等の場所といったことは説明されないのではなくて、チェックすらされないことも含めて、人によってバラバラでそもそも所内の統一のルールがないのかもしれません。
大手税理士法人でも、明るさ、熱意を前面に打ち出すような営業力が優先のところは業務の標準化はされていないところも多いです。営業は画一性よりも、機敏さや融通が求められるからでもあります。

未経験者にルールを教えず、教育せず、管理もしていないとしたら、その責任はハジメさんにはなく、事務所の体制の問題です。後からミスが発覚してもそれで解雇するのは明らかに不当ですし、そんな状態なら解雇される可能性は高くないような気もします。

会計業界は、入社当初1〜2年が一番大変です。業務に関する膨大な知識・情報が必要とされるのに、何も知らない状態で処理を任されたり外回りをしたりします。お客様はプロとしての結果を要求します。
自分で調べ、見よう見まねで処理し、チャックすらされない経験は、独立したり自分が責任をもって仕事をするときの役に立ちます。

今、一番理解してほしい、やってほしいのはコミュニケーションの質の向上です。
税理士業界の接客は、表面的・形式的なものよりはトップセールスマンである中小企業の社長に合った、速くて計算されたコミュニケーションを要求されます。事務所内でもこのコミュニケーションが使われています。言葉はていねいでも、素早くて簡略化されたコミュニケーションです。
これさえできれば、番頭(お局?)税理士に気に入られて、教えてもらったり聞きやすくなったります。
前職の接客業にもよりますが、それを学ばないと、いつか番頭税理士に嫌われるかもしれません。
上司に聞くには、聞くタイミングや手法、話し方も重要になります。無駄に上司にだらだらと時間を浪費させると最悪です。

体系的に勉強しようとしたら知識はあまりにも膨大です。税務だけでも3年や5年はかかります。
社内のマニュアルがないとしたら、税務署が出している法人税や消費税の申告書作成のための手引き書あたりを読むのが良いでしょう。初心者・経理担当者向けのうすめの本をさっと読んでも構いません。
あとは、実際に出てきた問題を一つずつていねいに専門書等で調べてこなして行くだけです。

それ以外では、ぜひ税理士試験の勉強をすべきです。税理士試験の勉強は、簿記論、財務諸表論、法人税法、消費税法、所得税法、相続税法は、受験生が思うよりはるかに実務に直結しています。

ハジメさんの事務所の場合、残念ですが、数年後に状況がうまくいかなくなっている可能性がありそうなので、転職する機会があるかもしれません。その際の評価は合格科目数と会計事務所経験年数になります。
仕事と税理士試験の受験の両立は大変ですが頑張ってください。

=============
税理士法人TOTALは、業務の標準化を徹底して進めています。
入社時の研修資料は多いですし、毎週研修を行っています。
法人税の申告書を作るだけでも20ページ800項目のチェックリストを3人がチェックしています。
入社後しばらくは大変ですが、慣れれば楽になります。

管理・教育体制もかなり見えてきました。
管理に適した人材、教育ができる人材も多く恵まれています。
あと1〜2年で、きちんと整えるのが現在の私の課題です。
=============



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